想像していた仕事内容や職場のイメージと、実際に現場で経験したことがあまりに違いすぎると、不安や失望を感じてしまいます。この記事では、リアリティショックを予防するために出来る事や、実際にギャップを感じてしまったらどうすればいいのか詳しく説明しています。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
リアリティショックとは
“リアリティショック”はゆとり世代や悟り世代が多く感じていると思われがちですが、実は半世紀以上も前からアメリカの組織心理学者によって提唱されていて、多くの研究や調査で取り上げられています。
リアリティショックの辞書的意味
「リアリティ・ショック」とは、現実と理想のギャップに衝撃を受けること。企業においては新たに職に就いた人材が、事前に思い描いていた仕事や職場環境のイメージと、実際に現場で経験したこととの違いを消化しきれず、不安や幻滅、喪失感などを強め、ときに離職にまでいたる問題をいいます。
リアリティショックという言葉は、ほとんどが入社時に使われる言葉で、新入社員や昇進や転勤して職場環境が変わる人に起こる現象のことを指します。つまり、入社直後に感じる 「あれ、思っていたのと違う」という感覚のことです。
リアリティショックの関連語
入社後に感じやすい心理現象のことから、”五月病”と思われることもあります。また、入社して間もないにもかかわらず”出社拒否”をする従業員も、このリアリティショックが原因である場合が多いです。
例えば、「すぐにやりたかった仕事ができると思っていたのに簡単な仕事しかさせてもらえなかった。」「何も分からない状態なのに、仕事のやり方を教えてもらえなかった」といった現実に直面し、こんなはずじゃなかったと思ってしまいます。
リアリティショックが起こる原因
リアリティショックの起こる原因は、一言でいうと、 “理想と現実の差”です。これが大きければ大きいほどショックも大きくなってしまいます。なぜ、現実とかけ離れた理想を持ってしまうのか、以下で詳しく見ていきましょう。
原因①|仕事に過度な期待をしてしまっている
リアリティショックが起こる原因のほとんどは、新しい環境に過度な期待を持ちすぎることです。ほとんどの新入社員は自分が選んだ会社は理想的な会社だと信じて、新生活に期待をしながら入社します。しかし、やりたいと思っている仕事が入社直後にすぐ任されるなんてほとんどありません。
また、これは従業員だけの問題ではなく、人事担当者も採用のために就活生に対して会社のことを良い様に伝えてしまうことが多く、その為に新入社員の期待が高くなってしまうこともあります。
原因②|仕事の内容を理解していない
入社前の就職活動時に仕事内容をしっかり理解しないまま入社してしまった場合も、リアリティショックを感じやすくなります。多くの華やかに見える仕事において、表に現れない部分は実は地味だったり、地道だったりするものです。
例えば、一つの仕事に関わる人数やかかる時間がどのくらいなのか、やりたい仕事ができるようになるためにはどんな準備や勉強が必要なのか、といった部分まで理解できていればギャップも少ないでしょう。
その他の原因
入社時や社内移動の直後に感じてしまうギャップは仕事内容についてだけではありません。上で紹介した以外に理想と現実の差を作ってしまう原因について、詳しく見てみましょう。
- 対人関係に関するギャップ
入社前に人間関係まで把握することは難しい為、人間関係に関するリアリティショックは非常に起こりやすいといえるでしょう。具体的には配属された部署やチームの雰囲気が悪かったり、仕事を丁寧に教えてもらえなかったりする場合などです。
- 能力に関するギャップ
職場の上司や同僚の能力について、理想に対してギャップを感じてしまう場合です。例えば、尊敬できる先輩がいないことなどが挙げられます。仕事を教えてもらうことに対してもモチベーションが低くなってしまいます。
- 評価に関するギャップ
給料や昇進についてギャップがあることです。先輩の給料が思っているよりも低いと分かった時はショックを受けてしまうかもしれません。また、役職者が詰まっていて自分がそのポジションになることは難しいと感じてしまうこともあるでしょう。
リアリティショックがもたらす影響
一度、こんなはずじゃなかったと感じてしまうと、それ以降なかなか仕事に対してやる気が起きなかったり、会社に行くことすら億劫に感じてしまったりするかもしれません。リアリティショックを放っておいたり、あまりに大きなショックを受けたときに起きる問題について見ていきましょう。
影響①|仕事へのモチベーションが下がる
リアリティショックを感じると、当然ながら仕事へのモチベーションが下がってしまいます。リアリティショックが蓄積されると、”この職場は自分には合わない”、”就活時の自分の選択は間違いだった”、”採用担当に騙された”と思うようになってしまいます。
一度自分に合わないと思ってしまうと、初めのモチベーションを取り戻すのは自分一人では相当難しいでしょう。モチベーションが下がると仕事のパフォーマンスも下がり評価も下がる為、さらにモチベーションが下がるという悪循環に陥ります。
影響②|離職したいと思う
