年間休日115日は少ないのか?内訳から実態、業界ランキングまで紹介!

業界や会社の規模によっても判断が異なってくる年間休日115日の内訳や勤務形態についてご紹介します。ブラック企業に騙されないために年間休日と有給休暇との違いなどぜひ知っておいて頂きたい注意点についても言及していますので参考にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

年間休日とは

年間休日とは会社が定めている1年間の休日のことです。日数設定は業界や会社によって異なりますが、基本は労働基準法に定められている労働時間の上限と最低休日ラインに基づいて各社定めています。

目次

年間休日105日は最低ライン

年間休日の最低ラインは105日です。労働基準法には「1日に8時間を超える労働をさせてはならない」と「法定休日は毎週少なくとも1日もしくは4週通じて4日以上」と定められています。

これらの条項から会社が確保するべき年間休日の最低ラインは105日となります。

一般的なのは年間休日120日

105日は法律的には問題ありませんが、常識的に考えて土日祝日を含めて年間120日休ませることは従業員の心身の健康を重視する観点から当然のことだと言えます。

年間休日の計算方法

年間休日とは基本的には全従業員が一斉に休暇を取る日と定められています。ではお盆や年末年始、有給休暇はどうなのでしょうか。それぞれの違いについて解説します。

夏季休暇(お盆)・年末年始休暇

会社が就業規則で公休日と定めていれば、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始休暇は年間休日に含まれます。

ただし金融関係やメーカーなど大企業によっては一斉夏季休暇を設けず、有給休暇を計画休暇取得制度などとして代替取得させるところもあります。

有給休暇

有給休暇は労働基準法で定められた休暇で、従業員は取得する権利はありますが会社が定めた年間休日には含まれません。主な理由として会社や勤続年数など取得できる日数に個人差があるからです。

企業制度としての休暇

法定休日とは別に企業が制度として定める休暇があります。法定外休暇と呼ばれるそれら特別休暇にはどのようなものがあるのか、実例をいくつかピックアップいたします。

  • バースデー休暇:誕生日前後1日から3日取得可能
  • リフレッシュ休暇:一定年数勤続した社員にリフレッシュしてもらうため
  • ボランティア休暇:ボランティア活動を行う社員に与えられる休暇
  • 学校行事休暇:子供の授業参観や入学式・卒業式など学校行事参加の為
  • 慶弔休暇:本人の結婚や両親兄弟など親族が死亡した時に与えられる
  • 裁判員休暇:社員が裁判員制度で指名された場合に与えられる

以上の特別休暇が全て有給休暇であるかは会社によって異なります。ただ慣例として慶弔休暇は有給休暇とは別に取得出来ることが殆どです。

年間休日115日の勤務形態

年間休日115日の勤務形態についてポイントを解説します。

原則は土日祝日休み

最低ラインの年間休日105日と違う点は、原則として土日と祝日が休みであることです。

土曜出勤がたまにある

業種によっては土曜出勤がたまにあります。例えば建築業界やメーカーの物流部門では土曜日稼働の時もあるからです。

シフト制なら月8日休みと長期休暇

年間休日115日の企業は完全週休二日に加えて、夏季休暇や年末年始などを週休と合わせて連続5日と定めている場合が多いです。

サービス業などシフト制を敷いている会社は4週8休で年間104日とし、残り11日は長期連休を繁忙期を除いた期間で取らせて115日としています。

年間休日115日に関する知識

年間休日115日に関して間違いやすい点や問題点などをご紹介します。

「完全週休2日」と「週休2日」は異なる制度

まず良く混同される言葉が「完全週休2日」と「週休2日」です。どちらも毎週2日休めると思われた方は制度の違いをよく理解してください。

「週休2日」とは1か月の間に週2日休める週が1回以上あるという意味です。ですから毎週2日の休みがある訳ではなく、週休1日という週もあるので注意してください。

「完全週休2日」は読んで字のごとく確実に毎週2日休めるという事です。但し、土日出勤の業種は他の曜日に振り替えられます。土日祝日休みなのか面接の時によく確認した方が良いでしょう。

