就職解禁とは経団連に所属する企業が応募者のエントリーを受け付ける日のことを指します。志望度が高い企業の場合、就活解禁日に遅れると後戻りができないほど、知っておくことが重要です。今回は就活解禁に関する基本情報から21卒でのルールの変更、22卒の就活スケジュールについて詳しく説明していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
結論|就活解禁日は21卒も22卒も変わらない
結論から言うと、2021年卒も2022年卒も就活スケジュールは従来と代わりなく、すなわち就活解禁日も従来通り3月1日になります。
具体的には
- 広報活動(説明会など)の解禁日:3月1日
- 面接の解禁日:6月1日
- 内定の解禁日:10月1日
のままです。
これは、2018年に就活時期撤廃が発表されたのち、新ルールが2020年現在、未だ策定されていないことが原因です。その間の就活解禁日やスケジュールは例年に従うこととなっているのです。
2022年卒の就活スケジュールについても現状政府からの発表がない以上、例年の上記スケジュールを継承する可能性が高いです。しかしながらコロナウイルスの影響などで就活解禁日やスケジュールに例年にない変化が予想されます。
2022年卒の就活解禁はいつになるか、就活生は注視しておく必要があります。
就活解禁、就活ルールの歴史
そもそも就活ルールが制定され「就活解禁」という概念が誕生した背景には何があるのでしょうか。
まずは就活ルールの歴史を簡潔にご紹介します。そこには早期採用しようとする企業と、学業に専念させたい大学・政府との官民におけるせめぎ合いがありました。
就職協定(1953年)
就活ルールのはじまりは1953年に就職問題懇談会にて結ばれた就職協定に端を発します。
当時、戦後復興の真っ只中であった日本は朝鮮特需により経済も好況でした。企業は労働の担い手となる大学生を早期に採用すべく、大学在学中の採用活動に取り組んでいましたが学業に専念できなくなることを懸念した大学側と衝突。利害関係を調整すべく、大学・企業・文科省・労働省による就職問題懇談会にて法的に強制力のない紳士協定として就職協定が結ばれました。
就職協定によると大学4年の秋が就活解禁。その時期からしか採用活動を行えない取り決めでしたが、実際のところ「青田買い」と言われる就職協定を無視した学生の早期採用が協定締結後も行われていました。
倫理憲章(1997年)
就職協定が形骸化し、遵守されなかったことで同協定は1996年に廃止。代わりに経団連が策定したのが「新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」(通称:倫理憲章)とよばれるものでした。
倫理憲章では抽象的な表記が多く、具体的に明記されていたのは「正式な内定日は卒業・修了学年の10月1日以降とする」ことのみで就活解禁日などについては触れられませんでした。また経団連非加盟企業には拘束力がなく、経団連加盟企業においても倫理憲章を遵守する企業は一部にとどまりました。
採用選考指針(2013年)
安倍政権時代の成長戦略として、学業に専念させることでより世界に通用する人材を育成したいとの方針から経団連に実行力のある指針策定を要請。経団連は倫理憲章を廃止し、より拘束力の強い採用選考指針に改めました。
採用選考指針では就活解禁日についても明記。説明会などの広報活動の解禁日を「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、面接の解禁日を「卒業・修了年度の6月1日以降」としましたが、罰則規定はないため依然として経団連の加盟を問わず遵守されない形で運用されることになりました。
就活時期撤廃(2018年)
形骸化されたルールにメスを入れる形で、2018年、経団連は日本型雇用システムが前提とした新卒者の一括採用制度が崩れているとして2021年卒から就活時期の撤廃発表。これに代わる指針は今後、政府主導で策定されるがその間は従来通りのスケジュールが適用されることとなっています。
2020年卒までの就活状況との違い・ポイント
就活ルールがあった2020年卒と、就活ルール撤廃後の2021卒以降では違ってくる点がいくつかあります。
以下では5つのポイントについて説明します。先を見据えて早めに動き出すようにしましょう。
①経団連主導から政府主導になる
就活ルールの撤廃後、今までの経団連主導の就活体制から政府主導に変化します。
今はまだ未定ではあるものの、新しい就活ルールが政府によって定められることが発表されています。経済界・大学側の意見とすりあわせながら、現在新しい方針が模索されている最中です。
②通年採用をする企業が増え就活が激化する
