【3分で徹底解説】総合商社とは|仕事内容や年収までポイントを解説します

総合商社とは就職希望ランキング上位にランクインする人気の業種です。しかし、仕事内容を詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。この記事では「総合商社とは」「専門商社との違いとは」など基本的なことから、総合商社の仕事内容や年収、今求められている人材、就職するメリット・デメリットまで解説しますので業界研究の一助にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

総合商社とは

総合商社は、就職希望ランキングの上位に毎年ランクインする人気の業種です。

今これを読んでいるあなたも、就職先に商社を検討しているところでしょう。

この記事では、総合商社がどういうものか、仕事内容から年収までご説明します。ぜひ業界研究の参考にしてください。

目次

商社の仕事は輸出入のトレードが中心事業

総合商社は海外製品の輸入と国内製品の輸出を担っており、輸出入の原価に中間マージンを上乗せして販売することで、利益を得ています。

日本で総合商社が発達したのは、国内メーカーは独自の販売部門がないことが多く、販売のプロである商社にその点を任せてきたからです。

しかし、最近はメーカーも独自の販売経路を模索しており、商社の役割が小さくなってきています。そのため、商社はいままでのノウハウを生かして、昨今は新たな分野にも進出しているのです。

7大商社が有名

ここでは、日本を代表する7大商社をご紹介します。後半の見出しで各社を詳しくみていきますのでここでは概略に留めます。

  • 伊藤忠商事・・・明治に伊藤忠兵衛が始めた麻布販売が始まり。繊維分野に強い。
  • 丸紅・・・・・・戦後、伊藤忠商事が分割されてできた企業。穀物分野に強い。
  • 三菱商事・・・・三菱グループの商社。幅広い分野にしっかりとした基盤がある。
  • 三井物産・・・・日本初の総合商社。資源分野に強く、ICTにも力を入れている。
  • 住友商事・・・・住友財閥が元。戦後にできた商社で比較的歴史が浅い。
  • 豊田通商・・・・ トヨタグループの総合商社。自動車や関連部品の販売に強い。
  • 双日・・・・・・自動車事業とインフラ事業に強い。保育所の運営などもしている。

専門商社との違い

専門商社との大きな違いは、扱っている商品の種類です。

総合商社を表す言葉として「カップラーメンからロケットまで」という言葉があります。これは、総合商社が扱う商品の多様性を言い表しています。

つまり専門商社がひとつの分野の商品に特化しているのに対して、総合商社は幅広い分野の商品を取り扱っているのです。

ちなみに、海外には総合商社は存在せず、専門商社のような会社ばかりです。総合商社は日本独特の事業形態といえます。

総合商社の誕生と歴史

日本の総合商社はどのように誕生したのでしょうか。総合商社の歴史を知ることで、その存在理由や現在の立ち位置などを理解することができます。ここでは総合商社の歴史をご紹介します。

黎明期|二大商社の誕生

総合商社の黎明期を支えたのは、三井物産と三菱商事です。どちらも明治期に誕生し、明治維新後の日本の産業を発展させました。

このころの主な事業内容は、生糸や石炭の輸出入。歴史の教科書にでてくる豊岡製糸場や八幡製鉄所にも関わっていました。

第一次世界大戦が勃発すると、欧米への軍需品の輸出が好調になり、商社は大きく成長しました。

第二次世界大戦後は、GHQの指令で財閥解体が行われ、三井物産・三菱商事は一時解体されます。しかし戦後復興のために再編され、再び総合商社が活躍する時代が始まりました。

成長期|高度成長期と開発輸入

高度経済成長期に入ると、総合商社は石油や鉄鉱石を輸入して、日本の重工業の発展を支えました。

また、積極的に海外へ駐在員を派遣し、新たな市場や資源の獲得に努めました。「開発輸入」に取り組みだしたのも、この頃です。従来は、開発済みの資源を買い付けるだけでしたが、商社が自ら海外で開発し、資源確保に努めるようになりました。

