20代の公務員でも「激務」「向いていない」と、辞めたいと思う人が大勢います。例えば、公務員から転職といったブログを見かけることもあります。本記事は、まず公務員を辞めたいと思う理由や退職する際の注意点をご紹介します。そして、公務員を辞めたい人が円満退職するコツもお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
公務員を辞めたいと思う12の理由
本見出しでは、公務員を辞めたいと思う12の理由をご紹介します。これらの理由は、実際に地方公務員や国家公務員へのヒアリングを元に作成しました。
公務員を目指している方は、自らのイメージとの相違を確認した上で公務員になるかどうかを検討して下さい。
①激務でブラック
1個目は、激務でブラックという理由です。公務員は、国家公務員と地方公務員にそれぞれ分類されますが、それぞれ以下の理由により激務でブラックだと言われています。
以下の記事では、公務員は激務かという真相に迫るだけでなく、公務員の良いところや向いている人をご紹介しています。また、公務員の働き方改革に関する実態もお伝えしています。
公務員を志望されている学生の皆さんは、公務員の実情を知るためにぜひご一読ください。
②年功序列で雑務を任される
2個目は、年功序列で雑務を任されるという理由です。公務員では、能力の高さに関わらず勤続年数の長短によって、担当する業務内容が決まるため20代は雑務を任されます。
例えば、市役所の税金を扱う部署では、未払いの市民宅を訪問し税金の支払いを要請することがあります。若手公務員は、このような外回りを一般的に行わなければなりません。
時期によっては、朝から晩まで市民宅を何十軒も訪問することもあります。若手の公務員はのんびりとしたデスクワークに限らず、ハードな雑務もこなさなければならないのです。
③単調な事務仕事がメイン
3個目は、単調な事務仕事がメインという理由です。公務員の中には、高学歴を誇っているにもかかわらず、バイト経験が無く仕事の効率が悪かったりミスをしがちな人もいます。
公務員の仕事では、小さなミスが大きなミスに繋がるため、ミスをしがちな社員は通知書類の送付準備と言った雑務や事務仕事がメインとなることもあります。
誰よりも行政の仕組みや課題を理解しているのに一般的な仕事がこなせないという理由で事務担当となり、嫌になって辞めたいと思う公務員も多くいます。
④データ分析と調査報告ばかり
4個目は、データ分析と調査報告ばかりという理由です。この理由は、いわゆるキャリア官僚と呼ばれる国家公務員に当てはまります。
国家公務員では、例えば賃金の上昇が経済に与える影響など、国や地域レベルでの施策を行います。そのため、定量的なデータ分析や調査結果の取りまとめなどが不可欠です。
20代・30代の若手は、施策の基となるデータを集めたり、データ結果の報告ばかりなので、辞めたいと感じることもあります。
⑤精神的に病んで休職する人が多い
5個目は、精神的に病んで休職する人が多いという理由です。公務員の仕事は民間企業と比べて楽だという誤解もありますが、その特徴から休職をせざるを得ない人もいます。
一般財団法人が行った地方公務員の健康状況に関する調査によると、長期休職者の内半数以上が精神的な理由によって休職しています。
職場で休職者が増えることで、1人当たりの仕事量は必然的に多くなります。休職者の多さは普通に働いている公務員にとっても懸念材料なのです。
⑥災害時に家族よりも公務を優先
6個目は、災害時に家族よりも公務を優先せざるを得ないという理由です。大雨や地震が発生した際、地域の住民に小学校などが避難所として貸し出されます。
避難所では、利用者の管理だけでなく飲食物の手配なども公務員が行わなければなりません。家族がいる公務員にとって、災害時でも公務を優先することは辛いはずです。
⑦市民から嫌味・クレームを言われる
7個目は、市民から嫌味・クレームを言われるという理由です。公務員は、税金の支払い勧告や退去通告なども行っています。
中には、公務員の対応に腹を立て、「税金泥棒」など嫌味やクレームを言う住民もいます。
勤続年数が長い公務員は割り切ることができますが、20代・30代の公務員の中には精神的にダメージを受け、辞めたいと感じる人もいます。
⑧提案事項が通りにくい
8個目は、提案事項が通りにくいという理由です。民間企業では熱意のある若手社員や実力の認められた管理職が、会議をリードし決定事項を片付けていくことがあります。
一方で、公務員ではまわりの様子を伺いがちな人が多く、決めるべきことが決まらなかったり、新しいアイディアを提案しても採用されないことがあります。
