週6勤務は、休日が週に1日しかありません。1年間を52週と考えた場合、年間休日が52日だということです。土日祝日がすべて休日だった場合、それだけで120日も休めますから、その半分以下になります。そこで今回は、週6勤務の違法性やメリット・デメリットなどについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
週6勤務は条件によっては違法ではない
労働基準法で定められている年間休日は、105日となっています。週6勤務の年間休日が52日であることを考えると、違法なのではないかと疑う人もいることでしょう。ここでは、週6勤務は条件によっては違法ではない理由について説明します。
ケース①|1週間の労働時間が40時間以下
労働基準法では、年間休日が52日であっても違法にはなりません。それは、労働基準法第32条に以下の記述があるからです。
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2.使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
つまり、1週間の総労働時間が40時間以下となっていれば、休みの日数が何日でも問題はありません。1日の労働時間が6時間30分未満であれば、週6回出勤しても添労働時間が40時間を超えることはないのです。
ケース②|36協定を結んで適切な残業代が支給されている
労働基準法では、労働者の労働時間は1日8時間、1週間で40時間と定められています。しかし、労働基準法第36条には、以下の記載があります。
1.使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる(後略)
使用者と労働者の間で「36協定」が結ばれていれば、法定労働時間を超えた残業や休日出勤も違法にはなりません。ただし、残業や休日出勤などの時間外労働については、きちんと手当を支給することが前提です。
週6勤務が違法となる5つのケース
労使間で36協定を締結していても、週6勤務が違法となるケースもあるので注意が必要です。また、内容によっては企業が刑事罰を受けることもあります。
ここでは、週6勤務が違法となる5つのケースを取り上げて紹介します。
①残業代が支払われていない
36協定を締結していても、法定労働時間を超えた超過勤務に対し、残業代や休日出勤手当が支払われていない場合は違法です。また36協定締結の際に、基本的な時間外労働と休日の労働における割増賃金率を定めておかなければなりません。
②残業代は支払われているが割増賃金でない
労働基準法では、割増賃金に対する%が定められています。
- 基本的な時間外労働/通常賃金の25%増し
- 法定休日に労働した場合/通常賃金の35%増し
- 36協定の場合/労使間で定めた割増料金率分を加算
そのため、残業代は支払われていても割増賃金になっていない場合は違法となります。
③固定残業代制だが超過時間分の残業代が支払われていない
企業の中には、給与にあらかじめ所定時間分の残業手当が含まれる「固定残業制」を採用しているところがあります。例えばみなし残業を40時間としてあらかじめ手当が支給されていても、それを超過した労働時間分は残業代を支払わなければなりません。未払いの場合は、違法です。
④給与明細で基本給と残業代が区別されていない
中小企業などでは、給与明細に細かな項目が記載されないケースもあるようです。給与明細上で基本給と残業代が区分されていない時点で、違法となります。法定労働時間内の勤務に支給される基本給が明記されていなければ、適切に残業代が支払われているかどうか判断できません。
⑤そもそも36協定を締結していない
36協定は労使間で合意すればよいものではなく、協定書を作成し、所轄の労働基準監督署に提出する義務があります。もし36協定を締結せずに、時間外労働や休日出勤をさせた場合は違法となります。
実態として違法な状態で週6勤務を行う中小企業は多い
2013年10月に厚生労働省が発表した「平成25年度労働時間等総合実態調査結果」で、「年間の実労働日数の実績(平均的なもの)」というデータを掲載していました。事業規模別の労働者における、週6勤務(年間313日以上の出勤)と考えられる割合は以下の通りです。
- 事業場規模1~9人/0.6%
- 事業場規模10~30人/0.0%
- 事業場規模31~100人/0.4%
- 事業場規模101~300人/0.4%
事業場規模が301人以上の企業は出勤日数が310日未満に収まっていることを考えると、週6勤務は中小企業に多いといえます。
週6勤務で考えられる4つのデメリット
週に1日しか休みがない週6勤務は、決して楽なものではありません。ここでは、週6勤務で考えられる4つのデメリットについて紹介します。
①年間休日に換算すると50日しかない
前述したように、週6勤務の場合は年間休日が52日しかない計算になります。労働基準法における年間休日が105日であっても、休日が少ないと感じる労働者が多いことを考えると、その半分以下のというのは過酷です。
