理系にはどのような就職先が人気なのでしょうか。理系は推薦で就職する人が多い一方、文系就職を目指す人もいます。今回は理系就職の動向から理系就活生に人気の就職先を紹介します。理系は院に進む人が多く、就活のタイミングが文系よりも遅くなることが多いですが、できるだけ早くから就職について考えておくことをおすすめします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
理系の就職動向
まずは理系の就職動向について説明します。
理系学生の需要は高まっており、理系就職者の割合は右肩上がりです。理系学生を求める企業も多く、就活には有利だと言えるでしょう。
文系の方が理系より就職割合は高い
文系学生の方が、総じて理系より就職割合が高い傾向にあります。以下は、「文部科学省|学校基本調査 – 令和元年度結果の概要」を元に作成した、平成31年3月の学科別卒業者の就職率の割合です。
上記の表からわかるように、人文科学・社会科学の文系学科の大学学部卒業者の割合は80%を超えています。
一方、理系の学生の学部卒業後の就職率が低いのは、半数以上の学生が大学院に進学するからだと考えられます。
理系就職者の割合は右肩上がり
理系学部の多くが卒業後に院に進むと前述したものの、理系就職の選択肢を取る学生も増えていきています。
「文部科学省|学校基本調査 – 令和元年度結果の概要」によると、平成21年〜31年の理系学科の学生の就職率は以下のように推移しています。
3つの学科とも10年で就職率が上がっています。特に理学学科・農学科では就職率の上昇が大きくなっています。大学院進学だけでなく、理系就職が卒業者の間で選択肢の1つとして定着してきていることがうかがえます。
専門的・技術的職業従事者の割合は右肩上がり
専門的・技術的職業従事者の割合は近年増加しています。「平成31年度 学校基本調査の手引」では、専門的・技術的職業従事者は以下のように定義されています。
高度の専門的水準において,科学的知識を応用した技術的な仕事に従事するもの,及び医療・教育・ 法律・宗教・芸術・その他の専門的性質の仕事に従事するものをいう。この仕事を遂行するには,通 例,大学・研究機関などにおける高度の科学的訓練・その他専門的分野の訓練,又はこれと同程度以 上の実務的経験あるいは芸術上の創造的才能を必要とする。
専門的・技術的職業従事者の具体的な例として、以下の職業が挙げられます。
- 研究者
- 製造技術者
- 化学技術者
- 建築・土木・測量技術者
- 情報処理・通信技術者
- 医師・薬剤師
文系も含めると、教員やデザイナーなども専門的・技術的職業従事者に分類されます。専門的・技術的職業従事者は事務従事者、販売従事者など他の職業をおさえて最も割合が大きくなっています。
「文部科学省|学校基本調査 – 令和元年度結果の概要」の図6・図7を参照すると、平成31年は専門的・技術的職業従事者が就職者総数の38.6%を占めており、そのうち16.1%が技術者です。
理系の文系就職はあり?
理系でも文系就職を選ぶ人がいます。理系学生は論理的思考力があるため、企業からの印象はよい傾向にあります。論理的思考能力を生かして文系就職をするのも、決して悪くない選択肢でしょう。
しかし、理系が文系就職をするなら考えておきたいことがいくつかあります。以下の記事では、「なぜ理系就職をしないのか」「教授への相談」など理系が文系就活をする前に押さえておくべきことについて説明しています。
ぜひ、就活を始める前に一読しておいてください。
理系の学部別の主な就職先
続いては理系の学部別の主な業界・職種を紹介します。
もっと詳しく知りたいという方は、母校の卒業生の進路を確認してみてください。学部別でなく、自分の大学の就職先の傾向がわかります。
理学部
理学部の学生の主な就職先として以下の業界・職種が挙げられます。
- IT業界
- 金融
- 機械メーカー
- 化学メーカー
- 製薬会社
理学部の中でも数学科・化学科の場合はIT業界や金融、化学メーカーへ就職する学生が多いようです。生物・バイオ関連の専攻の場合は食品・化学・製薬メーカーやエネルギー関連会社も人気です。
工学部
工学部の学生の主な就職先として以下の業界・職種が挙げられます。
- IT業界
- 自動車メーカー
- 鉄鋼メーカー
- 機械メーカー
- 設計・開発エンジニア
- 生産管理
工学部は専攻によって就職先が異なりますが、総じてメーカー系や理系の開発・研究職、生産管理職を選ぶ学生が多い傾向にあります。
ITエンジニアを志望する学生も多く、またOBの多さから自動車メーカーに就職する学生もめずらしくありません。
農学部
農学部の学生の主な就職先として以下の業界・職種が挙げられます。
- 食品メーカー
- 化学メーカー
- エネルギー企業
- 公務員
農学部も研究・開発職を志望する学生が大半です。農学部から公務員を目指す人も多く、農林水産省や国土交通省、林野庁や環境省などが志望先として挙げられます。
専攻を生かせば、農学分野の専門性が求められる地方公務員にも受かりやすいと言えるでしょう。
医学部・薬学部
医学部の学生の主な就職先として以下の業界・職種が挙げられます。
- 大学病院
- クリニック
- 調剤薬局
- 製薬会社
- 化粧品メーカー
医学部の学生のほとんどが医療施設に就職します。一方薬学部の学生は薬局に限らず、製薬会社や化粧品メーカーなど、メーカーの開発職を目指す人も多く、選択肢を幅広く持っているようです。
