最近、裁量権を重要視して就職先を選ぶ学生も多くなっています。裁量権のある仕事は、自分で判断できる範囲も広く比較的自由な働き方ができますが、その分責任も大きい為注意が必要です。今回は、裁量権の大きな仕事が出来る企業に就職することのメリットとデメリット、企業を見極めるポイントについてご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
裁量権とは
就活サイトや、就活に関するニュースで良く聞く「裁量権」という言葉ですが、どういった意味で使われているのでしょうか。また、多くの人が仕事において裁量権を求める理由について以下で解説しました。
裁量権の意味・使い方
まず、「裁量」とは、 その人の考えによって判断し処理することです。(参考:goo辞書)つまり、「裁量権」は、自分の人の考えによって判断し処理する権利と言えます。
例えば、「裁量権の大きな仕事はやりがいがある」と言った場合、自分で物事を判断でき、意思決定権が自分にある仕事はやりがいがある。と言う意味になります。
逆に裁量権が小さい状況とは、作業のやり方や順番まで上司から細かく指示され、こうしたほうが良いといった意見も通りにくいような場合が当てはまります。
人々が裁量権を求める理由
多くの人が仕事において裁量権を求める理由の1つは、自分の市場価値を高める為と言えます。責任の大きな仕事を経験している人材は市場価値が高くなります。
意思決定権が自分にあり、自分のやり方で責任の大きな仕事を任せてもらえる為、やりがいも大きくなります。
裁量権のある職場、仕事を求める理由は以下のようなものがあります。
- 若手が挑戦できる
- 自分のやり方で仕事ができる
- やりたいと思ったことに挑戦できる
- 責任のある仕事を任せてもらえる
- 仕事が楽しく、やりがいがある
裁量権が大きい企業とは
裁量権が大きな企業に就職したいと思っても、具体的にどんな企業を狙えばよいのでしょうか。裁量権の大きい企業の特徴や、会社規模による裁量権の違いについて以下で見ていきましょう。
裁量権が大きい企業の特徴
裁量権の大きな企業の特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。
- 社員に対する期待度が高い
- 様々な分野に挑戦している
- 変化が激しい
社員に対する期待が高く、その人の能力よりも少し難易度の高い仕事を任せるなどというマネジメント方法を取り入れている会社は社員一人当たりの裁量が大きくなりやすいでしょう。
また、会社として新しい事業を始めるなど、人材の配置なども含め変化の激しい会社の場合、1つのポジションに同じ人が居座り続けることも少なくなります。その為、若手が出世しやすく裁量を持ちやすいと言えます。
ベンチャー企業は裁量権が大きい
ベンチャー企業に就職すれば裁量権を持って仕事ができると考える人も多いでしょう。ベンチャー企業はそもそも社員数が少なく、社長や役員との距離が近い傾向があります。そのため、社員に対する期待度は比較的高くなります。
また、会社の規模の小ささを活かして柔軟な経営ができる為、おのずと変化の激しい環境となります。
しかし、これはベンチャー企業すべてに当てはまるわけではなく、企業による差も大きいため注意が必要です。
大企業は裁量権が小さいのか
裁量権は欲しいけれど、給料や福利厚生が充実している大企業へ入社したいと思う人もいるのではないでしょうか。
一般的に、大企業ではあまり裁量の大きい仕事ができるとは言えません。会社によってそれぞれではありますが、大企業で大きな裁量権が与えられるのはある程度長期間勤務し、役職に就いてからと思っておいた方が良いかもしれません。
新卒で入社して数年間は、上司の指示に従いながら仕事をすることがほとんどでしょう。
裁量権が大きい企業のメリット・デメリット
裁量権は多くの人が求めるものではありますが、裁量権の大きな仕事にはメリットとデメリットがあります。仕事においてやりがいや成長を重視するか、働きやすさやプライベートとの両立を重視するかをよく考える必要があります。
