コネ入社(縁故入社)が多い業界は○○|コネ入社した人の末路は悲惨?

就職活動をする上で、「コネ入社」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。コネ入社ができれば面接に落ちることなく就職や転職が可能です。一方で、コネ入社で会社に入ると遅かれ早かれ社内の人間にバレてしまいます。コネ入社は無能と勝手に思われ、嫌われていく末路が待っています。そこで今回は、コネ入社の概要とそのメリット・デメリット、更にはコネ入社の末路を解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

コネ入社とは

通常の就職活動では書類選考や面接を乗り越えることで、内定のゴールに辿り着きますがそれとは別の方法で会社に入社する方法がコネ入社です。

この見出しでは、コネ入社の意味と、コネ入社と同じ意味を持つ縁故入社についてご紹介していきます。

目次

コネ入社の意味

コネ入社とはコネクション入社のことを意味し、通常の選考ルートを通して応募者の能力や適性を図る採用ルートではない別の採用ルートです。

社長や役員、取引先幹部が口利きをすることで会社に入社するべき能力や適性がある人間と認め、他の応募者とは異なるルートで入社をすることを意味します。

コネ入社の例として社長の後継者として血縁関係のある者が入社する場合や会社の重要クライアントの血縁者が入社する場合がコネ入社になります。

また、それ以外にも、

  • 役員の親族からの紹介
  • 一般従業員からの紹介
  • 知り合いからのヘッドハンティング
  • アルバイトから社員になる

こういったこともコネ入社になります。

コネ入社と縁故入社は同義

コネ入社と同義で扱われるのが緑故入社という言葉です。緑故は血縁・婚姻による繋がりのことで、血の繋がりや血が繋がっていないが特別な間柄であるという意味を持っています。

コネ入社は就職する時に自分が持つ個人的なコネクションを活用して社内の人間に紹介をしてもらい入社することに対して、緑故入社は血縁関係や婚姻関係などの特別な繋がりや関わりがある人間による紹介で入社することです。

つまり、コネ入社と縁故入社は紹介をしてもらう対象と血縁関係などの有無で使い分けられますが、意味合いは同義です。

コネ入社は違法か

コネ入社は通常の選考ルートから就職するため、違法ではないのかと疑問に思う方もいるでしょう。

実は、コネ入社には法律の規定はありません。性別による雇用の差別(男女雇用機会均等法)や年齢による差別(雇用対策法)といった法律に触れない限り、会社の裁量で採用活動を行う自由があります。

しかし、公務員になると話は変わります。

公務員は、国家公務員法によって「社会的身分・門地による差別の禁止」「丹生力の実証に基づく採用の推奨」が記載されています。こういった趣旨から、公務員のコネ入社は禁止されているといえます。

コネ入社のメリット・デメリット

コネ入社にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。メリットばかりに目が行きがちですが、入社した後に後悔をしないためにもしっかりとデメリットについても認識をすることが大切です。

ここではコネ入社におけるメリットとデメリットを会社目線と本人目線の2つに分けて、紹介していきます。

コネ入社のメリット

【会社目線のメリット】

  • 応募者の人格や能力を事前に把握できる
  • 採用コストがかからない
  • 辞めない人材の確保

以上が会社目線のメリットです。

紹介によって採用コストをかけずに応募者の能力や人格を把握できることや紹介経由で入った手前、入社後に簡単に会社を辞められてしまうリスクが低いことがメリットになります。

