高齢化が進む昨今の社会において、、急速にニーズが高まっているのが福祉の分野です。今回はその中から、社会福祉の相談支援を行う社会福祉士について解説していきたいと思います。特に公務員の社会福祉士を検討している方にはお勧めの内容になっているので、ぜひ最後までご覧になってください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
社会福祉士とは
社会福祉士とは、福祉サービスが必要な人やその家族の相談にのる職業です。
生活相談員やソーシャルワーカーとも呼ばれる、福祉の施策や制度に精通したスペシャリストです。
相談内容は勤務先や配属先によって異なりますが、高齢者介護や児童虐待、家庭内暴力(DV)、生活保護など広い範囲に及びます。
また、「社会福祉士」を名乗るには社会福祉士国家試験を取得しなければなりません。
社会福祉士国家試験は福祉系の資格の中でも難易度が高いと言われていますが、その分福祉のエキスパートであることを証明する資格です。
社会福祉士は公務員か
「社会福祉士」と聞いて公務員のイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、実際のところ、全ての社会福祉士が公務員というわけではありません。
公務員なのかそうでないのかによって、就職活動も変わってきますので、ご自身の目指す社会福祉士はどちらなのか、把握するようにしてください。
社会福祉士自体は公務員ではない
前述のように、社会福祉士は必ずしも公務員であるというわけではありません。
国や県、市区町村が運営している施設および地方公共団体で働く社会福祉士は公務員ですが、それ以外の民間の病院や高齢者施設で働いている、公務員ではない社会福祉士も存在します。
また、少数ではありますが、特定の施設に所属せず、独立開業して自身の事務所を持っている社会福祉士もいます。
このように個人事業主として働く社会福祉士は「独立型社会福祉士」と呼ばれることもあります。
社会福祉士と公務員の共通点
社会福祉士と公務員は、どちらも「奉仕」の仕事であるという点で共通しています。
社会福祉士は心身にハンディキャップを抱えた方を、福祉に関する高度な知識と技術を持って支援する仕事です。
勤務する施設にも左右されますが、それらのサポートは、ときに生活に困窮している方を対象とするため、無償で行わなくてはならない場合もあります。
そのため、社会福祉士は「その人を助けたい」という強い想いがなければできない仕事と言うことができるでしょう。
一方で公務員は国民全体の利益のために奉仕を行うよう定められた職業ですので、社会福祉士と同じく、相手の利益を1番に考えなければならない仕事です。
このような奉仕の気持ちを持っていなければ、社会福祉士や公務員として働くことは難しいと言えるかもしれません。
公的施設に就職すれば公務員として勤務可能
先ほども少し触れましたが、国や県、市区町村などの行政が運営している施設に所属すれば、公務員の社会福祉士として勤務することができます。
具体的な勤務地には以下のような施設があります。
- 県庁
- 市役所
- 公立病院
- 自治体が直営する地域包括支援センター
ただし、一口に社会福祉士といっても、その業務内容は様々ですので、応募の際はしっかりと待遇なども含めて確認してください。
また、地域包括支援センターは、自治体が直営している施設でないと公務員として働くことはできないので、そちらも事前に確かめておくようにしてください。
社会福祉士のメリットとデメリット
高齢化している社会において注目が集まっている社会福祉士。
困っている人を直接助けることができり魅力的な仕事である一方、福祉職というと待遇が悪いイメージをお持ちの方もいるかと思います。
そこで、本項では社会福祉士のメリットとデメリットをつまびらかにして、その実情について解説していきます。
社会福祉士として就職することを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
社会福祉士のメリット
まずは社会福祉士のメリットからご説明していきます。
社会福祉士として働くメリットには以下のようなものがあります。
- 幅広い活躍の場がある
- 福祉のスペシャリストとして社会的に認められる
- 身に付けた知識を実生活でも活かせる
まず、「幅広い活躍の場がある」ということについてですが、社会福祉士は様々な施設で働くことができます。
例えば、高齢者施設や障害者施設、児童福祉施設、病院、市役所など、その選択肢は幅広く、自身の得意分野や希望する働き方などに合わせて職場を選択することができます。
続いて、「福祉のスペシャリストとして社会的に認められる」について説明していきます。