メーカーが生産設備を拡大して製品を増産する中、総合商社は原材料と製品の販路を確保して貢献したのです。

衰退期|商社冬の時代

オイルショック以降、日本は低成長時代に入りました。商社が取引をしている国内企業も業績が悪化し、従って商社の業績も低迷しました。

また、このころから商社を挟まずに独自に販路を確保する企業が増えてきて、商社の存在価値が問われるようになりました。これが「商社冬の時代」です。

バブルが崩壊すると、コストカットのために商社不要論はさらに強まりました。

また、インターネットの普及にともない、商社を挟まずに取引をすることは容易になり、商社がただ輸出入の仲介をすればよい時代は終わりを迎えました。

現在|挑戦を続ける商社

衰退期を迎えた現在でも、商社の中心事業は輸出入です。しかし生き残りのために、輸出入以外の様々な分野に進出しています。

ひとつは、事業投資です。今後成長が見込まれる企業や先端技術への投資を行い、収益を得ています。

さらに現在の商社はただ輸出入した商品を卸売するだけでなく、取引企業の経営を様々な面でサポートをするようになりました。

変化する状況の中で、商社は新たな価値の創造のために挑戦を続けているのです。

総合商社の仕事内容・ビジネスモデル

総合商社の歴史で、現在の総合商社の取り組みを少しご紹介しましたが、ここでは総合商社の仕事内容やビジネスモデルをより詳しくご紹介します。

各社で取り扱っている商品や事業内容に違いはありますが、総合商社に共通しているビジネスモデルは「トレード」と「事業投資」です。それぞれ分けてご説明します。

トレード

総合商社のビジネスの基本は、トレードです。

例えば、総合商社は外国で仕入れてきた鉱物や穀物などの原料を国内メーカーに販売したり、輸入した商品を小売業者に卸売したりしています。また反対に、国内メーカーが生産した製品を買い取って、外国企業に販売しています。

こういった商品の売り買いを「トレード」と呼び、商社はトレードの際に得られる中間マージンで利益を上げているのです。

昨今はトレードを通して得た取引先とのコネクションを生かして、企業と企業を繋ぎ合わせる仲介業者としての役割も果たすようになりました。総合商社は独自のネットワークやノウハウを生かして、取引企業に対して様々な役立つ提案を行っています。

事業投資

総合商社のもうひとつの主軸は、事業投資です。

総合商社が事業投資をする理由は、投資をしている企業から毎年配当金などをもらえるからです。総合商社はただ株式を保有するだけでなく、その企業の経営に深く関わり、さらなる収益アップを狙います。その際に役に立つのは、やはり総合商社のコネクションやノウハウです。

例えば、伊藤忠商事はファミリーマートの筆頭株主です。伊藤忠商事は自社のコネクションを生かして、食品流通やファミマTカード事業などをサポートしています。

伊藤忠商事がファミリーマートと関係企業を繋ぐことで、ファミリーマートはスムーズに商品が確保できたり、新たなサービスの提供ができたりします。するとファミリーマートの業績は上がり、出資している伊藤忠商事にも配当が入ってくるという訳です。

商社とメーカーの違い

商社とメーカーはよく比較対象として捉えられますが、最大の違いは自社製品をもっているかどうかです。

メーカーは自社で工場など生産設備を構え、商品の企画から製造、また販売促進までを一気通貫して行います。

しかし、製品を作るためには原料が必要です。さらに原料の原産国が海外の場合、メーカーは上記の業務に加え煩雑な輸出入取引を行う必要があります。

そこで商社の出番です。商社は海外で構築したネットワークをいかし、メーカーの製品に最適な原料を提案し輸出入手続き丸ごと引き受けてくれます。商社は自社で商品をもたないですが、前述したトレードのビジネスモデルで、仕入れ値とメーカーへの売値の差分を利ざやとして儲けているのです。

総合商社の8機能

総合商社には大きく分けると8つの機能があります。これを押さえれば、総合商社が社会や経済のなかでどのような働きをしているのか、ぐっとイメージが湧きやすくなるはずです。ここでは総合商社の8つの機能をそれぞれ簡単に説明します。

①商取引

総合商社にとってメインの仕事です。グローバルな商取引を行って、国内に海外の資源や商品をもたらしてくれます。また、国内で生産された商品を海外で販売し、外貨を稼いでくれています。総合商社は商取引において、大きな影響力を持っています。

②情報

商社は海外に駐在員を派遣するなどして、積極的に現地の情報を収集しています。例えば、現地の政治や経済の状況、商取引をする上で知っておかないといけない法律などです。その情報をもとに現地での商取引を上手に進めたり、得た情報を国内企業に提供しています。