裁量権が大きい企業のメリット
自分でなんでも決められるということが一番のメリットと言えます。自分で決められるため、やりたいことに挑戦でき、自ら考え行動する力が身に付きます。こういったスキルは、転職する際にも有利に働きます。
メリット①|やりたいことに挑戦できる
裁量権が大きいと、仕事における意思決定権が自分にある事が多くなります。その為、自分がやりたいと思ったことに挑戦できることは大きなメリットと言えます。
裁量権が小さい場合、例え新しいアイデアがあっても自分の判断だけで挑戦することは難しいでしょう。多くの場合、上司の承認を得る必要があります。
自分の判断で行動した結果が良い結果として表れたときには、ほかでは味わうことが出来ないやりがいを感じることもできるでしょう。
メリット②|成長につながる
自身の成長に繋がりやすいという点も、裁量権の大きい企業で働く際のメリットと言えます。
指示を受けて仕事をすることは誰にでも出来ますが、自分で今すべきことを考えて仕事をすることは新人のうちからなかなか出来る事ではありません。
裁量権が大きい場合、自分で何をすべきか考える機会が多い為、早いうちから成長を期待できるでしょう。
メリット③|業務時間を柔軟に決めることが出来る
裁量権の大きな会社では、フレックスタイム制や裁量労働制などの制度を利用して勤務時間の自由度が高くなっている場合が多いです。
成果さえあげていれば、自分のライフスタイルに合わせて出勤時間や退勤時間を調整することが可能で、仕事を効率的に終わらせることが出来るのであればより短時間の勤務で同じだけの給料を得ることが出来ます。
さらに、仕事を効率化し残った時間を勉強に使うこともできる為、さらに自己成長の機会を作ることが出来ることは大きなメリットとなるでしょう。
裁量権が大きい企業のデメリット
責任が大きくハードワークになりやすい為、ストレスがたまりやすいことが大きなデメリットと言えます。仕事を自分で上手く調整できる人であれば問題ないかもしれませんが、新入社員のうちはなかなか慣れないかもしれません。
デメリット①|責任が大きい
自由と責任は常にセットであるものです。自分の判断で決めることが出来る部分が大きい分、当然そこには自分で責任を持つ必要があります。
つまり、裁量権が大きくなるに伴って責任も大きくなるのです。場合によってはチームや部署、会社全体に影響することもあるかもしれません。
上司の指示で動く場合は、責任は上司がとってくれますが、意思決定権が自分にある場合はそうはいかないことがほとんどです。
デメリット②|ベンチャー企業が多い
上でも説明した通り、一概には言えませんが、裁量権の大きい会社の多くはベンチャー企業です。
ベンチャー企業に就職することのデメリットとして、福利厚生があまり整っていないことや、大企業に比べて倒産のリスクが高いことが挙げられます。
またベンチャー企業は、大企業と違って毎年人材の募集をかけていない場合もあります。仮に魅力的な企業を見つけたとしても新卒の採用を行っていないなどの理由で断念せざるおえない場合もあるかもしれません。
デメリット③|ハードワークになりやすい
裁量権の大きな仕事は上で説明した通り、判断することも行動することも責任を取ることも自分でする為、必然と業務量が多くなります。そのため、比較的ハードワークになりやすいと言えるでしょう。
また、自分1人では解決できないような課題にぶつかってしまう事もあります。裁量があるとはいえ、周りの人間が助けてくれるような雰囲気や関係性が出来ていないと相当ストレスを抱え込むことになります。
残業も多く、難易度の高い仕事の為、他の人のアドバイスを受けたり悩みを聞いてもらったりすることで、ストレスを軽減させながら仕事をこなしていく事が必要です。
裁量権が大きい企業の探し方
裁量権の大きな仕事がやりたいと思ったら、そういった仕事のできる企業を探さなければなりません。会社の方針によっても仕事の仕方は大きく違います。どんな企業を狙うべきか、以下のポイントを押さえておきましょう。
