「まったり高給の超ホワイト企業に就職したい」とホワイトな業界や楽な企業への憧れはほとんどの就活生が持っていることでしょう。しかし実際、まったり高給でホワイトな企業はあるのでしょうか。金融や化学メーカーなど、どの業界ならまったり高給が狙えるのでしょうか。今回はまったり高給ホワイト企業の実情について説明します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ネット上の「ホワイト企業ランキング」は信頼できない
ネット上ではさまざまな「ホワイト企業ランキング」があります。以下は2chから引用したホワイト企業ランキングです。
上記の点数は以下の判定要素に基づいています。
絶対条件:1.ホワイトカラーである。2.公式にはリストラしていない。3.途上国や危険地域には行かない。
前提条件:1.終電では必ず帰れる。2.精神的激務(高ノルマ営業等)が無い。
3.勤続年数15年以上・平均年齢40歳以上、これらいずれも満たさない場合は削除検討。
判断基準:1.各企業に持ち点60を与え、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの基準で増減する。2.知名度、倍率、内定者の学歴は問わない。
Ⅰ.給料 30歳で1000万(+7) 35歳で1000(+5) 40歳で1000(+3) 45歳で1000(0)
Ⅱ.退勤 18時(+3) 19時(+2) 20時(0)
Ⅲ.転勤 原則無し(+2) 数箇所(+1) 国内都市(0) 国内僻地&海外都市(-1)
Ⅳ.競合 独占参入障壁(+2) 参入障壁(+1) 自由競争(0)
しかし不明な部分や主観的な部分も多く、インターネット上のホワイト企業ランキングはあまり信用できません。情報を鵜呑みにしてしまうと危険です。
まったり高給な企業に対する3つの誤解
まったり高給な企業には「楽ができる」「仕事に追われないのでプライベートを重視できる」といったイメージがあります。
しかし、まったり高給な企業へのイメージは誤解であることが多々あります。以下ではまったり高給にまつわる3つの誤解について解説します。まったり高給な企業の実情を正確に把握しておきましょう。
誤解①|ノルマや責任がないわけではない
まったり高給の企業では、楽な仕事をこなしていれば高い給料がもらえるといったイメージがあります。しかし、ノルマや責任がないわけではありません。また、締め切りも存在します。
どの企業で働いたとしても、仕事には厳しく取り組まなければならないことは同じです。手を抜いていいというわけでもなく、まったり高給であっても他の企業で求められるように結果を出さなくてはなりません。
なぜなら結果を出さなければ利益が出ず、給料がもらえなくなるからです。まったり高給と言っても、給料に値するだけの働きが求められます。
誤解②|本当に仕事がないなら採用の必要がない
「まったり高給」と言うと「暇」「やることがない」と勘違いしてしまいがちです。しかし、本当に仕事がないならまったり高給な企業は新卒を採用する必要がありません。
新卒採用をするのは人手が必要だからであって、仕事がないというのは大きな誤解だと言えます。
たとえ以下で具体的に紹介するホワイト企業に入社することができても、仕事の忙しさや厳しさに関するストレスや悩みは抱えることになるはずです。まったり高給だから天国、何もしなくていい、というわけではありません。
誤解③|高給といっても豪華な生活は難しい
高給といっても豪華で派手な生活を送ることは難しいと言えるでしょう。いくら高給とはいえ年収は多くて1000万円程度で税金の支払いもあります。
優雅な生活ができると誤解していると、すぐに貯金が尽きてしまいます。実際には普通よりもちょっと良い程度の生活レベルでしかないことに留意しておきましょう。
まったり高給な企業の特徴
そもそも、どんな企業を「まったり高給」と呼ぶのでしょうか。まったり高給な企業の特徴として、以下の4つが挙げられます。
- ①残業が少なく定時退社を推奨している
- ②休暇を取りやすい
- ③需要が多く強引な営業が必要ない
- ④住宅手当などの福利厚生が手厚い
それぞれの特徴について以下で説明します。
①残業が少なく定時退社を推奨している
まったり高給な企業では基本給が高く設定されており、残業代で給料を稼ぐ必要がありません。
そのため無理に残業をしようとする人や、残業を強いる上司がおらず、定時退社が推奨されています。
②休暇を取りやすい
まったり高給な企業では短期・長期問わずに休暇が取りやすい傾向にあります。
自分自身や家族の体調不良で急に休んでも文句を言われることがなく、長期の休暇を取っても快く送り出してもらえるほどです。休暇中には会社からの連絡も、緊急時以外ならほぼありません。