③物流

総合商社は、商取引をするうえで物流業界と深い関係を持っています。飛行機・船・電車・トラックなど、いろいろな物流手段を使って世界中で物資をやり取りしているのです。そのため、最近では自社で倉庫や流通センターを所有して、最適な物流システムの構築を目指しています。

④リスク管理

発展途上国での大事業や、新規成長分野のベンチャー企業への投資は、上手くいけば収益が期待できますが、リスク管理をしっかりしておかないと痛い目を見ることがあります。総合商社は独自のノウハウを生かしてリスクとリターンのバランスをはかり、有益と判断したビジネスに投資をしています。

⑤市場開拓

総合商社は、常に新しい市場の開拓に努めています。商社マンは海外で現地の情報を収集して「ここには日本のこういう商品がフィットするのでは」といったことを考えます。現地の需要と、商社が提供できる供給がマッチすれば、そこに新たな市場が生まれるのです。

⑥金融

企業への融資といえば銀行というイメージがあるかもしれませんが、商社も独自の方法で古くから企業の資金をサポートしてきました。将来性はあるのに、資金が不足して満足な活動ができない企業に対して、商社は先行投資として資金面でのサポートをしているのです。

⑦事業経営

総合商社は事業投資を行って、様々な企業の経営に関わっています。そして、自社のコネクションをフル活用して、業績アップを図ります。原材料の輸入から、工場での加工生産、商品の運輸、そして消費者への販売までを、自社と関連企業で完結させるようなバリューチェーンを構築し、収益の最大化を目指します。

⑧統合

総合商社はグローバルな商取引に特化した組織です。今でこそメーカーが直接海外の企業とやり取りをすることも増えましたが、昭和の時代は商社が一括して海外と取引を行っていました。商社は日本の製品を海外に輸出するためのまとめ役なのです。

総合商社の企業紹介

さて、これまでの解説で「総合商社とは」に対する解像度も上がってきたのではないでしょうか。

続いては、冒頭の見出しで解説した商社のうち、五大商社と呼ばれる、業界TOP5の商社を紹介します。各社、強みや社風も異なりますので比較検討する形で見てみてください。また口コミや評判を現役社員・退職社員の声を集めたOpenWorkより引用しています。

三菱商事

まずは財閥系商社として最も知名度の高い三菱商事です。

基本情報

三菱商事の基本情報は以下の通りとなります。

参照:公式HP、有価証券報告書

登記上の本社所在地は三菱商事ビルディングですが、同じ丸の内に一部の部署のオフィスとして丸の内パークビルディングもたてられています。

資源ではエネルギー分野、非資源では食料・生活消費財・衣料などの生活産業に強みをもつ財閥企業です。また、公益性の強さは企業理念からも現れています。

  • 所期奉公:地球環境の維持に貢献する
  • 処事光明:活動の公開性と透明性を堅持する
  • 立業貿易:全世界的および宇宙的視野に立脚した事業展開を図る

純利益で総合商社1位を防衛していた同社ですが、2015年度決算で資源価格の暴落により赤字転落し、純利益No.1の座を伊藤忠商事に譲った経緯があります。以来、資源寄りの事業ポートフォリオを見直し、非資源分野の強化に注力しています。

評判・口コミ

まずは働きがいに関する社員の口コミです。

海外の現地法人や事業投資先での勤務のチャンスも多く、若いうちから現場でビジネスのダイナミズムを感じることができる点。給与、福利厚生も恵まれており、特に海外駐在の手当て、サポート等は日本企業の中でも充実していると思う。ただ、年齢があがるにつれパフォーマンスに差が出ており、高い給与体系にあぐらをかいたシニア層が多く、若手のモチベーションダウンにつながってしまっている部署、ケースもある。

若手でも現場にでることができる反面、年功序列も一部あることがわかります。

入社して間もないが、社員一人ひとりに求められる要求値はかなり高い。
英語力・年代を問わずに発揮できるコミュニケーション力・人当たりの良さ等、人間の総合力が高次元で要求される点は入社前の希望と合致している。
認識すべきことは、その分やはり精神的・肉体的にタフであることが不可欠であり、その耐性があるかどうか、覚悟があるかどうかは入社前に(わからないなりに)しっかり考えて決断した方がよい。
入社前に考えて決断したという事実が、働いていて辛い時に耐え抜く支えになる。

