正社員として就職した企業のすべてが、完全週休二日制ではありません。企業によって年間休日数が異なり、4週6休を適用する業界や職種もあります。4週6休はカレンダー通りに祝日休みになることが少ないのが現実です。そこで今回は4週6休とは何か、4週8休との違いなどについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
4週6休とは
4週6休は医療・介護・不動産業界などで、よく見られる勤務体系です。しかし4週6休と一口にいっても、働き方は様々です。
ここでは4週6休ではどんな働き方になるのかについて、説明します。
4週間で6日休みがあること
4週6休とは、4週間に休日が6日あることです。週に1回の固定休みの他に、2回の休日があります。例えば毎週日曜日は休みですが、土曜日は隔週でしか休めない場合は、4週6休となります。
しかし4週6休の職場の場合、必ず連休が取れるとは限りません。特定の曜日が休みになることは決まっていても、残る2日は連休で取れないケースもあります。
4週6休は職場によってルールが異なるので、入社前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
4週6休はサービス業で多い
4週6休を取り入れているのは、サービス業界が多いです。医療・介護・不動産業界だけでなく、車のディーラーや飲食店でも、4週6休という働き方が一般的です。そしてサービス業は、日祝休みはほぼないと考えた方がよいでしょう。
さらにサービス業の場合は、2交替制や3交替制などシフト制を取り入れていることも多く、他のスタッフと調整しながら休日を決める職場が多いと考えられます。
しかし4週6休だからこそ、有給消化を促進する企業も増えています。入社前に有給取得率も確認すると、良いかもしれません。
4週8休との違い
4週8休とは、4週間で休日が8日あります。4週6休より休日が多く、サービス業でも取り入れている企業は少なくありません。
しかし、必ず土日が休みになるとは限りません。例えば水曜日と土曜日が午前診療の病院の場合、その日の午後の半休2回と日曜休みで、週に2日の休日とカウントされるケースがあるからです。
4週6休も4週8休も変形労働時間制に分類されるため、カレンダーのように1ヶ月単位で休日が決まるわけではありません。そのため祝日は出勤という職場も、多々あります。
4週6休がきついと言う人の声
実際に4週6休で働いている人の中には、きついと感じている人が少なくありません。ここでは4週6休で働く人のコメントを引用しながら、「なぜきついと思うのか」の理由を考えてみましょう。
4週8休ほしいわあ
だれか紹介してください
4週6休きつい— かずぴP (@_kazupikachu) May 7, 2018
4週6休勤務の場合、1週間で確実に休めるのは1日です。また、隔週で連休が取れる職場ばかりでもありません。身体を休めるという意味でも、用事を済ませるという意味でも、1日では十分ではないと感じていることが伝わるコメントです。
7月勤務表が出ました。私は確認しました。
1ヶ月半ぶりに2連休がある!!
この病院に来てから私は思うのです、連休のありがたみが。やっぱりしんどい4週6休。
— ぴのまるさん (@maru02ns) June 25, 2019
4週6休勤務の多くがシフト制なので、勤務表が出るまで休みが予測できないケースもあるようです。そしてこのコメントでは、2連休が1ヶ月半ぶりだと喜んでいます。病院は24時間365日稼働する場所ですが、そこでの勤務がきついことが予想できます。
正社員でも週4で働くことはできる
正社員に対し、1日8時間・週5日をフルタイムで働くものという先入観を持っている人も多いことでしょう。しかし働き方改革を進める日本においては、企業が認めれば週4日勤務あるいは週3日勤務でも正社員となります。
社員の職場満足度をあげ離職率を下げる目的で、導入を検討している企業も少なくないようです。しかし週4日勤務の求人は少ないですし、高いスキルとノウハウを求められるのが前提です。
正社員として週4日勤務で働くメリットや求人の探し方について、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
4週6休は違法か
完全週休二日制、年間休日120日という企業があることを考えると、4週6休は違法ではないのかと考える人もいるはずです。そして日本の労働基準法では、労働者の休日についてもルールを設けています。
ここでは4週6休は適法なのか、その理由についても紹介します。
週1回の休みは適法
「労働基準法」の第35条には、以下の表記があります。
1 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
4週6休の場合、1週間に1日は休む、あるいは4週間で4日以上休むという条件をクリアしているため適法です。週休二日制が浸透している現代においても、労働基準法が定める休日は昭和から変わっていません。
週40時間以上になると違法
しかし労働基準法で定めているのは、4週間に4日以上の休日を与えることだけではありません。「労働基準法」の第32条には、以下の表記があります。
1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について八時間を超えて、労働させてはならない。
企業は労働者を雇用するにあたり、休憩時間を除いて1日8時間以上、1週間で40時間以上働かせてはいけないと定められています。これは4週6休であっても、変わりません。
このルールに基づくと、週に1日休みがある週の1日の勤務時間は6時間40分以内となります。それが難しい場合は、出勤日のどこかで早退するか、超過勤務手当を支給してもらうのが基本です。
4週6休の多くは変形労働時間制を採用
4週6休を取り入れている企業の大半は、変形労働時間制を採用しています。変形労働時間制とは、1ヶ月あるいは1年の間に1週間に40時間という条件が平均的にクリアされていれば良いという制度です。
変形労働時間制を採用することで通常の休日だけでなく、長期休暇が多いゴールデンウイークや夏季・年末年始などの休みも含んで、労働時間を決められます。そのため1日の労働時間を長くできるのです。
ただし変形労働時間制を採用するためには、労使間で労使協定を結んだうえで労働基準監督局に届出をしなければいけません。
