「ありがたい」の敬語表現は?「ありがたいです」が不適切な理由と言い換え表現を徹底解説!

「ありがたい」は、ありがたいと思う気持ちを伝えるときどのように使えば良いのでしょうか。また「ありがたいです」は正しい敬語なのでしょうか。今回は「ありがたい」について解説します。ありがとうとの違いや、ありがたいの4つの意味についても解説します。類語や言い換えも例文を使ってご紹介します。

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「ありがたい」の意味と表記

「ありがたい」の意味は1つではありません。まずは「ありがたい」の意味4つと、表記の仕方について解説します。

目次

「ありがたい」の意味は主に4種類ある

「ありがたい」の意味は4種類あります。

  • ①簡単には受けられない恩恵・好意・配慮について感じる幸せな気持ち
  • ②かけがえのない経験をして心から良かったと思う気持ち
  • ③物事が自分にとって好都合に運びうれしい気持ち
  • ④めったにない啓示・加護を与えられ手を合せたくなる気持ち

①は「新入社員の私にまでご配慮いただき大変ありがたく存じます」など、相手へ感謝を伝えるための「ありがたい」です。

②は「社の推薦で3年間の留学を経験できたことは私にとって本当にありがたい経験でした」など、自分が環境や状況に恵まれたことを表す「ありがたい」です。

③は「ずっと円安が続いていたが、アメリカへ出発する直前に円高となったのはありがたい」など、偶然によって自分が望む展開となったことをあらわす「ありがたい」です。

④は「父の夢を見たので何となく電話したら、急病で苦しんでいることがわかり、病院へ連れていって治療をしてもらった。ありがたいお告げだった」など、天からのお告げとしか思えないような幸運にも「ありがたい」を使います。

「ありがたい」の表記は意味で使い分ける

「ありがたい」は漢字で「有り難い」と書きます。ひらがなの「ありがたい」と漢字の「有り難い」はどっちでも良いわけではありません。

  • 相手へや状況への感謝の気持ち→「ありがたい」
  • 偶然や稀なこと→「有り難い」

前見出しで言えば、①②は「ありがたい」、③④は「有り難い」となります。

【状況別】「ありがたい」の使い方と例文

「ありがたい」は「ありがとう」と音も意味も似ているため、何となく雑に使ってしまいがちです。しかし「ありがたい」には決まった使い方があります。

「ありがたい」の使い方

「ありがたい」には「ありがとう」にはない、使い方のルールが2つあります。

①名詞と一緒に使う

まず1つ目は「ありがたい+名詞」の形で使うことです。名詞とは物体・物質・人物・場所など具体的なものの名前を示します。

「ありがたい事です」「ありがたい配慮をいただきました」「ありがたい展開」「ありがたいお土産」など、「ありがたい」の前後には「何がありがたいのか」を表す名詞が来ます。

ただし「ありがたい」という気持ちを、自分の中だけで噛みしめるようなイメージのときは、「ありがたい」を単体で使うこともできます。

②感謝の意を表すときと嬉しさを表すときで使い分ける

2つ目は「感謝の意と嬉しさを表すときで使い分ける」ということです。「感謝の意」とは、主に相手に対しての感謝や、自分の置かれた状況や環境への感謝を指します。

この場合の「ありがたい」は「ありがたいです」「ありがたく存じます」「ありがたく御礼申し上げます」など、相手を敬う言葉と一緒に使います。

「嬉しさを表すとき」とは、主に偶然や幸運によって得た喜びを表すときのことです。

誰かにお礼を言うわけでなく、自分がいかに嬉しいかということを表す場合は「ありがたい雨」「ありがたいお言葉」など、何がありがたいのかという点を強調します。

「ありがたい」の状況別使用例

次に「ありがたい」を使う状況別での使用例をご紹介します。

状況①|相手に感謝の気持ちを伝えたいとき

  • このような場を設けていただき、ありがたい限りです
  • 皆様お忙しい中ご出席いただき、心よりありがたく存じます
  • 母にはいつも世話をかけましたが、常に私を気遣ってくれました、ありがたいことです

この「ありがたい」は「ありがとう」とほぼ同じ役割をします。「ありがとう」との違いは、言葉のイメージとして「ありがたみをひしひしと感じている」という心境を表せる点です。