入社後ギャップについてはイメージ通り、心身ともにタフさを求められますがハイレベルな環境でビジネスができるようです。

三井物産

続いても財閥商社が続きます、三井物産です。

基本情報

三井物産の基本情報は以下の通りとなります。

参照:公式HP、有価証券報告書

三井物産といえば資源分野の印象が強かったですが、近年は医療などヘルスケア領域にも力をいれて取り組んでいます。

同社は「人の三井」と言われるほど、人格に優れた社員を多く抱え三菱、伊藤忠とならび純利益上位を競っています。

評判・口コミ

まずは組織風土に関する社員の口コミです。

古い組織ではあるが140年間存続してきた企業であるだけに、常に変化をしようとする姿勢が強い。働き方改革も早いスピードで行われていたり、部署によるがパワハラ等への不適切行為に対するコンプライアンスを強化し、より働きやすい環境になってきている。また、元々中途・新卒共に厳選された社員が入社することと、社内でのマルチタスキングと様々な国内外・社内外の関係者と仕事をすることにより、優秀で耐性があり、且つコミュニケーション力に長けた人材が多い。よって、人によるが社員同士でプライベートを過ごすことも多い。

歴史ある大企業ながら、柔軟に変化しようとする姿勢をもつ社員が多いことがわかります。

かなり調整しやすいと言える。自身の有給消化率は95%以上。カルチャー・雰囲気的には、有給を取得することについて上司がとやかく言うのはNGという暗黙の空気があり、部下としてはかなり有給取得しやすい。
制度面についても、一時間単位で有給を取得できる制度があり、かなりフレキシブルに仕事とプライベートの時間を設計できる。また時差出勤制度があり、通常の9時15分~17時30分の勤務時間を15分単位で前後に最大2時間ずつずらすことが可能。時差出勤は1日ずつ申請するため、例えば週末の旅行がある際に特定の金曜日だけ2時間早く7時15分に出勤し、15時半に退社、そのまま羽田に向かって旅行に出る、といった使い方も出来る。

福利厚生に関しても、具体的な制度も現場で運用されていることが伺えます。働き方改革に実態をもって取り組んでいることがわかります。

伊藤忠商事

続いては非財閥商社として三つ巴を繰り広げる伊藤忠商事を紹介します。

基本情報

伊藤忠商事の基本情報は以下の通りとなります。

参照:公式HP、有価証券報告書

麻布の卸売を祖業とする伊藤忠商事は一貫して非資源分野に経営リソースを集中させています。資源ほど市況に左右されない非資源分野に張ったことで堅調に業績を伸ばし、2014年度には純利益で1番に躍り出るなど躍進を続けています。

評判・口コミ

まずは働く環境についてです。

朝方勤務を導入してから、20時以降の残業は原則禁止となった。
導入当初は、20時ギリギリまで残業していた社員が多かったが、数年が経ち、20時まで残業をする社員が減り、帰りづらい雰囲気はなくなった。管理職も率先して早く帰っており、不必要/無駄な残業は減っている。
休暇については、夏休みの推奨休暇日数を増やす等、取りやすくはなっているが、まだまだ社員に浸透しておらず、(特に営業の)休暇取得率は低い。

働き方改革が世の中に浸透する前に先駆けて朝型勤務を取り入れたのが伊藤忠です。有給取得にはまだまだ古い体質が残っているようです。

巷では30歳で年収1,000万円と言われているが、実際には多くの総合職社員が学卒5年目・院卒3年目、だいたい27歳で年収1,000万円を超える。ここ数年は業績が良くてほぼ毎年最高益を更新しているため、通常のボーナスに加えて特別ボーナスも毎年支給されるが、特別ボーナスを含めると32歳で年収1,400万円くらいとなる。
海外駐在した場合、駐在地域や単身・独身の違いによって手当も大きく変わるが、20代の若手でだいたい年収1,500万円~2,000万円、30代の中堅で年収1,800万円~2,500万円といったところか。

収入については日系企業の中でもトップクラスで高い給与水準をほこり、海外駐在をするとさらに年収が上がることは間違いないようです。

住友商事

続いてはメディアやヘルスケアなどの領域で強みをもつ住友商事についてご紹介します。

基本情報

住友商事の基本情報は以下の通りとなります。

参照:公式HP、有価証券報告書

住友商事はほかの商社に先駆けてリスク管理手法の開発に注力した経緯から、「石橋を叩いて渡らない」などと表現されることもありますが、近年はヘルスケア領域などを中心に積極的に投資を進めています。

