うつ病や適応障害を患った場合、症状に応じて休職期間を取得し休養することが必要です。ですが、休職をしても症状が改善せず、退職に至るケースも珍しくありません。どちらの場合でも、傷病手当の受給が可能です。うつ病の休職について詳しく見ていきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
うつ病の休職期間の平均
昨今、うつ病を患う社会人が増えています。うつ病は「心の弱い人がなるもの」と考えている方が多いですが、どんな方でも患う可能性のある心の病です。
まず始めに「うつ病=甘え」ではないということははっきりと申し上げます。今回はうつ病を発症し、休職することになった場合のことについて説明していきます。
うつ病の度合いにより休職期間は異なる
一言でうつ病と言っても、症状や休養に必要な期間は人それぞれ違います。うつ病の症状には大きく分けて、「軽度」「通常」「重度」の3段階があります。
症状の度合いによって、復帰までに必要な休職期間が異なります。適切な治療を行い仕事を復帰するためには、うつ病の度合いを理解し、仕事を休んで体と心を休めることがとても大切です。
軽度のうつ病|1ヶ月
下記の症状が当てはまる場合、軽度のうつ病である可能性があります。
①下記のどちらか1つの症状がある。
- 憂鬱な気分である。
- 以前よりも興味や喜びへの感情がなくなっている。
②上記と下記の中から合わせて5つ以上の症状がある。
- 以前に比べて食欲がない。もしくは食欲がある。
- 以前よりも寝すぎる。もしくは眠れない。
- 集中力がなくなったと感じる。
- すぐに疲れる。
- 心が落ち着かない。または体が怠い。
- 自分を責めてしまう。
- 生きる気力がなくなる。
上記の症状がほぼ1日中・2週間以上続いている状態で、なんとか休むことなく仕事ができる場合、軽度のうつ病と診断される可能性があります。軽度のうつ病には「休職1ヶ月間」という診断される場合が多いです。
通常のうつ病|3ヶ月
「軽度のうつ病」であげた項目のうち、①のどちらかの症状があり、①と②の項目の中から合わせて6~7つの症状がある場合、通常のうつ病(中等程度)の診断が下る場合があります。
この段階に入ると、軽度のうつ病状態よりも心が悲鳴を上げており、遅刻や早退が増えたという人もいます。この場合、3ヶ月間の休職期間が一般的です。
重度のうつ病|1年以上
「軽度のうつ病」であげた項目のうち、①のどちらかの症状があり、①と②の項目の中から合わせて8つの症状がある場合、重度のうつ病である可能性が高いです。
重度にまで至ってしまっている場合、早退や遅刻だけでなく、欠勤を繰り返している人も珍しくありません。職場復帰までには1年以上の長い休養が必要です。
うつ病の休職期間は平均すると約3ヶ月
うつ病の人が取得する休職期間はまちまちです。1ヶ月で復帰される人も入れば、1年以上休職している人もいます。ですが、うつ病の人が復帰するまでの期間は平均3ヶ月間と言われています。
十分に体が休まり体調を整えて復帰をしている方もいますが、一方で、本来であればまだ休養が必要にもかかわらず、有給を使い切り、就業規則の休職可能期間終了が近づき、頼る当てがなく生活のために仕方なく復帰をしている方がいることも事実です。
うつ病での休職期間について説明しましたが、仕事で心が限界を迎えると現れるサインがいくつかあります。以下の記事を参考にして、自分がそれに当てはまるのかを確かめてみてください。
うつ病の休職期間は延長できるのか
うつ病には、治療のための休養期間の取得は大変重要です。医師から「休職1ヶ月」という診断書をもらってから、間もなく1ヶ月が経過するものの、正直働く気力がないという場合、休職期間の延長はできるのでしょうか。
就業規則によるが延長は可能
勤め先企業の就業規則によりますが、一般的に休職期間の延長は可能です。会社としても「万全な状態で戻ってきてもらう」ことが一番望ましいため、医師から更なる休養が必要との診断が下りた場合は、休職期間の延長は認められます。
ただし、最大どれくらいの期間まで休職が認められるかは就業規則によって異なります。勤務年数等によっても休職可能期間が異なる場合がありますので、休職前に確認しておくことをお勧めします。
産業医が判断
大企業などで産業医の在籍する会社にお勤めの場合は、産業医による面談が必要です。産業医がいる勤め先であるなら、一つ知っておいていただきたいことがあります。