社会福祉士は名称独占の資格です。つまり、その資格がなければ社会福祉士を名乗ることができないのです。
社会福祉士はそれほど専門性の高い資格として認められており、施設によっては就職に有利に働く場合もあります。
最後の「身に付けた知識を実生活でも活かせる」についてですが、社会福祉士が日頃、業務で使用する福祉制度やサービスに関する知識は、実用的なものばかりです。
困ったときは、ご自身や周囲の方にも役立てることができるでしょう。
社会福祉士のデメリット
続いては社会福祉士のデメリットについてお話ししていきます。
社会福祉士として働くデメリットには以下が挙げられます。
- 自分の頑張りが報われていないと感じる場合がある
- 相談者との面談に悩むことがある
前述もしていますが、社会福祉士は基本的に「奉仕」の仕事です。公務員の社会福祉士となると特にその傾向は強くなります。
業務上、相手を優先した行動が中心になりますが、頑張った分だけリターンがあるかというと、必ずしもそう実感実感できることばかりではありません。
また、配属先にもよりますが、社会福祉士が相談を受ける相手は、悩みを抱えて相談に来ているため、気持ちに余裕がない場合があります。
そのため、極端にネガティブだったり、ときに自殺願望などがある方の相談を受けることもあるため、より気を遣った対応が必要になることもあります。
相談者との人間関係に悩んでしまう可能性があることも、社会福祉士のデメリットと言えるかもしれません。
公務員のメリットとデメリット
続いては公務員の社会福祉士のメリットとデメリットについて紹介していきます。
公務員の社会福祉士を目指すか、そうでない社会福祉士を目指すか検討中の方は、前項と合わせてしっかりと理解理解して、参考にしてみてください。
公務員のメリット
そうでない社会福祉士と比べて、公務員の社会福祉士は公務員試験を突破する必要がある分、魅力的なメリットがあります。
①収入が安定して倒産の危険性も少ない
公務員の社会福祉士として働く場合のメリットのひとつは、何と言ってもその安定性でしょう。
勤務する自治体が財政破綻でもしない限り、失業することもなく、安定的に収入を得ることができます。
また、一般企業のように、給与や賞与が景気の変動に左右されることも余程のことがない限りはありません。
加えて、充実した福利厚生が受けられるという点も公務員の社会福祉士のメリットです。
有給休暇も取得しやすい環境が整っていることが多いので、ライフワークバランスの取れた働き方ができる可能性が高いでしょう。
②社会的地位が保証されている
公務員の社会福祉士として働くふたつめのメリットは、社会的地位が保証されていることです。
公務員は国によって社会的信頼を保証されているため、比較的容易にローンを組むことができます。
住宅などの高額な買い物などでローンを組む場合、金融機関によって審査が行われ、勤務先や雇用形態、年収などにチェックが入りますが、公務員という肩書きは審査において有利に働きます。
また、銀行から融資を受ける場合も、審査は通りやすくなりますし、低金利で借りられる可能性もあります。
③社会への貢献度が高い
社会への貢献度が高いというのも、公務員の社会福祉士のメリットです。
社会福祉士を志している方は、その業務内容から、多かれ少なかれ「困っている人を助けたい」という想いを持っていることと思います。
しかし、そうした想いがあっても、人助けは必ずしも利益に結びつくとは限らないため、一般企業では社会貢献よりも利益を優先する傾向にあります。
一般企業は一定以上の利益を出さないと存続できなくなってしまうからです。
一方で公務員は利益の追求ではなく、社会貢献が存在意義ですので、公務員は利益に囚われることなく、活動することができるのです。
その点で、社会福祉士と公務員は親和性が強いと言えます。
公務員のデメリット
社会福祉士として勤務したい方に限らず、公務員は人気の高い職種ですが、デメリットも存在します。
公務員のデメリットには以下が挙げられます。
- 公務員試験の難易度が高い
- 部署によっては激務になる可能性がある
公務員を目指すデメリットのひとつは、試験の難易度が高いことです。
公務員試験を突破するためには、最低でも1000時間の勉強が必要と言われることもあります。
また、その時間を確保できたとしても、必ずしも合格できるわけではなく、これまでの勉強時間が無駄になる可能性も残念ながらあります。
こうした試験に臨むハードルの高さは、公務員目指す上での大きな障壁になります。
「激務の可能性がある」については、下記記事でより詳しく説明していますので、気になる方はぜひご覧になってみてください。
