公益社団法人全国求人情報協会が2019年7月3日に発表した「2019年卒学生の就職活動に関する調査」によると、大学生が最終面接まで進んだ平均値は3.1社でした。しかし、最終面接まで進んだからといって、必ず内定できるわけではありません。そこで今回は最終面接の合格率と、少しでも合格率を上げる方法について解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
最終面接の合格率は50%と言われている
新卒採用において、大卒予定者の就活生が最終面接に合格する確率は50%といわれています。前述した「2019年卒学生の就職活動に関する調査」でも、最終面接の平均値が3.1社、内定取得が2.2社でした。しかし様々な要素によって、最終面接後の合格率は変動します。
ここでは最終面接の合格率が変動する理由を、具体的に紹介します。
①面接回数
就活生が最終面接に臨むまでの間に、グループ面接も含めて2回以上の面接が設けられているのが一般的です。そして、最終面接までに行われた面接回数が多ければ多いほど、内定率が高くなるといわれています。回数別の予想合格率は、以下の通りです。
- 面接が2回の場合、最終面接合格率は30~50%
- 面接が3回の場合、最終面接合格率は50~70%
- 面接が5回を超えた場合、最終面接合格率は70%以上
しかし会社の規模によって面接回数は異なるので、あくまでも参考としてとらえてください。
②採用人数
企業の採用予定人数によっても、最終面接後の合格率が変わるといわれています。それは、採用予定人数が多くなればなるほど、合否判定が相対評価になりがちだからです。採用予定人数別の予想合格率は、以下の通りです。
- 採用予定人数が100名以上の場合、最終面接合格率は30%以下
- 採用予定人数が20~30名以上の場合、最終面接合格率は30~50%
- 採用予定人数が10名以下の場合、最終面接合格率は50~80%
中小企業やベンチャー企業など会社が小規模なところは、最終面接まで進むと合格率がぐっと高まります。
③採用時期
企業による新卒採用は、一度の選考で終わるわけではありません。半年から1年かけて、予定している人数を採用します。そのため、企業側が最終面接を行う時期によっても、合格率が変わります。
- 採用試験解禁後1回目の場合、最終面接合格率は50%
- 就活期間中盤に行われる場合、最終面接合格率は30%
- 就活期間最後に行われる場合、最終面接合格率は10~20%
就活生は複数の企業の採用試験を受けているため、1回目の選考では内定辞退者が多く出ます。それを想定し、企業も多めに内定通知を送っています。しかし就活期間が終わりに近づくにつれて、内定辞退者の補填が目的となるため、合格率が下がります。
④職種
新卒の採用試験は、職種によって合格率が異なります。
- 文系・理系ともに応募できる事務職や営業職の場合、最終面接後の合格率は低くなる
- 理系やIT系など技術職の場合、専門スキルがあれば最終面接後の合格率は高くなる
特に採用予定人数が100名を超え、専門スキルと必要としない職種に応募する場合は、最終面接後の合格率は50%以下であると考えておく必要があります。
⑤会社の規模
大企業、中小企業、ベンチャーなど会社の規模によっても合格率は変わります。
- 大企業の場合、最終面接合格率は30%
- 中小企業の場合、最終面接合格率は30~50%
- ベンチャー企業の場合、最終面接合格率は30~50%
大企業は人気があり志望者が多いため、合格率が低くなる傾向にあります。また、大企業の場合は応募者の質も高いため、辞退者が少なく、辞退者を見越しての採用もそこまで多くありません。
一方、中小企業やベンチャー企業は、辞退者を想定してあらかじめ多めに人数を取る場合が多いようです。最終面接まで進むと内定が出る企業も比較的多くなります。
⑥推薦の有無
大学に掲示される求人票の中には、企業側がその大学に対し推薦枠を設けているものがあります。その場合は大学内での選考を受け、推薦を受けて応募することになります。