②平日休みだと友人と予定が合わなくなる
週6勤務を採用しているのは、主に飲食や販売などサービス業などです。その場合、休日が平日になるのが一般的です。企業の多くは土日祝日を休みとしていますので、平日休みでは友人と予定を合わせにくい点は否めません。
③休日は寝るだけで終わることも多い
週6勤務だと、休日に家事や用事を済ませる必要があります。しかし実際には働いた疲れが抜けず、休日は寝るだけで終わってしまう人も少なくありません。そのため、気分転換や友人付き合いにも支障が出て、ストレスが溜まるケースが見られます。
④休日に活動すると疲れが取れずに翌週を迎える
週1日しか休みがないからこそ、リフレッシュのために外出するひともいます。しかし、平日の疲れが蓄積した状態で休日に活動すると、疲労回復できないまま翌週を迎えることになります。その結果、仕事のモチベーションが下がる人も少なくありません。
⑤子育てママ・主婦の場合は家事をする時間がほとんどとれない
子育てをしているママや働く主婦の場合、週6勤務では平日に家事をする時間はほとんどとれないことが予想されます。その結果、休日に溜まった家事を片付けなければならないことで、身体を休める暇がとれないというデメリットがあります。
週6勤務にはメリットもある
週6勤務は決して楽ではありませんが、その経験が自分の糧になる人も少なくありません。ここでは、週6勤務のメリットを紹介します。
①好きな仕事なら毎日が充実する
自分が働いている業界や職種が好きなことであれば、日々の中で満足を得やすいです。そのため週6勤務であっても、苦にならない人も珍しくありません。ワークライフバランスではなく、ワークアズライフという考え方をする人には、週6勤務が合っていると考えられます。
②雇用形態によっては収入アップが見込める
36協定が結ばれた企業で週6勤務する場合は、法定労働時間を超えた超過勤務手当が支給されます。また、サービス業界は日給月給を採用している企業も多いです。その場合は、働けば働くほど収入がアップします。お金を稼ぎたい人には、メリットがあります。
③仕事を効率よく進めやすい
週6勤務の場合、1日の労働時間が短いところが多いです。そのため、通勤ラッシュを避けて出勤することができ、仕事の能率があがる人も多いようです。また、取引先が完全週休二日制の場合は、週に1日は電話や打ち合わせが不要な日をつくれます。その分、仕事を効率よく進められるはずです。
④人より多い仕事量でスキルアップができる
勤務日数に比例して、実務経験が増えます。そのため、担当する業務に関するスキルアップにつながるのはメリットです。現在働いている業界で将来、独立・開業を目指している人なら、週6勤務でスキルとノウハウ、人脈を身につけるのもおすすめです。
週6勤務をやめられない人のための2つの考え方
世の中には、本意ではないのに週6勤務をやめられない人も少なからずいます。その場合は、本人が考え方を変えない限り、状況を改善できません。
ここでは、週6勤務をやめられない人のための2つの考え方を紹介します。
①「昔はもっと働いた」という過去の基準と比較する必要はない
特にバブル時代を経験した50代以上の労働者は、「昔はもっと働いた」という過去に縛られて、自ら勤務時間を長くする傾向が強いです。
昭和のモーレツ社員のように働くことは、現代にはあいません。働き方改革が進む今、時代に逆行していると見られます。過去の基準と比較することなく、法律を遵守する働き方を実践しましょう。
②仕事は手段であって目的ではない
仕事が生きがい、あるいは自己実現の手段である人もいるでしょうが、原則的には生活の糧を得るための手段でしかありません。
仕事をすることが目的になると、自分の心身の健康やプライベートを犠牲にすることになりかねないと自覚すべきです。
週6勤務と転職を組み合わせることも可能
世の中には、週6勤務が定着している業界もあります。それには理由があり、それがやりたい仕事であれば受け入れる必要があります。以下の記事では週休1日の適法性やメリットについて紹介されているので一読したうえで、自分に合った働き方を検討してみることをおすすめします。
①週6勤務からよりよい条件の企業に転職する
週6勤務を通して業界や職種に関するスキルを身につけた後で、より条件の良い企業に転職するという方法があります。転職エージェントなどを活用し、自分の条件に合う企業を探しましょう。
②スキルアップを目指して週6勤務の企業に転職する
異業種転職を考えているなら、スキルアップのためにあえて週6勤務の企業に応募するのも選択肢の一つです。そこでスキルとノウハウが身につけば、その業界での転職に有利になるはずです。
まとめ
今回は、週6勤務の違法性やメリット・デメリットなどについて解説しました。
週6勤務は楽ではありませんが、目的があれば試す価値はあります。ただし、週6勤務を導入している企業が適法かどうかは、入社前にリサーチするのがおすすめです。将来のキャリアプランを念頭に置き、週6勤務が適切かどうかを考えてみるとよいでしょう。