裁量権が大きい企業を探すときのポイント
裁量権の大きい企業に就職したい場合、OB訪問や面談、面接の際にチェックしておきたいポイントがいくつかあります。しっかり質問できるよう、以下で確認しておきましょう。
ポイント①|若い人や勤続年数が短い人が出世しやすい
多くに企業では、経験のある人ほど高い役職についていて、役職の高い人ほど責任のある役割を担っています。
その為、出世のしやすさは、どの程度裁量を持って働けるかを調べる際に重要な指標となり得ます。
評価制度では年齢や勤続年数より、成果が重視されていて、会社全体として若手に仕事を任せていく雰囲気がある企業を選べば、若い社員でも出世できる可能性は大きいでしょう。
ポイント②|積み木型組織である
組織の形態は、「パズル型」と「積み木型」の2種類に分類することが出来ます。
パズル型は決まった役職に人材を当てはめて作られた組織です。つまり、ある役職になる為にはそのポジションが空くのを待たなければなりません。
積み木型は新しい事業が生まれやすいため都度役職も増え、それに伴って必要な人材も増えていくような組織を指します。新しいアイデアや発想によってポジションが増えることもあります。
新しいポジションや事業が作られる組織の方が、裁量権を得やすいと言えます。
ポイント③|部下に仕事を任せる社風
企業のマネジメント方針や社風によっても仕事における最良の大きさは変わってきます。
上司が部下に対して、信頼して仕事を振ってくれる人かどうか、どのような指示をする人なのかどうかで、自身の仕事における意思決定の範囲は大きく違います。
入社前に、会社の教育方針やマネジメントに求める能力などをヒアリングしておくと良いかもしれません。
ポイント④|仕事内容があいまい
仕事内容が抽象的であればあるほど裁量が大きい傾向にあります。
仕事内容が具体的で明確な場合、役割が細分化され、社員に分担されていて、多くの仕事がマニュアル化されていることが多いです。その為、個人の裁量権は小さくなってしまいます。
抽象的な仕事は、自分が何の仕事をすればよいかということから自分で考える必要があります。マニュアル化された作業はほとんどなく、試行錯誤して仕事を進めていく事になるでしょう。
OB訪問や面接の際に仕事内容について詳しく質問して、仕事内容がどの程度具体的に決まっているのかを確認してみましょう。
裁量権が大きい企業を探すときの注意点
裁量権の大きな仕事をすることに向いている人と向いていない人ははっきりと分かれます。選考では、「裁量権の大きな仕事がしたい」と言うだけでなく、自分がそういった環境に向いていることをアピールすることが大切です。
注意点①|会社の体制が整っていないことが多い
裁量権の大きい仕事ができる会社はベンチャー企業に多いです。その為、会社の体制がきちんと整備されているとは言えない会社も多いでしょう。
大企業と比べると福利厚生がほとんどなかったり、就業時間や賃金などのルールも曖昧なこともあります。面接などで会社のルールなどを細かく聞くと、会社に合っていないと判断される可能性もあります。
選考では、自分も会社を作っていくメンバーの一人であることを楽しむ気持ちをアピールすると良いでしょう。
注意点②|ハードで責任の重い仕事が多い
比較的自由な働き方ができる反面、その分個人が背負う責任も大きくなります。
また、仕事内容が抽象的である場合が多い為、明確なゴールがなく、長時間労働にもなりやすいと言えます。その為、ストレス耐性の弱い人は要注意です。
成果を出すことに大きな責任がある事にたいして、やりがいを感じられ、仕事に没頭できるような人には向いていると言えます。
選考ではタフさやストレス耐性の強さをアピールすることがポイントです。
まとめ
比較的自由な働き方が出来る為、裁量権の大きな仕事にあこがれる人も多いでしょう。今回は、裁量権の大きな仕事が出来る企業に就職することのメリットとデメリット、企業を見極めるポイントについてご紹介しました。裁量権のある仕事がしたいと思っている人は、興味のある企業の仕事内容や教育方針について深堀して調べてみましょう。