農学部は、東大や東北大学などにありますが、就職できないと後悔して、2chでは農学部はやめとけという書き込みかされています。農学部は、大卒でも就職率が悪いと想定されますが実態はどうでしょうか。本記事では、農学部は就職に向いていないという噂の真相に迫るため、農学部の就職先や有名な大学をご紹介します。

農学部とは

大学の学部は、文系と理系でさらに細かく分かれていますが、農学部がどのような学部なのか知らない方も大勢いらっしゃると考えられます。

そこでこちらの見出しでは、農学部とは何かを2つのポイントからご紹介致しますので、学習内容や学科が気になる方は是非ご参照ください。

農学部が学ぶこと

1つ目のポイントは、農学部が学ぶことであり大きく分けると、以下のような学習項目が挙げられます。

• 農業を事業として営んでいくための農業経営学
• 野菜や穀物の品種を改良しながら育てていく栽培技術
• 行政による農家への支援に関して考える農業政策

このように、農学部では最もイメージされやすい食育方法のみならず、農業の経営や農家への支援など、農業に関連した学問を幅広く学んでいます。

また、近年はバイオテクノロジーの進歩により、食品や農作物の問題解決を考える取り組みや、農作物と環境の繋がりを考える学問にも注目が集まっています。

主な学科

2つ目のポイントは、農学部にある主な学科であり、東京農業大学の公式ホームページを参照すると、以下のような学科が設置されています。

• 農学科
• 動物科学科
• 生物資源開発学科
• デザイン農学科

このように、農学部では農作物の育て方や動物の生態系研究など、一般的にイメージされやすい研究を行っています。

また、人類が持続可能な生活を実現するための技術や、地球規模での問題とされている食育、エネルギー問題を解決する糸口を探すことを目指しています。

「農学部は就職に向いていない」は本当か

前述の見出しでは、農学部の概要をご説明致しましたが、「農学部は就職に向いていない」という評判をお聞きになった方もいらっしゃると考えられます。

以上の結果から、有名大学の農学部では一定の就職偏差値を誇る企業や公務員職へ就職しており、農学部は就職に向いていないとは一概に言うことはできないと考えられます。

農学部に人気の就職先

前述の見出しにて、農学部でも就職に不利だとは限らないことをお伝え致しましたが、どのような就職先があるのか気になったかと考えられます。

そこでこちらの見出しでは、農学部に人気の就職先として3つの業界と、その中の業種をご説明致しますので、業界研究をされている方もぜひご参照ください。

①食品業界

1つ目は食品業界です。食品業界とは、原材料を調達して調味料、食品やお菓子といった、消費者や飲食店で消費される加工食品や飲料を製造販売しています。

• 営業職: 取り扱う食品や飲料といった商品を取引先に販売する
• 購買職: 製造する食品や飲料の原材料を調達する
• 研究開発職: 製品コンセプトに基づいて新製品を研究開発する

このように、食品業界では各社を代表する食品や飲料製品を製造して、できるだけ多くの取引先や消費者に販売することを目的として事業を営んでいます。

そのため、食品業界では以上のような3つの業種が中心となっており、製品の原材料を買い付けてから製造を行い、販売に至るまでの一連の仕事へ取り組んでいます。

②製薬業界

2つ目は製薬業界です。製薬業界とは、大きく分類すると医療用薬品と一般用薬品の新薬、或いは後発医薬品(ジェネリック)の研究開発と、製造販売を行っています。

• 研究職: 病症に対して、できるだけ副作用を抑えつつ効果を発揮する薬を作る
• 営業職: 開発された製薬品を、病院や小売店などにて販売促進をする
• 法務職: 開発された製薬品の特許を獲得したり、訴訟対応を行う

製薬業界では、これまでに流行っている病気のみならず、今後感染拡大が想定される病気をも対象として、製薬品を研究開発しています。

以上のように、製薬業界を代表する業種としては薬の研究、販売と登録に関わるものがあり、いずれも理系と文系の知識をバランスよく求められる仕事だと考えられます。

③公務員

3つ目は、公務員です。公務員とは、国家公務機関や各都道府県にある地方自治体において、国民や市民の生活を豊かにするための公務に就いています。

• 総合職: 高度の知識や経験を必要とする業務に従事する職種
• 一般職: 事務処理等の定型的な業務に従事する職種
• 技術職: 土木建築や電子機械など、専門的な技術を用いて業務に従事する職種

