正社員がバックレるとその後は!?気になる退職届・給料・損害賠償についても解説!

2chでは正社員の仕事をバックレると損害賠償を請求されたり、給料が支払われないといった噂があります。Yahoo知恵袋では、正社員をバックレる原因を作った会社が悪いなどといったコメントもありますが実態はどうなのでしょうか。本記事では、正社員がバックレた時に起こることやデメリットなどをご紹介します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

正社員がバックレるのはアルバイトとは訳が違う

本見出しでは、まず初めにバックレると言っても、正社員とアルバイトではわけが違うということをお伝えします。

パートやアルバイトだからバックレても良いというわけではありませんが、正社員のバックレとは重みが違うことを覚えておきましょう。

目次

パート・アルバイトのバックレ

パート・アルバイトでは、主に高校生や大学生を雇用しています。そのためバックレはどちらかというと起きやすいことです。

  • パート・アルバイトの内容が想像と違っていて嫌になった
  • 当初考えていた勤務時間や勤務日数と異なっていて続けられなくなった

雇用する会社側も、パート・アルバイトではバックレがされやすいことをある程度理解しているようです。

正社員のバックレ

一方で、正社員のバックレは明確な労働契約法違反となるため、雇用者側はその社員を解雇とすることができますし、酷い場合には損害賠償が請求されることもあります。

正社員のバックレは、社会保険などの加入手続きを従業員に代わって会社が代行している場合が多いですが、それでもバックレる人が多いというのが実情です。

上記のツイートは、正社員である上司が様々な弊害を残しながらバックレたことに呆れたという内容です。管理職として働いている以上、後輩の指導や業務の管理を行うべきですがそれでもバックレる人はいます。

上記のツイートは、家庭教師を辞めて別の仕事を目指したけれど結果的に続かず後悔している内容です。仕事をする中で、嫌になって辞めたいと思うことはありますが簡単にバックレると後で後悔することになります。

正社員がバックレた際に起こりうる3つのこと

本見出しでは、正社員がバックレた際に起こりうる3つのことをお伝えします。

バックレることは、最も簡単に逃避する方法だと考えられがちですが、思いもよらぬ結果に繋がる可能性もあります。正社員として働く際には注意しましょう。

①無断欠勤で連絡が来る可能性がある

1つ目は、無断欠勤で連絡が来る可能性があるということです。会社側は、従業員を雇用して給与を支払っているため、欠勤をする際にはその理由を確認することが必要だと考えています。

もしも正社員として働いているのに、会社を無断でバックレてしまうと何らかの事故や事件に巻き込まれた可能性を考えて、同僚や上司が連絡をしてくることがあります。

②社員が家に来る可能性もある

2つ目は、社員が家に来る可能性もあるということです。前述の通り、従業員が仕事をバックレただけであっても、会社側はなぜ欠勤しているのかを確認しなければなりません。

そのため、何日も続けてバックレていると社員が家に来て安否を確認する可能性があります。

③捜索願を出されることも

3つ目は、捜索願を出されることもあるということです。20代から30代で一人暮らしをしており、出勤をしていない上に連絡がつかないという状態があります。

会社は従業員が出勤していない理由が確認できない状態が続けば、事件や事故を心配します。最悪の場合には警察へ捜索願が出されることもあります。

正社員がバックレる際の3つのデメリット

正社員が仕事をバックレてしまったときに、どのようなデメリットが起こりうるのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。

本見出しでは、正社員がバックレる際の3つのデメリットをご紹介します。

①懲戒解雇処分となる可能性がある

1つ目のデメリットは、正社員がバックレると懲戒解雇処分となる可能性があるということです。

解雇の理由として、勤務態度に問題がある、業務命令や職務規律に違反するなど労働者側に落ち度がある場合が考えられますが、1回の失敗ですぐに解雇が認められるということはなく、労働者の落ち度の程度や行為の内容、それによって会社が被った損害の重大性、労働者が悪意や故意でやったのか、やむを得ない事情があるかなど、さまざまな事情が考慮されて、解雇が正当かどうか、最終的には裁判所において判断されます。