公務員に向いている人の特徴などについても解説しているので、社会福祉士でなくとも、公務員として就職を検討している方にはおすすめの内容になっています。
社会福祉士として公務員を目指す際に気をつけるべきこと
続いては公務員の社会福祉士を目指す際の注意点についてです。
民間の施設で働く場合とは異なり、公務員の社会福祉士としての就労を希望する場合は、以下のことに注意が必要です。
場合によっては採用試験すら受けられなくなってしまう可能性もありますので、公務員の社会福祉士を目指している方、特に公務員の社会福祉士への転職を考えている方は覚えておくようにしてください。
①試験の難易度は高い
前項でも少しお話ししましたが、公務員の社会福祉士として働くためには、公務員試験に合格する必要があります。
試験に合格するためには最低でも1000時間の必要と言われることもあり、決して楽なものではありません。
また、勉強をしたからといって必ず合格できるわけではありません。
公務員試験の受験は、それのために費やした時間や費用が無駄になるかもしれないというリスクを踏まえた上で、検討するようにしてください。
②募集期間は限定的
公務員の社会福祉士の募集期間は非常に限定的です。
「各地域の社会福祉士の公務員試験日程一覧」をご覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、比較的大きな自治体であれば5月〜6月、中規模以下であれば8月〜9月頃に募集が集中します。
民間は期間を定めずに募集しているケースも少なくありませんが、公務員の社会福祉士は1年に1度、この時期にしか募集していないことも多いので、希望している自治体がある方はこまめに情報をチェックして、応募し忘れのないようにしましょう。
③年齢制限がある場合もある
公務員試験は、残念ながら誰でも受けられるわけではありません。
多くの都道府県で30歳〜35歳で受験資格を失います。
近年では年齢制限が緩くなってきているとはいえ、まだまだ多くの自治体で年齢制限があるため、この点には注意が必要です。
希望する自治体の応募期間と一緒に、何歳まで受験資格があるのか確認しておくようにしましょう。
社会福祉士の公務員試験|福祉職(福祉系地方公務員)の詳細
最後にご紹介するのは、地方上級福祉職の試験形式と試験日程、合格実績についてです。
公務員の社会福祉士として働くことを検討している方は、ぜひ本項を参考に対策をしてみてください。
社会福祉士の公務員試験|福祉職(福祉系地方公務員)の試験形式
まずは試験形式についてご紹介していきます。
試験は大半の自治体で1次試験、2次試験の2種類で構成されていますが、自治体によっては3次試験があるところも存在します。
これらに合格することで、晴れて福祉系公務員として働くことができます。
各試験の紹介は以下でご確認ください。
1次試験の詳細
地方上級福祉職の一次試験は、多くの自治体において以下のような構成になっています。
- 40題の教養試験
- 40題の専門試験
- 課題式論文
論文は自治体によっては二次試験で出題されることもありますが、それ以外の教養試験、専門試験はどの自治体でも一次試験で行います。
試験形式は選択型あるいは全問必答型、場所によっては記述型のところもあるので、希望する自治体の試験形式はどうなっているのか事前に確認した上で、対策を行ってください。
2次試験の詳細
2次試験の内容は自治体によって様々ですが、以下のような試験を行う場合が多いです。
- 個人面接
- グループ面接
- グループディスカッション
- 適性検査
こちらも1次試験の内容と一緒に確認し、適切な対策を行うことで合格に近付きます。
過去の試験日程と合格実績
最後は令和元年の試験日程と合格実績についてご紹介します。
まずは試験日程からです。ご紹介するデータはあくまでも全ての自治体の傾向を表したものになりますので、個々の自治体の試験日については「全国自治体別ガイド」などで確認するようにしてください。
続いては令和元年の地域ごとの合格実績です。
県ごとの詳しいデータを知りたいという方は、表の下の「公務員試験総合ガイド」のリンク先でご覧いただけます。
自治体によっては福祉系公務員を募集していない年もあるので、希望している自治体の求人情報はしっかりとチェックしておきましょう。
出展:公務員試験総合ガイド
まとめ
近年注目されている福祉職のひとつである社会福祉士。困っている人を直接助けることができる業務であり、公務員として働くこともできる魅力を持つ一方で、働き口が限られているため、就職が難しい職業でもあります。しかし、社会貢献ができるやりがいがある仕事ですので、興味のある方は社会福祉士の国家試験に臨んでみてはいかがでしょうか。