状況②|相手に頼み事をしたいとき

  • 仕事中に申し訳ないが、至急この書類に目を通してくれるとありがたいのだが
  • 次回からは、今よりも少し安い金額にしていただけるとありがたいです
  • 来客用のお茶を準備しておいてくれるとありがたい

この「ありがたい」は、主に相手への配慮として使われます。「~してくれ・してください」と言うよりも、「~してくれるとありがたい」の方が言葉の印象がやわらかいためです。

状況③|相手の頼み事を断りたいとき

  • ありがたいご提案なのですが、弊社では現在ご対応いたしかねます
  • 大変ありがたいお話なのですが、今回は辞退させていただきたく存じます
  • ありがたいお誘いなのですが、あいにく本日は先約がございます

この「ありがたい」も、相手への配慮のひとつとして使われます。「嫌で断るのではない・良いと思っているけれども応えられない」という気持ちを「ありがたい」に込めています。

「ありがたいです」は相手を選ぶ敬語表現

「ありがたいです」は、短い言葉で感謝や喜びを伝えられる言葉です。しかし「ありがたいです」はいつ誰にでも使って良い言葉ではありません。

「ありがたいです」は丁寧語に分類される

まず「ありがたいです」は尊敬語ではなく丁寧語に分類されます。「ありがたいです」を尊敬語にする場合は、「存じます・ございます」など、尊敬語表現を含める必要があります。

丁寧語とは「です・ます」「お(御)・ご」などを使う言葉です。尊敬表現は含まれませんので、相手が目下でも使えます。

上司や取引先相手への使用は不適切

「ありがたいです」は丁寧語ですので、上司や取引先相手への使用は不適切です。上司や取引先相手へは、謙譲語・尊敬語を使います。

「ありがたいです」を尊敬語にするには「存じます・ございます」などの謙譲語を使うのが一般的です。尚、この場合は「ありがたい」が「ありがたく」と変化することも知っておきましょう。

「形容詞+です」の乱用は避ける

「ありがたい」は形容詞です。そのため「ありがたいです」は、「形容詞+です」の形になります。

この「形容詞+です」は、文法的に誤っているというわけではありませんが、違和感を覚える人が多い形ではあります。

「きれいです」「楽しいです」「良いです」「悪いです」など、形容詞に「です」を直接付けると幼い印象が強くなるためです。

ビジネスの場では「形容詞+です」の「ありがたいです」も乱用しないように注意しましょう。

ありがたい気持ちを表すときの正しい敬語表現

では「ありがたい」という気持ちを表すとき、どのように言えばただ言い敬語として伝えられるのでしょうか。以下では例文と一緒に解説します。

文語で使う場合

まずは文語(文章内で使う言葉)です。

  • この度は細やかなお心遣いを賜り、誠にありがたく存じます
  • 日頃よりご支援いただき、心よりありがたく御礼申し上げます
  • この度はお招きにあずかり、ありがたく出席させていただきます

ポイントは「~を賜り・~にあずかり」など格式の高い尊敬語と一緒に使っていることです。口頭ではあまり使わない言葉も、文語になると丁寧で気持ちの行き届いた言葉になります。

口語で使う場合

次に口語(口頭で使う言葉)です。

  • いつも皆様に応援していただき、ありがたく思っております
  • ○○様のお心遣いがありがたく、感謝してもしきれません
  • このような場にお招きいただき、本当にありがたい限りです

ポイントは「本当に・感謝」など、日常的な言葉を使っていることです。口頭では表情や仕草からも気持ちを伝えるので、あまり格式の高い尊敬語を使うと大げさなニュアンスになります。

「ありがたい」の類語・言い換え表現

「ありがたい」には、複数の類語や言い換え表現があります。

①「幸いです/幸甚(こうじん)です」

「幸いです・幸甚です」は「ありがたい」と似た言葉です。どちらも「○○してくれたらありがたい・嬉しい」という意味で使います。

  • 是非ご来社いただけると幸いにございます
  • 期日までにご返信いただけると幸甚に存じます

「幸いです」は口語・文語どちらにも使われますが、「幸甚です」はほぼ文語です。

「ありがたい」との違いはニュアンスで、「幸いです・幸甚です」の方がビジネス感が強くなります。

②「恐れ入ります/恐縮です」

「恐れ入ります・恐縮です」は「身を縮めるようにして」という意味です。どちらも「伏してお願いする」というイメージで使われます。

  • 恐れ入りますが、お荷物はお足元に置いていただくようお願いいたします
  • お忙しいところ大変恐縮ではございますが、本日お詫びに伺わせていただけませんでしょうか

