就職氷河期世代は優秀なのか?その理由やバブル世代との比較を徹底解説!
就職氷河期世代とは1990年代前半〜2000年代前半の新卒としての就職が困難だった世代のことで非正規雇用として働く人が多い年代のことを指します。この記事ではこの世代の概要・性格・特徴などを紹介します。恵まれない環境で働くことが多い分能力が高く若手世代が学ぶべき事も多いので、当記事をぜひご一読下さい。
就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、1993年〜2005年頃に中学・高校・大学の卒業を迎え、企業などへの就職を迎えた人のことを言います。
しかし、いまその前提が変わろうとしています。コロナ禍で採用人数縮小の被害にあった人たちも就職氷河期を迎え、売り手市場から買い手市場に突入しようとしているのです。詳しくは以下記事をご参考ください。
この記事ではこの週諸侯氷河期世代の特徴・性格・バブル世代との違いなどを紹介します。
就職氷河期は1993年から2005年
「就職氷河期」とは、1993年〜2005年の就職難が深刻化した年代のことです。1991年に始まった日本のバブル崩壊の影響で景気後退が長期化し、企業が新規雇用を手控えたことで生まれた世代のことを言います。
1993年以降、求職者一人あたりの求人情報数である「有効求人倍率」が1倍を切り、働きたくても働けない労働者が急増しました。
1994年には「就職氷河期」という言葉が、ユーキャンの「新語・流行語大賞」にも選出され、世間的にもこの言葉が浸透しました。就職先を探すことが難しくなっていることが一般的にも強く認知されました。
就職氷河期の時代背景
日本が「就職氷河期」になってしまった背景には、以下の3つの要素があります。
- バブル期の過剰採用
- バブル崩壊
- 不良債権処理の難航による金融機関の破綻
就職氷河期の前には株価や不動産などの価値の異常な上昇に沸いた「バブル期」がありました。1986年から1990年頃のバブル期には、好調(異常)な好景気に対応するために企業が必要以上に正社員の採用を行っていました。
しかしバブル崩壊後、景気が後退したことで必要以上に従業員を雇用していた企業がリストラや新規雇用の手控えを行ったり、急激な不況によって不良債権が大量に発生しました。その回収ができない銀行が続々と破綻したことから就職先減少となりました。
就職氷河期の結果
1993年以降の就職氷河期によって、日本の失業率・有効求人倍率は下記のように推移していきました。
年代 | 失業率 | 有効求人倍率 |
1990年 | 2.1 | 1.40 |
1991年 | 2.1 | 1.40 |
1992年 | 2.2 | 1.08 |
1993年 | 2.5 | 0.76 |
1994年 | 2.9 | 0.64 |
1995年 | 3.2 | 0.63 |
1996年 | 3.4 | 0.70 |
1997年 | 3.4 | 0.72 |
1998年 | 4.1 | 0.53 |
1999年 | 4.7 | 0.48 |
2000年 | 4.7 | 0.59 |
2001年 | 5.0 | 0.59 |
2002年 | 5.4 | 0.54 |
2003年 | 5.4 | 0.64 |
2004年 | 4.7 | 0.83 |
2005年 | 4.4 | 0.95 |
参考:総務省統計局「労働力調査」
上記の表では就職氷河期直前の好景気の時期から就職氷河期の終了と言われる2005年までの失業率・有効求人倍率を記載しています。就職氷河期前は失業率は2.2%と低く、有効求人倍率も1.08倍のため、働こうと思えば職を探しやすい状況でした。
しかし就職氷河期に入った1993年から失業率の上昇・有効求人倍率の低下が見られ、「超氷河期」と言われた1998年頃〜2000年代には失業率は5%前後、有効求人倍率は常に1倍を切り、仕事が見つからない状況が続きました。
就職氷河期世代の特徴5選
ここで、就職氷河期世代の5つの特徴を紹介します。
就職氷河期の世代は、社会情勢の影響で仕事に恵まれなかった人が非常に多いため、経済的に厳しい環境に置かれた期間が非常に長いことが挙げられます。
その結果、新卒からの正社員雇用が難しく、キャリアも積めないため転職市場で不利になる傾向もあります。ここではその他の特徴も合わせて5つの特徴を紹介します。
特徴①|正社員が少ない
就職氷河期世代の1つ目の特徴は、正社員が少ないことです。
先述の通り、就職氷河期世代は中学・高校・大学卒業後に、正社員として企業に就職できなかった人が多い傾向があります。また、正社員としてキャリアをスタートできなかったことから、転職でも正社員雇用が難しい傾向があります。
ちなみに2019年4月から、就職氷河期世代の雇用に対応するため、就職氷河期世代で正規雇用経験のない社会人を雇用すると、企業に助成金が支払われる制度も設けられています。
特徴②|真面目
就職氷河期世代の爪の特徴は、真面目な性格の人が多いことです。
労働環境や給与に恵まれづらかった就職氷河期世代は、非正規雇用であっても、会社に貢献して正社員として雇用されることを目指したり、より採用されやすくなるために資格などを取得している人も多い傾向があります。
仕事に対する環境が恵まれなかったことから「もしも」の事態への対策をしている傾向があり、派手な印象が強い「バブル世代」の人と比べると真面目で実直な印象を持たれる傾向があります。
特徴③|自分に自信が持てない
就職氷河期世代の3つ目の特徴は、自分に自身が持てない人が多いことです。
これも就職や仕事に恵まれない事が多かった傾向があることから、責任ある仕事に付けずキャリアアップも上手くできないことから、仕事において自信を持てる機会が少なかった傾向があります。
また、非正規雇用としての就職が多いことで1つの企業で長期的に働くことで企業から評価されることも少なく、この点からも自分の社会人としての価値に自信を持てない傾向があります。
特徴④|収入が低い
4つ目の特徴は、収入が低いことです。
ここまでの解説からも想像できる通り、就職氷河期世代は非正規雇用が多く、契約社員・パート・アルバイトなどの雇用形態で働くことが多いので、昇給・昇進のチャンスが少ないです。
そのため、全体的に平均年収が低い傾向があります。また、昇進のチャンスにも恵まれないことから今後の収入アップも見込みづらい人が多い傾向もあります。
特徴⑤|独身・晩婚夫婦が多い
5つ目の特徴は、独身・晩婚夫婦が多いことです。
非正規雇用として就職する場合、契約社員であれば契約更新されなければ新たに仕事を探す必要があったり、アルバイトであれば昇給は見込まれず、ずっと低い給与のままである可能性が高まります。
そのため、結婚・出産・住宅購入・養育費など、必要経費がかさみやすい結婚に対して積極的になれない人も多く、独身の方や収入が安定してきた晩年に結婚する夫婦も多い傾向があります。
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監修者プロフィール
三浦拓巳みうらたくみ
1997年群馬県生まれ。20卒として就職活動を行う。就活中はエントリーシート15社中全て通過。大手広告会社志望から一転、スタートアップに内定を承諾。内定後は人材育成会社にて、エントリーシート、面接などの選考対策に従事し、約70人の生徒を担当。自身の就職活動での学びを活かし、教育事業に注力している。