看護師は2交代制と3交代制によって、それぞれ夜勤・準夜勤・深夜勤が存在します。シフトによっては夜勤による疲労・ストレスを感じやすいため、今回お伝えする対策法をよくご確認ください。また、夜勤中の過ごし方も紹介していますので、細かいタイムスケジュールを知りたい方はご参考ください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
法律における夜勤の定義
まず、労働基準法における深夜労働の定義について確認しましょう。
労総基準法第37条第4項では、以下のように説明されています。
使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
つまり、以下の2つのポイントが読み取れます。
- 夜勤=夜の22時から翌日朝の5時まで
- 夜勤の間は25%以上割増賃金
以下の記事では、法律における夜勤の取り扱われ方や、夜勤における注意点をより詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
しかし、看護師の場合、2交代制や3交代制を取り入れている場合が多いため、上記の定義とは労働時間がずれる可能性が高いです。あくまで、法律上の夜勤の定義ですので、看護師の夜勤のスケジュールについては下記で詳述します。
看護師の夜勤時間の考え方
24時間開院している病院は、看護師が2交代制か3交代制で働いていることも珍しくありません。日勤と夜勤の割合は病院によって異なります。
2交代制と3交代制にはメリット・デメリットがあるため、以下で詳しくお伝えしていきます。
2交代制
2交代制は、「日勤」と「夜勤」の2つの時間に分かれて仕事をします。勤務時間例は以下の通りです。
- 日勤:8:30~17:00(休憩1時間程度)
- 夜勤:16:30~翌9:00(休憩2~3時間程度)
日勤と夜勤のメリハリがはっきりと現れる点が2交代制の特徴です。以下で2交代制のメリットとデメリットをお伝えしていきます。
メリット|公私のメリハリをつけて働きやすい
看護師が2交代制で働く場合、シフトが2つしかなく、仕事とプライベートを分けやすい点がメリットです。
3交代制に比べると自宅に戻ってゆっくりと休息できるため、次のシフトに備えるのも容易です。また、趣味や遊びなどプライベートの充実にも向きます。2交代制は、公私のメリハリをつけて働きたい看護師にオススメです。
デメリット|夜勤の場合は心身ともに負担を感じやすい
2交代制の最大のデメリットは、何と言っても夜勤時間の長さでしょう。途中で2~3時間の休憩はあるものの、最大16時間の仕事は相当な激務です。
特に、加齢によってカラダが衰えてくると、心身ともに大きな負担を感じることもあります。また、病院によっては、1日で「日勤+夜勤」のシフトを組まれることもあり、ほとんど休憩なしで働くケースもあるようです。
ただし、シフトによっては16時間の休息を取れることもあるため、長い休み時間を利用して心身をリラックスさせることが大切です。
3交代制
3交代制は、「日勤」と「夜勤」に加え、さらに「準夜勤」の時間帯が追加されます。勤務時間例は以下の通りです。
- 日勤:8:30~17:00(休憩1時間程度)
- 準夜勤:16:30~翌1:00(休憩1時間程度)
- 夜勤(深夜勤):翌0:30~翌9:00(休憩1時間程度)
日勤から夜勤まで、バランスよく勤務時間が設定されているのが3交代制の特徴です。以下で3交代制のメリットとデメリットをお伝えしていきます。
メリット|1勤務辺りの負担が少ない
3交代制は、バランス良く8時間勤務のシフトを組まれることが多いといえます。そのため、2交代制に比べて1勤務辺りの負担が和らぐことがメリットです。
また、8時間であれば、その時間だけ集中して仕事ができるため、業務制度を高めることも可能です。心身ともに高負荷の仕事に耐えられそうにないという場合は、3交代制を導入する病院が向くといえるでしょう。
デメリット|シフトによっては休みを取りにくい
2交代制の場合、16時間の夜勤を乗り切ると、その後に2日間の休暇をもらえることも少なくありません。一方、3交代制の場合は1勤務辺りの時間が短いため、勤務後に1日ごとの休みしかもらえないケースも多いようです。
