「一流企業(超一流企業)とは、どこからどこまでを指すのか」の定義は難しいポイントですよね。今回お伝えする複数社の代表例を見ることで、「一流企業といえば○○」の線引きが可能です。また、大手に就職するメリット・デメリットも紹介しますので、自身の向き・不向きを考える参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
一流企業に明確な定義はない
世間でよく言われる「一流企業」や「超一流企業」には、明確な定義は存在しません。しかし、就活生の中には、「一流企業に入社してバリバリ活躍したい」と望む方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「一流企業といえば○○」というように、一流と呼ばれる最低限の条件を3つのポイントに分けて解説していきます。
上場企業(日経225)
一流企業(超一流企業)とは、東京証券取引所や大阪取引所に上場している企業を指すことも珍しくありません。特に、日経平均株価の指標ともなる225社(日経225)の中にも、数多くの一流企業が存在します。たとえばトヨタやパナソニック、デンソーなどが代表例です。
一方で、非上場会社の中にも一流と呼ばれる企業は存在します。上場しないことで経営権を奪われるリスクが少なくなり、創業者(またはその一族)による安定した会社運営ができるからです。サントリーホールディングスや富士ゼロックスなどが該当します。
有名企業
「知名度が高い」「有名」というポイントを押さえていることも、一流企業と呼ばれる条件の一つでしょう。特定の業界や職種ではなく、就活生から「あの企業だから入社したい」と思わせる魅力があります。
しかし、有名企業だからといって必ずしも大企業とは限りません。一流企業とは、大中小問わず有名であることが必須条件と言えます。
たとえば、宅配サービスとして有名な株式会社出前館(旧:夢の街創造委員会)は従業員数100人以下の中小企業ですが、「成長力があって居心地も良い中小企業(東洋経済)」の上位に位置するなど、一流企業と言っても差し支えありません。
財閥系企業
歴史の深い財閥系も、一流企業として取り上げられることが多いと言えます。三菱グループや三井グループ、住友グループなどが代表的でしょう。
また、財閥系以外にも、創業から時間が経つほど信頼性が高まり、名門や一流と呼ばれることが多くなります。1661年に創業した調味料メーカーのキッコーマン、1831年創業のデパート高島屋、1881年創業の明治安田生命保険などが代表例です。
業界別|一流企業の代表例
一流企業(超一流企業)とはどのような会社を指すのか、代表例を見ることでイメージを掴みやすくなるはずです。ここでは、メーカーや金融など業界別の一流企業を紹介していきます。
メーカー
メーカーの一流企業は、主に次の2つの業種に分類できます。
- ①飲食料品・消費財・生活用品メーカー
- ②自動車・機械・電子機器メーカー
①の飲食料品や生活用品は「BtoC向け」が多く、最終消費者に対して製造から小売まで一手に引き受けるケースも珍しくありません。一方、②の自動車や機械は「BtoB向け」で、消費者との間に小売業者が存在したり、工場相手に製品を流通させることが多いと言えます。
同じメーカーでも、志望先のビジネスモデルに合わせて適切な就活を展開していきましょう。
①飲食料品・消費財・生活用品メーカー
飲食料品・消費財・生活用品メーカーの代表的な一流企業は以下の通りです。BtoC向けのメーカーは離職率が低く、ホワイト企業ランキングに名を連ねるケースもよく目にします。
②自動車・機械・電子機器メーカー
自動車・機械・電子機器メーカーの代表的な一流企業は以下の通りです。戦後の好景気を支える担い手となった会社も多く、トヨタや日産、パナソニックなど超一流企業も珍しくありません。
金融
金融業界の代表的な一流企業は以下の通りです。
上記の内、特にメガバンクなどは超一流企業が目立ちます。しかし最近は、少子化や低金利の影響を受け、銀行の将来性を危惧する就活生も多いのではないでしょうか。
以下の記事では、メガバンクの将来性について徹底検証しています。近頃は根本的な不況対策に乗り出すメガバンクも多く、入社することで4つのメリットを享受することができます。就活中にどのような点を意識して対策を行えば良いのか、ぜひご自身の目でお確かめください。
商社
商社の代表的な一流企業は以下の通りです。様々な製品群を扱ってグローバルに活躍したい人は総合商社を、特定のカテゴリーを徹底的に究明したい人は専門商社を選ぶと良いでしょう。
マスコミ・広告・メディア
マスコミ・広告・メディア業界の代表的な一流企業は以下の通りです。花形と呼ばれるテレビ業界を中心に、広告代理店や出版会社など多岐に渡ります。
鉄道・海運・航空
鉄道・海運・航空業界の代表的な一流企業は以下の通りです。交通インフラを支える以下の企業は事業の安定性が高く、低離職率・高年収の優良企業が多いと言えます。
情報通信・IT
情報通信・IT業界の代表的な一流企業は以下の通りです。2010年頃から急速な勢いで伸び続ける業界なだけに、中堅から一流企業へと格上げされる会社も目立ちます。
一流企業に就職することのメリット
一流企業に就職すると、主に次の4つのメリットが期待できます。
- ①待遇・給料が良い