理系の就職先ランキングTOP10
続いては理系に就職先として人気の企業を紹介します。
東洋経済オンライン|理系就活生が選ぶ「就職人気ランキング」TOP100によると、理系に人気のトップ10社は以下の通りです。
理系では食品メーカーの研究職やITの専門職に人気が集中していると言えそうです。
特に人気のあるトップ3企業それぞれの特徴を、以下で解説します。
1位|明治グループ
2020年卒の就活生だけでなく、2019年卒の就活生からの人気も1位だっったのが明治グループです。菓子メーカーのイメージがありますが、Meiji Seikaファルマという製薬会社も明治グループに属しています。
基本データ
以下の表は明治グループの公式HPおよび有価証券報告書を参考に作成したものです。
明治グループは連結での従業員数が17,000人を超える大きな組織です。
明治グループは菓子類の製造・販売を行っている株式会社明治、製薬メーカーのMeiji Seikaファルマ株式会社、人・動物用ワクチンなどを提供するKMバイオロジクス株式会社によって構成されています。
理系の就職先として人気の理由
明治グループが理系の就職先として人気である理由に、以下の4点が考えられます。
- 身近な企業で知名度が高い
- 安定しており、将来性が信頼できる
- 年収・福利厚生がよい
- 研究・開発職のポストが充実している
明治グループはメーカーなので、商品の研究・開発ポストが多数設けられていることが、大学の専攻を生かしたい理系の学生が集まる要因の1つです。
そもそもの知名度が高く、経営や将来性が安定しているので、何かあっても簡単に倒れない体力があることも就活生を引きつける理由だと考えられます。
2位|ロッテ
理系就活生の人気企業トップ2位に選ばれたのは、「雪見だいふく」や「コアラのマーチ」で有名な菓子メーカーのロッテです。
親会社であるロッテホールディングスは日本と韓国でプロ野球チームや、ロッテホテル、ゴルフ場や免税店なども所有しています。
基本データ
以下の表はロッテの公式HPおよび有価証券報告書を参考に作成したものです。
「メリーチョコレート」で知られるメリーチョコレートカムパニーや、クリスピー・クリーム・ドーナッツ・ジャパンなどもロッテのグループ会社です。
創業者が韓国人で、韓国でも幅広くビジネスを展開しています。そのため、海外売上が占める割合が大きいのが特徴です。
理系の就職先として人気の理由
ロッテが理系の就職先として人気である理由に、以下の4点が考えられます。
- 身近な企業で知名度が高い
- 安定しており、将来性が信頼できる
- 年収・福利厚生がよい
- 理系のポストが充実している
ロッテも、明治グループ同様の理由で人気があると考えられます。採用窓口は生産系・研究系・エンジニアリング系と分かれており、理系学生が自分の専門性を生かしやすいよう配慮されています。
トップ10位のランキングを見ても、やはり食品会社は理系からの支持が厚い傾向にあります。
3位|Sky
前年から大きく順位を上げたのが、システム・ソフトウェア開発を手がけるSkyです。俳優の藤原竜也さんを起用したCMで知名度が高まり、積極的な採用活動が功を奏していると言えます。
基本データ
以下の表はSkyの公式HPおよび有価証券報告書を参考に作成したものです。
IT業界の成長が著しい傾向にあります。パソコン周辺機器本体の開発もしているので、ITエンジニアを志望する理系学生だけでなく、メーカー志望の学生も多数応募しているようです。
体育会系で仕事はハードであるものの、家賃補助を含めた福利厚生が充実しており、社員の定着率は95%を誇っています。
理系の就職先として人気の理由
Skyが理系の就職先として人気である理由は、以下の点が考えられます。
- 成長業界で将来性がある
- ITエンジニア志望の理系学生が多い
- 年収・福利厚生がよい
- 採用・広報活動が積極的
SkyはCMを中心とした自社ブランディングだけでなく、合同説明会に積極的に出展したりと採用活動に力を入れています。採用人数も多く、自社の存在を就活生に広く、印象的にアピールできていると考えられます。
以下の2記事はSkyを受ける前にぜひ読んでおいてください。
「激務」と言われたり、年収が高そうなイメージがあるものの、企業の実態は掴みにくい部分があります。Skyの企業研究をする際に、ぜひ以下で紹介している情報を生かしてください。
理系の就職偏差値もあわせて確認
理系就活をする場合には、自分が志望する企業の就職偏差値もあわせて確認しておきましょう。偏差値が高いほど内定獲得が難しく、求められるレベルが高くなります。偏差値トップの企業にはGoogleやIBMが挙げられます。
以下の記事では、理系の学生の就職先として人気のある企業の就職偏差値を一覧で載せています。就活偏差値を知ることのメリットやデメリットについても紹介しているので、ぜひ企業選びの際の参考にしてください。
まとめ
今回は理系の就職先について、就職動向や人気企業を重点的に解説しました。
理系就職の割合は増えており、企業も論理的・数学的思考力のある理系学生を求める傾向にあります。理系学生にはメーカーなどの研究・開発職や生産管理職が人気なので、就職難易度がさらに高まっていくことも考えれられます。
理系就職をする場合には早めに動き出し、しっかりと就活対策を行うようにしてください。