FAサービス大手のファナックには、「仕事がきつい」「激務」「辞めたい」といった評判をよく耳にします。また本社が田舎にあることから、「結婚できない」「合コンがない」といった意見もあります。これらの評判は本当なのでしょうか。今回はファナックに関する噂の真相を紹介していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ファナックとは
ファナックとは、山梨県南都留郡忍野村にある国内電機機器メーカーです。ファナックが得意とするのは(産業用)ロボットで、広大な敷地に工場を構えています。
たとえば、工場で車などを作るときは一から人の手で組み立てていたのでは効率が悪すぎるでしょう。そこで、ロボットなどの機械を導入して効率化をはかります。
つまり、ファナックが得意とする産業用ロボットとは、「機械を作るための機械」といえるでしょう。
ファナックは、こうした工場の生産性を改善する製品(正確にはCNC装置)で世界首位のシェアを誇ります。それだけに従業員の待遇も恵まれており、2017年度の平均年収は1,571万円と高収入です。
では、もう少しファナックを詳しく理解していきましょう。ここからは、3つの事業を中心に解説を行います。
ファクトリーオートメーション(FA)事業
ファクトリーオートメーション(FA)事業では、主にCNCと呼ばれる機器の研究・製造を行っています。
CNCとは、工場の生産性を高めるために欠かせない産業用ロボットを動かすための装置です。ラジコンのコントローラーを想像すると分かりやすいかと思います。
先ほども紹介した通り、ファナックはこのCNC装置のシェアが世界ナンバーワンです。そのため、世界的にも注目される事業で、ファナックの業績を押し上げる主力製品といえます。
ロボット事業
ロボット事業では、機械製品の組み立てや解体、溶接などを行う機械を開発しています。ファナックのロボットは広く海外から国内まで様々な工場で採用されており、ファクトリーオートメーション(工場の自動化)に大きく貢献しているのです。
ちなみに、ファナックのロボットは国内シェアで1位を獲得しています。
ロボマシン事業
ロボマシン事業では、小型切削加工機や電動射出成型機など、細かい加工を行う機器を開発しています。
先ほどのロボットが主体的に動いて機械製品を組み立てるのに対して、ロボマシンは設置型で、内部に素材や材料を入れることで成型や加工を施します。ただ、ロボットと同様、工場の生産性改善になくてはならない機器です。
ファナックで激務なのは研究職
ファナックの仕事は「激務」ということが評判になっています。平均年収も軽く1,000万円を超えるため、仕事もハードという印象が強いのでしょう。
ただ、口コミ情報サイトなどを参考にすると、激務なのは研究職に限ります。研究職とは文字通り、製品を製造するための検証や分析を行う職種のことです。
ここからは、なぜ研究職が激務なのか、その評判を検証していきます。ファナックの就職や内定獲得を目指す学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
ファナックの研究職が激務である理由
ファナックの研究職が激務という理由は、主に次のような3つの原因が元になっています。
- 平日の残業時間が長い
- 対面での仕事を重視する風土
- 人手不足
なかなか企業の外側からは見えない社内的な事業が絡んでいるため、以下でしっかりと理由を探っていきましょう。
理由①|平日の残業時間が長い
ファナックの残業時間は長いことで有名です。特に、平日になると毎日3~4時間は当たり前、平均的な退社時間は22時以降と、かなりの激務度が感じられます。
残業時間が長い原因は主に次の2点です。
原因①|研究のレベルが高い
ファナックの研究員が遅くまで働かなければならない原因は、研究レベルの高さが挙げられます。
先ほども紹介した通り、ファナックの製品は高いシェア率を誇ります。また、産業機器の分野は昨今特に注目されており、新規参入企業も後を絶えません。
そのため、顧客(主に工場)にとってより便利で使いやすく、なおかつ生産性を大きく向上できる機械を常に作り続けないといけないのです。当然ですが、研究に求められるレベルも高くなり、それに費やす時間も多くなります。
原因②|顧客の要望に応えるという意識が定着
ファナックは1972年に設立されてから今まで、常に「顧客の要望が第一」という主義を掲げてきました。特に経営層に根付いた意識ではありますが、今では一般従業員にも広く認知されています。
顧客の要望には限りがありません。そのため、日夜研究にいそしんでも時間が足りないということが本音のところでしょう。高い顧客の要望に応えるために、特に研究職は長い時間をかけて働いています。
理由②|マネジメントが機能していない
ファナックは7,000人を超える従業員を抱える大企業ではありますが、マネジメント(管理)が機能していないという声も少なくありません。
たとえば、突然の異動命令や勤務地・部署の固定化、場当たり的な新卒の大量採用など、特に人事面に関して粗っぽい面が目立ちます。各人のキャリア形成を考慮しているとは思えず、当然ですが、そのシワ寄せは従業員に負担となってのしかかります。
理由③|人手不足
国内の構造的な人不足も研究職の忙しさに拍車をかけています。特に若い人ほど、生産・製造・物流などの分野を敬遠する傾向にあるため、なかなか人を確保するのは難しいでしょう。
もちろんファナックの場合、高収入が期待できるという点が魅力です。ただ、研究職の残業規制の見直しが今後の課題となってくるでしょう。
ファナックに関して忘れられがちな2つの事実
ファナックには「激務」「仕事がきつい」「辞めたい」というネガティブな評判が多いですが、意外と知られていないポジティブな面もあります。ここでは、ファナックで働くうえで良い点を2つ紹介していきましょう。
事実①|残業時間が長いのは平日だけ
