激務な仕事の共通点|あなたの仕事が激務かどうかの見分け方

企業や職種によって、残業や休日出勤の時間が変わります。しかし残業が多くてもやりがいのある仕事に就いていれば、激務だとは感じにくいものです。そこで今回は激務の定義やそう定義される仕事の共通点、激務とされる職業などについて説明します。仕事選びの際の参考にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

激務の定義・基準

激務な仕事とは何か、激務な仕事といってもどこから激務といえるのか疑問に思っている人も多いのではないのでしょうか。

現在、日本では働き方改革が進められており、厚生労働省からも過労死ラインが公表されています。国の基準による激務の定義は、以下の通りです。

  • 月80時間以上の残業
  • 労使協定の限度を超える残業
  • 勤務時間外の接待がある
  • スケジュールやノルマに追われるストレス過多の状況

これに当てはまる場合は、激務であると考えられます。

激務な仕事の共通点

激務といわれる仕事には、業界や職種に関わらず共通点があります。そのため企業研究をする段階で予想することが可能です。

ここでは激務な仕事の共通点について、具体的に紹介します。

目次

正解がない

業務の進め方や内容の良し悪しについて正解がない仕事は、激務になる傾向が強いです。特に複数の上司に指示や決済を仰がなければならない職場だと、相手によって言われることが異なるため、何度もやり直しを余儀なくされるケースが多々見られます。

仕事のすべてをマニュアル化することはできませんが、職場の共通認識が暗黙のルールとしてできあがっていない仕事は予測が立てにくく、激務になる可能性があります。

板挟み構造

業務を遂行するうえで、現場と上司、あるいは上司とクライアントの板挟みになる仕事も激務になりがちです。

例えば工場の製造ラインを管理する仕事を例にあげると、設備に関するコストを下げたい上司と、現場の働きやすさが反比例することがあります。

この間の調整役という板挟み構造で業務を遂行する際には、両方の立場に対して説明や説得をする必要があるので、ストレスが溜まりがちです。

社内の説得が多い

業務を進めるにあたって、複数の部署にお伺いを立てなければならない仕事も、激務になりがちです。関連部署それぞれが自分たちの負担が軽減するやり方を求めるので、調整に時間がかかります。

さらに新規の顧客対応や提案を行いたいのに、社内の説得が多い場合はスピーディーな対応が難しくなります。その結果、失注することもありその穴埋めのためにさらなる激務をすることになりがちです。

労働集約型

仕事の能力には個人差があります。特に中小企業など職場の人数が少ない場合は業務を遂行するにあたり、優秀な人に仕事が集中しがちです。

自分の仕事だけでなく同僚や上司のサポートまで請け負う「労働集約型」の働き方を強いられている限り、労働時間を減らすのは難しいのが現実です。自分の仕事内容と給料が適性なのかどうかも、合わせて確認したいところです。

ノルマが多い

営業職や販売職の場合は、月間あるいは年間でのノルマが設定されることが多いです。この設定されたノルマが適正であれば問題ありませんが、会社の業績アップのために高い数字を設定するところも少なくありません。

過去の実績や新しい商品・サービスがあってのノルマアップであれば問題ありませんが、実現が難しい数字を一方的に押し付けてくる状態では、それを達成するために激務を余儀なくされます。

激務な業界・職業TOP10

世の中はブラック企業に対して厳しい目を向けるようになりましたが、業界や職種によっては改善が難しいものがあるのも現実です。

ここでは、激務と言われる業界や職種を具体的に紹介します。

①保育士

保育士の仕事が激務だと言われるのは、業務の幅広さと給料が見合わないからでしょう。

  • 拘束時間が長い
  • 休みが取りにくい
  • 子ども同士のトラブル対応が大変
  • 保護者とのやりとりに時間が取られる
  • 事務作業も多い

さらに保育士は子どもの年齢によって担当する人数も変わり、体力が必要です。以下の記事も参考にしてみてください。

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②証券会社

証券会社の営業職が激務と言われる理由は、以下の通りです。

  • 新規のアポがなかなかとれない
  • 営業ノルマがきつい
  • クラアントに損害を与えるリスクがあることがストレスになる
  • 数多くの金融商品を覚える必要がある