③需要が多く強引な営業が必要ない
まったり高給の企業は取り扱っている商品やサービスの需要が多いと言えます。
そのため強引な営業が必要なく、既存の顧客によって業績が安定しています。新規の顧客も自分から営業せずとも問い合わせをしてくれるため、最も大変な業務の1つである新規開拓営業をしなくてよいのです。
④住宅手当などの福利厚生が手厚い
まったり高給な企業は給料だけでなく福利厚生が手厚いのも特徴です。
住宅手当が全額出ることもあり、出産・育児・介護休暇などの取得に対しても寛容です。さまざまな福利厚生を設けて社員のやる気やモチベーションを高めています。
まったり高給な企業でもストレスはある
まったり高給と聴くと、楽な仕事でたくさんの給料がもらえると思ってしまいますが、実際にはストレスが全くないわけではありません。仕事や人間関係に対して不満を抱えている人もたくさんいます。
以下ではたとえまったり高給であっても感じるであろうストレスについて説明します。
①職場の人間関係への不満
まったり高給であっても職場の人間関係への不満を抱えてしまうことがあります。ブラック上司のパワハラに悩まされることはなく、むしろ上司や同僚はいい人であることがほとんどです。
しかし、まったり高給だからこそ「いい人なんだけど仕事しないから自分に仕事が集中する」「いい人で部下としては優秀なんだけど優柔不断すぎて見ていてイライラするし上司としては不適切」との不満を感じてしまいます。
どのような環境であっても人間関係に対しては不満を持ってしまうものなのかもしれません。
②社内の細かいルールや規則への不満
まったり高給の多くはホワイトな大企業です。組織が大きい分社内のルールや規則が細かく定められている傾向にあり、一見意味がないように思える作業が多く嫌気が差してしまうことがあります。
一つ書類を提出するだけでも複数の上司から捺印をもらったり、残業するにも上司に一筆書いてもらわなければならなかったりなど決して「効率がよい」とは言えない社内体制であることがほとんどです。
③自分のやりたい仕事ができない不満
まったり高給であっても、自分のやりたい仕事ができるとは限りません。まったり高給は大企業に多く、企業規模が大きければ大きいほど仕事の自由度は小さくなります。
また、大企業であるほど承認のプロセスが長く、厳しくなるので提案を通すことが難しくなります。そんな意思決定の遅さやスピード感に欠ける仕事の進め方に不満を抱える人もいるでしょう。
④取引先とうまくいかない不満
まったり高給の理由の1つに「需要が高い」ことを述べました。そのため、取引先とは1回限りの取引よりも長期に渡る関係となることが多く、時に取引先に不満を感じてしまいます。
取引先の中には「無理な納期を要求してくる」「割引をしつこく迫ってくる」「揚げ足を取ろうとしてくる」人たちもいます。その人たちを相手に長期的な取引をしていかなければならないので、疲れてしまうことがあります。
まったり高給な将来が手に入る業界
では、どのような業界・企業ならまったり高給が実現できるのでしょうか。以下では下記6つの業界におけるまったり高給を望める企業を紹介します。
- 資産運用会社
- 自動車・自動車部品メーカー
- 飲料・食品メーカー
- 化学・素材メーカー
- 鉄道会社
- インフラ業界(海運・航空・通信・エネルギー)
ぜひ、就活の企業選びの参考にしてください。
資産運用会社
資産運用会社でまったり高給を実現できるのは、以下の企業です。
- アセットマネジメントOne
- 野村アセットマネジメント
- 三井住友信託銀行(資産運用部門)
- 三菱UFJ銀行(資産運用部門)
資産運用は、顧客から資産を預かり運用します。その残高に応じて手数料を顧客から受け取ります。激務なイメージが強い野村グループですが、その中でも野村アセットマネジメントは穏やかな社風だと言えます。
資産運用は成長業界で、個人向けの投資信託の残高は年々増えています。資産運用に興味を持つ人が増加しており、かつ1度契約すると長い付き合いとなります。
「需要が多く強引な営業が必要ない」ことからまったり高給が期待できます。
自動車・自動車部品メーカー
自動車・自動車部品メーカーでまったり高給を実現できるのは、以下の企業です。
- ヤマハ
- スバル
- 三菱自動車工業
- 太平洋工業
上記の企業は自動車そのものや自動車の部品を作っています。大企業が多く、ヤマハは金曜日の残業を禁止しており、スバルは週に2日は残業しないよう定めています。また有給休暇取得をノルマにしている企業も多々あります。