- ②社会的なステータスも高い
- ③入ってしまえば安泰と言われている
- ④広い人脈を作ることができる
後ほどお伝えするデメリットと比較すると、「高い安定性を得られる」点が最大のメリットと言えるでしょう。以下で詳しくお伝えしていきます。
①待遇・給料が良い
一流企業は市場シェア率の高い会社も多く、それだけ安定した業績が維持できます。業績が安定すると社員への給与還元も行われやすくなり、好待遇・高収入が期待できるようになるでしょう。
事実、東洋経済社が定期的に発表する「平均年収ランキング」には、いつも一流企業の多くが上位に顔を並べます。起業や海外留学など新しいことにチャレンジしたい人でも、一流企業で資産の土台を築いておけば、その後の選択肢が広がりやすいと言えます。
②社会的なステータスも高い
「トヨタの社員」や「メガバンクの行員」と聞けば、誰だって相手に一定の信頼を寄せるのは不思議ではありません。会社の看板、それも一流企業の看板を背負うのは、それだけ大きな効力を発揮します。
社会的なステータスが高くなれば実生活にも恩恵を得られます。銀行融資やクレジットカードの審査、マンション入居の与信調査などにおいて大変有利です。
③入ってしまえば安泰と言われている
一流企業は事業の持続性が高い点が特徴の一つです。たとえば、味の素やカゴメ、ハウス食品などの食品メーカーは100年以上の歴史があります。ほかにも、交通インフラ業や商社、小売、銀行などの業界は歴史の深い名門企業が目立ちます。
財務基盤が強固な一流企業は、突発的な不況や経済危機にも強いと言えるでしょう。従業員にとっては安心して働ける環境が整っています。
④広い人脈を作ることができる
社内には様々な上司・同僚・部下がおり、社外には数多くの取引先を持つのが一流企業の特徴です。関係を持つ人の数が多くなるほど、自身の人脈形成に好影響を与えるのは想像に難くありません。
特に、社員寮がある大企業などでは、定期的に社員同士で仕事の相談や雑談が行われるケースもあります。不安や孤独を感じたときに、後ろにはいつもサポートしてくれる社員がいる点も大きなメリットです。
一流企業に就職することのデメリット
一流企業とはいえ、就職することで次のようなデメリットも発生する点はよく覚えておきましょう。
- ①組織の歯車にすぎない
- ②人間関係や無意味なルールに悩む人も多い
- ③億万長者になることは望めない
先ほどのメリットでは「高い安定性が得られる」点が魅力でしたが、「組織に個性が埋没する」という点が最大のデメリットです。以下で詳しくお伝えしていきます。
①組織の歯車にすぎない
一流企業のほとんどはその組織内にて、様々な部署に分かれ、何百人・何千人という社員が働きます。組織として最大のパフォーマンスを発揮するため、社員一人ひとりが個性を活かして働くより、会社の歯車の一つとしての役割を期待されるのも無理はありません。
「将来大きなプロジェクトを立ち上げてみたい」「営業マンとして会社ナンバーワンの売上を獲得したい」などの夢を持つ就活生は、ベンチャーや中小の優良企業に就職する方が向いていると言えるでしょう。
②人間関係や無意味なルールに悩む人も多い
企業の規模拡大や事業が安定してくると、組織が官僚的になり、仕事の内容よりも形式を重視する傾向に陥るのはある意味自然と言えるでしょう。たとえば報告だけの定例会議に疑問を覚えるなど、無意味なルールに悩む人も珍しくありません。
そんな時、「自分は会社員には向いていないのではないか」と、深刻な悩みへと発展する可能性もあります。悶々とした悩みは放置せず、まずは以下の記事をご覧ください。
会社員に留まるメリットは4つあるので、「本当に辞めるべきかどうか」の判断材料になるはずです。それでも会社を辞めたいと望む場合には4つの選択肢を提示していますので、必ず自分らしい働き方が見つかります。ぜひ、ご確認ください。
③億万長者になることは望めない
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2019-労働統計加工指標集-(図21-1)」によると、大企業で働く大卒の生涯年収は約3億2,000万円です。仮に40年働いたとすると、1年で平均800万円を受け取れる計算です(退職金は含まない)。
このように、労働者の賃金はある程度の枠組みが決まっています。景気や業績が良いから一気に収入が上がるわけではないので、「安定はするが高望みはできない」という点には注意してください。
一流企業に務める人の年収は高いのか
結論から言えば、中小や零細企業に比べて一流企業の平均年収は高水準です。なぜ一流企業の方が年収が高くなるのか、公的データを見ながら考えていきましょう。
一流企業に務める人の平均年収
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査(企業規模別にみた賃金)」によると、大企業に勤める人の月収は38万7,000円です。年収にすると約460万円になります(ボーナスなし)。
後ほど中小企業の平均年収も紹介しますが、やはり大企業に勤める方が収入が高くなる傾向にあるでしょう。その理由として業績が安定しやすいという点以外にも、コーポレートガバナンスの観点が色濃く現れてくることが分かります。以下で詳しく説明していきます。
一般的な中小企業に務める人の平均年収