参照: 厚生労働省ホームページ

上述の通り、従業員に何らかの落ち度があったとしても、会社側は即座に解雇とすることはできず改善の糸口を模索する必要があります。

しかし、正社員がバックレてしまった場合には連絡がつかず、それ以上の業務を継続することが困難となるので、最悪のケースでは懲戒解雇処分とされてしまうのです。

退職金が支給されない

労働基準法第89条において、常時10人以上の従業員を労働者を雇用する雇用主は、就業規則を作成の上で行政官庁に届け出なければならないと規定されています。

退職金の支給に関しては、就業規則に記載されていることが通常なので、会社に就職をした際に前もって確認をしておくことが推奨されます。

仮に正社員がバックレたとしても、退職気が支給されるケースが稀にあるので確認をしておくと良いでしょう。

転職活動時にバレると経歴詐称に該当する

転職活動時に、会社をバックレたことがバレると経歴詐称に該当します。転職活動では、履歴書や職務経歴書を提出しますが細かな情報は自己申告となります。

正社員がバックレても、大抵はバレないので自発的に言わなければ良いだけの話ですが、万が一転職先企業にバレると、経歴詐称に該当してしまうので注意しましょう。

②損害賠償請求をされる可能性がある

2つ目のデメリットは、正社員がバックレることで発生した損害に対して、雇用主である会社側から責任の一部を損害賠償請求として請求される可能性があるということです。

  • 正社員として、物品の輸送を完全に行わず取引先から会社が訴えられた場合
  • バックレる際に、会社の顧客情報や製品の機密情報を持ち出して流出させた場合

1つ目の事例では、従業員として働いていた時に業務を全て行わなかったため、債務不履行として取引先から働いている会社が訴えられ、その結果損害賠償請求をされるというものです。

また2つ目の事例は、会社から借りていたパソコンなどに保存されている情報を悪用して、会社に損失をもたらしたことに対する損害賠償請求です。

いずれの場合でも、多額のお金を請求される恐れがありますので注意しましょう。

③給料の未払いでトラブルになる可能性がある

3つ目のデメリットは、給料の未払いでトラブルになる可能性があるということです。

労働基準法では従業員が行った労働の対価として、会社側は給料を支払わなければならないと規定されています。

しかし、正社員がバックレてしまうと、会社は給料を払いたくても払えない状況になり、バックレたほうは給料がもらえないという状況でトラブルに発生しやすいと考えられます。

正社員がバックレる際には、まず給料がどうなるかも少し考えてみると良いかもしれません。

正社員のバックレで勘違いしやすい4つのこと

本見出しでは、正社員のバックレで勘違いしやすい4つのことをお伝えします。

会社をバックレてしまっても、従業員という立場から享受できるメリットもいくつかあるのでそれらを覚えておいてみてはいかがでしょうか。

①懲戒解雇をするには条件がある

1つ目は、懲戒解雇をするには条件があるということです。

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

参照: 労働基準法20条

労働基準法では、会社側が従業員を懲戒解雇とする場合に、最低でも30日以上前にその予告をしなければならないと規定しています。

正社員がバックレたとしても、ただちに懲戒解雇とすることができないので、まずは問題の改善や解決を図る必要があるのです。

②退職届で意思表示さえすれば自動的に退職できる

2つ目は、退職届で意思表示さえすれば自動的に退職できるというものです。

隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

参照: 民法第97条

労働契約においては、退職の2週間前に通達をすると退職をすることができますが、その効力は通知が相手方に到達した時からと民法で定められています。

原則として、退職届が届いてから2週間すると自動的に退職となりますが、通常は同僚や上長が退職を留まるように働きかけたり、理由を聞くことが考えられます。

③給料の支払い義務がある

3つ目は、会社側から従業員へ給料の支払い義務があるということです。

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

参照: 労働基準法第24条

労働基準法では、 労務者が「労務」を提供していない場合に、使用者である会社側は、提供されていない労務についての賃金を、支払う義務はないという給与計算の基本原則があります。

これは、 仮に正社員が月の途中でバックレても、その日まで働いた分に関しては会社は給料を支払うという意味です。

④まともな会社なら自己都合退職として扱ってくれる

4つ目は、まともな会社なら自己都合退職として扱ってくれるということです。会社をバックレて退職するのは、印象が悪いですが状況に応じて便宜が図られる場合もあります。

例えば、就業規則に「無断欠勤が14日以上あり、かつ本人と連絡がとれない時、自己都合退職とみなし自然退職とする」などと記載されている企業も多いといえます。

会社側も、退職する従業員と不用意にもめる必要性は無いので、バックレて無断欠勤が一定期間続いた場合には自己都合退職として処理することもあるのです。

正社員がバックレる2つの方法

本見出しでは、正社員がバックレる2つの方法をお伝えします。やむを得ず、会社をバックレるしかない場合には、状況に応じて以下のどちらかを選んで退職をしましょう。

退職代行に依頼をする

1つ目の方法は、退職代行に依頼をすることです。様々な代行サービスがありますが、例えば退職代行サービスEXITでは、以下をセールスポイントとして退職代行を行っています。

  • すぐに辞められる即日対応
  • 会社への連絡不要
  • 安心のネクストサポート

正社員なのにバックレてしまったということは、精神的にかなり追い詰められていることが考えられます。費用を支払ってでも、代行業者からアドバイスをもらいながら退職するという方法を検討しても良いでしょう。