上記は病院の勤務体制やシフトによって大きく異なりますが、まとまった休暇期間を利用してプライベートを充実させたい方にとっては、3交代制は不向きといえるでしょう。
看護師の夜勤中の過ごし方・役割
看護師は夜勤や準夜勤をどのように過ごし、どんな役割を果たしているのでしょうか。ここでは、3交代制のケースを参考に、具体的なタイムスケジュールを紹介します。
準夜勤中の過ごし方
準夜勤は、16:30~翌1:00まで実働約8時間のケースが一般的です。
準夜勤中の過ごし方(タイムスケジュール)は以下をご覧ください。始業と終業に申し送りが行われるのは、どの勤務時間でも変わりません。深夜勤に比べると、患者と接する機会が多いという点が特徴です。
夜勤(深夜勤)中の過ごし方
夜勤(深夜勤)は、0:30~9:00まで実働約8時間のケースが一般的です。
夜勤中の過ごし方(タイムスケジュール)は以下をご覧ください。患者はすでに就寝中なので、準夜勤に比べて巡視や見守り業務が多いことが分かります。それだけに気持ちが緩んでしまいがちなので、仕事開始前に集中力を高めておくことが大切です。
看護師の夜勤は問題視されている
公益社団法人 日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」によると、夜勤や交代制勤務、長時間労働などが原因で、若い看護師の過労死や離職に繋がっていることが明らかになっています。事実、看護師の離職率は10.9%と、全業界の8.5%より高い水準です。
たとえば、夜勤や交代制勤務により、看護師へ次のような負担がかかります。
- 心身負担:休息に最適とされる夜間に働くことによる疲労・ストレス
- 睡眠の質の低下:昼間に休息をとることで睡眠構成バランスが悪化
- 疲労回復効果の低下:体温が上昇する昼間の睡眠が原因
- 社会参加や交際の制約:友人や家族と活動時間が異なる
- 加齢で増す夜勤負担:疲労回復速度の衰えにより負担が増す
こうした看護師の負担を和らげるには、勤務制度のマネジメント、すなわち経営改革が必要です。では、看護師の皆さんが実践できる負担の和らげ方にはどのような方法があるのでしょうか。
- 夜勤中の休憩時間に十分な仮眠をとる
- 夜勤後になるべく早く一度睡眠をとる
- 夜勤後はできるたけ日中に普通の生活を行う
- 管理者とよく相談しシフトのバランスを調整する
参考(離職率):
日本看護協会「2017年病院看護実態調査結果報告」(図6)
厚生労働省「平成29年上半期雇用動向調査結果の概要」(表1)
また、看護師が激務やつらい・しんどい職業だだといわれる一因も夜勤と言えるでしょう。看護師が激務であるその他の理由や働き方改革に関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
生活スタイルにあった夜勤の時間を選ぶ
実際に現場で働く看護師としては、できるだけ自分の生活スタイルに合った勤務時間帯を選びたいものです。夜勤が長時間に及ぶことで疲労が蓄積してしまい、集中力の低下によって医療事故が起こる危険性も見逃せません。
「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、看護師の交代時間に11時間以上の間隔を空けることを推奨しています。そのため、管理者とよく相談し、なるべく自分の負担にならないシフトを組む必要があるでしょう。
たとえば、「深夜勤・準夜勤・日勤・深夜勤」のシフトでは体のリズムが悪くなり、心身の負担が増してしまいます。
理想的なシフトは、「日勤・準夜勤・深夜勤・日勤」正循環を描く編成です。人は就寝・起床時間を早めるより遅くすることが得意なため、生活バランスを整えやすいといえます。
まとめ
看護師の勤務時間は、2交代制と3交代制に分かれます。2交代制には夜勤、3交代制には準夜勤、深夜勤があり、いずれも看護師の心身的な負担が増すことが問題視されています。
同じ夜勤でもシフトによって負担の感じ方が異なるため、自分の生活スタイルに合わせた編成になるよう、管理者とよく相談しておきましょう。