いわゆる主治医の場合、診断は患者の意思を尊重する傾向があります。一方の産業医は業務ができるか否かをベースに判断を行いますので、診断の基準がそもそも異なります。また、必ずしも精神疾患に理解のある産業医ばかりではないので、「もう少し休職したい」という思いがあるならば、その気持ちははっきり伝えましょう。
うつ病の休職期間の給与・手当
うつ病で休職をする場合、どうしても気になるのが給与についてです。体を休めるための休職とは言え、生活費がないと心は休まるばかりか、不安が募ってしまい、余計にうつ病を悪化させてしまう恐れがあります。
基本的に有給が消化される
休職の場合、まずは有給から消化されます。そのため、休んだ次の日から賃金が支払われなくなるということはあまりありません。一切ないと言い切ることができないのは、入社直後で有休が付与されていなかったり、休職前に有給を使い切ってしまって使う有給がもうないという可能性も考えられるからです。
傷病手当金も申請できる
有給が取得できない状況の場合、傷病手当金を申請するという方法があります。全国健康保険協会の「傷病手当金について」をもとに申請条件について確認していきます。傷病手当金の申請には下記の条件があります。
- 健康保険の被保険者であること。
- 仕事以外の病気や怪我で療養中である。
- 療養をするためには仕事を休む必要があると判断されること。
- 療養をするために連続4日以上仕事を休んでいること。
- 給料を受け取っていないこと。
気になる支給額は、過去12ヶ月分の給与をベースに計算され決定します。おおよそ今の3分の2程度とお考えください。同じ病症で最大1年6ヶ月間受け取ることができます。もしも、傷病手当金受給期間中に出産手当金の受給の対象にもなっている場合は、基本的に出産手当金が優先されます。
また、万が一傷病手当金受給中に退職することになった場合でも、最大1年6ヶ月間は手当の受け取りができます。
休職中のボーナスについては以下の記事で紹介しています。ぜひご一読ください。
うつ病の休職期間の過ごし方
休職できることになったものの、長い休みで何をしたらよいのかわからないという方もいるでしょう。
休職中の人の中には「仕事に役立つ資格の勉強をしよう!」「運動をしよう」という方もいるかもしれません。ですが、休職の一番の目的は「心と体を休める」ことにあります。
産業医のアドバイスを参考にする
産業医がいる会社の場合は、過ごし方について是非相談をしてみましょう。休職者の様子を確認しながら、「今は自宅療養すべき」「もう外出しても構わない」など、その都度的確なアドバイスをしてくれます。それに従うことが回復への一番の近道です。
転職先を探すのもあり
今の会社が自分に合っていないと感じているなら、思い切って転職活動をするのもありです。休職期間中に他社の様子を知ることで、今までとは違った働き方を知ることができるかもしれません。休職中だからといって、必ず元の職場に復帰しなければいけないというわけではありません。
旅行に行く際には会社側に確認する
休職前は仕事に追われ、なかなか遠出ができなかったという人は、これを機に旅行に出かけるのもいいでしょう。出かけることでいい気分転換にもなります。
ただし、旅行に行く際は念のため会社にも相談をしましょう。伝えていないと、万が一旅先で同僚に会った時に「○○さん、会社休んで遊んでたよ」と噂をされてしまう可能性があります。
また、ブログ等で近況を報告することはお勧めできません。SNSは誰が見ているかわかりません。お出かけをすることは自由ですが、自分は休職している身であることを考慮して行動するようにしましょう。
うつ病の休職期間中に解雇
あってはならないことですが、休職期間中に解雇を言い渡されたという話を耳にしたことがあるかもしれません。「労働契約法第16条」では不当な解雇ができないように定められています。
ただし、制限があります。例えば就業規則に「休職期間満了時に復職が難しい場合、退職扱いとする」と記載があったとします。休職可能期間が1年の場合、休職後1年を経過しても復帰が難しいと判断された際は退職扱いになる可能性はあります。ただし、セクハラやパワハラが原因の休職の場合はその限りではありません。
まとめ
うつ病は誰もが患う可能性のある病気です。治療には一定期間の休養が必要です。医師の診断が下りれば休職は可能ですし、休職中は有給や傷病手当金の取得もできます。
医師の診断のもと、仕事のことは忘れてゆっくりと休むことが大切です。周りに休職している方がいたら、どうか暖かくその人を見守ってあげてください。