自分で退職届を郵送する

2つ目の方法は、自分で退職届を郵送することです。退職手続きにおいては、会社側ともめることもあるので必ず内容証明郵便を用いて、退職届を郵送しましょう。

以下の見出しでは、内容証明郵便を用いて退職届を郵送する方法を細かくご紹介していますので、興味のある方はそちらもご参照下さい。

無断欠勤にならないよう休む連絡は必ず入れる

正社員が会社をバックレて退職をするにせよ、無断欠勤にならないよう休む連絡は必ず入れる必要があります。

無断欠勤をすると、前述のように思わぬ結果に繋がる可能性があるだけでなく、労働の対価として支払われる給料が日割り計算で減らされることとなります。

退職届を書いて郵送する

会社が嫌になってバックレたとしても、退職届を書いて郵送することは必ずしましょう。退職届を提出しないと、労働契約が結ばれたままとなるので会社との縁は切れません。

最後のひと処理は面倒だとは思いますが、退職届を簡潔に用意して郵送で送りましょう。

退職届を郵送する際の4つの注意点

本見出しでは、退職届を郵送する際の4つの注意点をご紹介します。正社員が会社をバックレた際にも、退職の手続きは必要となります。

退職をする際に、最低限行っておかなければならないことや権利として行えることを把握しておくと良いでしょう。

①内容証明郵便で郵送する

1つ目の注意点は、内容証明郵便で郵送をするということです。郵便局のホームページによると、内容証明とは差出人が作成した書類によって日本郵便が郵便内容を証明する制度です。

内容証明郵便は、保存用も含めて3部発行しておくと良いでしょう。仮に、退職において会社側とトラブルになった場合には証拠として内容証明郵便が役立つこともあります。

内容証明郵便の利用料金は、基本料金に加算料金440円となります。しかし後の証拠にもなりますので、多少費用がかかっても内容証明郵便を利用しましょう。

②退職届の文面で有給休暇も申請する

2つ目の注意点は、退職届の文面で有給休暇も申請するということです。有給休暇とは、従業員が休暇を取得する権利であり、会社側はこれを理由なく拒絶することはできません。

一般的に、退職の14日前には書面で退職の通告をすることが求められていますが、残っている有給休暇も申請することで、実質的に出社する日数を減らすことも可能です。

正社員がバックレた場合には、何らかの事情で会社に行けなくなったことが考えられるため、従業員側の権利である有休を活用しましょう。

③退職届の書く際の注意点

3つ目の注意点は、退職届の書く際の注意点についてです。以下では、テンプレートとしてどのような内容を退職届に記載すべきかをご紹介しますので、ご活用ください。

私事、このたび一身上の都合により勝手ながら令和〇年〇月〇日を持って退職をします。

令和〇年〇月×日 田中一郎

株式会社〇〇商事 代表取締役社長 山田一郎 殿

退職届は、社長宛として退職をするという旨を端的に述べます。署名部分には認印でも良いので捺印をします。

退職届は書類なので、添え書きなどはできません。これまでのお礼のメッセージなどを添えたい場合は、別紙に書いて同封すると良いかもしれません。

④退職届の郵送する際の注意点

4つ目の注意点は、退職届の郵送する際の注意点についてです。

  • 宛先は、在籍したいた部門やグループ宛のため"御中"とする
  • 退職届は直筆でもタイピングでも良いが、誤字脱字には気を付ける
  • 中身が郵送中に折れ曲がったりしないよう、ファイルなどに入れて送る

以上の3点が、最低限守っておくべき郵送時の注意点となります。何らかの書類不備によって、退職届が受け取られていなかったという状態にはならないよう気を付けましょう。

バックレた正社員のその後の対応

仕事が嫌になり突発的にバックレてしまった場合には、その後に何をしなければならないのかをあらかじめ知っておく必要があります。

本見出しでは、バックレた正社員のその後の対応について2つのポイントをお伝えします。

①離職票などを記入する

1つ目のポイントは、離職票などを記入するということです。正社員が会社をバックレたとしても、労働契約書では雇用状態にあるため正式な離職申請が必要となります。

状況にもよりますが、会社を再び訪れるかあるいは、郵送などによって離職票などを記入の上で提出することが必要となります。

②手元にある会社の備品を返却する

2つ目のポイントは、手元にある会社の備品を返却することです。正社員として働き始めると、個人用のデスク、ロッカーやパソコンなどの備品が貸与されます。

これらの備品は、会社を退職する際には所有主である会社側に返却をしなければなりません。物によっては郵送で送り返すことも可能ですが、一般的には会社に持参することとなります。

会社側に何らかの問題があったとしても、バックレてしまうと後始末が面倒になるという事態を知っておきましょう。

まとめ

正社員がバックレた場合には、デメリットが懸念される一方で給料や有給休暇の取得など、権利として受取れるメリットもあることがわかりました。

バックレてしまうのは、仕事環境が辛すぎたり人間関係に悩んでの苦渋の選択であることがおおいので、無理をせず状況に応じて決めてみてはいかがでしょうか。

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