【22卒向け】IKEAの仕事内容を職種別に解説!転勤・残業の実態は?

IKEAはスウェーデンに本社を構え、世界各国に拠点を構える家具量販店です。この記事ではそんなIKEAの仕事内容・キャリアパス・職場環境などを紹介します。外資系企業は日系企業と異なる職場環境・文化が存在しますので、その点を意識しながら参考にしてみて下さい。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

IKEAは大手家具量販店

IKEAは世界25カ国に272の直営店を持つ、スウェーデン発祥の世界的な大手家具量販店です。フランチャイズ店舗を合わせると38カ国309店舗となり、ビジネスを展開している国の数や店舗数から見ても世界的な家具店であることが分かります。

イケアは全世界で20万人以上の人が働いており、日本国内でも3300人の従業員が働いています。また日本法人の本社は千葉県船橋市にあります。

目次

IKEAの事業内容

IKEAの事業は以下の通りです。

  • 家具・生活雑貨・インテリアの製造・販売
  • 食品の輸入・販売
  • レストラン経営

IKEAの事業は家具・インテリア・生活雑貨など、日常的に使う商品の製造と販売が主となり、この3つは自社で商品企画から販売まで行います。その他、家具販売の実店舗でレストランを経営し、それに伴い食品の輸入・販売も行うようになっています。

家具等の販売を行っていた店舗での売上向上を目的とした、親和性の高い商品(食品など)の販売を行う形式をとっています。

IKEAはポジション別採用を行なっている

IKEAでは日系企業のように一括採用をしているのではなく、ポジション(職種)別に採用活動を行っています。募集されている職種には以下のような物があります。

  • B2Bセールスコワーカー
  • ホームファニッシングインテリアプランナー
  • ローカルマーケティングスペシャリスト
  • ピープルプランニングスペシャリスト
  • シティショップコワーカー
  • ロジスティックコワーカー
  • インテリアデザインコワーカー
  • グラフィックデザインコワーカー

上記のようにサプライチェーンマネジメント系・人事系・デザイナー系・店舗運営系の職種が独立して募集を行っています。日系企業のように新卒一括採用というよりは、基本的に即戦力になることが求められます。

採用情報に関するより詳しい情報は下記の記事でも紹介していますので、IKEAの募集にエントリーする方は参考にしてみて下さい。

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職種別|IKEAの仕事内容

IKEAの仕事内容は業種・雇用形態などで細かく分けられており、日系企業のように総合職・一般職のように大きな括りで分けられているわけではありません。

ただし、店舗従業員と本社従業員で仕事内容は異なるので、ここではその2つに分けてそれぞれの仕事内容を紹介します。

店舗従業員の仕事内容

まずは店舗従業員の仕事内容について紹介します。IKEAの店舗従業員の仕事は店舗の在庫管理・商品の展示方法の管理・お客様対応・マーケティングなどがあります。

それぞれに仕事内容について求められる能力なども紹介していますので、参考にしてみて下さい。

フルタイム|ローカルマーケティングスペシャリスト

ローカルマーケティングスペシャリストの仕事は、自分が担当する店舗の知名度や来店意欲向上を目指すことです。

店舗従業員の他の4つの職種のように店舗内で在庫管理やお客様対応をするのではなく、PR戦略を考えてメディアの関係者とコミュニケーションをとることが主な仕事となります。

そのため、他の4職種と比較してよりPRや広告コミュニケーションの専門的な知識・考え方が必要となります。

フルタイム|インテリアデザインコワーカーの仕事内容

インテリアデザインコワーカーの仕事内容は、店舗内で展示されている商品の展示方法やレイアウトを考えることです。

この仕事では店舗に来たお客様の購買意欲を高めたり、商品購入後の自宅での商品の使い方をよりイメージしやすくするために、フロア内の各所で自社商品を使ったインテリアデザインのアイデアを提示することになります。

セールスコワーカーでも商品の陳列を行いますが、こちらは商品棚への補充という意味合いなので、仕事内容は全く異なります。

フルタイム・短時間|セールスコワーカーの仕事内容

セールスコワーカーの仕事はイケア各店舗で商品の陳列・在庫の確保・値札の管理・お客様対応をする仕事です。

配属された各店舗内で必要とされる業務全般を担う職種で、店舗内での商品の見やすさ・購買を促すための商品配置などを行ったり、自分が担当する販売エリアで売られている商品に関する専門的な知識でお客様を接客する必要があります。

この職種は他の職種と比較して、明らかにエンドユーザーとなる消費者と直接対峙する時間が長くなります。お客様対応ではそれぞれ異なるニーズを拾い上げて最適な商品を提案する必要があり、その事例を社員同士で共有することも求められます。

フルタイム・短時間|ロジスティクスコワーカーの仕事内容

ロジスティックコワーカーの仕事は、各店舗で品薄になっている商品の仕入れ、お客様が購入する商品を倉庫からピックアップして店頭のスタッフに受け渡し、自宅への配送に関わる手続きなどです。