契約後に、客単価を上げることを求められる会社も多いようです。以下の記事も参考にしてみてください。

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③コンサルタント

人気の職業であるコンサルタントも、激務と言われています。その理由は、以下の通りです。

  • 資料作成やミーティングに時間がとられる
  • クライアントと関係を構築するのが難しい
  • コンサルティングする企業や業界の知識を得る時間が必要
  • 長時間労働しても評価されるとは限らない

コンサルタントの詳しい仕事内容等については以下の記事も参考にしてみてください。

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④人材コーディネーター

人材コーディネーターは、離職率が高いといわれる職種の一つです。考えられる理由は、以下の通りです。

  • 営業ノルマがきつい
  • 同業他社が多く差別化が難しい
  • 派遣先やスタッフによって休日出勤が増える
  • 残業や休日出勤が多い
  • トラブルやクレーム対応が大変

人材コーディネーターの仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑤公務員

国家公務員・地方公務員は安定性が高いため、志望者が多い仕事ですが、近年は退職者が増えています。

  • 所属部署によっては残業時間が多い
  • サービス残業が常態化している
  • 年功序列の職場環境
  • 災害や選挙などで予期せぬ出勤がある

公務員の仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑥システムエンジニア

システムエンジニアは「きつい」「厳しい」「帰れない」という、3K職種と言われています。

  • 慢性的な人手不足である
  • 人手不足でも納期短縮・厳守を求められる
  • たびたび仕様変更が起こる
  • 曜日や時間を問わずトラブル対応を余儀なくされる

システムエンジニアの仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑦警察官

公務員の中でも激務と言われるのが、警察官です。その理由として、以下のことが考えられます。

  • 勤務時間が長く変則的である
  • 事件が発生したら休日返上となる
  • 体力が不可欠
  • 被害者のケアなど精神的な負担も多い

警察官の仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑧MR

MRとは、製薬会社の営業職を指します。なぜ激務かという理由は、以下の通りです。

  • 医療関係者からぞんざいに扱われることが多い
  • 医療関係者がMRの価値を認めていない
  • 病院の都合に合わせるため勤務時間が長くなりがち

MRの仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑨商社・営業

商社の営業も、会社の規模や業界での立ち位置によっては激務になる可能性があります。

  • メーカー・サプライヤーとクライアントとの板挟みになることが多い
  • 接待や付き合いの飲み会が多い
  • 商品とクライアントの数が多い
  • 海外も含めて出張が必要

商社の営業間職の仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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⑩施工管理

東京オリンピックや大阪万博に向けて、施工管理の需要は高まっています。しかし激務であることは、否定できません。

  • トラブルに対処するための休日対応は当たり前
  • 作業関係者の人手不足により残業が増える
  • 様々な業者や作業員と関わるため、人間関係の構築と維持が大変

施工管理の仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

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その他の激務な仕事

top10で紹介した以外にも激務な仕事は数多くあります。

医者・看護師

医療従事者は総じて激務です。激務になる理由は人手不足と拘束時間の長さにあります。特に小児科や産婦人科などは中でも人手不足に悩まされており、激務となる傾向が高いです。夜勤も多いのも特徴です。

しかし、激務である反面、手当が厚く給料が比較的高いので、やりがいを感じることができる方には向いている職業だといえます。

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テレビ局

テレビ局のシステム上、24時間365日体制で稼働しています。テレビ局内でもニュースなどを担当する報道局はいつ起きるかわからない自然災害や事故の情報を即座に報道するため、待機しておく必要があります、そのため拘束時間が長くなってしまいます。

また、ADや若手の人材は情報収集や急な取材などに追われており、呼び出しも頻繁にあります。そのため、プライベートな時間を確保するのが難しく、公私混同する人が多いようです。