【本人目線のメリット】

  • 採用される可能性が極めて高い
  • 就職活動をせずに入社できる
  • 出世ルートが見えている

以上が本人目線のメリットです。

社内・社外の関係者による紹介で採用される可能性が極めて高いや、大した労力もかけずに就職活動が終わることや入社後の出世がある程度見えていることがメリットです。

コネ入社のデメリット

【会社目線のデメリット】

  • 問題があっても解雇しづらい
  • 特別配慮が必要になる
  • 組織全体のモチベーション低下

以上が会社目線のデメリットです。

入社した後で問題を起こした場合に紹介者の顔がある手前、容易に解雇をすることができず常に他の社員とは異なる特別配慮が必要となります。

コネだけで実績がない人間が出世をすることで社員のモチベーションが低下するデメリットがあります。

【本人目線のデメリット】

  • 周囲からの妬みがある
  • 精神的な負担が強い
  • 簡単に辞める事ができない

以上が本人目線のデメリットです。

コネ入社である事が原因で周囲から妬みや嫉妬の目があるのは間違いありません。

常に色眼鏡で見られるので結果が出せず、何か失敗をしようものなら強烈な精神的負担を強いられます。紹介者の顔がある手前、簡単に会社を辞めることはできません。

コネ入社が多いと噂の業界とその理由

時代が進み、平等が強く謳われている世の中ではありますが、2020年現在でも一部にはコネ入社が多い業界が存在します。ここではコネ入社が未だに多い業界を紹介すると共にコネ入社が多い理由も合わせて紹介していきます。

テレビ業界

テレビ業界は毎年、入社の時期になると政治家の息子がテレビ局に、人気歌手の息子がアナウンサーになったなど、コネ入社が大々的に報道されるシーンを目にすることがあります。これは対外的な関係性を強固にしたい理由からです。

政治家の息子を入社させることで親の政治家に恩を売ることができ、永田町との関係を構築し、音楽業界であれば親の人気歌手に恩を売ることができ、音楽業界との密接な関係を構築することができます。

このようにテレビ業界は番組を作る上で欠かせない業界との密接な関係を作るためにコネ入社が多いのです。

広告業界

広告代理店もコネ入社が多い業界です。というのもコネ入社によって自社のビジネス基盤を強固にできる理由からです。

仮に大手食品メーカーの役員の息子を入社させるだけで新商品宣伝のための数億円の広告宣伝費をなんの苦労もなく自社の手にすることができます。

仮にこの数億円の案件を自力で手にしようとすると相当の労力とコストがかかります。

しかし、コネ入社をさせるだけで簡単に大きな案件を取ることができます。しかも企業は常に広告を出しているので1人のコネ入社でその企業との強固なパイプが構築されるので、コネ入社はメリットしかないのです。

(業界問わず)体育会

コネ入社が多いのは体育会系も同じです。理由として体育会系の社員が信頼して推薦する後輩は質が高く、会社側もわざわざコストをかけて取れるか分からない募集者を調査・選考するコストが軽減されるのが魅力だからです。

体育会系は昔から就活で優遇をされており、その理由としては根気強い、忍耐強いなど精神力が評価されています。

厳しい練習や環境を共にした人間からの紹介でその人の性格や能力を社内の紹介者が身を持って把握していることもあり、会社としては信頼たり得る人間という保障が取れるのも体育会系でコネ入社が多い理由です。

コネがない人がコネ入社する方法

以下ではコネを持たない人がコネ入社をするための方法を紹介していきます。

OB・OG訪問の場で自分が信頼たり得る能力を持つことを証明する

大学でOB・OGがいないかを確認し該当者がいた場合、時間をもらって自分が人事部に紹介すべき人材であることを証明することが手っ取り早いです。後輩からの熱心が伝われば、先輩として動いてもらえる可能性があります。

また、一対一でOB・OGと話すことで、相手にも覚えてもらいやすくなります。ただし、悪い印象も同時に記憶に残りやすくなるため、言葉遣いや清潔さなどに気を付けましょう。

インターンシップの場で目を見張る成果を出す

OB・OGがいないのであれば、会社の人間が集まる場所で注目を集める必要があります。インターンシップは能力のある学生の青田刈りのようなものなので、周りから頭1つ抜き出ることで声がかかることがあります。