評判・口コミ

まずは組織風土についてです。

巨大組織の典型、案件取り進めにつき、階層ごとの上司に対してか詳細な説明が必要であることから、意思決定が遅い。また、下からの提案が通るというよりも、経営層から暗黙了解している案件を実務的に取り進めることがほとんど。
法令コンプライアンス遵守が最優先であり、企業文化としては常識人が集まっているイメージだが、やはり昔からの商人気質を持ってる人たちがマネージャー以上に沢山いるため、気合いみたいなことを問われることも多々ある。
また新卒入社が殆ど、カテゴライズされている人たちばかり、ダイバーシティからは程遠い。近年スペシャリスト的な中途採用も見かけるが、特別視されている雰囲気で逆に不自然。

やはり法令遵守意識が強いようです。リスクテイクすることも他商社より比べて少ない印象です。

強み:まじめにこつこつそつなく仕事をこなすため、大きなチョンボが少ない。景気がよければ何とかやっていける会社。個性がなく、仕事をそつなくこなす社員が評価されるので、新しい仕事やアイデアが出てくる会社ではない。また上司もそれを評価できるだけの能力も経験もない。コンプライアンスを最重要視しているので社会常識に反するような行動は厳禁であり、社会人としてのマナーや心構え、サラリーマンとしての必要事項がばっちり身に着く。

大きな事業損失は少ないかもしれませんが、新規事業の創出が求められる商社業界では体質変化も求められています。

丸紅

最後に伊藤忠商事と同じく非財閥系で穀物など原料分野および電力分野に強みをもつ丸紅についてご紹介します。

基本情報

丸紅の基本情報は以下の通りとなります。

参照:公式HP、有価証券報告書

丸紅はもともと伊藤忠商事と兄弟関係にあり、それが分離した会社です。コーヒーなど穀物分野のシェアは世界的にみても高く、発電所も各地で建設し電力分野では商社No.1です。

電力自由化の普及に伴い、電力の小売販売事業への参入など今後の新規事業に注目です。

評判・口コミ

まずは組織風土についてです。

良くも悪くも日本の大企業。従来のいわゆる商社機能だけでは今後生き残りが難しいと考え、新たな事業部を設けて、外部から人を呼び戻してまで、新規案件に取り組もうとしている。こういった新しいことに挑戦しようとする姿勢は良いが、そもそも所属する社員が、ベンチャーなどに行く勇気がなく、安定と高給を求める保守的な人間が多く、矛盾がある。ただここに大企業ならではの良さがあり、社員にそれほど変な人が混ざらないので、人材レベル、人間関係等は高い水準と感じた。

新規事業に向けて外部から人を登用したり制度整備を進めているようですが、まだ花開くまでには時間がかかるようです。

昔はブラック企業顔負けの会社寝泊まりが当たり前だったが、最近はワークライフバランスや働き方改革が進んでおり、休みも取れる。人は良い人が多いが、仕事ができる人は少ない。かなりノホホンとしており、力のある人間は物足りなさから去る人間が多い。逆に考えると大して仕事をせずに給料が世の中では高い為、人に優しい会社。中には昭和的な働き方を是とする幹部もまだ残っていることから、ゴールデンウィークやお盆は海外出張を入れることが多い。会社としては働きやすいので、いい会社。但し判断が遅い、官僚的な部分が残念なところ。バリバリやりたい人には向かない。

ガツガツした印象がありますが、スピード感を感じない人も多いようです。

総合商社志望の就活生が知っておくべきこと

総合商社はトレードや事業投資をはじめ、日本経済を支えるやりがいのある仕事がたくさんあります。

しかし、憧れだけで入社すると後から「これは予想していなかった」という意外な事実に驚くことがあります。事前にわかる情報は収集して、覚悟をきめて入社しましょう。

ここでは、総合商社を受験する前に知っておくべきことを解説します。

総合商社は激務である

総合商社の仕事は残業や休日出勤が多く、肉体的にも精神的にも激務であると言われています。なぜ激務となってしまうのかは以下の記事で解説しているので読んでみてください。

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飲み会は激しい

総合商社は取引先の接待をすることが多く、飲み会は激しいです。さらに接待以外に、社内の飲み会や合コンもあります。総合商社の飲み会の詳しい内容や、断れないのかなどを以下の記事で解説しています。

