「メーカー営業は楽」の真相を解説!メーカー以外の営業がホワイトな業界も紹介

会社の売上を立てるためには営業によって新規顧客を獲得することも必要ですが、業界によってその仕事の難しさが異なるとも言われます、この噂は本当なのでしょうか?この記事では「メーカーの営業は楽」という噂の真相を紹介します。

監修者

キャリアアドバイザー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

メーカー営業は楽なのか

女子大学生向けに、「メーカーの営業職」への就職をおすすめしています。理由として一般職の女性関係が楽ではないことが上げられています。

その他にもメーカーの営業職が一般的に楽と言われる理由には様々なものがあります、その理由を次の見出しで見てみましょう。

メーカー営業が楽な理由

メーカーの営業が楽な理由は主に3つです。

  • 扱う商品は自社の商品のみ
  • ノルマがゆるい
  • 新規開拓のないルート営業が多いこと

目次

理由①|扱う商品は自社商品のみ

メーカー営業が楽と言われる1つ目の理由は扱う商品は自社商品のみということです。

メーカーの営業は当然自社の商品を扱ってくれる顧客を探したり、既存顧客との関係維持がメインの仕事となります。そのため、本当に好きな自社の商品をどうアピールするかを考えられれば、仕事が成立します。

一方で商社の営業職の場合は扱う商品の幅も広く、そのすべての商品の特徴・利用者にとってのメリットなどを考える必要があり、必然的に業務量や対象とする顧客のタイプも多くなり仕事がきつくなります。

理由②|ノルマがゆるい

2つ目の理由はメーカー営業はノルマがゆるいと言われていることです。

特に比較的楽と言われるのはBtoBの法人営業です。BtoCの消費者向けの営業では競合他社があまりにも多すぎて、せっかく獲得した顧客がすぐに離れてしまったり、殆どの商品で競争が激しくなっているからです。

またメーカーの営業では年度ごとの売上目標について設定した数値が非現実的なものであれば、目標設定の方法を問題視されることになるので、あまりにも高すぎる目標を設定されることもなく、結果的に営業職の仕事も楽になります。

理由③|新規開拓のないルート営業が多い

3つ目の理由は新規開拓のないルート営業が多いことです。

先述の通りメーカーの営業の多くは既に自社商品を扱ってくれている既存顧客との関係維持や新商品が発売される際の取扱数を決めてもらうなどの、ルート営業がほとんどです。

新規顧客の営業では信頼獲得・セールス・契約書の発行・アフターサポートなどに対して1つずつ神経を研ぎ澄ませて多く必要がありますが、ルート営業では既に顧客との関係が構築されているので、ストレスも少なくなります。

メーカー営業の誤解

次はメーカーの営業について、よく言われている「誤解」について紹介します。

ここで紹介する誤解は「メーカー営業はつまらない」というものと、「メーカー営業は全て楽」というものです。

一般的にメーカー営業は決まった仕事を淡々とこなすためつまらなく、言い方を変えれば楽とされますが、会社によってはそうではないものもあります。

メーカー営業はつまらないわけではない

メーカー営業の1つ目の誤解は、「つまらない」と言われることです。

メーカー営業のメインの仕事は既存顧客との関係維持になりますが、実は新規開拓営業とやっていることはほとんど変わらないのです。新規営業もルート営業も相手のニーズを探り、提案できる商品を販売することに変わりはありません。

もちろん新規開拓営業の場合には相手が自分のことを信用していないので、そこをクリアする難しさがあり、人によってはやりがいを感じることはあります。ただルート営業も、今の顧客の悩みを拾い上げて商品を販売するので、やることは同じです。

メーカー営業でもきつい会社はある

2つ目の誤解は「全てのメーカー営業が楽」と考えられてしまうことです。

当然業界や会社の状況によってもメーカー営業が商社営業レベルにきつくなることもあります。とくに成長過程のメーカーでは売上増加や新規顧客獲得のために積極的に営業を行うこともあります。

また、業績不振になったり会社の汚職が発覚した際には既存顧客への説明・謝罪・関係維持のために奔走する必要が出てくることもあります。こういった状況にある会社は「楽」と言われるメーカーの営業であっても仕事量が普段に比べて多くなります。

メーカー営業に向いている人

次はメーカーの営業に向いている人の特徴を3つ紹介します。

  • 人と話すのが好きな人
  • 1つのものを好きになれる人
  • プライベートの時間も確保したい人

こういった特徴を持つ人はメーカー営業に特に向いていると考えられるので、就職先として是非検討してみて下さい。

人と話すのが好きな人

メーカー営業に向いている人の1つ目の特徴は、人と話すのが好きな人です。

これはメーカー営業に限らず営業職全般に言えることで、人と話して関係を深めたり共通の目的のために一緒に協力するのが好きな人はメーカー営業に向いています。

ルート営業が多いメーカー営業で求められるのは顧客の悩みを常に拾い上げ、自社で解決できる課題について、自社商品を通して解決することです。そのため人と深くコミュニケーションをすることを楽しめる方は向いています。

1つのものを好きになれる人

2つ目の特徴は、1つのものを好きになれる人です。

メーカーの営業では商社営業や営業代行職と違い、自社の商品のみを販売するのが仕事です。つまり一度入社したら長い期間同じ商品を販売し続けるのが仕事になり、それに応じた能力が求められます。

メーカー営業では自社の商品を好きになれること、商品の価値を世間に広められることが求められます。

プライベートの時間も確保したい人

3つ目の特徴はプライベートの時間も確保したい人です。

ここまでに紹介したとおり、メーカーの営業は他業界の営業職や他の職種に比べて比較的「楽」とされています。長期間同じ商品を扱うため新しい商品知識を入れる必要がありませんし、顧客との関係を維持できれば楽に仕事ができます。

そのため、家族や恋人との時間を確保したいと考えている方や趣味の時間をしっかりと確保したいと考えている方にとっては最適の職業で、仕事とプライベートの両立を目指せると言えます。

メーカー以外の営業がホワイトな業界

次は、メーカー以外でも営業職が比較的楽な業界を2つ紹介します。

インフラ

営業職が楽とされる1つ目の業界はインフラ系の会社です。

インフラ系の会社とは電気・ガス・水道などの生活に欠かせないものを取り扱っている企業の営業です。こういった企業では既に顧客との関係ができあがっていることが殆どで、新規開拓を必要ありません。

ただし、新規開拓営業が無くストレスが少ないものの、生活必需品を取り扱っているため、細かいミスは許されずその点に神経を研ぎ澄ませる必要があったり、旧態依然とした業界なので年功序列・飲み会に耐えられない人には向いていません。

公共交通機関

2つ目の業界は公共交通機関の会社です。

公共交通機関とは電車・バス・飛行機などを扱う会社で、ANA・JAL・JRや、全国各地のバス会社などが考えられます。こちらも既に業界が成熟して、新規開拓の必要がほとんどないので、楽と考えられます。

これらの業界の営業も新規開拓業務はなく、関係各所との調整業務がメインの業務で、自社の戦略や新しいプロジェクトの際に既存顧客とコミュニケーションを取って契約内容の見直しなどを行うのみです。

まとめ

この記事ではメーカーを中心に営業が楽とされる企業・業界の特徴について紹介しました。

紹介した企業や業界では他の業界の営業職と比べて楽とされますが、社外のステークホルダーとの関係維持が求められる重要な仕事であることに変わりはありません。

従い、楽ではあっても気を抜かずに仕事に取り組む姿勢が必要になります。

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