「残業が少なく定時退社を推奨している」「休暇を取りやすい」というまったり高給の条件にあてはまっています。
飲料・食品メーカー
飲料・食品メーカーでまったり高給を実現できるのは、以下の企業です。
- JT(日本たばこ産業)
- 味の素
- 江崎グリコ
- 日本ハム
- ヤクルト本社
上記の企業は食べ物や飲み物、嗜好品を自社で製造し販売しています。飲料・食品メーカーはリストラのリスクが少なく昇給率が高く、また「住宅手当などの福利厚生が手厚い」点が特徴として挙げられます。
住宅手当や世帯手当、残業代全額支給などは上記で紹介した企業には当然のように導入されている福利厚生です。
化学・素材メーカー
化学・素材メーカーはまったり高給を実現するには最適の業界です。例として以下の企業が挙げられます。
- 富士フイルム
- 東レ
- 旭化成
- 住友化学
上記の企業は化学反応を伴う生産プロセスにより商品を製造・加工しています。素材とは繊維やガラス、鉄鋼や紙などを指し、それらを加工して販売するのが素材メーカーです。
業界全体がホワイトな傾向にあり、有給休暇の取得率が高く残業時間も短いのが特徴です。また、BtoBの既存取引がほとんどなので無理な営業が必要ありません。さらに福利厚生まで充実しています。
上記で紹介したまったり高給の特徴の4つである、
- 残業が少なく定時退社を推奨している
- 休暇を取りやすい
- 需要が多く強引な営業が必要ない
- 住宅手当などの福利厚生が手厚い
これらすべてを網羅しているのが化学・素材メーカーです。また以下の記事ではなじみがなく一見わかりにくい化学・素材メーカーの実情について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
鉄道会社
鉄道会社でまったり高給を実現できるのは、以下の企業です。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 東海旅客鉄道
- 名古屋鉄道
上記の企業は「JR」をはじめとする各電車や新幹線の運行を行っています。決まった時間に稼働し、シフトもきちんと組まれているため「残業が少なく定時退社を推奨している」傾向にあります。
インフラ業界(海運・航空・通信・エネルギー)
インフラ業界でまったり高給を実現できるのは、以下の企業です。
- 東京電力
- NTTドコモ
- 日本航空(JAL)
- 大阪ガス
それぞれ社会の基盤となるインフラを扱っています。需要が一定であるので事業が安定し、勤務体制や福利厚生が整っている傾向にあります。
上記で紹介した企業は化学・素材メーカー同様、「まったり高給」の特徴を4つとも満たしており、ホワイトで働きやすいと言えるでしょう。
文系総合職以外でまったり高給な企業を目指す方法
まったり高給の企業は文系総合職で目指すイメージがあります。実際には文系総合職以外でもまったり高給な企業を目指すこともできます。
文系総合職以外でまったり高給な企業を目指すには、2つの方法があります。
①理系の基礎研究開発は穏やかな傾向が強い
理系就職は比較的まったり高給なことが多く、その中でも基礎研究開発は穏やかな傾向が強いと言えます。
基礎研究開発の仕事では課題はあるものの、達成すべきノルマがないからです。人間関係も淡白なことが多く、他の職種よりも悩むことが少ないようです。
②公務員からの天下りもまったり高給の典型
公務員から民間企業に再就職する、いわゆる「天下り」はまったり高給の典型です。退職を迎えた国家公務員や地方公務員が行政と関係を持つ企業に再就職することを指します。
公務員の天下りによって、企業は行政とのパイプを持つことができます。そのため、公務員は高待遇で民間企業に受け入れられる傾向にあります。
まったり高給とは言えないのが金融・IT業界
高給でありつつも、「まったり」とは決して言い難いのが金融とIT業界です。金融はノルマが厳しく、かつ資格取得の勉強に追われます。
IT業界も日々発展していく新しい技術を学び続けなければならず、仕事面では納期に迫られる傾向にあります。
以下の記事では金融・IT業界の働き方の実態について詳しく説明しています。金融・IT業界を志望するなら「まったり高給」は実現できないかもしれないと覚悟しておきましょう。
まとめ
今回はまったり高給な企業の実情や、具体的な業界・企業について紹介しました。
まったり高給だからと言って、楽ができるわけではありません。仕事は忙しくも残業をしないように求められるため、むしろ高い仕事の処理能力やスケジュール管理能力が必要だとも言えるでしょう。
まったり高給を目指すなら、特に化学・素材メーカーやインフラ業界がおすすめです。ぜひ、就活で憧れのまったり高給な企業にチャレンジしてみてください。