「コミュ障」という言葉はすでに認知されていますが、それを克服しなければ社会で生きにくいという現実があります。そこで今回はコミュ障とは何か、その特徴と克服するためにステップ、心がけたい日常習慣やコミュ障を治すために日々できるトレーニングについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
コミュ障というだけで病院にいく必要はない
コミュ障という言葉は知っていても、その意味を知らない人は案外多いようです。コミュニケーション障害の略称がコミュ障で、他者との関りや対話が苦手な人を指します。
「コミュニケーションが苦手なのは、心の病気かもしれない」と不安に思うことがあるかもしれません。しかし、コミュ障だからといって、病院に行く必要はないので安心してください。
ここでは、コミュ障と人見知り、またコミュニケーションを語る上でよく話題にあがる「アスペルガー症候群」の違いについて説明します。
コミュ障と人見知りは似ているが異なる
人見知りとは、初対面あるいはよく知らない相手と話そうとすると極度に緊張したり、普段通りに話せない人のことです。たとえば、人見知りには以下のようなケースがあてはまります。
- 立食パーティーや大勢の飲み会が苦手
- 服屋で店員に話しかけられたくない
- 友達が、別の友達を連れてくると何を話せばいいのかわからない
初めての人とうまく話せないと、自分がコミュ障だと思ってしまうかもしれません。しかし、人見知りでも心を開けば、人とスムーズにコミュニケーションが取れるようになります。
コミュ障はむしろ、日常的な人とのやりとりに苦手意識を持っている人のことを指します。そのため、コミュ障と人見知りは似ているものの異なります。
コミュ障とアスペルガー症候群は全く異なる
「コミュ障」は「コミュニケーションに対して苦手意識がある」人のことを指しますが、アスペルガー症候群は、発達障害の一種です。両者は全く異なります。
- 人の気持ちがわからない・共感できない
- 興味がないことはできない
- 空気が読めない
アスペルガー症候群には上記のような特徴があり、社会的な活動をする上で支障が出ることもあります。アスペルガー症候群は病院で治療やサポートを受けることで、対処が可能です。
アスペルガー症候群の当事者は「なぜコミュニケーションがうまくいかないのか」をわかりません。一方、コミュ障は自分のコミュニケーションへの苦手意識を自覚しており、また病院に行っても治療法がありません。自分でどうにかするしかないのです。
コミュ障になってしまう人に共通する3つの特徴
コミュニケーション障害は、先天性のものではありません。幼少期からの成長の過程で、コミュ障に陥るケースが一般的です。
ここでは、コミュ障になってしまう人に共通する3つの特徴について説明します。
①幼少期に叱られることが多かった
人間関係の構築スキルは、家庭で育まれるものです。しかしコミュ障になった人の大半は、幼少期に叱られることが多く、ありのままの自分を受け入れてもらえないケースが多いといわれています。
乳幼児にとって絶対無二の存在である親に、心ない言葉を浴びせられる環境で育つと、自分に自信がもてなくなります。その結果、自分が言いたいことも言えなくなり、対人関係にストレスを感じるようになります。
そうしたダメージが残っているため、他者との関りを敬遠してしまうのです。
②自分に自信がない
コミュ障の多くが、自分に自信がないといわれています。両親に叱責されてばかりいたり、家族間の会話がない家庭で育つと、子供は他者との接し方や会話の進め方を学ぶことができません。
そのため、思春期に友人との距離がうまくとれず、それを指摘されることでますます自分に自信がなくなるという、マイナスのスパイラルに入り込むケースが珍しくありません。
そうした経験から、他者と接することができなくなっていくのでしょう。
③他人が怖い
コミュ障の中には、信頼していた人に裏切られた、大きな失恋をした、いじめにあった経験をしている人が少なくありません。そうした出来事により、自分の人格を否定されたように感じてしまうのです。
その結果、他人が怖いと思うようになります。二度と同じ傷つき方をしたくないという思いが、他者を遠ざけてしまうのでしょう。
