奨学金の申し込み理由に何を書く?母子家庭、兄弟などの申請理由を例文つきで紹介!

奨学金の申し込み理由を書く上で悩んだことはありませんか。今回は奨学金の申し込み理由別に10個の例文をご紹介します。自分の夢を叶えるため、母子家庭でるためなど状況別にご紹介するので参考にしてください。理由が特にない方に向けた書き方や注意点についても解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

奨学金の申し込み理由は2つある

奨学金はどんな理由でも借りられるわけではなく、借りるためには大きくわけて2つの理由が必要です。

目次

①学費が足りない

国公立や私立、学部によっても異なりますが、一般的な私立文系であっても卒業までには400万円以上の学費がかかると言われています。

しかし、親に負担がかけられなかったり、兄弟が多い場合など、世帯収入だけではこの金額を賄えない家庭の学生も多くいます。

学費が払えなければ入学できても当然中退することになりますので、学費が足りないという奨学金の申請理由は適切です。

②家賃・生活費を賄うことができない

大学の場所によっては自宅から通えず、一人暮らしをしなければいけない学生も多くいます。一人暮らしをすると家賃・生活費で少なくとも毎月10万円はかかることが予想されます。

親からの仕送りがなかったり、バイト代だけでは賄えなかったりする学生にとっては、大学に通うために必要な資金として、家賃・生活費を得るためという奨学金の申請理由は適切です。

奨学金の申し込み理由の書き方

日本学生支援機構に奨学金の申請をする場合は、申請理由を200字以内で記述する必要があります。具体的な申込理由の書き方を、主要な理由3つを挙げてご紹介します。

①家族状況

家族状況を理由に奨学金を申請する状況は以下のような場合です。

  • 兄弟が多く、それぞれも進学を希望している
  • 両親に負担をかけられない
  • 母子家庭である

現在の家庭環境では、教育費の割合が増えると家族の生活が苦しくなること等をアピールしましょう。

②経済状況

経済状況を理由に奨学金を申請する状況は以下のような場合です。

  • 家庭収入が元々少ない
  • 共働きであった両親のどちらかが失業中で収入が減った
  • 親が借金を抱えている

現在の家計も苦しく、さらにそこから大学進学費用を捻出することは難しいことをアピールしましょう。

③学生の希望進路(申請理由)

学生の希望新路を理由に奨学金を申請する状況は以下のような場合です。

  • 医学部・芸術学部など他学部よりも資金のかかる学部への進学を希望している
  • 私立への進学を希望している
  • 一人暮らしをしなければならない遠方の大学への入学を希望している

いずれもその大学に行くためには大きな出費になってしまうことをアピールしましょう。

【例文つき】奨学金の申し込み理由一覧

ここからは、例文付きで実際に申込理由をご紹介します。

①世帯収入が少ない

世帯収入が少ないために、今後増えていく教育費の出費が負担になり、家計が苦しくなる点をアピールしましょう。

【例文】

私の父は正社員として働き、母はパートとして働いていますが、世帯年収は300万ほどしかありません。そのため私もアルバイトをして家計を支えてきましたが、私が大学に進学することで家計に大きな負担をかけてしまうと、家族の生活が成り立たなくなる可能性があります。そこで、貴機構の奨学金を借り、できるだけ両親に負担をかけず進学したいと考えております。そのため奨学金によるサポートを受けたく思い、申請いたします。

②共働きの両親の片方が仕事を継続できない

共働きで今まで成り立っていた生活が、これからは1人の収入に頼らざるを得ないため、家計が今まで以上に苦しくなり、教育費が負担になる点をアピールしましょう。

【例文】

私の両親はこれまで共働きで家族を支えてきてくれましたが、母が身体を壊し働くことができなくなり、今後は父の収入だけで生活をすることになりました。私が大学に進学することで両親にはさらなる経済的な負担を与えてしまいます。貴機構に頼ることができなければ、4年間大学生活を送れるかどうかわからず、途中の中退の可能性もありますので、奨学金をお貸しいただきたく申請いたします。

③両親が借金を抱えている

両親が住宅ローンなどの借金を抱えており、その支払いで手一杯の状況で、大学進学費用を捻出する余裕がない点をアピールしましょう。

【例文】

私の家庭は両親が共働きで働いていますが、再来年父親が定年退職することが決まっています。しかし住宅ローンがまだ多く残っており、今後母の収入だけではローンの返済で手一杯になると予想されます。そのため私の進学費用を捻出する余裕がなく、貴機構に奨学金をお貸しいただけなければ、進学することが厳しくなります。私は進学し勉学に励むことを強く希望しておりますので、奨学金をお貸しいただけるよう申請いたします。

④兄弟姉妹が多い

兄弟姉妹が多く、またそれぞれが進学を希望するため全員分の教育費を出費するとなると、家計に大きな負担がかかり厳しい状況になる点をアピールしましょう。

【例文】

私には私を含め4人の兄弟がいます。両親は共働きで家族を支えてくれていますが、私の兄がすでに大学に進学しており、また弟も私立高校への進学を考えているため今後さらに教育費の負担が大きくなります。両親や他の兄弟の生活に迷惑をかけたくありませんが、私の夢を叶えるためには進学が必要と考えております。そのため貴機構に奨学金をお貸しいただきたく申請いたします。