大学推薦をもらった就活生が最終面接まで進んだ場合は、エントリーから上がってきた人と比べると合格率が高くなります。特に理系学生で、研究室にきた求人の場合はその傾向が顕著です。
最終面接の合格率に関する2つの誤解
就活生が最終試験に臨むにあたり、合格率を上げる方法として認識していることの中には間違った情報もあります。最終面接に臨むからには、冷静に現実を理解しておくことが大切です。
ここでは最終面接の合格率に関する2つの誤解について、具体的に説明します。
結果連絡の早さは関係ない
企業の最終面接を終えてから2週間以上が経過しても、採否の連絡がないことがあります。その場合、結果の連絡が遅いことで、自分は落ちたと思い込む就活生もいるようですが、それは違います。
特に採用予定人数が100名以上の企業の場合、最終面接する人数も多くなるものです。その際には複数の担当者が面接をすることになり、最終決定までに会議や決済などを行う必要があり、連絡が遅くなりがちです。そうした企業側の事情も理解しておきましょう。
今までの面接・リクルーター面談の評価は関係ない
近年は採用試験前に、一般社員が就活生と面接する「リクルーター面談」が増えています。リクルーター面談はカフェやレストランなどカジュアルな場所で行われることが多く、若い社員と話をすることになります。
リクルーター面談での感触が良く、最終面接まで進んだ場合、就活生は合格率が高いと勘違いしがちです。確かにリクルーター面談に関する報告は選考の際に参考にはしますが、最終決定するのは決裁権のある経営者や人事担当者です。
最終面接できちんと自己アピールできなければ内定はもらえないので、きちんと準備して臨んでください。
意思確認のみの最終面接も増えている
近年、ベンチャー企業や中小企業の中に、意思確認のためだけに最終面接を行う企業も増えています。その場合、就活生の返答によって合否を判定するという考えを持っているのが一般的です。そこで、意思確認された場合の回答をあらかじめ用意しておくことをおすすめします。
- 入社の意思を明確に伝える
- 最終面接中の企業が第一志望であることを伝える
- なぜその企業が第一志望なのかの根拠を示す
入社の意思を伝えて内定をもらったとしても、別な企業に就職したければ辞退することはできます。チャンスを生かすことを念頭におき、最終面接に臨みましょう。
最終面接における3つの評価基準
就活生の中には、最終面接は内定に近づいたサインと勘違いしている人もいることでしょう。しかし企業は最終面接で、就活生を3つの評価基準で判断します。3つのポイントとは、以下の通りです。
- 就活生が自社の社風に合うかどうか
- 就活生の自社に入社したいという熱意
- 就活生が持つスキルや将来性
この3つのポイントを最終面接でどうアピールすべきかについては、以下の記事が参考になります。ぜひ参照してください。
最終面接は今までの選考と何が違うのか
新卒の採用試験では、面接は何段階かに分かれて行われます。そして面接のタイミングによって、企業側の意図や評価されるポイントが異なります。
ここでは最終面接と1次面接・2次面接の違いについて、詳述します。
1次面接との違い
1次面接は通常、人事担当の中でも一般社員が担当します。そのため、評価されるポイントは以下の通りです。
- 身だしなみや立ち居振る舞いなど、ビジネスマナーが守れているか
- 最低限のコミュニケーションスキルがあるか
- 質問に対して的確に回答できているか否か
- 就活生の発言に一貫性があるか
1次面接はグループで行われることも多く、採用試験までにきちんと準備してきたかどうかが問われる傾向にあります。
2次面接以降との違い
2次面接は通常、人事担当の中でも管理職が担当します。そのため、評価されるポイントは以下の通りです。
- 業界研究や企業研究をきちんと行ってきたかどうか
- 自社が求める資質やスキルを持っているかどうか
- 物事に前向きに取り組み、成果を出そうという姿勢が見られるかどうか