良くも悪くも、みんなが意見を言うので何も決まりません。それが続くと、何を言っても無駄なので、受け身な人も増えて、やっぱり何も決まりません。責任を取りたくない管理職も多く、前例踏襲で新しいアイデアは取り入れられません。
参照:カイシャの評判
上記は、横浜市役所に勤める公務員の方のコメントです。提案事項が通りにくいというのは仕事の効率を低下させるため、働く気力を下げる要因になっていると考えられます。
⑨土日勤務がある
9個目は、土日勤務があるという理由です。職種次第では広報の仕事や地域住民との交流を担当したりと、週によっては土日も勤務があります。
土日勤務の場合は代休として平日に休みを取れたり、あるいは残業として給与に追加することができます。
しかし、貴重な家族との時間を犠牲にしなければならないため、ワークライフバランスを考慮して辞めたいと思う方もいます。
⑩勤務地域では外出がしにくい
10個目は、勤務地域では外出がしにくいという理由です。公務員の仕事は、多かれ少なかれ地域住民への対応も業務に含まれています。
前述の通り、必ずしも住民から好かれる仕事ばかりではないため、ネガティブな印象をもたれてしまう公務員も大勢います。
そのような公務員は、働いている地域では周りの目が何となく気になり、外出しにくいとかんじてしまいます。
⑪副業が禁止されている
11個目は、副業が禁止されているという理由です。民間企業では、労働契約法に基づき雇用されるため、企業によっては平日深夜や土日の副業を認めていることがあります。
しかし、公務員では法律上副業が禁止されているため、限られた給与からやりくりをせざるを得えません。20代、30代では給与がそこまで高くないので、悩みの種となります。
第38条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない
参照: 地方公務員法第38条
以上のように、例えば地方公務員では明確に副業を行うことが禁止されています。副業が発覚した場合、解雇となる可能性もあるので安易に行うことができないのです。
⑫初任給が民間企業よりも低い
12個目は、初任給が民間企業よりも低いという理由です。公務員は就職するために試験と面接が課せられているにもかかわらず、初任給が低いのは不満だと感じる人もいます。
以上は、人事院勧告を参照した国家公務員の初任給と、地方公務員の給与実態調査結果から作成したまとめ表となります。
大卒の民間初任給は206,700円であり、国家公務員及び地方公務員の初任給よりも高いことがわかります。
公務員を辞めたい人が「甘い」と思われがちな理由
民間企業に比べ公務員を辞める際には周囲の声が厳しい傾向にあります。
「国民の税金で仕事をしているのにもう辞めたいなんて、考えが甘すぎる!」
「公務員を目指した志はどこへ行ったのか、自分に甘いのではないか!」
このような言葉を周囲が思ったり直接言うかもしれません。
しかし、自分の人生の舵取りをするのは他でもない自分自身です。それに、働いて見て初めて気づくことのほうが多いに決まっています。
周りの声を一度遮断し、自分自身で冷静に公務員を辞めることのメリット・デメリットを検討するのが重要です。
年代別|公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリット
公務員を辞める場合のメリット・デメリットは、年代ごとに異なります。例えば、20代と50代ではキャリア経験が違うので、公務員を辞めるメリット・デメリットも違います。
本見出しでは、20代から50代までの各年代別に、公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリットをご紹介します。
20代
以下は、20代で公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリットです。
20代で公務員を辞めたいと感じるのは、業務内容がイメージと異なっていたり福利厚生が民間と比較して悪いことに不満を抱いたからというケースが多いと考えられます。
20代はゼロからやり直しができますが、メリット・デメリットは両方検討しましょう。
30代
以下は、30代で公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリットです。
30代で公務員を辞めたいと感じる理由として、やりたい仕事の再認識やプライベートとの両立をするためなどが考えられます。
一定のキャリアを公務員として築いているため、30代で本当に公務員を辞めるべきか熟慮することが推奨されます。
40代
以下は、40代で公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリットです。
