大学を卒業すると就職をする人と大学院に進む人に分かれます。その中で大学院進学率はどれくらいかご存知でしょうか?一言で大学院進学率と言っても、進む学部や課程によって異なります。学部や課程別の大学院進学率や、大学院に進学した場合のメリット・デメリットについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
学部系統ごとの大学院進学率
大学院には修士課程と博士課程の2つの選択肢があります。修士課程は2年、博士課程は5年というのが基本となっており、大学院に進学する場合にはこのどちらかを選びます。
また、大学院にはさまざまな学部があります。その学部を選び、更に修士課程と博士課程のどちらに進むのかを決めて、進学するのです。
ただ、学部や課程によって進学率は大きく異なっています。そこで、学部系統ごとの大学院進学率がどのようになっているのか見ていきましょう。
課程別の学部系統ごと大学院進学率
上の表は、博士課程における学部系統ごとの大学院進学率です。極端に多くなっているのは理学と工学です。ただ、全体的には過去5年分を比較してみると11%前後と横ばいになっています。
上の表は修士課程における学部系統ごとの大学進学率です。博士課程と比べて全体的に数値が大変低くなっています。過去5年間の推移だけで見ると横ばい傾向に見えます。ですが、20年前は全体で16.4%ありました。それから比べると減少傾向にあると言えます。
参考資料:大学院教育の現状を示す基本的なデータ
大学院に進学するメリット・デメリット
大学院に進学するのは、メリットがあるからです。ただ、大学院に進学するのはメリットばかりではありません。メリットがあれば必ずデメリットもあります。
そこで、大学院に進学するメリットとデメリットを、それぞれ分けて詳しく見ていきましょう。
メリット
まずは、大学院に進学するメリットについてご紹介します。
①|専門的な知識が身につく
大学院に進学するメリットとして一番大きいのは専門的な知識を身につけることができるという点です。大学院では、自分が学びたいと思っていることを集中的に学び、研究することができます。すべての時間を研究したい分野やテーマに使うことができるのです。
また、大学院では同じ分野や研究テーマを持った友人知人と出会う機会も増えます。必然的に日常的な会話も研究テーマについてのものが多くなり、新しい知識を身につけたり、持っている知識を掘り下げることができたりします。
②|就職の際の幅が広がる
大学院に進学することで、就職の際の幅が広がるというメリットもあります。これは学部系統によってことなりますが、特に理学や工学は大学院に進学することで、専門的な知識が必要となる部署に就職することが可能になります。
一般企業の研究所で就職したい、と望んでいる人は大学院に進んで専門的な知識をより深く身につけます。すると、就職の門戸が開き、採用される確率が高くなります。また、大学院を修了していることが条件となっている企業もあります。
③|就職後の初任給が高くなる
大学卒業者と大学院卒業者では、就職した後の初任給に多少の差が出ます。就職した先の企業の大きさなどにもよりますが、大学院卒業者の方が30,000円ほど高くなります。
これは大学卒業者と大学院卒業者では、就職した時の年齢が異なるからです。大学院は大学での課程をすべて終えた後、2~5年間更に勉強します。その後で就職活動を行なうため、大学卒業者よりも年齢が高くなるのです。
日本では、年齢に合わせて給料が高くなるという企業がまだまだたくさんあります。そのため、大学院卒業者の方が初任給が高くなるのです。
デメリット
大学院に進学して得られるのはメリットばかりではありません。デメリットも知っておかないと、大学院を卒業した後で困ったことになるかもしれません。
大学院に進学した場合のデメリットについて解説します。ぜひ参考にしてください。
①|就職活動が不利になることがある
大学院に進学することで大きなデメリットとなるのは、就職活動が不利になることがある点でしょう。研究所などのような特殊とも言える分野へ就職を希望する際には、大学院の進学はメリットになります。ですが、一般企業へ就職する場合は不利になるかもしれません。
企業側としては、少しでも若い人を採用したいと思うところが多いのです。若い年齢の人を採用することで、それだけ社内教育に時間をかけることができます。また、長く会社のために活躍してくれるという期待も大きくなるでしょう。
更に、大学卒と大学院卒では初任給に大きな差が出ます。同じ雇うのなら、初任給が安くて若い人と思う企業が多いのです。そのため、一般企業で事務職や営業職に就くことを目指した場合、大学院卒は不利になる可能性が高くなります。
②|学費などのお金がかかる
大学院に進学することは、決してただではありません。当然学費などのお金がかかります。また、一人暮らしをしている場合には、大学院で勉強している間の生活費も必要になります。
ただ、大学によっては奨学金制度などを用意しているところもあります。大学院に進学を希望する際には、このような学費や生活費のことを考慮に入れましょう。
