世の中には多くの職種がありますが、その中でも庶務業務と呼ばれる仕事があります。庶務というくらいですから、さまざまなジャンルの仕事を手広く、確実にこなさなければなりません。実際の業務内容、またどんな人に向いている仕事なのか、解説していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
庶務業務とは
そもそも庶務業務とは何でしょうか。
庶務業務は一般事務とも呼ばれる
庶務はしょむと読みます。別の呼び名として一般事務と呼ばれることがあります。特に求人の段階では、一般事務の記載をすることが多くあります。
庶務業務の主な仕事内容
庶務業務には、さまざまな仕事があります。ひとつずつ紹介していきます。
①電話対応
最初の電話受付を行う仕事です。その部署宛の電話を取り、その担当者につなぐという部署の顔になる業務です。
ここでの対応を間違えてしまうと大きく部署間のやり取りに響くので丁寧な対応が求められます。
②来客対応
その部署への来客があった場合、クライアントが出向いて下さった場合に部屋へ通したり、お茶を出したりするお仕事です。
電話対応と同様、ここでの働きが今後の関係に大きな影響を与えるという大事な役割であることを忘れてはいけません。
③備品・小口金管理
社内には、大小関わらず様々な備品が用意されています。それらがなくなってしまう前に追加のものを用意したり、そのお金を管理するお仕事です。
備品なんて、と思うかもしれませんが、部署が気持ちよく回っているのはそういった働きがあるからこそなのです。
④書類・資料作成
パソコンスキルが存分に生きるお仕事です。Word、Excel、PowerPointなど様々な資料作成を行います。
社内用のみならず、社外用となる場合もあるので、丁寧で迅速、かつ見やすい資料作成を求められます。
⑤伝票整理
部署内で発生した経費の整理です。ひとつのミスが部署の経理に響いたりすることもあるので簡単なお仕事ではありません。
部署内のお金の動きがきちんと把握できるようにするための仕事なので丁寧な業務姿勢が求められます。
⑥ファイリング・コピー
部署内の資料整理が主な業務です。部署内のメンバーがスムーズに資料を探せたり、問題なく業務が進められるようにするための重要なお仕事です。
資料整理がきちんとできないと部署内全体がうまく回らなくなりますし、簡単そうに見えるお仕事ですが、責任重大です。
⑦郵便物送付等の外出
庶務は業務内で時々外出する機会に遭遇します。郵便物の送付など、社内ではできないことを庶務が請け負うことが多いです。
しかし誰かがやらないといけないお仕事ですので、それをすることで部署の役に立っている、ということを忘れてはいけません。
⑧清掃
会社として清掃員を雇う会社もありますが、部署内の細かな政争は庶務の仕事です。メンバーが気持ちよく業務に臨むために必要なことです。
部署内がきれいになっていることで生産性も上がり、会社への貢献度もアップするかもしれません。
庶務業務と総務業務の違い
総務という仕事をご存じでしょうか。どちらも様々な仕事を扱うことには違いありません。これらには明確な違いがあります。
①所属部署が異なる
総務は総務部といって専門の部署があります。それに対し、庶務は各部署に配属されているお仕事です。
具体的に言うと、総務は独立した部署があり、庶務は総務部の中にも配属されるというイメージです。
②業務の対象が異なる
前項で総務部は独立しているとお伝えしましたが、総務は会社全体の環境整備であったり、管理職と各部署の間に入るポジションになります。
それに対し、庶務は各部署内の調整を行うため、実務内容自体は同じでもその業務が誰のためのものなのかが大きく異なります。
庶務業務に対する評判
世間一般的な庶務に対する評判はどのようなものなのでしょうか。
庶務業務にやりがいを感じていない人は多い
庶務業務は雑用のイメージがどうしても抜けず、やりがいを感じられない人は多いようです。
庶務というしごとにやりがいを感じたこと、一ミリもない
— koara_san (@san_koara) January 29, 2019