40代で公務員を辞めたい方は、少し早く第2の人生をスタートするためだったり、何らかのネガティブな要因で公務員を続けられない人が多いといえます。
既に家庭を持っている人が多いため、自らだけでなく家族の都合も含めて公務員を辞めるメリット・デメリットを判断する必要があります。
50代
以下は、50代で公務員を辞めたい人が知っておくべきメリット・デメリットです。
50代で公務員を辞めたいという人は、早期退職制度を利用する人が多いと考えられます。仕事にやりがいを感じつつも、趣味や家族との時間を優先して公務員をやめるのです。
年齢とともに、公務員として働くやりがいも変わるので、辞めたら次の目標を決めて前に進むことが良いでしょう。
公務員を退職する方法
公務員をいざ辞めたいと思った場合に、間違えのない退職プロセスをとることは欠かせません。
①直属の上司に退職の旨を申し出る
まずは退職意思を伝えましょう。辞めたいという退職意思さえ伝達できれば退職届を提出してもしなくても構いません。
申し出のタイミングは十分に注意しましょう。自分の手持ちの仕事も上司の仕事も余裕があるタイミングで「少しお時間頂けないでしょうか。」と声がけすることが重要です。
②引き止めにあっても断固として辞めたい意思を伝える
十中八九、上司は辞めようとする部下の引き止めに入ります。その上司が本当に自分のことを思って伝えてくれているのか、それとも上司自身の保身のために伝えているのかはよく見極めるようにしましょう。
あなたは退職を申し出るほど、辞めたいという意思がかたまっているはずです。引き止めのおしに負けず、断固として貫く姿勢をとってください。
公務員を退職する際の注意点
公務員を辞めた後に転職などをしても、関係性を維持できたことに越したことはありません。実際に公務員を退職する際に特に気をつけるべき注意点は何なのでしょうか。
本見出しでは、公務員を退職する人が気を付けるべき2つのポイントをご紹介します。
①やり残した仕事も含めて引き継ぐ
1つ目は、やり残した仕事も含めて引き継ぐことです。公務員の仕事は、一般企業と同様に担当者から上長まで連携しています。
もしも公務員を辞めたいと感じたら、扱っている仕事をどこまで行えるかを見越して、事前に引継ぎの計画を立てておくことが良いでしょう。
やり残した仕事も含めて引き継ぐことで、責任をもって仕事を行ったと評価されます。
②機密情報を漏洩しない
2つ目は、機密情報を漏洩しないということです。公務員は、住民の個人情報から市の開発などに関する様々な機密情報を日々取り扱っています。
公務員を辞めたいと思っても、例えばどこの土地が国に買い上げられるかなどの情報を個人の利益の為に用いてはなりません。
公務員を辞める場合でも、在職中に知り得た機密情報は漏洩しないよう注意しましょう。
公務員を辞めたい人が円満退職するコツ
公務員を退職する人が気を付けるべき注意点をご紹介しましたが、円満退職するコツも知りたいと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 余裕をもって退職日を決めて、上長や同僚に予め知らせておく
- 退職までの期間は、今まで以上に全力で業務に取り組む
- 有給は権利だとしても無理に使い切らない
公務員を辞めたい人が円満退職するコツとして、上述の3点が挙げられます。周囲への配慮と、1公務員としての節度を守ることが大切です。
【参考】地方公務員を辞めたい人が知るべき統計
本見出しでは、地方公務員を辞めたい人が知るべき統計を2つご紹介します。これから地方公務員を志望される方にも参考になるので、ぜひご参照下さい。
地方公務員の退職状況
1つ目の統計は、地方公務員の退職状況についてです。地方公務員の退職状況等調査によると、定年まで働いて退職した人は全体の半分態度に留まり、3人に1人は普通退職をしています。
入庁から定年退職までおよそ40年間です。その間に普通退職として転職をしたり、働くことが難しくなり勧奨退職をした人は40%程いることがわかります。
地方公務員の健康状況
2つ目の統計は、地方公務員の健康状況についてです。地方公務員健康状況等の現況の概要によると、直近の5年間で長期病休者数は増加傾向にあるとわかります。
平成25年度と平成29年度を比較すると、およそ7%も長期病休者が増えています。
また、上記は長期病休者の疾病分類表の中から、トップ3を抽出した結果です。これによると、精神及び行動の障害が最も多いだけでなく過去5年で増加傾向にあります。
まとめ
公務員を辞めたいと思う12の理由に加えて、各年代別のメリット・デメリットもご紹介しました。
公務員を退職する際の注意点や、円満退職するコツもお伝えしましたので、辞めたい方はこちらを参考にしてみてはいかがでしょうか。