前の見出しでご紹介した厚生労働省の資料によると、中企業と小企業の月収の中間点は約30万円です。年収にすると約360万円になります(ボーナスなし)。
大企業に比べると月収で8~9万円、年収は100万円近くの開きがあることが分かります。
中小企業を経営するのはオーナー社長が多く、一部の経営者やその親族が高収入を得ているケースが目立ちます。一方の大企業は、従業員への適正な賃金還元が行われないと、労働組合や株主総会によるトラブルに発展し、コーポレートガバナンスの大きなリスクを負うことになります。
上記のような観点から、中小企業より大企業の方が高収入を得やすいと言えるでしょう。
一流企業は狭き門なのか
一流企業は高収入や安定を期待できることから、募集人数に対して数多くの志望者が集まります。そのため、以下でお伝えする選考フローや難易度などを理解したうえで就活対策することが大切です。
一流企業は圧倒的な買い手市場
企業の採用倍率は「就職四季報」で確認できます。就職四季報を参考にした東洋経済社の記事「内定競争倍率の高い50社、低い50社はどこか」によると、100倍を超える会社には一流企業の名前が目立ちます。
つまり一流企業ほど、募集人数に対して応募人数が極端に多いということです。採用倍率が高くなりやすい点を覚えておくことは、一流企業を志望するうえで重要なポイントとなるでしょう。
一流企業の採用までの流れ
狭き門である一流企業へ就職するためには、採用までの流れを押さえておくことも大切です。
- 6~11月(大学3年生):インターンシップ実施
- 12~翌2月(大学3年生):会社説明会
- 3~4月:選考開始
①Webテスト・SPI
②エントリーシート選考
③1次・2次面接
④最終面接 - 4月:内定出し
上記は春採用のケースです。春採用の応募に間に合わなかった就活生は、大学4年生の6~8月に会社説明会を実施し、9~10月に内定出しを行う秋採用に参加することもできます。どちらにせよ一流企業へ就職する場合は、少なくとも大学3年生に進学した当初から就活の準備を始めておくことが必要です。
一流大学の学生でも明暗が分かれるほどの難易度
一流企業には数多くの志望者が集うため、一流大学出身だからといって必ずしも就活が有利になるとは限りません。学歴フィルターが働きにくいので、就活の仕方にも工夫を凝らす必要があるでしょう。
- 「地方の名門企業」や「採用人数の多い会社」などに視点をずらす
- むやみに志望先を増やすのではなく、特定の業界や業種に絞る
- 大学主催の説明会のメリットを活かす
- 親や先輩など裏事情に詳しい人がいる業界を狙う など
上記は、その他大勢の就活生と差を付けるほんの少しのコツです。一流企業は、周囲と同じように就活を進めても内定獲得が難しいため、上記を参考に他者と差別化する方法も意識してみてください。
大手企業は狭き門だと感じる人の選択肢
大手企業や一流企業への就職が難しいのは、全体を俯瞰して見たときの一つのイメージだとも言えます。しかし、少し視点を切り替えてみると、次のような選択肢があることも分かります。
- 実は大手の子会社も優良会社の可能性がある
- 隠れたホワイト企業を見逃している可能性がある
「大手は自分には厳しいかな」という方は、上記2点を意識して別の選択肢を探ってみることをおすすめします。
大手子会社に目を向ける
子会社は親会社に比べて会社規模が小さくなるので、待遇まで劣ってしまうと考える方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、大手子会社に就職することで次のような利点があります。
- 親会社ほど採用倍率が高くないので就職しやすい
- 親会社並みの福利厚生が用意されている
- 親会社と連結決算なので確かな財務基盤が期待できる
以下の関連記事では、上記以外に大手子会社の5つのメリットを紹介しています。親会社並みの安定を得られるだけではなく、「働きやすさ」や「やりがい」については親会社以上と言えます。他の就活生は見逃しやすいポイントなので、ぜひ早めにご確認ください。
隠れホワイト企業に目を向ける
「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」によると、「絶対に大手に就職したい」と望む学生は全体の8.9%にしか過ぎず、年々減少傾向にあります。反対に「自分のやりたい仕事」や「仕事のやりがい」を重視する就活生が増えている点が特徴です。
このような就活生が増える中、少し視点を変えて「働きやすさ」に着目してみるのも「就活の成功」に結びつく方法の一つでしょう。
以下の記事で紹介している通り、実は「働きやすいホワイト企業」にはメーカーが多い傾向にあります。メーカーと言えば「3K(きつい・汚い・危険)」の代表的なイメージがあるものの、実際にはホワイトでクリーンな会社が多いことをご存知でしょうか。理由が気になった方は、ぜひ以下の記事をご確認ください。
まとめ
今回は、定義があいまいな一流企業の代表例を紹介しました。一流企業に就職することで「高い安定性を得られる」というメリットと、「組織に個性が埋没する」というデメリットがあるため、両者をよく比較して就活を進めてください。
一流企業を志望する場合は狭き門がハードルになることが多いでしょう。そのため、今度は「いかに自己分析して、いかにアピールするか」という点に注力することが大切です。