説明会や企業訪問で社員との繋がりを作る

OBもいなければ、インターンシップもないのであれば、企業の人間と会える場所でアピールをすることです。ポイントは他の応募者とは違う、もっと話をしてみたいと思わせることです。他とは違う観点の鋭い質問をするなどが効果的です。

このようにコネは自分で作ることが可能です。労力のかかる作業ですが、実を結ぶことで内定を取る確率が大きく上昇します。

コネ入社をしたらお礼はきちんとする

コネ入社ができたら、必ず紹介者や口添えをしてくださった方にお礼をする必要があります。その人のおかげで内定を取れたということを忘れてはいけません。最後まで礼儀を重んじることが大切です。

お礼の方法としては、まずは手紙を送ることです。電話ですればと思うかもしれませんが、わざわざ手紙を自分の手で書くことによって、先方にもあなたの誠意が伝わるので必ず手紙でお礼を伝えるのが大切です。

入社後も少なからず何らかの形で関係が続いていくので、お中元やお歳暮を送るのも1つの手段です。小さいことですがこれらの積み重ねが信頼を作り、入社後のあなたの出世にも影響するやもしれません。

コネ入社をした人の末路

入社までは何の問題も起こりませんが、コネ入社した人は入社後に入社方法の違いから多くの問題に遭遇します。

なぜなら、周りの人はコネを使わず、就職活動を乗り越えて入社した人間ばかりだからです。ここではコネ入社をした人を待ち受ける末路を紹介していきます。

高確率でコネ入社だとバレる

コネ入社はどんな手を打とうと必ずバレてしまいます。あなたの配属先の上司は間違いなくコネ入社の件を知らされます。人の口に戸は立てられぬということわざがあるように必ず、コネ入社の情報は必ず漏れてしまいます。

上司が誠実な人で情報をもらさなくても、総務部や人事部にはあなたの情報が保管されているので、どこかから漏れてしまう可能性は十分にあります。

コネ入社だとバレる前とバレた後では同期しかり、上司の接し方が変わることは間違いありません。

「コネ入社=無能」と思われやすい

コネ入社は無能だという偏見があります。これはコネ入社をせずに厳しい就活を乗り越えて入社した人からすると大した能力や努力もないのに親の力で入社した人だという考えがあるために無能だと思われてしまうのです。

そして、仮にコネ入社をした人が仕事の覚えが悪かったり、仕事で結果を出せないことがあると、「やっぱりコネ入社は大したことない」、「所詮、親の力で入った無能な人」というような判断をされてしまいます。

コネ入社だと嫌われる可能性が高い

就活で楽をしてしまったが故にコネ入社は嫌われます。就活をくぐり抜けた同期は就活を共に乗り越えた結束がありますが、その輪の中にあなたは入れないので、よそ者扱いをされることもあります。

そして仮にあなたが実力を示して出世をしても、「努力しなくても親のおかげで勝手に出世できる」、「辛いことをせずにあいつは出世」など勝手に嫌われていきます。

職場でもコネ入社の人に変な話をすると告げ口をされるなどと勝手に思われて、職場で孤立する可能性もあります。

コネでも落ちることはある

コネがあるから必ず入社できるとは限りません。

確かに、紹介者の企業での立ち位置によっては面接がすべて免除で内定が確実にもらえるということもあります。

しかし、紹介者が企業内で高い立ち位置でなければ、「一次選考がパス」「最終選考までスキップ」といった具合に、一部だけが免除されるということもあります。

そのため、いくらコネがあっても大切なのは自分自身の力ということが言えます。

まとめ

コネ入社には良い面よりも悪い面の方が多いという印象を受けます。コネ入社であるが故に多くの悩みや苦痛を背負いながら過ごすことになるので、悲惨な会社人生を過ごすこともあります。

本記事を読んで、コネ入社の良い面と悪い面を理解した上で、コネ入社をするかしないかの判断をしてもらえれば幸いです。

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