上で説明したようなモチベーションが低い状態が続いてしまうと、早期離職に繋がります。入社1~2年未満での離職の原因はリアリティショックが関係していることが多いです。
リアリティショックは、個人にとって職場で一人前になるために乗り越えるべきイニシエーションとも言えますが、企業にとっても可能性ある若手の従業員を失ってしまうことは非常に痛手でもある為、人事担当者や新人の教育担当者も対策をとる必要があります。
リアリティショックの対処法
リアリティショックは事前に防ぐこともできれば、ギャップを感じてからも仕事に対するモチベーションを上げることもできます。”思っていたのと違う”と感じないために、また、感じてしまってもやる気を落とさないために出来る事を見ていきましょう。
就職前の場合
リアリティショックを防ぐためには、入社前後のギャップをできる限り無くしておくことが大切です。自己分析や企業分析を徹底的にやっておくことはもちろん効果的ですが、実際に働いている人に入社時感じたことを聞いてみるのも良いでしょう。
業界・企業分析を徹底する
業界、企業の分析は最低限やっておきたいところです。業界によっておおまかな社風はある程度決まってくることも多く、競合やビジネスモデルを分析することで会社の雰囲気も少なからず予測することが出来ます。
しかし一人で情報収集には限界があります。あくまでも情報は情報でしかないということを理解しておきましょう。採用担当者や転職エージェントが、”良い会社”などと言っていても、そういったあいまいな言葉は鵜呑みにしないことが大切です。
自己分析を徹底する
会社のことを知ると同時に、自分のこともしっかり知っておく必要があります。何となく合ってそうと思っていても、実際に仕事をしてみるとそうでもなかったなんてことはよく聞く話です。
自分が何に価値を感じていて、何が嫌いで何が好きか、将来のキャリアとそのために今やることまで一度しっかり考えることが大切です。将来の目標ややりたいことがはっきりすると、そこに至るまでの期間は多少自分に合わないと思うことでも乗り越えられるようになります。
企業訪問をする
実際働く環境を自分の目で見ておくことは、リアリティショックの対策として非常に有効です。実際に社員がどんな雰囲気の中で働いているのかを事前に確認することが出来れば、入社後のギャップも少なくなるでしょう。
また、年の近い先輩社員に、入社したときにギャップに感じたことがあったかと直接聞いてみることも有効です。あらかじめ、「こんなことでギャップを感じそうだな」と分かっていれば対策をとることもできます。
就職後の場合
すでに今リアリティショックを感じているところだという人もいるでしょう。そう思っても焦って転職を選んでしまうのは非常に危険です。原因が人間関係であれ、スキルの問題であれ、不安に感じることを周りに共有することが何よりも大切です。
上司に相談する
リアリティショックを防ぐためにも、分からないことや困っていることは小さなことでも先輩や上司に相談するようにしましょう。何に悩んでいるのかを周りに理解してもらえれば支援を受けやすくなります。
もちろん、”どんな会社もそんなもの”とはねつけられる可能性もありますが、親身になって話を聞いてくれるような信頼できる上司を一人でも見つけられれば、今後仕事をしていくにあたってもかなり楽になるはずです。
異動願いを出す
社内で異動希望が出せるのであれば、離職する前に試してみましょう。新入社員の間はあまり希望が通ることはないかもしれませんが、1~2年経過しているのであれば希望が通ることもあります。
しかし、異動後の環境でもリアリティショックを感じてしまう恐れももちろんあります。リアリティショックを感じやすい人は、どんな環境でも同じようにモチベーションが下がってしまう事があります。異動が決まってもあまり期待を高く持ちすぎないように注意することが大切です。
リアリティショックが起きやすい仕事
- IT業界
システム開発の仕事は細かいフェーズに分かれていて、1つの会社で全てのフェーズを経験出来る事はほとんどありません。企画や設計がしたかったのに、実際に入社した会社でできる業務は、下流工程の請負ばかりの仕事だったという事もあります。
- 看護師
看護師は、看護学生時代から病現場に赴き多くの実習をこなしている為、期待しすぎることはおろか、むしろ現場に入ることに覚悟さえ見えます。しかし、実際にはリアリティショックが起きやすい職業として有名です。理由としては、専門職と官僚との板挟みといった役割の葛藤からくるものと言われています。
- メガベンチャー企業
最近では多くの就活生がベンチャー企業やメガベンチャー企業への就職を目指していますが、何となくベンチャー企業特有の柔軟さや自由さを求めてメガベンチャーに入社するとギャップを感じてしまうかもしれません。企業が大きくなるにつれ、組織の制度は常識的な範囲に是正される傾向にあります。
まとめ
リアリティショックは誰にでも起こりうることで、新入社員に関わらずベテラン社員が社内異動の際に感じることもあるものです。今回は、リアリティショックを感じてしまう原因や、対処法について紹介しました。不安に思う事は周りの人に相談して早め早めに解決する事が大切です。