勤務管理は疎かな場合が多い

土曜出勤を認めている会社は、休日出勤に対して振替休暇取得を推進するなどの意識が弱い管理体質だと言えます。勤務管理が疎かであるという事は残業管理の杜撰さに繋がるリスクがあります。

実態は115日を下回ることが多い

年間休日115日と求人には記載されていたのに実際は100日しか無かったという例が結構あります。実は有給も含めての120日だったとか、会社側が巧妙に嘘を記載している場合もありますので要注意です。

年間休日115日の休暇イメージ

年間休日が115日あれば休暇取得のイメージも余裕を持ったものになります。

周囲と予定を合わせやすい

土日に加えて祝日やGW、夏休みもまとめて取れれば会社の同僚や友人とのレジャーの予定も合わせやすくなります。

旅行にも行きやすい

例えば夏休みを長期連続で取りたい場合は、長期休暇3連休と有給や週休2日を組み合わせることで最低5日の連続休暇取得が可能です。年間休日115日は友人や家族と旅行に行きやすい環境にあると言えます。

年間休日115日は多いのか

厚生労働省の調査から労働時間制度についてご紹介します。こちらは所定労働時間の月及び週単位の平均や、週休制の形態別企業割合、年間休日総数の労働者一人当たりの平均を従業員数・業種別に集計されています。

その中から年間休日の平均を見てみましょう。平成30年度の調査結果では1企業の平均年間休日総数は107.9日です。労働者一人当たりでは113.7日という結果です。

1000人以上の大企業の場合、企業平均が114.9日、30人から99人の中小企業は平均年間休日は106.4日でした。これは全業種合計の平均結果です。

この結果から年間休日115日は普通レベルで、年間休日120日は多いと見て良いでしょう。個人別に有給化を取得すれば一人年間130日も休日取得が可能になります。120日の年間休日は恵まれているでしょう。

サービス業界で働いていた人にとって年間休日115日は魅力的に映るのは無理ありません。ツイート主はバイト中の就活生のようですので、飲食店関連のバイトなら実感がこもったツイートですね。

これが本当ならこの会社は間違いなくブラック企業です。しかも嘘を求人票に載せるとは呆れます。最低ラインの105日をさらに下回る86日なんて労働基準監督署に訴えるべきレベルです。36協定も知らない会社とか杜撰すぎます。

業界別|年間休日数ランキング

業種別休日数ランキングから休日数の多い業界と少ない業界のそれぞれTOP5を抜き出しました。

年間休日数の多い業界ランキング TOP5

■年間休日が少ない業界ランキング TOP5

年間休日が115日以上の業界とその理由

年間休日が115日以上ある業界として2業種をピックアップし理由などを解説します。

金融業・情報通信業

金融業と情報通信業は年間休日が119日、有給取得日は11日以上という調査結果もあります。金融は土日祝日が業界全体でルール化されていますので、115日以上取得しやすいのでしょう。

製造業(メーカー)

製造業の場合、工場は長期休暇を設定している企業が多いです。理由は工場の生産ラインの稼働は製造計画に連携して設定されていますので、従業員の休暇も一斉休暇にして、まとめて停止させる方が効率的だからです。

その為、お盆の時期や年末年始、GWなど10日近い連続休暇を年に2~3回設けている企業も多いです。

年間休日が115日以下の業界とその理由

年間休日が115日以下の業界の代表的なもの2つとその理由を上げました。

サービス業

サービス業とは外食産業や小売店、レジャー施設など顧客対応の業界全体を指します。世間が休みの時に繁忙期を迎える業界なので休日が少ない傾向はやむを得ないのかもしれません。

医療業界

病院勤務の看護師が代表的かも知れません。救急病院は24時間対応でシフト制を敷いているケースが大半です。人手不足だと代休も取り難い状況になり、年間休日115日以下というケースも少なくありません。

まとめ

年間休日115日について、様々な角度で考察してきました。たとえ115日でも福利厚生制度や有給取得率が高い会社ならば良いですが、現代では年間休日の必要満足日数は120日だと言えます。

就活生には出来れば年間休日120日の会社を探すことをお勧めしますが、休日出勤の多さとか長期休暇は年何回取れるのかと言った点も確認するべきです。

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