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アパレル関係

アパレル業界は一見華やかですが、その裏激務でもあります。アパレル店員は接客業なので、日中ずっと立ち仕事が多く体力的につらさを感じます。女性が多いので人間関係で苦労する人も多いようです。

また、店舗によっては休みが少なく、年末年始や連休時は稼ぎ時ということもあってなかなかゆっくり休むことができません。休みが友人や家族と被りにくいというのもストレスとなる要因でしょう。アパレル業界は激務なのに薄給なのも問題です。

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激務かつ薄給な業界に注意

激務でもそれに見合う給料が保証されていれば、モチベーションの高い人にとっては魅力的な仕事になります。しかし、激務かつ薄給な業界があることも事実です。

介護や保育といった福祉業界をはじめ、トラックやタクシーのドライバー、飲食店なども厳しい仕事に分類されるので注意が必要です。

激務かつ薄給な業界について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

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激務な企業の見分け方

業界全体的に激務なのではなく、企業の社風によって激務をしいられることになっている企業もあります。大手企業は近年労務管理を徹底していますが、中小企業は一概にそうとはいえません。

そこで激務な企業かどうかを見極める方法を、紹介します。

口コミサービスをみる

応募を検討している企業が激務かどうかを見るために、口コミサービスをチェックすることをおすすめします。その際、転職サイトでの口コミ情報を見ると尚よいでしょう。

転職サイトの口コミ情報を見る際には、コメントをしている人の入社日と退社日も必ずチェックしてください。その期間が短い人が多ければ、離職率が高いことを示しています。離職率が高い会社は激務であることが多いので、注意が必要です。

ビルの明かりを見に行く

応募を検討している企業が近くにある場合は、就業時間後にビルまで様子を見に行ってみましょう。遅い時間になっても窓の明かりが煌々とついてい企業は、残業をしているスタッフがいるということです。

日を改めて同じ時間に様子伺いをしても、遅い時間までビルの明かりがついているようなら、激務の可能性が高いといえます。

入社後のギャップを感じないために研究を重ねる

激務な仕事はある程度評判や企業研究で知ることができます。激務という心構えがあるかないかで、入社後に「こんなに激務だとは知らなかった」というミスマッチやギャップを感じずに済みます。

  • 自己分析を徹底する
  • 企業研究を重点的に行う
  • インターンに参加する
  • OB訪問で実情を知る

そのためには、上記のように事前に企業研究・業界研究・自己分析を徹底的にしておくと良いです。

【参考】「激務」の使い方・類語表現

上記では激務な仕事や業界について解説しましたが、言葉の意味として「激務」の使い方も解説します。

「激務」の意味・使い方

日本国語大辞典によりますと、以下のように定義されています。

【激務・劇務】はげしい務め。多忙な職務。(出典:日本国語大辞典)

使い方としては以下のような使用例があります。

  • 激務に倒れる
  • 激務が続いてストレスが溜まる

「激務」の類語

 激務の類語表現としては以下のようなものがあります。

  • ハードワーク 
  • 苦役
  • 重労働

 非常に大変な仕事の意味で使われているものが類語表現です。

「激務」の英語・例文

プログレッシブ和英中辞典によると、激務の英語表現には以下のようなものがあります。

  • hard work
  • strenuous work
  • demanding job
  • pressing duty
  • exhausting work

例文

  • 激務にあたる

undertake a demanding job(出典:プログレッシブ和英中辞典)

  • 毎日激務に追われている

I am extremely busy with pressing duties every day.(出典:プログレッシブ和英中辞典)

英語の場合、各表現に応じてニュアンスが少しづつ変わるので、文脈に適したものを選びましょう。

まとめ

人によっては、激務であることに辛さを感じないこともあります。自分の好きな仕事に就いている、あるいは激務に見合う報酬が得られる場合などです。

しかし、激務に追われることで心身が疲弊する人も少なくありません。自分の仕事に対する志向性や体力、ワーク・ライフ・バランスについて考えたうえで職業選択をするのがおすすめです。激務と言われる業界や職種を知ることで、より良い選択につなげてください。

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