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一般職に美人は多い

総合商社の一般職は狭き門です。そのため、その厳しい試練を乗り越えた、英語能力があり、学歴も高く、その上美人といった優秀な女性が多く働いています。

「美人じゃないと総合商社には就職できないの?」と不安に感じた女性がいたら、以下の記事を読んでみてください。

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年収は高い

トップクラスの総合商社では、平均年収は1000万円を超えます。以下の記事では伊藤忠商事を例に、入社後の給料事情を具体的に説明しているので、ぜひ読んでみてください。

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おさえておくべきキーワード

総合商社では、独自の業界用語があります。なんとなく聞いたことがある単語もあるかもしれません。

総合商社の求める人材

総合商社を受験する覚悟は決まりましたか。それでは、ここからは総合商社が求める人物像をご紹介します。総合商社が自分に合っているか確認したり、面接のときのアピール方法を考えたりするときの参考にしてください。

総合職

総合職は、世界中を飛び回って商取引を行います。やりがいがあり、収入も良いですが、激務といわれるところが難点です。

①挑戦を恐れない

総合商社の総合職は、いろいろな国と取引をしないといけません。慣れない環境下で、現地の人とコネクションをつくり、取引をしていくのは非常に大変なことです。

そんな仕事を続けていくために大切なのは、挑戦を恐れない強い気持ちです。知らない場所・知らない人・やったことがない仕事。そんな中に飛び込んでいくのは、安定を求める人には厳しいでしょう。変化を恐れない、挑戦を楽しめる人が向いている人材であり、求められる人材です。

②壁にぶつかってもめげない

新規市場の開拓や顧客との契約は、なかなか上手くいかないことがあります。しかし壁にぶつかっても、めげずに解決方法を探し続けなくては、成功をおさめることはできません。

総合商社の仕事は変化に富み、ひとつ壁を乗り越えたと思ったら、今度は次の壁ということの連続です。それを嫌がらず、粘り強く取り組むことができる人材は重宝されるでしょう。

一般職

一般職は、会社で事務仕事を行います。総合職が提出する各種伝票を処理したり、会社の入出金を管理したりするなど、サポート的な役割を務めます。

①高学歴

総合商社の一般職は、時には採用倍率が200倍近くになることがあります。そんな狭き門の一般職に合格するためには、まずは学歴が求められます。基本的に大学卒以上。人気の総合商社だと、早稲田や慶応など有名大学出身の学生が採用されることが多いです。

②英語能力

総合商社には国際電話が頻繁にかかってきます。そのため、それに対応できる英語力が必須になってきます。TOEICの点数でいえば、少なくとも700点。できれば800点はあったほうがいいです。

総合商社で働くメリット・デメリット

最後に総合商社で働くメリット・デメリットをご紹介します。総合商社は他の業種と比べて、どのようなところが優れているのでしょうか。また、どこが苦労するポイントなのでしょうか。

メリット

まずは総合商社で働くメリットを2つご紹介したいと思います。

①給料が高い

総合商社は一般的な企業に比べて、とにかく給料が高いです。上位の総合商社だと、平均年収は1000万円超え。入社1年目から高額ボーナスがもらえることもあります。さらに、福利厚生が充実しており、各種手当てももらえます。

②グローバルな舞台で活躍できる

総合商社は海外赴任が多いのが特徴。海外で働きたいという方にはうってつけです。いろいろな国の人と知り合って一緒に仕事をするのは、刺激的な体験になるはずです。また、仕事を通して幅広い人脈ができるのは、自分にとっての財産になるでしょう。

デメリット

次に総合商社で働くデメリットを、2つご紹介したいと思います。

①体調を崩しやすい

商社での仕事は激務と言われます。海外を飛び回って仕事をするのは、体に負担がかかります。また仕事量が多く、残業や休日出勤になることも多いようなのです。やりがいがあっても、体が次第についていかなくなって体調を崩してしまう恐れがあります。

②精神的なストレス

残業や付き合いで自分の時間がとれなかったり、体調が悪いのに働き続けたりすると、だんだんメンタル面に影響がでてきます。やりがいを感じられなくなり、限界を感じて退職に至る人もいるようです。

まとめ

総合商社は日本の経済を支える非常にやりがいのある仕事です。仕事で海外に行くことが多く、グローバルな仕事をしたい人には魅力的だと思います。

総合商社の仕事に興味をもった人は、インターンシップなどにも参加して、業界研究を進めましょう。検討を祈っています。

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