存じますを初めて目にした方はその特殊な使われ方に違和感を覚えたかと思います。また、普段当たり前のように使っていても、存じますの意味や使い方、言い換え表現を知らない方もいるのではないでしょうか。今回の記事ではビジネスシーンでの存じますの例文や使う際のポイントを解説していきます。
弊社bizualでは、就活で業界選び、面接対策、ES対策などにお悩みの方向けに無料サポートを実施しております。
無料登録後、下記就活サポートが完全無料で受けられるようになっているため、就活生の方はぜひご活用ください。
bizualのサポートに無料登録しておくと・・・
- 就活生専門のコミュニティに無料参加できる!
- 面談後参加できるコミュニティで近年の就活業界の傾向などの情報を受け取れる!
- ES免除・1次面接無しの選考ルートも選べる!
- 選考対策(ES添削・模擬面接)を無料サポート!
- 面接官からの合否フィードバックを共有!
この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
存じますとは
存じますの例文をご紹介する前にまずは意味や読み方をおさえましょう。
存じますの意味は「思います」
存じますは「思います」の謙譲語です。「~~と思います」と使うように、文末にかけて「~~と存じます」と使います。
存じますには「思います」の他に「知っています」といった意味も含まれます。「思う」も「知る」も幅広いシーンで使える言葉です。存じますも様々な場面、特に敬語が重要となるビジネスシーンでは重宝される表現です。
存じますの読み方は「ぞんじます」
存じますの「存」は「ぞん」と読みます。聞き馴染みのある「存在」という熟語では「そん」と読むため、「そんじます」と間違えやすいのでご注意ください。
ビジネスシーンでは書き言葉のメールとして頻出の存じますも、話し言葉として電話などの会話で使われることもあります。読み方を間違えないようにしましょう。
存じますは口語としても使える
前述の通り、存じますは口語としても用いることができます。
ただ、口語の場合はメールなど書き言葉として残る場合ほど厳密な敬語は求められません、従い、必ずしも毎回「存じます」を使う必要はなく、「思います」という丁寧語を用いても問題はありません。
存じますのビジネスでの使い方
存じますはビジネスシーンで頻出の表現です。
以下では、ビジネスで存じますを使う際に注意して頂きたい点をご紹介します。
対象が人であれば「存じ上げております」がより丁寧
存じますには「思う」と「知る」の2つの意味があると説明しました。
対象が人である場合、「知っております」を表現する際には「存じ上げております」を用いるとより丁寧な印象を与えることができます。
例えば、上司に「取引先のAさん知ってる?」と聞かれた際に「はい、存じ上げております」「いえ、存じておりません。」と返事ができます。
対して、「今日の会議室どこか知ってる?」と聞かれた際には「はい、存じております。」「いえ、存じておりません。」と「上げる」という表現を用いないようにします。
理由は、対象が人以外のコトやモノの場合にも「存じ上げております」を用いると過剰表現になってしまうからです。敬語も使い所をおさえるからこそ相手によい印象を与えるのであり、過度な敬語表現は避けたいところです。
「いただきたく存じます」は目上の人にお願いをする際に使う
目上の人や社外の人に「~~をしてほしいと思います」と伝える際に「~~していただきたく存じます」を使います。
「~~してほしい」の謙譲語として「~~していただく」、「思う」という意味で「存じます」に置き換えた表現です。
尚、「いただきたく」は平仮名か漢字で意味合いが異なります。飲食などをいただく場合は「頂きたく」と漢字を用いて、補助動詞として使う場合は平仮名になります。例えば「ご連絡いただきたく存じます」は連絡という動詞を補助するものとして「いただきたく」を使うため、平仮名となります。
ビジネスで使う際はほとんどが平仮名の「いただきたく存じます」を使うことになります。
許可をとる際には「存じますがいかがでしょうか」
まだ承諾を得てない許可や提案をする際には、「~~と存じますがいかがでしょうか」という表現を使います。これは「~~と思いますがどうでしょうか」という意味です。
許可や提案をする際に間違えやすいのが、まだ許可を得ていないにも関わらず独断で「~~とさせて頂きたく存じます」と、さも決定事項かのような表現をしてしまうことです。必ず「~~とさせて頂きたく存じますがいかがでしょうか」と伺うようにしましょう。