【重症度別】コミュ障が抱える特徴
コミュ障と一口にいっても、軽度か重度かによって抱える特徴は異なります。ここでは、重症度別にコミュ障が抱える特徴について紹介します。
軽度のコミュ障が抱える特徴
軽度のコミュ障とは、プライベートな話をすることに対して抵抗感があるものの、表面上は他者と付き合える人をさします。隠れコミュ障と呼ばれることもあります。
軽度のコミュ障が抱える特徴には、以下のものがあります。
- 職場以外で会社の人と会おうとしない
- 友人と会っても聞き役に徹する
- 自分のことを話そうとしない
- 話し相手に質問をしない
重度のコミュ障が抱える特徴
重度のコミュ障になると、徹底的に人との関りを避けます。そのため職場においても、必要最小限の会話をする程度です。友人も恋人も家族もいらないと考える人も多く、それが高じると引きこもりになります。
重度のコミュ障が抱える特徴には、以下のものがあります。
- 1人でいるのが好き
- 無表情で、あまり笑わない
- 話しかけられても返事をしない
- 歩くのが速い、人にペースを合わせない
コミュ障を克服するための3つのステップ
社会に出ると、コミュ障が原因で日常生活に差しさわりが出ることが増えます。社会生活を営んでいくうえで、コミュ障の克服を目指すのはよいことです。
ここでは、コミュ障を克服するための3つのステップについて説明します。
①コミュニケーションの苦手な部分を見つける
コミュ障を克服するためには、自分がコミュニケーションにおいて苦手な部分を見つけ、対処法を実践することが大事です。コミュ障な人が苦手と感じるシチュエーションには、以下のものがあります。
- 会話する相手と目線を合わせられない
- 自分から話しかけるのが怖い
- 空気を読めない
- 他人の目を気にしすぎてしまう
他者と関わるうえで苦手と感じる理由がわかれば、対処法を探せます。まず、自分が苦手なものを見つけましょう。
②実現可能な目標設定をする
コミュニケーションの苦手な部分を見つけたら、それを克服するために何をすべきかを考えます。そして、実現可能な目標設定をするのです。具体例は、以下の通りです。
- 挨拶する時は相手の目を見る
- 上司や先輩への報連相を徹底する
- 会話はキャッチボールだと意識して発言する
- 話しかける時は、結論からいう
ハードルが低めの目標を一つ設定し、クリアしたら次に進むというように、段階的に取り組んでいくと負担が少ないはずです。
③目標に向かって行動を変えていく
実現可能な目標設定をしたら、それを達成するために行動を変えてみましょう。まずは目標にしたことを、必ず実践します。さらにやってはいけないことを覚えて、日常生活に役立てるのもおすすめです。
- 相手の話を上の空で聞く
- 話の腰を折る
- まったく発言をしない
- 自分ばかりが話す
- 終わった話を再び始める
上記の5つをやらないように気をつけるだけでも、周囲とのコミュニケーションがはかりやすくなるはずです。ぜひ実践してみてください。
コミュ障を治すためのトレーニング
自分の行動を意識して変えることで、コミュ障克服のトレーニングになります。
ここでは、コミュ障を克服するためにできる10の習慣について説明します。
①挨拶をする
まず、職場の人全員に挨拶をする習慣をつけましょう。その際、明るい声で挨拶することを心がけると、相手にも喜ばれます。
コミュ障の人は挨拶に苦手意識を持ちがちです。「無視されたらいやだな」と思うかもしれませんが、無視されても失うものはありません。むしろ、相手が「嫌な人」であることを周りの人が気づくきっかけになる、程度に思っておきましょう。
②相槌を打ちながら話を聞く
他者と話をする時には、相槌を打つことを徹底してください。その際に相手の目を見ると、より好感をもたれるはずです。
自分が無理に何かを言おうとする必要はありません。まずは相槌を打ち、「そうなのですね。」と相手の話したことを肯定するようにしてみてください。
③身だしなみを整えて自信を持つ
コミュ障には自分に自信がない人が多いので、身だしなみを整えることから始めましょう。洋服やメイクに気を配って身なりを整えると、自信が持てるように感じるはずです。