⑤障害を抱える家族がいる

障害を抱える家族がいることで、介護費用や治療費がかさんでいたり、共働きができない状況であったりして経済的に困窮している点をアピールしましょう。

【例文】

私には重度の身体障害を抱える弟がいます。母は弟の介護につきっきりで、父一人で家計を支えてくれています。弟の通院治療費や専用具の購入費等で家計は決して楽とは言えません。私が大学に進学することで、教育費の負担が増え、家族に迷惑をかけたくはありませんが、弟のような人を助けたいという思いがあり介護学科に進学したいと考えております。そのためにも貴機構からの奨学金をお貸しいただきたいと思い申請いたします。

⑥母子家庭・父子家庭

母子・父子家庭であるため収入が少なく、今自分が置かれている状況を考え、学費の捻出が難しい点をアピールしましょう。

【例文】

私は母と二人の母子家庭で育ちました。幼い頃から母は一人の収入で私の生活を支えてくれました。母に恩返しをするためにも、将来の可能性を広げられる大学進学を希望していますが、これ以上母に経済的な負担をかけることは心が痛みます。また経済的にも今後の生活が苦しくなることも事実です。そのため貴機構に奨学金をお貸しいただき、進学の援助をしていただきたくお願いいたします。

⑦教材費用・通学費用がかかる

学部によっては教材費用がかかったり、自宅から通うことを選択することで通学費用がかかる上に、通学時間の関係でアルバイトで家計を支えることが難しい点をアピールしましょう。

【例文】

私は芸術学部に進学したいと考えております。父は正社員で、母はパートで働き家計を支えてくれていますが、決して経済的に余裕がある家庭とは言えません。芸術学部では、日本画や洋画などのコース教材としてそれぞれ7万円~10万円と他学部に比べると教材費が高額になります。両親に負担はかけたくありませんが、どうしても自分の夢である芸術を大学で学びたいため、貴機構の奨学金の貸与を希望いたします。

⑧実現したい夢がある

弁護士や国家公務員、薬剤師など進学しなければ叶えることが難しいが実現したい夢があることを重点に、自身の経済状況の程度アピールしましょう。

【例文】

私の夢は薬剤師になることです。そのために薬学部に行くことを志望していますが、私の他にも兄弟がおります。それぞれの今後を考えると、私が薬学部進学することは家計に大きな負担をかけてしまい、他の兄弟の進学の妨げになることも考えられます。また、支出を抑えるために実家から通おうと思うと私立大学しか選択肢がなく、より学費がかさみます。家族に迷惑をかけずに自分の夢を叶えるためにも、貴機構の奨学金を申請いたします。

⑨学費は払えるが一人暮らしの費用は払えない

進学先が遠方のため一人暮らしをしなければいけないが、親からの仕送りが足りない、または期待できないという点をアピールしましょう。

【例文】

共働きの両親が私の進学費用を貯めてくれていたおかげで、進学費用自体はなんとか賄えるのですが、私が希望している大学は遠方のため、一人暮らしをしなければいけません。しかし、両親に仕送りをできるほどの余裕はなく、今後の生活に大きな影響を与えてしまいます。大学に通いながらのアルバイト代ではとても一人暮らしを継続できず、進学を諦めざるを得ません。そのため貴機構に奨学金を申請いたします。

⑩親に負担をかけたくない(特に理由はない場合)

特に理由がない場合は、親に負担をかけたくないことや、自分の力で進学したいことを強調する点をアピールしましょう。

【例文】

私は五人家族で、両親と妹二人と暮らしています。両親は共働きで私たちの生活を支えてくれていますが、妹二人はそれぞれ私立の高校に進学しており、経済的に余裕があるとは言えません。そのため、両親に迷惑をかけずに自分の力で大学に進学し、夢を叶え、いつか育ててくれた親に恩返しをしたいと考えております。そのため貴機構にお力添えをいただき奨学金を貸与していただければと思い申請いたします。

奨学金の申し込み理由を書く際の注意点

奨学金の申し込み理由を書く際の注意点を以下にまとめました。

①嘘をつく必要はない

審査に有利になると考えて、わざと世帯収入を少なく書いたりする方もいますが、実際に日本学生支援機構に説明を求められた際にうまく答えられなければ嘘がばれてしまいます。

本当に必要な場合は正直に書けば相手に伝わるので、嘘はつかず、ポイントを押さえてしっかりと伝わるように書きましょう。

②親が書くものではない

申請者はあくまで学生本人です。そのため親が勝手に書くようなことはやめましょう。また、奨学金を借りる上で収入状況などについて親と話し合い理解する必要もあります。

奨学金とは借金と同じです。最終的に返済をするのも本人なので、本人が書くことで数百万円の借金を自覚することは大切です。

以下の記事では奨学金の申請理由を書く際の注意点やポイントをより詳しく解説しています。奨学金の獲得を目指している方はこちらも併せてご覧ください。

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まとめ

進学をする上で奨学金が必要になった際に、審査が通らなければ元も子もありません。あなたが本当に奨学金を借りてまで大学に行きたいという気持ちを大切にして、ぜひ審査が通るような、相手に訴えかける文章を書いてください。

そのために、まずは自分がどのような状況で奨学金を借りなければいけないのかをきちんと見極めて、それに合わせて上記の例を参考に良い申し込み理由を書いてみてください。

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