通年採用をする企業が増えると、その分就活生が受けれられる企業も多くなるということです。
その分就活生は内定を多く取ることができ、企業は新卒の確保に苦労するようになることも考えられます。また、一定の就活生に内定が集中してしまう就活格差がさらに激しくなる可能性もあります。
以下の記事では時期ごとにやるべきことや就活の進め方について説明しています。就活全体のスケジュールをざっくりと作っておくため、一度確認しておきましょう。
③インターンから直接採用する企業が増える
経団連は現在「インターンと選考を直結させない」という方針を掲げています。
就活ルールとともにその方針も撤廃されるので、インターンの成績によって採用可否を決める企業が増えることが予想されます。インターンに参加する学生が今以上に多くなる見込みです。
特に、2022年卒以降は就活時期も不確実になるため、インターン重視の傾向は強まる可能性があります。
④IT企業・外資系企業は影響を受けない
就活ルール撤廃のポイントとして、経団連に属していないIT企業や外資系企業は影響を受けないことも押さえておきましょう。従来通り、企業ごとの独自のスケジュールで選考が進められます。
そのため、IT企業・外資系企業を志望するなら1つ1つ細かく選考スケジュールをチェックしておくことが大切です。
⑤留学帰りでも就活をしやすくなる
現在は就活のスケジュールを考えて留学を短期にしたり、中には留学自体を諦めてしまう学生もいます。
しかし、就活ルールが撤廃されて通年採用が拡大すれば、就活スケジュールに左右されることなく就活ができるようになります。留学帰りでも就活しやすくなり、就活のために留学を断念する必要もなくなるでしょう。
【企業別】就活解禁スケジュール
続いては企業の種類別の就活解禁スケジュールについて紹介します。
あくまで目安なので、志望企業の選考スケジュールは1つずつ確認するようにしてください。
経団連加盟の大企業
経団連加盟の大企業の大まかな就活解禁スケジュールは以下の通りです。
特徴
経団連加盟の大企業は、就活ルール撤廃後も今まで通りのスケジュールで選考が進んでいきます。
特別な変更点は今のところありません。
該当企業
該当企業は以下の通りです。
- 旭化成
- 伊藤忠商事
- 三菱UFJ銀行
- 京セラ
- KDDI
そのほか有名企業・大企業の多くが経団連に属しています。
経団連非加盟の大企業・メガベンチャー
経団連非加盟の大企業・メガベンチャーは以下のスケジュールで選考が進んでいくと考えられます。
特徴
経団連非加盟の大企業・メガベンチャーはインターンシップからの内定者を多く出す傾向にあります。
企業によっては大学3年時の夏休み頃からインターンシップを開始するところもあり、内定も随時出されます。大学4年次の3月にはすでに内定を獲得している就活生が出てくるようになります。
該当企業
経団連非加盟の大企業・メガベンチャーは以下の通りです。
- 楽天
- サイバーエージェント
- DeNA
- LINE
- グリー
大企業であってもIT企業である場合には、経団連に非加盟であることが多いと言えます。
外資系企業
外資系企業の選考スケジュールは以下の通りです。
特徴
外資系企業の中でも特に人気のあるコンサルや金融系は選考時期が非常に早く、大学3年次からインターン、本選考と進んでいきます。
就活に出遅れてしまうと受けることさえできなくなってしまうので、外資系企業を受けるなら早めに行動し始めることが必要です。
該当企業
外資系企業は以下の通りです。
- P&Gジャパン
- アクセンチュア
- マッキンゼー
- ゴールドマンサックス
- J.P.モルガン
有名外資企業は選考が早いだけでなく採用人数が少ない傾向にあり、非常に狭き門だと言えます。
中小企業
中小企業は経団連にも所属していないものがほとんどで、選考スケジュールは企業それぞれに任されています。
行きたい中小企業があるなら、選考スケジュールは1つずつ確認しておきましょう。
特徴
中小企業の数は多く、選考スケジュールに関しては一概に決まっていません。
就活解禁の3月より早く面接を始めるところもあれば、10月を過ぎても面接を受け付けているところもあり、また経団連所属企業の就活スケジュールに従うところもあります。
該当企業
中小企業の例として以下が挙げられます。
- 未来工業
- 虎屋
- 岡本硝子
- 三鷹光器
- テラモーターズ
上記の中小企業は知名度こそそれほど高くないものの、業界でのシェアが高い、もしくは離職率が低い優良企業です。中小企業も受けたい人は、ぜひ上記5社もチェックしてみてください。
就活解禁の前にすべきこと
就活解禁の日は決まっているものの、就活解禁日前から就活準備を始めておくにこしたことはありません。