2次面接でチェックされるのは、入社後に自社で活躍してくれる人物かどうかです。そのため、就活生が自社が求める人物像についてきちんと理解し、自身がマッチすることをどうアピールするかが重視されます。
【回答例あり】最終面接で聞かれやすい質問例
最終面接は、役員が行うのが一般的です。そこで役員がチェックしているのは、「就活生が持つ個性と特徴」「自社への志望動機」の2点です。それを確認する目的で、最終面接では聞かれることの多い質問を、以下にまとめてみました。
- 学生時代に努力したことと、それで得たものについて教えてください
- これまでの人生で最大の失敗と、その際の対処法を教えてください
- 数ある同業他社の中から、当社を受けようと思った理由を教えてください
- 入社後に希望する職種とその理由について教えてください
- 当社に入社した後、あなたが実現したい目標は何ですか
- 現在のあなたは、当社で10年後にどうなっていたいと思いますか
最終面接ではこうした質問によって、就活生の能力とやる気、自社との相性をはかっています。回答例については、以下の記事を参考にしてみてください。
最終面接の合格率を上げる方法
最終面接に進めることになったのなら、チャンスを最大限に生かせるようしっかり準備しておくべきでしょう。そのためには、最終面接の合格率が上がるよう、実践しておくべきことがあります。
ここでは最終面接の合格率を上げる方法について、具体的に紹介します。
①改めて企業研究をする
最終面接では役員からの質疑応答がありますので、改めてしっかり企業研究をしておくのがセオリーです。その企業を志望した理由だけでなく、どういった点に魅力を感じるのかも、説明できるようにしておきましょう。
その際には最終面接に臨む企業だけでなく、同業他社についてもきちんと調べ、対比しながら説明できるようにしておくのがベストです。
②OB訪問をする
最終面接に臨む企業に在籍する大学の卒業生が勤務している場合は、OB訪問をしておきましょう。
実際に勤務している先輩に、企業理念と実際の経営について質問したり、今会社でどのような事業展開を考えているかの情報をもらっておくと、質疑応答に生かせます。
③今までの面接での回答との一貫性を重視する
最終面接で想定される質問の回答をつくり、自分の話に一貫性があるかどうかをチェックしましょう。企業理念と志望動機、事業展開と自分がやりたい仕事にズレがないよう、しっかり準備しておくことをおすすめします。
就職課やゼミ教員に協力してもらい、面接練習しておくとよい安心して本番に臨めます。
④マナー・言葉遣いに気をつける
最終面接の相手は役員ですから、これまで以上にマナーや言葉遣いに気をつける必要があります。身だしなみに清潔感があり、服装や持ち物が面接に適したものであるのが最低条件です。
また、ノックの回数やお辞儀の角度などのマナーに加え、敬語の使い方などの言葉遣いにも配慮しましょう。
⑤リラックスする
最終面接では、想定質問の回答を丸暗記して話しているだけでは、内定を得ることはできません。役員が見ているのは、就活生が自分の考えを自分の言葉で述べられるかどうかです。
そのためには、就活生自身がリラックスして最終面接に臨むことが大切です。必要以上に緊張しないよう、しっかり練習しておきましょう。
⑥適切な逆質問を用意する
最終面接は社長や役員が面接官を務める場合が多いです。その為、逆質問では、社長が社員に対してどのようなことを期待しているのかを尋ねると良いでしょう。
最終面接における逆質問のポイントとしては以下の点に気を付けてください。
- 経営者の目線を尋ねる質問を取り入れる
- 1・2次面接官に聞けば簡単にわかることを聞かない
- 給与や待遇面に関する質問はしない
社長や役員相手に対しては、一般的な社員に対しては聞けないことを聞けます。逆に、調べればわかることや、それまでの選考で聞けばわかることをわざわざ聞くとマイナス評価になります。
また、逆質問は「他にありますか?」と聞かれる場合もあるため、複数の内容を準備しておくことも大切です。