公務員は、1府12省庁や裁判所などに勤務する国家公務員と、各都道府県の市町村にて働く地方公務員に分かれていますが、このように3つの職種に分かれていることが特徴です。

いずれの職種においても、政策立案、市民対応やトラブル対応など、担当する公務領域において、日々国民のためにサービスを提供することが求められる仕事と言えます。

農学部の他の就職先

前述の見出しにて、農学部に人気の就職先としては、食品業界、製薬業界と公務員の3つがあるとわかりましたが、これら以外ではどのような就職先があるのでしょうか。

こちらの見出しでは、農学部の他の就職先として5つの業界をご紹介致しますので、農学部を卒業した後の進路を検討する際に、ぜひご活用ください。

就職先①｜製造機器業界

1つ目の就職先は、製造機器業界です。製造機器業界とは、農作物、食品や医薬品など、農学部の知見を活かせる物品を、製造販売するために用いる機器を作っています。

• 日立ハイテクノロジーズ
• 東京エレクトロン
• キャノンアネルバ

製造機器業界は、一見すると農学部とは直接的な関係性が薄いと考えられますが、各種機器を開発する際には農作物であれば農業科の、生物向けであれば生物科の知見が求められます。

また、これらの製造機器を販売する取引先においても、農家や食品メーカーなど農学部において馴染みの深いことが想定されるため、一定の人気があると考えられます。

就職先②｜化粧品業界

3つ目の就職先は、化粧品業界です。化粧品業界とは、人間の肌に最適な効果をもたらす化粧品を研究開発し、販売することを業務目的としています。

• 花王
• コーセー
• エスケーツー

以上が、化粧品業界を代表する大手化粧品メーカーとなりますが、いずれも人間にとってより良い化粧品を創り出してブランドイメージを確立し、販売を推進しています。

農学部では、自然の動植物を研究したり環境問題への理解を深める学習をしており、化粧品業界の企業が目指す知識や問題意識を持った学生が多く集まっていると言えます。

就職先③｜商社業界

3つ目の就職先は、商社業界です。商社業界とは、何らかの物品を売りたい人と買いたい人を結びつける仲介業務を得意としており、国内外を問わず幅広い事業展開をしています。

• 三菱商事
• 三井物産
• 住友商事

これらが、日本を代表する5大商社の内の3社となりますが、いずれも食品からエネルギープラントまで幅広い商材を国内外で扱っていることが特徴となります。

農学部では、農作物、生物やエネルギーなどの研究を通して、より優れた事業展開や人類全体への問題を解決することを学んでおり、商社への就職人気は高いと考えられます。

就職先④｜農業協同組合

4つ目の就職先は、農業協同組合です。農業組合は、日本における農業者が集まって組織された協同組合であり、農家の営農と生活を守り固めることを目的として活動しています。

• 全国農業協同組合連合会
• 全国共済農業協同組合連合

農学部には、実家が農家をしている学生が数多く集まっており、大学卒業後の進路として家業である農家を継いだり、農業協同組合に参画する割合が特に高いというのが実態です。

農業協同組合では、各農家がどのようにして健全な農業を営んでいくかや、災害や悪天候などによって被害を受けた場合の対策を行い、支援する活動を行っています。

就職先⑤｜動植物園

5つ目の就職先は、動植物園です。動植物園とは、動物や植物を飼育しており、一般の来場者による触れ合いや閲覧によって、収支バランスをとっています。

• 上野動物園
• よこはま動物園ズーラシア
• 夢の島熱海植物館

これらが、日本国内でも特に人気の動物園・植物園となりますが、いずれも動植物への深い知識と興味を持った飼育員たちによって支えられています。

農学部では、生物科を中心として動物や植物を対象に研究をする学生も数多く、その他の学科では生態系を研究する機会もあり、動植物園は就職先候補の1つとなっています。

農学部がとることのできる資格

上述の見出しでは、農学部に人気の就職先やそのほかの就職先をご説明致しましたが、農学部は就職できるのか不安だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで本見出しでは、農学部がとることのできる資格をご理解頂くために、以下では2つのポイントをお伝え致しますのでご覧ください。

取得できる資格例

1つ目のポイントは、農学部の学生が取得できる資格例であり、学部学科の選考を問わずダブルスクールや独学によって取得できると考えられます。

• TOIEC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)
• 日商簿記(商工会議所)
• 教員資格(文部科学省)

