初任給25万の手取り額と生活水準は!?新社会人の不安を解消します。

初任給は会社や職種によって様々な額が設定されていますが、初任給25万円は比較的高い水準と言えます。この記事では初任給25万円を得た場合の手取り金額の計算方法、どのような生活が送れるのか、初任給25万円以上が見込める業界や企業などを紹介します。仕事をする上で給料面も重視する方は、是非ご一読下さい。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

初任給25万の人の手取り額

初任給25万円の人の手取りは約21万円となります。

給与所得のおよそ20%が税金や社会保険料として予め支払われて、残りの金額(20万円)が自由に使えるお金となります。

厳密な税率や社会保険料率は会社や地域によっても異なりますが、この記事では平均的な割合で簡素化して紹介します。

目次

社会保険料・雇用保険

初任給25万円の場合、社会保険料と雇用保険の徴収額は約37,150円となります。その計算方法は下記の通りです。

  • 社会保険料:約14%(健康保険が約5%、厚生年金が約9%)
  • 雇用保険:0.3%

つまり、社会保険料として36,400円、雇用保険料として750円が初任給から引かれることになります。

社会保険と雇用保険の支払金額の計算方法は異なり、社会保険料は「標準報酬月額×保険料率」、雇用保険は「給与総額×保険料率」で計算します。

標準報酬月額は都道府県によって異なり、東京都の場合は26万円なのでここに保険料率をかけて計算します。

一方で、雇用保険の計算方法は「給与総額」に保険料をかけて計算するので、月額給与が25万円であれば、25万円に保険料をかけて計算することになります。

所得税・住民税

初任給25万円の場合、所得税と住民税の合計は5200円です。その内訳は以下の通りです。

所得税額は額面の給与所得から社会保険や雇用保険などを引いた金額から計算します。「25万円−37,150円=212,850円」となり、国税庁の給与所得の源泉徴収税額表(令和2年分)を確認すると、扶養家族0人の場合の該当する水準の所得税額は5,200円となります。

そして、住民税は前年に稼いだ所得に対して課税され、その金額を翌年の6月から毎月支払うことになります。初任給をもらう新社会人は前年は給与を得ていないので、支払う金額は0円です。

したがって、初任給25万円の人の手取り額は「25万円−37,150円−5,200円=207,650円」で約21万円であることがわかります。

新卒で初任給25万は高いのか?

初任給は会社によって様々な金額が提示されますが、初任給25万円は比較的高い水準だと言えます。

上記の数値は、厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況で公表されている数値です。大学院の修士課程を卒業している新社会人の平均初任給額でも約24万円です。

日本の有名企業でも初任給25万円以上を提示している企業は非常に少ないため、25万円を手に入れられる企業に入社した場合は、給与面では自信を持って良いと言えます。

残業代で手取り額が増える可能性もある

ここまでに紹介した初任給は「基本給」ですが、時間外労働に対して支払われる残業代や、休日の出勤に対して支払われる休日出勤手当の金額によって、実際に支払われる給与額は変わります。

残業時間が長く休日出勤の日数が多ければ、より多くの給与が支払われる可能性があるということです。しかし、会社側も生産性の低い社員に高額の給与を支払うことはないので、残業代でお金を稼ぐことは不可能な場合が多いでしょう。

近年の働き方改革によっても限られた時間で効率的に成果を上げることが求められているので、残業代・休日手当で給与を稼ぐことは難しくなっています。

ボーナスや各種手当によっても異なる

残業手当の他にも、支払われる給与が高くなる理由はいくつかあり、給与の内訳を見ればその理由が分かります。

  • 基本給
  • 時間外手当・残業手当
  • 家族手当・扶養手当
  • 皆勤手当・通勤手当
  • 住宅手当
  • 資格手当

上記の通り、給与として支払われるものには基本給や残業代の他に、扶養家族が居る社員向けの手当や通勤手当と言った様々な「手当」が支給されます。

つまり家族が多い・通勤距離が長い・賃貸に住んでいる・会社で規定された資格を持っているなど、会社が与える手当に該当する項目が多ければ、それに応じてより多くの給与を得ることが出来ます。

初任給25万の人の生活費内訳

次に、初任給25万円の人の生活費の内訳を見てみます。生活していく上で必ず発生する費用と、それぞれの金額はおよそ下記のようになります。

給与が25万円の場合手取りは約21万円と紹介しましたが、上記のように生活費に多くの金額がかかるため、自由に使える「日用品・娯楽・交際費」「貯金」の額はかなり小さくなっていることが分かります。

次の見出しから、首都圏で生活する場合を考えて、各生活費の月間費用を見ていきます。首都圏は最も生活費が高くなる傾向があるので、地方で働く方はここで紹介する以上の生活費はかからないと考えて構いません。

住宅費

住宅費(家賃)の適正価格は手取り収入の3割程度と言われているので、初任給が25万円の場合は「21万円(手取り)×30%=約7万円」が適正な家賃と考えられます。首都圏で就職する場合、家賃相場7万円の地域には以下のような地域があります。

参考:SUUMO関東版

首都圏の職場で働く場合に家賃7万円以内の部屋を借りる場合は、上記のような地域が考えられます。東京23区が最も家賃の平均額が高く、次いで神奈川県川崎市・千葉兼浦安市が比較的高い家賃相場となっています。

