社会人になり、ビジネスメールを書く機会が増えたことで、敬語の使い方について悩むことが多くなった方もいるかと思います。今回はそんな方のために、「お気をつけください」という表現について解説していきます。そもそもこの表現は敬語として正しいのか、またビジネスメールでの使い方について学習していきましょう。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
「お気をつけください」は正しい敬語か
「お気をつけください」は、ビジネスシーンだけでなく、レストランなどを始めとしたお店や病院、天気予報などでも耳にする、よく知られた表現です。
もしかしたら、これを読んでいる皆さんの中にも、学生時代にしていたアルバイトなどで実際に「お気をつけください」という言葉を使った経験がある方もいるかもしれません。
しかし、この「お気をつけください」は誤用されることもあるので、使い方には注意が必要です。
それでは早速、「お気をつけください」の正しい意味や使い方について確認していきましょう。
「お気をつけください」の意味
まずは言葉の成り立ちから見ていきましょう。「お気をつけください」は「気をつけて」の敬語表現です。
「気をつけて」は注意する、用心するという意味の「気をつける」に助詞「て」がついた形で、「注意してください、用心してください」といった、相手への呼びかけに使用します。
この「気をつけて」に「お〜ください」という敬語表現をつけることで、「お気をつけください」という言葉になります。
このときに注意しなければならないのは、「お〜ください」という敬語表現をつけることができるのは、名詞および形容詞のみという点です。
すなわち、「お気をつけ“て”ください」という表現は誤りになります。この誤用は意外と多いので、注意しましょう。
出典:「実用日本語表現辞典」
「お気をつけください」を使う相手
「お気をつけください」は目上の人や上司に使用できる表現です。
また、相手を気遣う思いやりを感じさせる言葉ですので、ビジネスメールなどにさり気なく使うことができると好印象でしょう。
なお、「お気をつけてください」を使用する場合、何に気をつけるべきなのか、あるいは気をつけて何をする必要があるのかといった対象を記すことを忘れないようにしましょう。「お気をつけください」は単体では使用することはできない表現です。
例えば、「お体にお気をつけください」や「足元にお気をつけください」あるいは「お気をつけてお越しください」といったように書くのが正しい使い方です。
「お気をつけください」を使った例文
続いては「お気をつけください」を使った例文をご紹介します。この表現が、一体どのような場面で使用できる表現なのか、学習していきましょう。
例文①|展示会当日は雪の予報となっておりますので、道中お気をつけてお越しくださいませ
道中(読み:どうちゅう)とは旅の途中を意味する言葉です。
耳慣れない言い回しに感じる方もいるかもしれませんが、展示会などのイベントに外部からの参加者を招く場合、招待状に例文のような形で用いることで、「(会場まで)気をつけて来てください」という意味になりますので、覚えておきましょう。
また、「お気をつけてお越しください」は敬語表現の「お」が2度出てくることから、二重敬語となり、誤用ではないかと感じる方もいるかもしれませんが、誤用ではありません。
二重敬語とはひとつの言葉に2つの敬語表現をつけてしまうことです。その観点で見てみると、この「お」は「気をつける」、「来る」という別の言葉に付属しているため、二重敬語とはならず、正しい使い方です。
例文②|インフルエンザが流行っておりますので、体調にはお気をつけください
この例文では、「お気をつけください」を相手の体調を気遣う意味で使用しています。実際に怪我や病気などで入院していた方に対して用いることはもちろん、年賀状などの挨拶状や一般的な手紙、メールの中で結びの言葉としても使える表現です。
また、例文ではインフルエンザになっていますが、この部分を「暑い日が続きますが」などに変えることで、1年中使うことができる言い回しになります。
また、このように相手の体調を気遣う意味の「お気をつけください」を用いたビジネスメールの例文を後ほどご紹介いたしますので、そちらも併せてご覧ください。
例文③|申込書に記入する際は、以下の点にお気をつけください
最後にご紹介するのは、相手に注意を促す「お気をつけください」の使い方です。
これ以外にも、「暗いので足元にお気をつけください」や「容器が熱くなるので、火傷にお気をつけください」などの形で、相手に注意を呼びかけることができます。
ビジネスシーンでもこうした使い方をすることがあります。こちらについても、後ほど例文をご紹介するので、参考にしてみてください。
「お気をつけください」の言い換え表現
続いては「お気をつけください」の言い換え表現についてです。
「お気をつけください」は相手への思いやりを表す言葉なので、積極的に使用していただいて問題ないのですが、毎回同じ表現ではスマートさに欠けます。そこで、本項では「お気をつけください」別の言い回しをご紹介しますので、状況に合わせていくつか使用できるようにしておきましょう。
表現①|ご自愛ください
「自愛」とは自分の体を大切にすることです。すなわち、「ご自愛ください」とは、お体を大切にしてくださいという意味になります。ちなみに、「お気をつけください」のように注意を促す意味はありません。
この表現は、目上の方に対して使うことができ、ビジネスシーンでも、そうでない場合でも使用することが可能です。