ファナックの残業時間が長いのは平日だけです。実は、土曜・日曜はしっかりと休みをとれることも多く、オンとオフの切り替えははっきりしています。
また、本社のすぐ近くに社員寮が用意されているため、会社との距離が近いという点もメリットといえるでしょう。
事実②|残業代は必ず支給される
ファナックにはサービス残業がいっさいありません。残業したときは必ず残業代が支給されるため、高額な給与が期待できる点はメリットとなります。
ただし、サービス残業が認められていないため、遅くまで残って働けるのは正社員のみです。時間給で働く派遣社員などは、たくさん稼ぎたくても定時に帰らなければなりません。
ファナックの年収事情に関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
ファナックでは働き方改革が徐々に進んでいる
ファナックでは「激務」ということをよく耳にしますが、徐々に社内風土が変わろうとしています。
2019年4月に施行された働き方改革の効果もありますが、すでに時短勤務や有給取得率向上といった取り組みが行われています。実際、ファナックで働く社員は、積極的に有給を取得するよう上司から勧告を受けるようです。
フレックスタイム制や在宅勤務(リモートワーク)は認められていませんが、障害者の雇用、女性活躍推進、ワークライフバランスの見直しなどを掲げて、具体的な施策も実施されています。
確かに残業の多さが目立つファナックですが、徐々に従業員の働きやすさを向上する動きへとシフトする傾向も見せているのです。
ファナックの社風
一度でもファナックに訪れた方は、その社風に驚くはずです。そもそも、これだけの規模の会社が、へんぴな村の奥地に本社を構えているだけでも驚きですが、その社内風土も独特な雰囲気を醸し出しています。
トップダウン
ファナックの役員構成は、創業者である稲葉一族によって取り仕切られています。トップダウンの指示系統はもちろん、経営陣をまつり上げるような異常ともいえる社風も大きな評判です。
ただ、ファナックは東証一部にも上場しているため、社外取締役の導入など高いコンプライアンス実施が義務付けられています。徹底したトップダウンや経営陣の担ぎ上げといった評判も、少し大げさという印象です。
「北朝鮮」と形容されるほど異様な空気感
ファナックの本社は鉄のカーテンで覆われており、北朝鮮のような秘密主義が徹底されています。こうした異様な空気感も評判になることもありますが、あくまで噂です(保守的な企業であることは否めません)。
ただ、経営層に限らず従業員は皆、コーポレートカラーの黄色い社内服を着用しています。そうした独特のイメージから、どこか宗教的な社風という噂が広まったのでしょう。
拠点が田舎に集約されている
ファナックの拠点は、本社、製造工場ともに山梨県忍野村という片田舎にあります。近くには社員寮も用意されていますが、平日はどうしても会社と寮の往復と単調になりがちです。
働く場所が田舎ということもあり、女性との出会いも少ないことが予想されます。
しかし、実際には、「この前、甲府銀行の女の子たちと合コンしてきた」といった話もあるほど、意外と出会いの場面は多いようです。高収入が確約された企業でもあるため、結婚を狙う女性側が放っておかないという事情もあるでしょう。
ファナック志望者に求められる資質
ファナックを志望する場合、その社風や社内制度から考えて、人材に求められる資質がおのずと分かります。就活や面接などの参考になるはずなので、できるだけ相手が求める人材像をイメージしておくようにしましょう。
資質①|指示の意図を汲み取る想像力
ファナックは、どちらかといえばトップダウン、経営陣の主張が強い社風が特徴です。そのため、上司や先輩の指示を正確に読み取り、確実に実行できる能力は欠かせません。
指示の内容から相手の意図をくみ取る想像力や、理解力が高い人はファナックに向いているといえるでしょう。
資質②|目の前のことに没頭できる力
研究職や生産関連の仕事にかかわらず、ファナックの業務内容は単調になることも少なくありません。なかなか気分転換できる場面もないといえます。
よって、目の前のことに集中する、没頭できる能力が必要です。
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ファナック志望者が併願する業界
ファナックを志願する場合、同時に別の業界の求人にも応募しておきましょう。滑り止め対策にもなるほか、幅広い業種を対象にするほうが有利に就活を進めていけます。
ファナックと関連性の高い業種は以下の通りです。ファナック志望者がよく併願する傾向があるため参考にしてみましょう。
BtoBメーカー
ファナックと同じくBtoB(企業対企業)向けにサービスを提供する会社はたくさんあります。
FAであれば、日立や三菱電機、オムロン、キーエンスといった企業が代表的です。ほかにもBtoB全般でいえば、キャノン、TOTO、LIXIL、ダイキン、リコーなどが挙げられるでしょう。
BtoB企業であれば研究職を募集していることも珍しくありません。また、事務職であっても、研究職と仕事の進め方が似ているため関連性が高くなっています。
自動車メーカー
ファナックの得意先でもある自動車メーカーを併願するケースも増えています。業種は異なるものの、同じくメーカーという立ち位置から関連性が高いといえるでしょう。
消費者に近くなりますが、技術職でも工場の設計やラインの管理を社内で行う企業も多いので、そういった意味では企業目線で工場をどうしていくか、を考えることも不可能ではありません。
まとめ
ファナックは日本が世界に誇る産業用機器メーカーです。ただ、実際に働いている方からは、「仕事がきつい」「激務」「辞めたい」という声も聞こえてきます。
一方で、時短勤務や女性の働き方改革など、ワークライフバランスを見直す動きが加速していることも事実です。また、高額な年収を期待できる点も高評価できます。
周りの評判を気にするのも大切なことですが、自分自身が働く気持ちを強く持って就職先を選ぶようにしましょう。