まず、 TOEICは就職活動において必須資格とも言えるビジネス英語の資格であり、点数によっては書類選考の基準や、入社後の配属を左右する重要な資格と言えます。

また、日商簿記は教員資格は、幅広い企業や中学高等学校での就職に繋がりるため、農学部に所属しているけれども就職先が決まらない場合に、取得が推奨される資格です。

資格が生かせる業界

2つ目のポイントは、資格が生かせる業界であり、特に農学部ならではの資格を中心にご説明致します。

• 食品衛生責任者(食品業界、小売業界)
• 測量士補(建築業界、不動産業界)
• 毒物劇物取扱責任者(製薬業界、製造業界)

これらは、各大学の農学部を卒業時に条件となる単位を取得していれば付与され、いずれも複数の業界において業務へ行かせる資格だとわかります。

大学では、授業以外にもサークルやアルバイトなどで多忙であり、必修単位と選択単位を組み合わせて農学部ならではの資格を取得し、就職活動で生かすことが推奨されます。

農学部での学びを就活に生かすには

上述の見出しにて、農学部が取ることのできる資格と、その資格を生かせる業界をお伝えしましたが、農学の学びを生かしたいと思います。

そこでこちらの見出しでは、農学部での学びを就活で生かすための方法として、OBOG訪問をご紹介致します。

学部のOBOGに相談してみる

農学部で学んだことを生かしたい場合には、学部の先輩であるOBOGに相談してみることが推奨されます。

• 農学部出身の就活経験者である
• 農学部の学びが生かせる業界がわかる
• OBOGの経験から失敗例を知れる

大学のキャリアセンターでは、卒業生でOBOG訪問を受けている人の連絡先を知れるので、問い合わせてアポイントを取ってみましょう。

以上のように、OBOGに相談をすることで、農学部の学びを生かせる仕事と、生かせない仕事が何かを、実体験から教えてもらえます。

【知っておきたい】農学部が有名な大学3選

ここまで、農学部が就職を有利に進めるための資格や、対策方法をご紹介してきましたので、農学部のある大学を目指したい方も多いと考えられます。

そこでこちらの見出しでは、本記事の締めくくりとして農学部が有名な大学3選をお伝えいたしますので、各大学の卒業生がどのような進路を歩んだのかを含めてご参照ください。

大学①｜東京農業大学

1つ目の大学は、私立大学の1つである東京農業大学です。東京農業大学は、農学部を含む6学部24学科を有しており、農学部というイメージが最も強いと考えられます。

東京農業大学は、およそ130年の歴史を持ち、東京と神奈川に加えて北海道のキャンパスにおいて、「未来の地球、人類社会づくりに貢献する農の心を持つ人材」を育成しています。

• 食品業界
• 製造業界
• 小売業界

東京農業大学の卒業生は、主にこのような就職先が進路となっており、農業を業務の中心軸とする企業のみならず、生物や環境に関連する仕事についているとわかります。

大学②｜東北大学

2つ目の大学は、国立の東北大学です。東北大学は、文系と理系を合わせて10学部24学科を有しており、旧帝国大学出身の1つとして人気の難関国立大学です。

東北大学は、およそ110年の歴史を持ち東北地方において、「 研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材 」をを育成しています。

• 金融業界
• コンサルティング業界
• 国家公務員

以上が、東北大学を卒業した人の就職進路となっており、日本全国でもトップの偏差値を誇っているため、社会的な影響力の大きい業界を選ぶ学生が多いとわかります。

大学③｜明治大学

3つ目の大学は、私立の明治大学です。明治大学では、文系と理系を合わせると10学部28学科を有しており、MARCHの中でもトップクラスの人気を誇る大学です。

明治大学は、およそ140年の歴史があり東京都と神奈川県において、「世界の課題に関心をもち，自立した個として高度な専門的能力を発揮できる人材 」を育成しています。

• 金融/保険業界
• 製造業界
• 国家/地方公務員

明治大学を卒業した学生の進路としては、以上のように人気の業界へ幅広い就職実績があり、各業界をリードする大手企業から中小企業まで多岐に渡っていることが特徴です。

まとめ

本記事では、まず就職に不利と評判な農学部の概要をお伝えし、人気の就職先をお伝えしました。

また、農学部の取ることができる資格や、学びを生かす方法と共に、農学部がある有名大学をご紹介しましたので、検討してはいかがでしょうか。