商社業界は就活生の中でも特に人気がありますが、競争率が高いものの実際の業務がいまいちわかりにくいかもしれません。また、激務なイメージもありますが実情はどうなのでしょうか。今回は商社の仕事や働き方の全貌についてお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
商社とは
まずは商社の業務について簡単に把握しておきましょう。主な業務は以下の3つです。
- トレーディング
- 事業投資
- コーポレート
総合商社の場合、この3つ以外にもマーケティング業務やIT業務なども行っています。まずは商社の機能の核であるメイン業務について把握しておきましょう。
トレーディング
商社のメイン業務の1つがトレーディングです。金属や石油など、必要であるものの日本で入手できない物資は海外から調達しなければなりません。さまざまな企業の代わりに輸出入を代行するのが商社です。
輸入したものを国内で販売したり、海外での販売を代行したりと小売業や卸業も兼ねていることがあります。
事業投資
現在、総合商社の主な機能が事業投資です。子会社を設立して新規事業に投資したり、他企業に投資したりします。投資から貿易・販売につなげて商社自体のビジネスも拡大していくのが狙いです。
投資した先に商社の人間が出向することもよくあります。商社に行きたい場合は海外勤務を含む出向の可能性も加味しておきましょう。
コーポレート
商社はトレーディングや事業投資で利益を生んでおり、それらの部門をバックアップするのがコーポレート部門です。いわゆるバックオフィスと呼ばれる、人事・総務・財務・法務・広報・経営企画部のことを指します。
新卒社員の教育や銀行からの資金調達に加え、事業投資をする際の契約書を確認したり、法律に関するアドバイスをしたりなどと営業部門を支えています。
商社が激務と言われる理由
「商社を受けたい」と言うと、必ずと言っていいほど「激務だけど大丈夫?」と聞かれます。
なぜ商社は激務と言われるのでしょうか。その理由を5つ紹介します。
顧客とサプライヤーと社内で要求が異なり板挟みになる
商社は基本的に顧客とサプライヤーの2つの存在を仲介します。顧客の希望がサプライヤーに通らないことも多く、その交渉を代行しなければなりません。
それだけでなく、社内からの要求も加わります。合計3方向からの事情の板挟みになり、ストレスがかかるのも事実です。
海外との取引や会議が多く拘束時間が長い
総合商社・専門商社問わず商社の仕事は海外取引を伴うことが非常に多いのが特徴です。ルールが異なる外国との取引は骨が折れることが多く、スムーズに進まないことも当たり前です。
また、動く金額が大きい分、社内での検討が慎重に行われます。会議が長引き、遅くまで拘束されることもめずらしくありません。商社での勤務は労働時間が長くなりがちです。
飲み会で翌朝まで拘束される
商社の営業職は飲み会が多い仕事の1つです。近年の働き方改革によって交際費の管理が厳しくなっている会社が増えているものの、得意先への接待は重要な業務の1つと捉えられています。
商社の飲み会は朝まで続くことも多く、飲み会終わりにそのまま出勤することもよくあるようです。
商社の飲み会の頻度や費用など詳細は以下の記事で解説しています。
上下関係が厳しい
商社の中で働く人は体育会出身者が多く、上意下達の風土は未だ徹底されています。
具体的には、飲み会代の立て替え清算をはじめ、飲み会のアレンジやゴルフコンペの開催など、業務時間以外の行事の調整も仕事と捉えられます。
礼儀作法や立ち振る舞いに厳しい
上下関係に関連して、上司への態度や立ち振る舞いは常に厳しく指導されます。
商材をもたず、人ありきのお客様商売という性質が強いため、まずは社内から対人関係を徹底的に叩き込まれます。細かい部分で言えば、上司より先にエレベーターのボタンを押す、飲み会のあとは真っ先に感謝のメールを送信する、などが挙げられます。
商社で特に激務なのはトレーディングの法人営業
上記で商社が激務だという理由をあげました。その中でも、
- 顧客・サプライヤー・会社の板挟みになる
- 海外とのやりとり・長い会議
- 得意先との飲み会や接待
これら3つの全てが業務に含まれているのがトレーディング部門の法人営業です。
商社のメイン業務なので、商社に就職する人の多くが配属され経験することになります。既存顧客先との関係維持を行いつつ、新規提案のため情報収集に奔走し、並行して新規顧客先の開拓も行います。
また、社内申請や調整業務も行いますので業務量は膨大になり、残業があたりまえになり精神的に追い込まれていくことが多いです。
商社が激務という理由でうつになる人が多いのも、このトレーディングの部署になります。
商社が激務という人の声
以下のツイートは実際に商社に勤務している人の声です。
マジで仕事辞めたい。業務量が多すぎる。何で商社なんかに入ったんだろう後悔でしかない。
— ともや (@tomoya00090) February 6, 2018
仕事の規模が大きい分、業務量も多く実際に働くと厳しいと感じることも少なくないようです。商社に勤務するには、憧れだけではなく強いモチベーションが必要だと言えます。
また、以下はOpenWorkに実際に寄せられた三菱商事の退職者の口コミです。
完全に縦割り組織のため、部署による。
無限に残業させるところは減ってきているが、多くは遅く残っている。また、総じてモチベーションが高い人が多いので、それが当然という雰囲気。
社内での同調圧力も商社の激務さを助長している一つの要因と言えそうです。
次に、カイシャの評判に寄せられた三井物産の口コミを見てみましょう。
週末に用事があって出社すると、かなりの確率で管理職が出社しています。
何をやっているかというとメールチェック、会議資料作成、プレゼン資料作成、人事評価票作成、事業計画作成と普段と変わらない業務内容。オフィスには若手はほとんどいません。
商社で激務なのは若手という先入観がありますが、この口コミを見る限り管理職も細かい業務に追われているようです。
商社以外にも激務な仕事はまだまだあります。激務な業界・職業TOP10をチェックしたい方は、以下の記事をご覧ください。
商社では働き方改革が進んでいる
激務な商社の中でも働き方改革に目を向けている企業が多々あり、今回は代表的な2社について紹介します。
伊藤忠商事|朝型勤務と110運動
伊藤忠商事は、深夜残業が常態化していた商社業界の中でも先駆けて働き方改革を実施しました。代表的なものが朝型勤務制度です。
夜は原則20時まで、終わらなかった業務は翌日早朝に出社して取り掛かることで業務効率化を目指しています。
また、飲み会の多い商社ならではの制度として110運動を徹底しています。これは「社内の飲み会は1次会のみ10時まで」を標語にした制度で、上下関係厳しい商社でもこれにより翌日まで疲労や睡眠不足を残すことなく、健康的に働くことを期待された制度となっています。
三井物産|テレワークと調査結果の定量報告
三井物産の働き方改革で特徴的なのは、Mitsui Engagement Surveyと題して定期的に社内調査の結果および達成進捗を公表していることです。社内の人間からすると、働き方改革に対して全社的にここまでコミットしている姿勢を見ると非常に信頼がおけるかと思います。
また、2016年よりモバイルワーク、2019年よりテレワークの制度を導入するなど、より社員それぞれに合わせた働き方の選択肢を提供しています。
まとめ
商社には総合商社・専門商社の2種類がありますが、両方とも激務になりがちなビジネスモデルなので働くことは決して簡単ではありません。それでも給料が高く成長機会も多いので就活生からは人気です。
自分が本当に商社に向いているか、激務に耐え抜く自信があるかどうかを十分考えてから選考を受けるようにしましょう。また、働き方改革が今後進んでいくと考えられるので、今後の商社の動向にも注目してみてください。