③|勉強や研究がハード
大学院では、大学よりも勉強や研究が大変ハードになります。決められた期限内に研究の成果を目に見える形にして出さないといけないからです。特に理学や工学では、毎日のようにレポート提出が求められることもあります。
レポートや論文を作成するためには、研究をしてその結果を知らなければいけなくなります。その結果、朝から晩まで研究所にこもりきりになる、ということがあります。
大学院に進学する際に気を付けたいこと
大学院に進学することを考えているのなら、絶対に気をつけておかなければならないことが2つあります。その2点について解説します。
学費
大学院に進学することで気をつけなければならない1つ目は、学費です。大学は4年間ですが、その間には学費がかかってます。大学院に進むとなると、そこから更に2~5年間、学校で勉強や研究をすることになります。その間の学費は別にかかります。
修士課程に進むのなら2年分、博士課程に進むのなら最大5年分の学費が必要になるということです。学費は大学で通学していた時とあまり変わりません。同じだけかかると思っておいた方が良いでしょう。
また、大学院に進むと勉強や研究が大変ハードになります。大学の頃なら、授業の合間を縫ってアルバイトをしてお金を稼ぐこともできたでしょう。ですが、大学院に進学するとアルバイトの時間が取れなくなる可能性があります。充分注意しましょう。
就活
大学院に進学することで気をつけたい点のもう一つは就活です。就活の開始時期が遅れたり、就活に割くための時間が減ったりします。ですが、それよりも大きなハードルとなるのが初任給です。
大学卒と大学院卒では、初任給に約30,000円の差が生まれます。大学院卒としては初任給が30,000円多くなるのは嬉しいと思うかもしれません。ですが、企業側としてはこれは大きなリスクになります。
採用する側としては、できるだけ安い初任給で雇い入れたいと思います。すぐに退職されてしまう、会社の社風などに合わないなどのリスクがあるからです。やっと一人前になってくれたと思ったら辞めてしまったでは、企業としてはがっかりしてしまいます。
就職活動をする時には、当然ライバルとして大学卒の人も出てきます。すると、初任給という点でかなり不利になる可能性が高いのです。
大学院に進学する際のスケジュール
大学院に進学する大まかなスケジュールは以下の通りです。
大学院に進学するかどうかは、大学3年生の2月頃から考え始めると言われています。その頃になると周囲の人たちも就職するのか院に進むのか、という話をし始めるでしょう。教授や家族に相談する人たちも多くいます。
実際に進学する学部などを決定するのは大学4年生の4月に入ってからです。それまでは、家族や教授と相談しながら、学部や学校などについての情報収集に励みます。その間に、自分の将来のイメージを固めていくのです。
大学院進学か就職か迷ったら
大学院に進学した方が良いのか、それとも就職した方が良いのか、迷う人もいるでしょう。実際に大学生で悩んでいる人は多くいます。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか。迷った時の対処法をご紹介します。
まずは身近な人の話を聞いてみよう
大学院進学か就職か迷うのは、大学院に進学した場合の情報がわからないからと言えます。情報がわかれば、どうすれば良いのか自ずと見えてきますから、まずは身近な人に相談したり話を聞いたりしてみましょう。
進学したい学部などが決まっている場合は、大学院に進学した人に直接話を聞いてみると良いでしょう。また、大学院に進学してから就職をした人にも話を聞いてみると大変参考になります。
学部がまだ決まっていない、進みたい学部はあるけれど本当にそれで良いのかわからない、などの場合は、教授に相談してみましょう。あなたの希望に合った各部を紹介してもらえるでしょう。
就活と同時並行で院試の勉強もあり
就職活動をしながら大学院進学のための準備をするという方法もあります。就職活動のための会社訪問や就職試験などを受けつつ、大学院進学のための受験勉強も行なうのです。
ただし、この場合はスケジュール管理が大切です。就職の試験や面接と、大学院進学の入試が重なるなどのことがないようにしましょう。また、大学院入試の合否が決まる前に内定が決まってしまうのもあまりお勧めできません。
就活と大学院の入試勉強を並行して行なう時は、くれぐれも就活の企業側に迷惑がかからないようなスケジュール管理をすることが大切です。
まとめ
大学院進学率やメリット・デメリットについて解説してきました。現実問題として、大学院に進学する人の人数は全体的に見ると減少傾向にあります。その大きな理由として、就職がしにくいというデメリットが挙げられます。
ただし、研究所などのような専門的な知識を必要とする場合には、大学院進学が大きなメリットになります。将来どんな職業に就きたいのか、どんなところで働きたいのかを考えて、大学院進学を考えるのも一つの方法と言えるでしょう。