年収500万は勝ち組なのか?統計や実態を踏まえて徹底検証!

年収500万円で独身と聞くと、それなりに裕福な生活を送ることができ、勝ち組というイメージがあります。しかし、女性や中小企業で年収500万円貰うことは難しい印象です。本記事では年収500万円は勝ち組に入るのかどうか、またその理由も説明しています。

監修者

キャリアアドバイザー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

結論:年収500万円は実際は勝ち組じゃない

年収500万円でも、税金や社会保険で引かれると手取りは30万円を切ることになります。独身かそうでないかにもよりますが、都会や首都圏で暮らしていると、物価も高いので生活は決して余裕があるとはいえません。

年収500万円の統計上のポジション

年収500万円と聞くと収入が多い部類に入るのか気になる方もいると思います。本見出しでは統計上、年収500万円が勝ち組なのかどうかみていきます。

目次

①年収500万円を貰っている人の割合

日本国民の平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査・給与階級別の数字を参考に表にすると以下のようになります。

過去5年間の平均給与は総合的にみると、いずれも年収500万円以下となっています。この結果からみれば年収500万円は平均以上の年収なので勝ち組といえます。

男性の場合

男性の場合は、平成30年の平均年収は545万円となっています。平成29年も平均年収は531万円です。したがって、統計上では年収500万円でも平均以下ということになります。

女性の場合

女性の場合は、平成30年の平均年収は293万円となっています。平成29年では平均年収は287万円となっています。したがって、年収500万円であれば統計上は勝ち組といえます。

②年齢別の平均年収との比較

日本国民の年齢別の平均年収は、厚生省の賃金構造基本統計調査の賃金分布を参考に表にすると以下のようになります。

男性の場合

男性の場合は55~59歳までが年齢階級が高くなるとともに、労働者割合が最も大きい賃金階級も高くなる傾向にあります。ですので、20代や30代で年収500万円を超えるようであれば勝ち組といえるでしょう。

女性の場合

女性では、労働者割合が最も大きい賃金階級の、年齢による違いは男性ほど大きくないので、女性の場合はどの年代においても年収500万円あれば勝ち組といえます。

③地域別の平均年収との比較

日本の地域別の平均年収は厚生省の賃金構造基本統計調査を参考に、表を作成すると以下のようになります。以下は年収ではなく月給である点にご注意ください。

東京や大阪などの賃金の高い都会では年収500万円は勝ち組とはいえないですが、宮崎や秋田などの賃金の低い地方では年収500万円あれば勝ち組といえます。

勝ち組の基準とは

勝ち組の基準は人それぞれですが、20代や30代ではお金を持っている人や、裕福な生活を楽しんでいる人を勝ち組と思っている割合が高いです。一方、50代や60代では精神的に余裕のある人や毎日を有意義に楽しんでいる人を勝ち組と思っている割合が高いです。

このように年代によっても勝ち組の基準は違ってきますが、一般的に生活や精神的に余裕があれば勝ち組といえます。

年収500万円が勝ち組じゃない理由①|手取り額

年収500万円あれば余裕がある暮らしが出来ると思われがちですが、手取り額をみるとそうとはいいきれません。月収40万円を超えると、年収は500万円を超えるとみられますが、そこから社会保険料、住民税、所得税が引かれます。

そうすると、手取り額は約30万円となります。

独身の場合

住んでいる地域にもよりますが、独身の場合は手取り額が30万円でも余裕を持って暮らすことができます。物価が安い地域でしたら貯金も十分にすることができます。

都会などの物価が高い地域ならば、家賃で9万円~10万円くらいするので、そこまで生活に余裕はないかもしれません。地方であれば、家賃が5万円~6万円くらいですので、生活にゆとりが出てきます。

家族がいる場合

家族がいる場合は、手取り額30万円は生活に余裕がなくなってきます。都会などの物価が高い地域であればファミリー向けのアパートやマンションの家賃は、独身の場合の時よりも高くなります。

また持ち家などを持っていると、ローンの返済額次第では生活が苦しくなるかもしれません。以下の記事では月40万円の給料は安いのか、その支出の内訳も詳しく説明していますので、興味ある方はご参照ください。

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年収500万円が勝ち組じゃない理由②|生活レベル

年収500万円が勝ち組でない理由の一つとして生活レベルの問題があります。

  • 独身の場合
  • 配偶者がいる場合
  • 配偶者と子供がいる場合

以上の3つの場合の生活レベルを総務省家計調査をもとにモデルケースとして紹介していきます。項目ごとに目安の金額を提示していますので、参考にして下さい。

独身の場合

独身の場合は、住宅費や通信費、食費を差し引いても、日用品や娯楽に使うお金もあり、十分に貯金もできます。

配偶者がいる場合

配偶者がいる場合は、住宅費や通信費、食費などが上がります。しかし、日用品や娯楽にお金を使えないというわけではなく、貯金もできる程度は余裕があります。

配偶者と子供がいる場合

配偶者と子供がいる場合は、全体的に金額が上がります。日用品や娯楽に使うお金も厳しくなり、貯金はほぼできないといっていいでしょう。

以上のように、年収500万円でも独身の場合と配偶者と子供がいる場合では大きく生活レベルが変わってきます。独身の場合は貯金する余裕もありますが、配偶者と子供がいる場合では貯金は難しいでしょう。

年収500万円を稼げる職業とは

本見出しでは、年収が500万円以上稼ぐことのできる職業は何があるのかみていきます。

平均年収が500万円以上ある企業

総合商社やメーカーの企業は平均給与が高く、ある程度年齢が上がれば年収500万円以上稼ぐことができます。また、金融業界や不動産業界の営業はインセンティブが付く場合が多いので、業績によっては年収500万円以上稼ぐことができます。

女性でも年収500万円を稼げる職業

女性の場合は薬剤師、看護師、システムエンジニアなどは年齢や実績により年収500万円以上稼ぐことができます。また、生命保険や不動産会社の営業などはインセンティブが付く場合が多いので、業績によっては年収500万円以上稼ぐことができます。

20代でも年収500万円を稼げる職業

20代で年収500万円以上稼ぐのはハードルが上がりますが、大企業の正社員や薬剤師、金融業界や不動産業界などのインセンティブが貰える営業は年収500万円以上貰える可能性があります。

20代で年収500万円稼ぐには、経験よりも実力が評価される職業の方が可能性が高いです。

年収500万円以上稼ぎたい人にオススメの業界

年収500万円以上稼ぎたい人には以下のような業界がおすすめです。

  • 金融業界
  • 不動産業界
  • 薬剤師などの専門的な国家資格を持つ業界

年収500万円以上稼ぐために必要なことは、実力が認められる業界に入ることや、高度な専門的な知識を取れるような努力する姿勢が大切です。

まとめ

本記事では、年収500万円以上は勝ち組かどうか解説しました。実際には若手で独身ならば勝ち組といえますが、配偶者と子供がいる場合は勝ち組とは言えません。

年収500万円と聞くとハードルが上がる気がしますが、若くして年収500万円以上稼ぐことができる業界もあります。しかし、若くして年収500万円以上稼ぐには相当の努力が必要です。

本記事が少しでもみなさまの役に立てれば幸いです。

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