通勤時間が長くても良い場合や、オフィスが郊外にある場合にはもっと安い賃料で部屋を借りることも可能なので、職場に合わせてより安い部屋を探してみましょう。

水道光熱費・インターネット回線

総務省統計局の平成30年度の1世帯当たり1か月間の収入と支出のデータによると、水道光熱費とその内訳は下記の通りで、合計17,000円以内とするのが妥当です。

また、自宅用のネット回線費用は月平均4,000〜5,000円程度なので、水道光熱費と併せて約1.7万円程度がかかると考えておきましょう。水道光熱費は日頃から節約を意識することで削減が可能です。

一方で、インターネット回線についてはスマホなどの他の通信端末とテザリングして使ったり、格安回線を契約することで更に安くすることも可能です。

通信費

通信費も、総務省統計局の平成30年度の1世帯当たり1か月間の収入と支出のデータを参照すると、6,911円となっているので、7000円以内に収めるのが妥当です。

日本では2015年頃から本格的に家計における通信費負担軽減のため、格安通信回線の普及が本格化しました。以前は固定電話回線に加えて一人あたり7,000〜10,000円程度の携帯電話料金を払っていました。

しかし、上記のデータからもわかるように通信費の平均は6000円台に下がっています。もしまだ通信費で月額10,000円以上使っている方は、Ymobileなどの格安SIMへの乗り換えを検討しましょう。

食費

平成30年度の1世帯当たり1か月間の収入と支出によると、単身世帯の1ヶ月の食費は「40,026円」です。初任給25万円は比較的高収入なので、多く見積もって5.5万円程度と考えましょう。

1ヶ月(30日間)毎日3食食べると考えた場合、1食あたりの食費はおよそ611円となります。500円以上のお金を使うことは可能なので、毎日ファストフード店・牛丼屋などで外食をしてもまだ余裕があると言えます。

それに加えて、新入社員は先輩社員から昼食をごってもらえたり、会社の飲み会を上長が負担してくれることもあるので、実質1食800円程度と見積もっても良いかもしれません。

日用品・娯楽・交際費

日用品・娯楽・交際費は、ここまでに紹介した各経費と、次紹介する貯金のすべてを差し引いた残りの金額でまかなう事になり、29,500円となります。

日用品には洗面具・各種調味料・家電製品の購入費なども含まれており、ここにかかる費用を考えると、自分の趣味や友だちと遊ぶための費用はまだ満足行くほどの額を用意できるとは言えません。

もしここで使う費用を捻出したい場合は、家賃を安くする・食費を抑えるなど必要経費にかかる金額を削る努力をする必要があります。

貯金

貯金額は一月あたりの給与の15%が目安とされています。そのため初任給25万円の場合は「21万円(手取り)×15%=31,500円」となります。

新入社員の時点で月25万円手に入る人は他の人に比べて経済的に余裕があるので、可能な限りの貯金をしておきましょう。将来的結婚や不動産購入を考えている場合も、元手の資金が必要になるので、早いうちから貯金を始める必要があります。

毎月3.15万円貯金できれば、初年度で37.8万円の貯金ができます。もちろん昇給すれば手取りあたりの月々の経費の割合が下がるので、余裕ができた場合には貯金の割合を増やして、もしもの時にも対応できるようにしておきましょう。

初任給25万円以上の業界・企業

最後に、初任給から25万円以上を獲得できる業界や企業を紹介します。

ここで紹介する企業は、求められるスキルが高く入社後から早く成果を生み出すことが求められる職種です。そのためここで紹介するような業界・企業への入社を考える学生は、大学1年生の頃から計画的に行動する必要があります。

コンサル

1つ目の業界は戦略コンサルティング業界です。

戦略コンサル業界は、高学歴の学生に非常に人気が高いのと同時に、採用過程で実践的なビジネスインタビューがあり、合格が難しい業界です。その業界のトップであるマッキンゼーは初任給が年俸700万円とも言われています。

下記の記事でマッキンゼーに入社する上で求められる資質・社風・激務とされる理由について紹介しています。戦略コンサルは想像以上の業務量や質が求められる仕事なので、本当に選考を受けるべきか迷っている方は下記の記事も参考にして下さい。

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証券会社

初任給25万円が得られる、2つ目の業界は証券会社です。証券会社のリテール部門と投資銀行部門は、売上や生み出した利益に応じて報酬が与えられ、基本給以外の成果報酬で大きく稼げる可能性があります。

職種によって初任給が25万円以下になるものもありますが、下記に示した全企業で初任給25万円以上の求人があります。

参考:各社募集要項(大和証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券)

下記の記事では、証券会社の主な仕事内容・証券会社が激務と言われる理由・証券会社に向いている人などを紹介しています。高給な一方で成果が求められる厳しい業界なので、目指す方は是非一読してみて下さい。

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まとめ

この記事では初任給25万円の場合の手取り金額の計算方法・生活費の内訳・初任給25万円以上を得られる業界について紹介しました。

本文中に紹介したとおり、初任給25万円は非常に高い水準にあり、給与面では高待遇といえます。その分仕事に求められる質・業務量は他の業界・職種に比べて高くなります。

ただし、成果に応じてより高い給料を獲得できる可能性も高いので、得られる給料以上の成果を出すように努力し、継続的に高給を維持できるように勤めましょう。

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