また、髪型は自分の印象を大きく左右します。コミュ障を克服したいなら、思い切って美容室に行って、イメージチェンジをしてみましょう。髪型を変えることは、他人とのコミュニケーションとのきっかけにもなります。
④いつも笑顔でいるように心がける
自分から話しかけるのが難しくても、職場でいつも笑顔でいるように心がければ、周囲から話しかけやすい人と思ってもらえます。
無理に笑顔を作るのではなく、口角をあげるように意識してみてください。そうすれば、自然とやわらかい雰囲気を出すことができるようになります。
⑤自分が話しやすい話題を見つけておく
コミュ障は雑談を苦手としますが、趣味の話はできる人が多いはずです。自分が話すことができる話題を、あらかじめ見つけておきましょう。
そのためにも普段から複数の趣味を持っていると、いろいろなことを話せるようになります。
⑥感謝の気持ちを持ち続ける
引きこもりであっても、他者と一切関わらずに生きていくことはできません。だからこそ、どんなことにも感謝する気持ちを持ち続けましょう。
「ありがとう」は人間関係の基本です。何かしてもらったら、それを当然と思うのではなく感謝を伝えるようにしてください。
⑦相手の話に興味関心を示す
自分が話すのが苦手であれば、相手の話に興味関心を示しましょう。上手な聞き役になることで、話さずしてコミュニケーションできるようになります。
相手に興味がなければ、相手の仕事に興味を持つようになってみてください。
⑧深く考えすぎない
コミュ障の人は場の空気を壊さないために、会話中でも自分の発言が適切かどうか、考える傾向が強いです。あまり深く考えすぎずに、思ったことを口にしてみましょう。
コミュニケーションは失敗して当たり前です。失敗から学ぶことが大切なので恐れずにいろいろと言ってみましょう。
⑨マイナス思考を極力控える
コミュ障には人間関係につまづいた過去がある人が多く、マイナス思考に陥りがちです。だからこそ相手の言葉を深読みし過ぎず、マイナス思考を極力控えることをおすすめします。
人は、そう簡単にあなたのことを嫌いになりません。安心してください。
⑩完璧を求めない
コミュ障には完璧主義者が多く、他者に失態を見せたくないがゆえに距離を置こうとするケースが少なくありません。完璧を求めないことで、心にゆとりを持つ努力をしてみましょう。
完璧なコミュニケーションはありません。場を盛り上げたり、おもしろいことを言わなくても、相手の話にしっかり耳を傾けることが本当のコミュニケーションです。
コミュ障が就活を乗り切るには
初めての人と話す機会が多い就活は、コミュ障にとって試練に感じるものです。特に、コミュ障の特徴である完璧主義が就活を難しくしてしまう傾向にあります。
自分にコミュ障の自覚があるなら、面接では以下のことを心がけましょう。
- たとえ面接官が無愛想でも笑顔でいる
- 自分のことを話しすぎない
- 質問の意図をまず整理してから回答する
- 質問の意図がわからない時は、「こういうことですか?」と確認する
面接も、普段の会話の延長上にあるものです。日常の会話がスムーズに進むよう努力していれば、面接もうまくこなせるようになります。
前述した「コミュ障を治すトレーニング」とともに上記4つのポイントを押さえておけば、コミュ障でも面接でよい印象を残すことができるはずです。
自分がコミュ障で克服すべきか診断する方法
自分もコミュ障かもしれないと思いながら、確信が持てない人もいることでしょう。そんな時には、自分がコミュ障かどうかをセルフチェックできるサイトを活用するのも方法の一つです。
「Direct Communication」というサイトには、「コミュニケーション総合能力診断」というコンテンツが用意されています。11の設問に答えるだけで、自分のコミュニケーションスキルのレベルがわかります。
自分のコミュニケーションレベルを知れば、日々の中で何を意識すべきかを見つけやすくなります。ぜひ試してみてください。
まとめ
今回はコミュ障とは何か、その特徴と克服するためにステップ、心がけたい日常習慣について解説しました。
自分はコミュ障でなくても、こうした知識があれば同僚にそうしたタイプがいた時に対処しやすいはずです。働きやすい職場環境をつくる意味でも、コミュ障を克服する努力とそれを受け入れる気持ちを持ち続けていきましょう。