⑦役員個人の情報を入手する
近年は大企業の役員であっても、ブログなどで自分の考えを発言していることが多いです。最終面接に臨む際には、ブログやSNSなどで役員の個人情報を入手し、質疑応答に役立てましょう。
企業の展望や事業計画、社員に期待することなどを理解し、それに添う回答をするとポイントが上がるはずです。
⑧お礼メールを出す
最終面接が終わったら、当日遅くても翌日にはお礼のメールを送っておきましょう。相手は人事担当者でかまいません。
その際には自己紹介から始め、最終面接のチャンスをいただいたことへのお礼、質疑応答で印象に残った言葉と自己アピールを入れるのがおすすめです。
最終面接で受かるサイン・合格フラグ/落ちるサイン・不合格フラグ
最終面接はあくまで確認を取るための場であり、既に誰に内定をだすか決めている企業もあります。この場合、面接官の行動や態度によって合格するサインが分かる可能性もあります。
しかし、あくまで内定は選考をもとに出される方が多いため、参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
受かるサイン・合格フラグ
合格フラグとして考えられるのは以下のようなものがあります。
- 面接時間が長い
- 他の選考状況を詳しく聞かれる
- 面接官の反応が良い
- 面接後に配属先の社員や上司と合わされる
- 今後の予定を聞かれる
- ぜひうちで働いてほしい・4月からよろしくと声を掛けられる
- 握手を求められる
落ちるサイン・不合格フラグ
不合格フラグとして考えられるのは以下のようなものがあります。
- 面接時間が極端に短い
- 面接官が素っ気ない・反応が悪い
- 厳しく問いただされる
- 深い質問をされない
- 「最後に何か言いたいことはありますか?」と聞かれる
就活生の反応を見るため、あえて厳しい態度をとる面接官もいます。その為、上記のような態度・反応をされたからと言って必ずしも不合格である確証はありません。自分を信じ、堂々と選考に臨みましょう。
特に「最後に一言」を求められると不合格フラグだと考える就活生は多いようです。以下の記事では「最後に一言」を求められた際の面接官の意図や返し方を紹介しています。参考にしてください。
最終面接の結果はいつ来るのか
最終面接の採用連絡が来る目安
最終面接が終わった後、採否の連絡がくるまでの期間は企業によって異なります。採用連絡がくる目安は、以下の通りです。
- 採用予定人数が少なめの企業は最終面接から3日~1週間が一般的
- 選考結果は平日の午前中に電話またはメールでくることが多い
- ベンチャー企業や中小企業の場合は、最終面接当日の夜に電話連絡がくることもある
- 採用予定人数が多い大企業は、採否の連絡がくるまでに2週間以上かかることもある
最終面接から選考結果の連絡までの期間が開けば開くほど、就活生は不安になるはずです。しかし、連絡の遅さと合格率の高低は比例しません。最終結果がいつくるかについては、以下の記事が参考になります。
最終面接に落ちた時の対処法
もし仮に最終面接に落ちてしまった場合、すぐに切り替えて次の行動に移すことが肝心です。しかし、最終面接までいったのに落ちた場合のショックは、他の選考で落ちた時とは桁違いにショックを受けます。
以下の記事では、最終面接に落ちてしまった場合の対処法や気分転換法について解説しています。最終面接に落ちてしまう理由や落ちる人の特徴も紹介していますので、落ちた人だけでなく、最終面接に落ちたくない、予防したいという方もぜひ参考にしてください。
まとめ
就活生は希望する業界や職種で働くために、複数の企業に応募するのがセオリーです。しかし最終面接まで進める会社数はそれほど多くなく、チャンスを生かしたいと考えていることでしょう。
とはいえ最終面接に進んだからといって、必ず内定が出る保証はありません。だからこそ、合格率を少しでも高くできるよう、事前準備をしっかり行ったうえで最終面接に臨んでください。