以下で、就活解禁の前にすべき8つのことについて説明します。気の向くことから少しずつ、着実に準備を進めていきましょう。
①自己分析
就活の基礎となるのが自己分析です。自己分析は志望動機、自己PRと面接で最も大切な2つの土台となるからです。
自分の学生生活を振り返り、印象的なエピソードを探し、自分の強み・弱みを把握しておきましょう。自己分析がしっかりしていれば、就活解禁後も志望動機・自己PRとも一貫性のある内容を話すことができます。
②企業・業界研究
企業・業界研究をしておくことも大切です。まずは「この業界」と絞ってしまわずに、広く浅くさまざまな業界のことを知っておきましょう。業界研究本を読んで全業界のことを把握してみることもおすすめです。
名前を聞いたことがある企業のHPを片っ端から見ていくのもよいでしょう。自己分析と企業・業界研究をすれば、自分に向いている仕事や志望すべき業界が見えてきます。
③就活サイトへの登録
近年の就活では、就活サイトの利用が欠かせません。まずはさまざまな就活サイトに登録して情報収集に利用してみてください。リクナビ・マイナビを通してしか募集しない企業もあるので、この2つは必ず登録しておきましょう。
ある程度就活が進むと、自分に合っている就活サイトがわかってきます。就活サイトからのメールもどんどんくるようになるので、いらないと判断した就活サイトは都度退会することをおすすめします。
④履歴書・エントリーシート作成
自己分析・志望業界が決まれば履歴書を作成しておきましょう。履歴書は志望動機以外は同じ内容をさまざまな企業で使い回すことができるので、パソコンで作成しておくとその後の修正がしやすくなります。
エントリーを開始している企業があれば、随時エントリーシートを作成していきましょう。就活解禁後には多くの企業のエントリーシート作成に忙殺されることになります。少しでも進められるものから手をつけておきましょう。
⑤インターンシップ参加
インターンシップは就活解禁に関係なく参加することができます。1日単位のものから長期のものまで数多く開催されているので、スケジュールが合う限りさまざまなインターンシップに参加してみてください。
インターンシップへの参加は企業理解のためだけでなく、採用担当者とつながりを持つことにも役立ちます。インターンシップでよい成績をおさめれば選考で有利になる可能性もあり、参加しておいて損はありません。
⑥就活に必要なものの準備
就活解禁に間に合うよう、就活に必要なものは事前に準備しておきましょう。
- サイズの合うリクルートスーツ
- パンプス・革靴
- 就活用カバン
上記の必須アイテムに加え、ヘアスプレーやワックス、ヘアピンなども就活で使うことになります。どこでもエントリーシートの作成ができるようにノートパソコンやタブレットを就活前のタイミングで用意しておく就活生もいます。
⑦大学のキャリアセンターに相談
大学のキャリアセンターも、ぜひ活用してみてください。多くの学生はその存在を知りつつも、独力で就活を進めがちです。しかし、大学のキャリアセンターの力も借りれば、効率的に就活をすることができます。
大学のキャリアセンターではOBの傾向から受かりやすい企業を紹介してくれたり、OB・OGの連絡先を教えてくれたりします。就活に役立つセミナーが開催されることもあるので、積極的に相談してみましょう。
⑧OB・OG訪問
志望企業が定まってきたら、就活解禁前の時間のあるうちにOB・OG訪問をしておきましょう。OB・OG訪問をしたかどうかで熱意をはかる企業もあり、面接で「何人訪問したか」を聞かれることもあります。
以下の記事ではOB訪問にふさわしい服装について紹介しています。OB訪問ではマナーも大切なので、OB訪問にでかける前に確認しておいてください。
就活解禁後にすべきこと
就活解禁後は企業ごとに注力していくことが必要です。以下では、就活解禁業にすべきことについて説明します。
就活解禁後はとても忙しくなるので、スケジュール管理をしっかりするようにしてください。
①合同説明会への参加
就活解禁後には合同説明会が数多く開かれます。一度にさまざまな企業の説明を聞くことができ、採用担当者とも話すことができます。合同説明会にはぜひ参加するようにしてください。
選考の案内も聞くことができ、効率的に企業研究を行うことができます。
②プレエントリー
志望企業が固まったら、プレエントリーを始めましょう。
プレエントリーをしておくと、本エントリーの案内や合同説明会の案内をもらうことができます。プレエントリーをしても、その後選考に進むかどうかは自由なので、興味のある企業には積極的に登録しておきましょう。
③本エントリー