総務とか庶務って、他の部署の仕事以外全般という究極の雑用係で死ぬほど大変かつ死ぬほどやりがいのない部署だと思うよ。
総務部が配属先希望の人気1位に ネットでは結果をめぐり議論に #ldnews http://t.co/VYP5lU0Pbl
— 無學童子 (@mugakudouji) May 11, 2015
上記二つのツイートでは庶務業務に対してやりがいを感じられていないことが伝わってきます。庶務=雑用のイメージが強く、好きな仕事ができていないと感じている人が多いようです。
庶務業務は仕事の円滑化に必要不可欠
個人的には歯科医師会に入会したメリットは、全く何も感じていないが、庶務に配属されてから、役員の先生方がお役所との会議に(結構たくさん)出席していたり、休日診療の当番や障害者歯科や、校医の割り当てとか、誰かがやらないといけない、地域と歯科を繋ぐ仕事をしているんだなと気がついた。
— htm (@eyedds) December 21, 2018
このツイートでは、庶務業務にやりがいを感じていることが伝わってきます。会社として仕事をうまく回していくための仕組みづくり、そのために庶務はとても大事です。
庶務だけに限らず、置かれた花で咲くのは自分次第です。水をやってくれる人はいても、花を開くのは自分、つまり自分の意志でしかないのです。
庶務業務に必要なスキル・持っておくと良い資格
ここでは、庶務業務に対して前向き、かつスムーズに進めていくために必要なスキルをご紹介します。
必要なスキル
誰にでもできそうというイメージをお持ちの方も多いであろうこの業務には、必要なスキルがいくつかありますのでご紹介します。
①コミュニケーション力
傾聴力や察する能力、幅広いタイプの人とうまく関係を保つ能力など、これらはすべてコミュニケーションをとる上で必要な能力です。
部署内のどんな人とも円滑なコミュニケーションをとることが求められるため、最も必要な能力であるといえます。
特に人の話を最後まで聞き、その上で必要な情報提供が迅速にできたり、最善の提案をできる、という能力が必要不可欠です。
②臨機応変に対応できる力
庶務業務は部署内の環境整備が主な業務内容になっています。当然イレギュラーな場面にも遭遇することがあります。
その時に慌てふためいてしまうのではなく、普段からリスクヘッジをしっかりとり、その中でも何かあったときには落ち着いて対応できる能力が求められます。
③慎重に業務を遂行できる力
営業やデザインなど、一見華々しく見える仕事を支えているのは、丁寧に仕事をしてくれている庶務の業務です。
庶務の方がその業務を存外に扱ってしまっては、部署として、ひいては会社として成り立ちません。
慎重かつ迅速に業務を進めていく能力が求められます。
④基本的なパソコンスキル
庶務の業務内容は日々変化します。表の作成、資料の作成、企画書の作成、その他添削なども含まれます。
これらの業務を遂行していくためには、基本的なパソコンスキルを持ち合わせていることも大事な要素です。
パソコンに関する資格が必要というわけではありません。しかし持っている人の方が依頼される仕事の幅は間違いなく広がりますし、やりがいも生まれるのではないでしょうか。
持っておくと良い資格
①庶務に必須な資格はないが、持っておくと役立つという資格をお調べいただき、ご紹介ください。
①秘書検定
実務技能検定協会が実施している資格です。秘書業務を行う人が初めに取得するものですが、この検定ではオフィスマナーを一通り学べます。
庶務業務に就く際に秘書検定で学んだことが備わっているというのは、とても魅力的に映るのではないでしょうか。
②MOS検定
MOS検定は、マイクロソフト オフィス スペシャリストの略称で、Word、Excel、PowerPointの利用スキルを証明する資格です。Microsoft社が運営しています。
これも必須ではありませんが、自身のパソコンスキルを証明するためにはうってつけの資格です。
③語学の資格
あまり直結するように思えないかもしれませんが、グローバル社会において、クライアントが英語圏の人、というのはよくある話です。