存じますと思いますは併用できる
存じますは主に上司や社外の人などに用いる「思います」「知っています」を意味する謙譲語です。
社内でも部下に対しては「思います」とシンプルな丁寧語を用いることが一般的です。部下に対しても「存じます」と謙譲語を多用するのは違和感を感じる方がいるかもしれません。
上司と部下で存じますと思いますを併用してうまくコミュニケーションをとるようにしましょう。
存じますを繰り返し使うとくどい
存じますはその意味からあらゆる場面で万能に使うことができます。それ故に、全ての文章で存じますを使う、ということも稀ではありません。
しかし前述した通り、敬語は使い所が肝心です。繰り返し使うとくどい印象をもたれ、「本当に思っているのか」と疑問視されてしまうかもしれません。
存じますを使う際には他の敬語表現と織り交ぜながら、くどくならないように注意しましょう。
存じますのメール例文
存じますのビジネスでの使い方について知ったところで、実際の例文を確認していきます。
メールで存じますを使う際のキーフレーズをいくつか選出し、例文と合わせてご紹介します。
「存じ上げておりますが」の例文
「目上の方の存在を知ってはいますが」といった意味で使います。
- 「お得意先のAさんのことは知っていますか。」
- 「存じ上げておりますが、お会いしたことはなく本日のミーティングで初めてお会いします。」
このようなメールのやりとりで用いることができます。先ほど解説した通り、対象がお得意先のAさんという人であるため、「存じ上げる」という表現を用いることができます。コトやモノの場合はこの表現は避けましょう。
「できればと存じます」の例文
少し親しい間柄で、許可の申し出とは言わないまでも何か小さな提案や気遣いをする際に、お節介に聞こえないように使えるのがこの「できればと存じます」という表現です。
- 「本日御社に伺いますが、どちらで待ち合わせしましょうか。」
- 「1F入り口前にて待ち合わせできればと存じます。」
「いただければと存じます」という表現はかなりかたい印象を与えてしまいます。メールなどの書き言葉では問題ないかもしれませんが、関係が深く、電話などでは「できればと存じます」の表現を用いた方が自然です。
例文では、取引先の待ち合わせ場所に関する質問に対して「こう思っていますがどうでしょうか」といったニュアンスで軽い提案をしています。
「存じます」と「幸いです」の例文
存じますと並んで、ビジネスの文末でよく見る表現が「幸いです」になります。意味は「嬉しく思います」となり、目上の方にお願いごとをする際や手間をかけてしまう際に使います。
「幸いです」の方が存じますより少し感情要素が入った表現で、「思う」の意味として使う「存じます」とは、ほとんど同じシーンで用いることができます。例えば先ほどの例文ですと、
- 「本日御社に伺いますが、どちらで待ち合わせしましょうか。」
- 「1F入り口前にて待ち合わせできれば幸いです。」
このように少し控えめで丁寧な印象に変わります。存じますを繰り返し使うとくどいと述べましたが、その際にはこの「幸いです」も併用してみましょう。
また、「幸いに存じます」は「幸いでございます」よりもさらに丁寧な表現として使うことができますので、合わせて覚えておきましょう。
「ことと存じます」の例文
相手を気遣う際に合わせて使える表現が「ことと存じます」です。
- 「ご多用かと存じますが、ご確認のほど何卒宜しくお願い致します。」
このように、相手を気遣った上で後の文章につなげやすい表現です。例文では繁忙を配慮した上で、確認のお願いをしています。このように丁寧な表現を用いることで、忙しい相手でも悪い印象なくメールを受け止めることができるクッション材のように使えます。
存じますの類語、言い換え表現
最後に、存じますの類語や言い換え表現を表にて説明します。
先ほど解説した「幸いです」が最も言い換えやすい表現になります。また、「所存」を類語と捉える方も多いとは思いますが、「存じます」とは異なり、あくまで自分の意見を表明するときに使います。混同しないように注意しましょう。
まとめ
今回の記事では「存じます」について、様々な角度から深堀りし理解を進めてきました。
敬語表現で重要なのは形式的な文法以上に相手を心から敬う気持ちです。使い方に習熟しながらもその点を忘れないようにしてください。皆様のビジネスでの活躍を祈念しております。