プレエントリーをした中で本選考に進みたい企業があれば、本エントリーをしましょう。本エントリーをすればその後の選考の案内やエントリーシートの内容が送られてきます。
本エントリーが間に合わなければ選考に進むことができません。志望企業の本エントリーの締め切りには十分注意しましょう。
④面接対策
本エントリーが完了し、エントリーシートも提出すれば面接対策に集中しましょう。エントリーシートをもとに志望動機や自己PRを練り上げる必要があります。
友達や先輩に模擬面接をしてもらったり、プロのキャリアカウンセラーからアドバイスをもらうことをおすすめします。
⑤適性検査・筆記試験対策
面接に進むためには適性検査・筆記試験でもよい成績を残さなくてはなりません。競争倍率の高い大企業だと、適性検査や筆記試験が足切りになります。
対策のための参考書が販売されているので、何度か問いておくとよいでしょう。また、志望度の低い企業の選考で適性検査・筆記試験の予行演習をしておくこともおすすめです。
【参考】2021・2022卒の就活動向・景気の影響
参考までに、2021卒・2022卒の就活動向や景気の影響についても紹介します。
2021卒・2022卒は就職難になりそうとの声もありますが、実際はどうなのでしょうか。
2021卒・2022卒は就職難という不安の声もある
以下のツイートでは、21卒・22卒の就職難を懸念しています。
21卒って就職難の時代なの?
— まい@21年卒 (@zKnmZcKL3BKaXpU) January 27, 2020
なんか、情勢見てると、22卒以降は
就職難と言われる時代に突入しそうな感じがする— ペンタゴン21卒 (@pentagon2019) February 22, 2020
21卒・22卒以降は「就職難なのか」「就職難になりそうだ」と心配する様子がうかがえます。ここ数年間ずっと売り手市場が続いていたので、心配する気持ちもわかりますが、実際にはまだどうなるかはわかっていません。
現在は全体的に売り手市場の傾向
数年前から現在に渡って全体的に売り手市場であり、就活生に有利な状況が続いています。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について」によると、令和元年(2019年)12月時点で有効求人倍率は1.57倍です。
有効求人倍率は求職者1人あたりに何件の求人があるかを表しており、1を越えると求職者よりも求人数が多いことを意味します。つまり、2019年12月時点では求職者1人対し1.57件の求人があるため、売り手市場だと言えます。
と言っても有効求人倍率はハローワークで取りまとめられた指数なので新卒採用そのものにあてはまるわけではありません。新卒採用の場合は大企業に応募が集中してしまうので、就職のハードルが高いという側面もあります。
オリンピックが就活に与える影響
数年間売り手市場が続いているのは、東京五輪2020の影響も少なからずあります。オリンピックに備えるためのインフラの整備やインバウンドの増加によって景気が向上し、企業が人でを必要としているからです。
しかし、21卒・22卒が就職するタイミングではオリンピックは終了しています。オリンピック後には景気が後退する国が多いため、一時的に雇用が少なくなる可能性も否定できません。
そのため、オリンピック後は企業の募集人数が減ってしまうことも考えられます。早めに動き出し、十分な対策を取って就活に備えることが必要不可欠です。
新型コロナウイルスによる就活解禁日への影響
2020年に世界的に蔓延した新型コロナウイルスは日本の新卒採用にも影響を及ぼしました。
株式会社ディスコによる「新型コロナウイルス感染拡大による採用活動への影響」によると、調査対象である13,920社のうち半数近い46.3%が「かなり影響がある」と回答。採用活動の開始時期および終了時期についても半分近くの企業が遅れる見込みとのデータもあります。
本記事で繰り返し述べている通り、2022年卒の就活時期は近年稀に見る不確実性を孕んでいます。就活解禁がいつになるかは読みにくく、準備できる人とそうでない人の差は一層ひらくことになるかもしれません。
まとめ
今回は就活解禁のスケジュールや変更点について解説しました。
21卒以降から就活ルールが撤廃されるものの、今のところ大きな変更点は見られません。しかし、いつ新しい変更が加わるかわからないため、対応できるように常に情報収集と就活準備を進めておきましょう。
また、21卒・22卒では開催されるインターンシップの数が増えることが予想されています。就活ルール撤廃によってインターンシップの参加が早期内定に直結し、就活解禁前の内定獲得も可能となるでしょう。
ぜひ、早めに就活対策を行うようにしてください。