「ご自愛ください」は、例えば残暑見舞いの中で「まだまだ暑い日が続きますので、ご自愛ください」のように使います。
使用する際の注意点としては、「自愛」という言葉自体に「自分の体を大切にする」という意味があるため、「お体をご自愛ください」のように使うことはできないこと。また、現在体調を崩している方に使うことはできないことが挙げられます。
表現②|お大事になさってください
先ほどご紹介した「ご自愛ください」は体調を崩している人に対して使用することはできませんでしたが、こちらは体調を崩している人に対して使う言葉です。
風邪などをひいてしまった人に対して「お大事に」と声をかけることがあるかと思いますが、「お大事になさってください」はこの言葉の敬語表現です。
「お大事になさってください」の使用方法としては、体調を崩している本人に対して「風邪を召されたと聞きました。どうぞお大事になさってください」のように使う他、相手の家族に対して「お子様が体調を崩されていると伺いました。お大事になさってください」のように使用することもできます。
表現③|ご留意ください
「ご留意ください」は「心に留めておいてください」あるいは「注意してください」という意味の言葉です。
こちらは、先にご紹介した表現と同じく、相手の体調を気遣う意味と、相手に注意を促す意味の両方を持っています。ただし、相手に注意を促す意味で用いる場合は、目上の方に使用すると失礼ととられてしまう場合がありますので、避けた方が良いでしょう。
相手の体調を気遣う場合は「寒い日が続きますので、体調にはご留意ください」のように使用することができます。
「お気をつけください」を使ったビジネスメール例文
「お気をつけください」の意味についてご理解いただいたところで、続いては実際使用場面を見ていきましょう。
今回は「相手の体調を気遣う場合」と「相手に依頼・お願いをする場合」の2つのケースをご紹介していきますので、参考にしてみてください。
例文①|相手の体調を気遣う場合
まずは相手の体調を気遣う場合の例文を見ていきましょう。
下記は取引先の方が退院した際に送る、退院祝いのメールです。
件名「退院おめでとうございます(株式会社○○ 高橋より)」
株式会社△△ □□様
株式会社○○の高橋です。
この度はご退院おめでとうございます。
ご家族の皆様も、さぞ安心されたことと思います。
退院されたとはいえ、当面はご静養が必要かと存じますので、何卒ご無理などされませんよう、お体にお気をつけてお過ごしくださいませ。
まずはメールにて、退院のお祝いを申し上げます。
ーー
退院を祝うメール送るにあたっては、相手を気遣う気持ちが何よりも大切です。そのため、相手の負担になる長文のメールを送ったり、病状について詳しく尋ねたりするのはやめましょう。
また、死を連想させる言葉や、病気や怪我が「繰り返す」ことを連想させる「くれぐれも」、「ますます」といった重ね言葉は使用してはいけません。
例文②|相手に依頼・お願いをする場合
ビジネスをする上で、機密性の高い資料のやり取りをしなければならない場合もあるでしょう。
続いては、そんなときの例文です。
件名「プロジェクトA 詳細資料の送付」
株式会社○○ □□様
いつもお世話になっております。
△△株式会社の高橋です。
先日はプロジェクトAの打ち合わせにご参加いただき、誠にありがとうございました。
□□様にご出席いただきましたことで、打ち合わせを、非常に有意義なものにすることができました。
さて、打ち合わせにてお問い合わせいただきました、プロジェクトAに関する各種資料を添付にて送付いたしますので、ご確認いただきますようよろしくお願いいたします。
なお、お送りいたします資料は社外秘となっておりますので、取り扱いにあたっては、お気をつけいただきますようお願い申し上げます。
追加でご質問などございましたら、ご連絡くださいませ。
ーー
メールの相手に注意を促したいけれど、「気をつけてください」だと上から目線のように感じて違和感があるという方は、例文のように「お願い申し上げます」などの言葉をつけて、柔らかい言い方にするのが良いでしょう。
それ以外にも、「お気をつけいただけますと幸いです」や「お気をつけいただきたく存じます」といった言い回しをすることも可能です。
「お気をつけください」の英語表現
最後は「お気をつけください」の英語表現についてです。
今回はウェブリオ株式会社が運営するオンライン英語辞典「場面別・シーン別英語表現辞典」から「お気をつけください」の英語表現をいくつかピックアップしましたので、参考にしてみてください。
- Take care!
- Please take care of yourself.
Take careは英文メールの結びの言葉としても用いられる、カジュアルな表現です。日本語で言う「足元に気をつけて」のように、注意を促す意味はなく、相手の体調を気遣うときのみに用いられます。
このTake careをビジネスシーンで使える丁寧な表現にしたのが2つ目のPlease take care of yourselfで、日本語で言う「ご自愛ください」に相当します。
まとめ
「お気をつけください」は相手への思いやりを含んだ丁寧な表現です。「お体にお気をつけください」のように相手の体調を慮ったり、「道中お気をつけてお越しください」のように、配慮の気持ちから注意を促すときに用いることができるので、ビジネスメールで正しく使用することによって、相手に好印象を与えることができます。