その中で、部署内の整備を行う上で語学スキルがあるというのは非常に有利ですし、任せてもらえるお仕事の幅もぐんと広がります。
庶務業務に向いている人の特徴・向いていない人の特徴
これまで、庶務業務の仕事内容をご紹介してきました。次は向いている人はどんな人なのか、向かない人はどんな人なのかをご紹介します。
向いている人の特徴
庶務業務にはどのような人が向いているのでしょうか。
特徴①|着実にお仕事を進めるのが得意な人
庶務という仕事は、決して華々しく見えるものではありません。毎日コツコツ丁寧に進めていく力が求められます。
ですから、仕事の派手さに関わらず進捗を肌で感じたい人や、丁寧な仕事を積み上げたい人におすすめです。
特徴②|何かを調整したり、間を取り持つのが好きな人
いつも仲介役に入っていたり、幹事として多方面での調整を行うことが好きな人は、庶務業務として近しいものを求められます。
部署内の環境改善はもちろん、部署メンバーのやり取りに入ったりすることも多くあるお仕事であるため、そのような人におすすめです。
特徴③|人が好きであること
特徴②と重なるところもありますが、庶務業務は部署内環境改善を行う中で、人とのかかわりが多いお仕事です。
人たらしという言葉がありますが、人が好きで、人とかかわりあって何かを成し遂げたい人や、人と仕事をすることが好きな人にはおすすめです。
向いていない人の特徴
庶務業務に向かない人は一体どのような人なのでしょうか。
特徴①|自己管理が苦手な人
部署内の調整がメインのお仕事において、自分の仕事はせめて自分で把握しておく必要があります。
誰かに見てもらった方がうまくいく人や仕事をする中で秘書が欲しいと一度でも感じたことのある人には向かない仕事かもしれません。
特徴②|部署を超えた働きがしたい人
企画部・広報部・営業部などなど、部署内にとどまらず様々な部署とのやり取りが必要な部署もあります。
庶務業務は部署内のメンバーに限られることが多いので、そのような部署を超えた働き方を望む人にはあまり向かないお仕事になっています。
特徴③|コツコツする仕事が苦手な人
コツコツ小さな仕事を積み上げて信頼を獲得していくのが庶務業務のやりがいであり、醍醐味です。
それより失敗のリスクがあるかもしれないけれど新しいことをどんどんしたい、であったり型にはまりたくないと考えている人には向かないかもしれません。
庶務業務の給与の目安
ここでは、事務職の平均年収、そして国内の賃金構造との比較を行っていきます。
事務職の平均年収
事務職の平均年収は、全体で329万円、男性は386万円、女性は312万円ほどといわれています。
事務職の中でもどのような会社の事務をしているのかで年収は大きく変わります。特に貿易事務が最も高く、その次に通訳・翻訳業務の年収が高くなっています。
やはり語学スキルは年収にしっかりと影響していることが分かります。
日本人の平均年収との比較
「厚生労働省・賃金構造基本統計調査」の中で、事務や管理の仕事の平均年収は330万程度との記述があります。
実は日本の正社員の平均年収も同じくらいであり、325万円から330万円の間であるといわれています。
あくまで平均なのでもっと稼いでいる人は多いかもしれませんが、しかし庶務業務の人は平均額は受け取れているのです。
職種に関するその他の記事
AI技術の進展によりなくなる仕事に関する記事です。機械的なお仕事はなくなってしまう可能性がある一方で、人の心を必要とする仕事はなくならないということが書かれています。
コミュニケーションを多く必要とし、さらにはイレギュラーの多い庶務は今後も残っていくのではないでしょうか。
文系の学生が就職しやすい職種に関して書かれた記事です。営業やバックオフィスのことなど、広く書かれています。
今回庶務に関する業務内容を扱いましたが、本来事務という仕事は本当に幅広く、さまざまな仕事をやらせてもらえるため成長にもつながります。
まとめ
庶務業務は、どうしても雑用に見えてしまうことが多く誰でもできるという印象を持たれてしまいがちです。しかし必要なスキルも数多く、しっかり部署内での関係性を持てれば、とてもやりがいのあるお仕事なので興味のある人はぜひ一度チャレンジしてみましょう。