「恐れ入ります・恐縮です」はどちらも口語・文語に使われます。いずれも相手に対して姿勢を低くし、お願いをしている様子を言葉にしたものです。

③「ありがたい限りです」

「ありがたい限りです」は「ありがたさで身も心も満たされる」という意味です。「ありがたいの最上級」とイメージすると良いでしょう。

  • 仕事を紹介してくださっただけでなく、入社後もこうして気にかけてくださるとは、ありがたい限りです
  • 書類にお目通しいただいた上に、改善案までくださるとは、本当にありがたい限りです

「ありがたい」だけでは伝えきれない感謝や嬉しさを「限り」を使って表します。口語・文語のどちらで使っても違和感がありません。

④「おかげさま」

「おかげさま」とは、人や環境から受けた恩恵に感謝する言葉です。「お陰様」と漢字で表示することもあります。

  • おかげさまで、弊社も何とか創立3周年を迎えることができました
  • 今日が無事に終えられたのも、すべては天のおかげさまです

「おかげさま」は、ビジネスにおいての定型句として知られています。日頃お世話になっていいる人への感謝を表す言葉です。

「おかげさま」は天や神様に感謝する言葉としても使われます。この場合は「お陰様」と表記されることが多いようです。

⑤「過分なるお言葉」

「過分(かぶん)なるお言葉」とは、相手から受けた言葉に深く感謝し恐縮したときに使う言葉です。

  • 部長からの過分なるお言葉に、身の引き締まる思いです
  • 過分なるお言葉を受け恐縮ではありますが、ご期待に添えるよう精進いたします

「過分なるお言葉」は、言い換えるなら「ありがたいお言葉」です。相手からの期待や感謝に感激する様子を表します。

⑥「かたじけない」

「かたじけない」とは、自分が期待した以上の好意を受け、大きな感謝を抱いている気持ちを表します。

  • このような素晴らしい場を設けていただき、かたじけない限りです
  • ○○様にここまでしていただけるとは、誠にかたじけなく思います

「かたじけない」は現代でも使える、格式の高い言葉ではありますが、やや古めかしい表現でもあります。そのため、ビジネスの場ではほぼ使われません。

【ビジネスマナー】他にも気を付けたい敬語表現

最後に「使ってしまいがちな、気を付けたい敬語」について解説します。

①「~たいです」

「~たいです」という表現は、敬語として相応しくありません。なぜなら「~したい」も「~です」も、尊敬語・謙譲語のいずれでもないからです。

【言い換え例】

  • ~したく存じます
  • ~したくお願い申し上げます

ビジネスに必要な敬語には「丁寧語」は含まれないことが多く、「~です」だけでは不十分です。そのため「存じます・申し上げます」などの謙譲語が必要となります。

②「助かります」

「助かります」も敬語としては不適切です。なぜなら「助かります」も丁寧語であり、尊敬語・謙譲語のいずれでもないからです。

【言い換え例】

  • 弊社までお越しいただけると幸甚にございます
  • 終了後ご連絡いただけると幸いです

「助かります」と言いたい場面では「ありがたい」の類語である「幸いです・幸甚です」を使うと良いでしょう。こちらの都合に合わせて欲しい、という気持ちを丁寧に伝えられます。

③「ご苦労様です」

「ご苦労様です」も敬語として不適切です。しかし、テレビドラマなどを見ていると「ご苦労様」という言葉がよく出てきますし、それなりに見聞きする言葉です。

以下の記事では「なぜご苦労様ですが敬語として不適切なのか」について、詳しく解説しています。

「ご苦労様です」をビジネスシーンで使うと、それだけで「ビジネスマナーがわかってない人」と思われる可能性も高いので、ぜひこの機会に確認しておきましょう。

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まとめ

今回は「ありがたい」の敬語表現について解説しました。心の中で「ありがたい」と感じていても、それをどう言葉にしたら良いのかまではわからないものです。

今回ご紹介した敬語や類語を使って、自分の中にある「ありがたいという気持ち」を相手に伝えられるようになれれば、細々とした日々の感謝を伝えられます。

感謝を伝えることはコミュニケーションの基本です。ぜひ「ありがたい」を身近な人に伝えてみてください。

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