他の店舗従業員の職種と同様に店舗で業務に当たることに変わりはありませんが、直接お客様がいるフロアで接客業務にあたるのではなく、店舗の倉庫で商品管理を行う仕事となります。

そのため、正確な在庫管理や発送・荷受時に間違いないかを管理できる能力が求められます。

短時間|カスタマーリレーションズコワーカーの仕事内容

カスタマーリレーションズコワーカーの仕事はレジ打ち・配送や返品受付・お子様預かりサービスの受付などを行います。

この職種も直接お客様と接する仕事になりますが、セールスコワーカーのようにお客様とコミュニケーションを取り最適な商品を提案するのではなく、購入前後に必要な作業をカウンターで対応することになります。

そのため、商品知識をたくさん知ることよりも、自分が担当するカウンターに来たお客様が希望する対応を把握して、スムーズに業務を進める能力が求められます。

本社従業員の仕事内容

次はイケアの本社従業員の仕事内容を2つの職種から紹介します。

本社従業員は店舗従業員よりも、会社全体や担当する地域全体のセールス戦略や仕入れなどの管理状況が主な仕事となり、後方支援的・全体統括的な仕事が求められます。

また、ここで紹介する2つの職種の仕事内容についてIKEAから公表されている内容はありません。実際にIKEAの本社で行われる事業内容を知りたい場合、説明会も開かれていないので本社に問い合わせてみましょう。

フルタイム|B2Bセールスコワーカーの仕事内容

B2Bセールスコワーカーの仕事内容は企業向けにオフィスで使用する机・椅子などの販売を行う仕事と考えられます。

他社の法人向け営業では、新しくオフィスを設立する際に使用する机・椅子・パーテションなどを一括で販売するための営業活動を行っていることもあり、その仕事をB2Bセールスコワーカーが行っていると考えられます。

様々なお客様のご要望に合わせ、法人様向けのオリジナル家具からオーダーメード家具までを取り扱い、その商品を活かした提案力で、統一感のある空間づくりを実現します。

参考:大塚家具

また、IKEAでは自社でデザイナーの採用も行っているので、デザイナーと協力して上記の大塚家具のようにオフィス空間の企画と自社商品の販売をセットで行っている可能性もあります。

フルタイム|ホームファニシングインテリアプランナーの仕事内容

ホームファニッシングインテリアプランナーの仕事は、各店舗で展示される家庭用インテリアについて年ごとや季節ごとの提案の方針を固めて、店舗へ指示する仕事と想定されます。

洋服に流行があるように、家具にも毎年の流行があります。また、お客様の要望に応じてIKEAも新商品を定期的に開発しています。そのような事情に合わせてこれからの自社商品の販売を最大化するための商品の展示方針を決めていると考えられます。

そのため自社商品に精通することに加えて、家具のトレンドや季節ごとのニーズなどを常に把握しておく必要があります。

IKEAのキャリアと異動頻度

次はIKEAで働く場合のキャリアや人事異動の頻度に関してです。

IKEAは外資系企業のため、世界各地に店舗やオフィスを構えています。場合は希望に応じて各店舗への転勤なども考えられるので、どちらの雇用形態でIKEAで働くかは注意して選ぶ必要があります。

フルタイム正社員のキャリアパス

フルタイム正社員はマネージャーへの昇格が求められる雇用形態です。

日本で言う一般的な正社員としての働き方が想定され、会社からも仕事で必要な研修の他に、マネージャー向けの研修などがしっかり行われると考えられます。

業務量も短時間正社員と比べて多く、将来的に店舗全体の管理や、本社勤務の場合は自分が担当している職種の部署の統括をするリーダーへの昇格が求められます。

短時間正社員のキャリアパス

一方で短時間正社員は自分が求める能力に応じてキャリア形成することは可能ではあるものの、管理職者への昇格のスピードはフルタイム正社員に劣ると考えられます。

短時間契約スタートでもキャリアアップを目指すことは可能ではある(中略)ある程度の賃金でゆっくり働きたい方にはそれほど縛られることもなくマッチしやすい環境ではあると思います。

参考:Openwork

短時間正社員は日系企業で言う正社員と契約社員の中間的な働き方が想定されます。雇用形態は「正社員」ではあるものの、必ずしも管理職者への昇進が求められるわけではありません。

求める職能に応じて支援制度はあるようですが、フルタイム正社員と比べると昇進・キャリアアップには時間がかかる可能性があります。

IKEAの仕事環境

最後にIKEAの職場環境について紹介します。

ここでは転勤のリスク・残業や休日出勤や女性の働きやすさなどを紹介します。職場環境や働きやすさや仕事のパフォーマンスにもつながるものなので、IKEAへの入社を考えている方は是非参考にしてみて下さい。

①転勤のリスク

転勤のリスクについては、頻繁に転勤があるわけでは無いものの転勤を命じられた場合は海外に赴任する可能性もあり、転勤とともに職種が変わる可能性もあります。

Lindaがイケアに入社したのは1993年。現在、彼女はIKEA USAのセールスリーダーとして、セールス担当のコワーカーをサポートし、米国市場の動向をエルムフルトのIKEA of Swedenに報告しています。以前は、保管部門やトレーディング部門、それからスウェーデンのIT開発部門にいました。「イケアでは、コワーカーをひとつの場所だけに留めておくことはありません」