4週6休で働くことのメリット・デメリット
4週6休はカレンダー通り日祝休みになることはほぼなく、看護師や介護職の場合は夜勤もあり、きついと感じる人がいるのも事実です。しかし4週6休にもデメリットだけでなく、メリットもあります。
ここでは4週6休のメリットとデメリットについて、詳述します。
メリット|週休二日制より1日の労働時間が短くなる
週休二日制の場合、1日の労働時間は8時間となるのが一般的です。しかし、4週6休の場合は変形労働時間制を採用していても、1日の労働時間は8時間を下回ります。そのため、1日の中でプライベートタイムをつくりやすいというメリットがあります。
また、4週6休の職場はほぼシフト制なので、勤務日によってはラッシュを避けられます。平日が休みとなる職場も多く、銀行や郵便局で用事を足すにしても、遊びに出かけるにしても、混雑しないのでストレスが少ないと考えられます。
デメリット|年間休日が少ないことが一般的
4週6休の最大のデメリットは、年間休日が少ないことです。1年間は52週あり、4週が13回来ることになります。4週間に6日の休みが13回あると考えると、年間休日は78日となります。
労働基準法で年間休日を105日と定めているため、通常の休みを引いた27日が夏季・年末年始の休暇に充てられるのが前提です。しかしこの27日の休みを、1日の労働時間としてオーバーする分に充当されるため、実際にはそんなに休めません。
普段から連休が取りにくく、長期休暇を難しいことが、4週6休がきついといわれる所以でしょう。
4週6休の仕事を探す際に確認すべきこと
就職する業界によっては、4週6休が一般的なところも少なくありません。しかし4週6休を採用している企業であっても、雇用形態は様々です。
ここでは4週6休の仕事を探す際に、事前に確認しておきたいことをまとめておきます。
①祝日休みの有無
4週6休の仕事の場合、年間の固定休みが52回、隔週の休みが26日の合計78日が休みとなるのが一般的です。
しかし4週6休勤務であっても、祝日が休みの職場もあります。その場合はゴールデンウイークや年末年始などに、長期休暇がとれる可能性が高いと言えます。
応募の際には祝日休みの有無について、必ず確認することをおすすめします。
②年間休日数|100日以下になる場合も
単純計算した場合、4週6休だと年間休日は72日です。しかし祝日なども含めるとだいたい100日前後だと予想できます。
前述した通り、労働基準法では年間休日数を105日と定めています。これは1日8時間、1週間40時間の労働という法律を遵守した場合、1年間に働けるのが260日になることが基準です。
厚生労働省が発表した「平成30年就労条件総合調査」によると、労働者1人の平均年間休日総数は113.7日でした。そう考えると年間休日105日は、決して多くはないのです。
しかし実際には、年間休日が105日を下回る企業が少なくありません。そのため、4週6休の仕事を探す際には、応募企業の年間休日数を確認していくことが大事です。
以下の記事では年間休日105日の場合の勤務形態や休日イメージなどを紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
③給与形態
4週6休の仕事を探すうえで、給与形態もチェックが必要です。給与形態には、以下の4つがあります。
- 日給/1日の勤務時間と日ごとの支給額が決まっており、日払いが可能
- 日給月給/1日の勤務時間と日ごとの支給額が決まっており、月払いされる
- 月給日給/1ヶ月の支給額が決まっており、休んだ時間数を減額して支払われる
- 月給/1ヶ月の支給額が固定されている
4週6休の仕事には日給月給制を採用している職場が多いですが、メリットとデメリットがあります。以下の記事では日給月給制がわかりやすく紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
④昇給の条件
正社員として4週6休の仕事に就こうと考えているなら、昇給の条件も事前に確認しておきたいところです。給与形態にも関わることですが、一般社員の際には残業手当が支給されていても、管理職になると固定月給になる職場が少なくないからです。
定期昇給ができるかどうかは会社の業績によりますが、仕事で成果を上げていてもそれがベースアップにつながらないと、その職場でモチベーションを持って働くのは難しいことが予想されます。
昇給の条件については、以下の記事が参考になりますので、ぜひ一読してみてください。
4週6休の仕事を辞めた方が良い目安
4週6休の仕事に就いている場合、休日の少なさや給料の低さに見合わない労度時間に不満を覚える人は多いのではないでしょうか。仕事を辞める際の目安を紹介します。
心身共に限界を感じている
肉体的・精神的限界を感じている場合は、ためらいなく仕事を辞めてかまいません。我慢して業務を続けて病気になってしまったら元も子もありません。
肉体的な疲労は休みをとれば回復できる可能性もありますが、精神的な疲労は気づかないうちに後戻りできない状態まで蓄積してしまうこともあります。
また、以下の記事では仕事が辛い場合の対処法やつらい原因、相談機関などを紹介しています。今の仕事がつらい、といひとは是非ご一読ください。
福利厚生・給与・休日日数に不満がある
根本的に福利厚生や給与・休日日数に不満がある場合は、辞めるという手段を取っても良いでしょう。福利厚生の充実は心の安寧につながります。常に休みたいと思ったり不満を持ち続けたまま仕事をすると、やりがいや仕事自体の質に影響します。
先が見えず将来性がない
業務をしていてもキャリアプランや将来設計が上手く描けない、自身の成長につながらない状態で働くのはもったいないですし、いずれ限界が来ます。不安があるなら思い切って辞めてみるのもありです。自分のやりたいことは無いか、今の仕事でそれが達成できるかという見直しをしましょう。
まとめ
働き方改革が済んでも、4週6休勤務が当たり前の業界や職種は少なくありません。また、有給消化の義務化を受けて、4週6休に変更する企業があるともいわれています。
仕事に対してやりがいを感じていても、4週6休だときついと感じる人も少なくないので、就職前に条件をきちんと確認しておくことが大切です。自分にとって働き心地の良い職場を探してみてください。