GuyはフランスにあるMetz物流センターのオペレーショナル・サポートマネジャーとして、各イケアストアに正しく商品が配送されているかの管理を行っています。現在の仕事のオファーをもらうまではカナダのBrossard物流センターで15年間働きました。

参考:IKEA公式HP

1つ目の例ではアメリカ国内での職種変更ではあるものの、転勤・職種変更がされやすい可能性が示唆されています。2つ目の例ではカナダからフランスに転勤しています。

IKEAは世界各国に拠点や店舗を持つ国なので、日本でフルタイム正社員としてキャリアを始めた場合でも、転勤によって海外に赴任する可能性もあります。

②残業・休日出勤の有無

IKEAは小売業であり実店舗も運営しているので、フルタイム・短時間関係なく休日出勤は発生します。ですが、残業についてはフルタイムと短時間でその頻度や時間には差があるようです。

有給は100%消化が求められるのと、フルタイマーなら31日の月は11日、30日の月は10日公休がある。

ラインスタッフからマネージャーに昇格するためには、人一倍サービス残業と上司に気に入られることが必要。

参考:Openwork

Openworkの情報では有給消化率は90.8%となっているので、日系企業とは異なり、基本的には会社で規定されている有給を消化し切れる可能性が高いです。

その一方、特にフルタイム正社員の場合は昇進を会社から強く求められており、膨大な業務をこなすためサービス残業が必要になる可能性が高いと考えられます。

③教育・研修制度

教育・研修制度について公表されている情報はありませんが、カイシャの評判という会社情報の口コミサイトでは、下記のような書き込みがあります。

研修はほぼ無い。新人を育成するシステムはほぼ無く、トレーナーの教え方も自己流なため、経験者でも1日で辞める人が出る。

参考:カイシャの評判

イケアにはいろんな機会があるので興味を持ちました。たとえば、安全とセキュリティに関する研修や教育を受け、それらの知識を職場の仲間たちとシェアする機会がありました。ほかのコワーカーたちに知識を教えるのはとても楽しいです。

参考:IKEA公式HP

カイシャの評判の情報は中途社員の書き込みですが、社員向けに丁寧に研修を行う仕組みは無いことが示唆されています。その一方で、公式HPの情報では社内研修に参加してコワーカーとともにディスカッションしているとかかれています。

また、公式HPでは下記のようにも言及されています。

あなたが自分の情熱を追いかけたり、新しい役割にチャレンジしたり、大好きな仕事を通して成長し続けたりできるようにイケアは応援します。イケアコワーカーのストーリーをお読みいただければ、一人ひとりのキャリアを築く過程が異なり、それぞれ価値があることがわかります。

参考:IKEA公式HP

上記の書き込みのようにIKEAでは「一人ひとりのキャリアを築く過程が異なり」ます。そのため、社内で用意されている研修プログラムを自分で積極的に選んで受ける必要があると考えられます。

④女性の働き方改革

女性の働きやすさについても公式に発表されている情報はありませんが、各種口コミサイトでは下記のような書き込みがあります。

相当働きやすいと思う。例えば子供がいる方などは家庭優先で考慮してもらえることが多い、子供の行事や熱風で仕事を休んだり早退しても何も後ろめたさを感じなくていいくらい周りが協力的。

産休、育休制度もあり、基本的には復帰時に同ポジションに戻ることが保証されている。

男性も育休(マタニティリーブ)が積極的に認められており、奥様の出産前後にしっかり家族ケアが出来ます。

参考:Openwork

出産・育児といった、女性のライフステージに合った休暇制度やその後の仕事のポジションも保証されており、非常に働きやすい環境だと言えます。また、下記のような書き込みも見られます。

男女の差別なく、実力次第で昇進できるのでやりがいはものすごくある。

参考:Openwork

キャリアアップを求めている女性も、性差別はなく平等に評価されているので、女性が求めるキャリアを積みやすい環境があると考えられます。

⑤年収事情

イケアの年収事情について公表されている情報はありませんが、カイシャの評判ではIKEAのの平均年収419万円(平均年齢35.1歳)と紹介されています。

回答者83名のみの情報であり、その平均年齢も35.1歳と比較的若い社員の書き込みのため、実際の平均年収はもう少し高くなることが想定されます。

より具体的な年収事情については下記の記事で紹介しているので、こちらも参考にしてみて下さい。

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まとめ

この記事では外資系企業であるIKEAの事業内容・仕事内容・職場環境などを紹介しました。

会社で用意されている休暇制度は充実しており出産前後や毎月規定されている分の休暇は取りやすく、ワーク・ライフ・バランスは充実していると考えられます。

その一方で、外資系企業は基本的にキャリアアップについては自分でプランを作成して社内制度を活用する姿勢が求められます。IKEAもその文化があることが考えられますので、キャリアを積んでいきたい場合は自分で将来設計を行いましょう。

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