協調性について、自分の長所と捉える人もいれば短所と捉える人も多いでしょう。実際、協調性が高いことは時に短所となる場合もあるため、自己PRとして使う際には十分注意が必要です。この記事では、協調性を身に着ける方法や、選考での協調性のアピール方法を説明します。
協調性が高い、協調性がないといった表現は、多くの場合人を評価する時に使われます。「協調性」とは具体的にどんな能力なのでしょうか。就職活動においても良く使用される言葉の為、正しく意味を理解しておきましょう。
意味
互いに協力し合うこと。特に、利害や立場などの異なるものどうしが協力し合うこと。「労資が協調する」
引用元:goo辞典
仕事で言うと、年齢や立場の違う人とも協力し、上手く折り合いをつけながら業務を遂行していくことが出来る力と言えます。
類語
「協調」の類語として、以下の様な単語が挙げられます。
- 協力
- 団結
- 譲歩
- 調和
- 連携
「協調性を重視する」と言えば、物事の間の釣り合いを大事にすることを意味し、 調和を重視する、和を重んじるといった意味で使われます。
また、協調性がある事のイメージとして、以下の様な印象を持つ人も多いでしょう。
- 物分かりがいい
- 平和主義
- 優しい
- 従順な
- 気が弱い
- おとなしい
- 争いを好まない
英語表現
「協調性」は英語で「cooperativity」と表現します。形容詞にすると「cooperative(協力的な)」となり、「協調性がある」は、「I have a cooperative personality」もしくは、「I am cooperative」と表現することが多いです。
「彼は協調性がない」を表現する時は、「he lacks cooperativeness」など、協調性に欠けると表現したり、「get out of line」など、ルールに従わないという表現で表すこともあります。
引用元:英和辞典・和英辞典 – Weblio辞書
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
「協調性」を長所に感じる人とは
協調性は、「他人にどれだけ関心があるか」という指標になるものと言われています。また、チームワークと言い換えることもでき、他人を思いやり、歩調を合わせて進むことができる性質を表します。以下では、協調性の高い人の長所や短所について解説します。
特徴
協調性が高い人は、共感能力が高いと言えます。他人の感情を読み取る能力であったり、相手が求めている物を察知する能力が高い為、空気が読める人といった印象を持たれます。
また、自分よりも他人を優先してしまう行動が多く、他人に尽くすことを好む人が多いです。
長所
協調性のある人はよく周りを見ている為、空気を読んで行動、発言することが得意です。 また。 社交的な性格な人が多く、様々なタイプの人と積極的に関わりを持つことが出来ます。
穏やかで場の雰囲気を乱さないように周りを気遣いつつも、洞察力が非常に高い為、比較的短時間でその場の人間関係を瞬時に見抜くことができます。
短所
空気を壊さないようになんでも受け入れてしまう為、はっきり断れない性格の人が多いです。 時には八方美人に見られることもあるでしょう。
また、周りの人の意見を聞くことは得意ですが、自分から意見を発信していくのは苦手です。 受け身で自分を持っていないという印象を与えてしまう事があります。
向いている仕事
共感能力が高い為、他人と深い関係性を築く仕事や、他人に尽くすことの出来る仕事が向いています。そのため、接客業、看護師、介護士、医師、カウンセラーなどの仕事では長所を存分に生かすことが出来るでしょう。
相手の気持ちを汲んだ行動や発言ができるので、営業としても活躍しやすいです。顧客から愛される人材になりやすいです。
「協調性」を短所に感じる人とは
協調性が高いということは、日本では利点としてとらえられることが多いです。しかし、協調性が高いということは自分の意見を持っていないという印象も強く、海外では特に長所として認識されていないことも事実です。以下では協調性がない人の特徴を解説します。
特徴
協調性のない人は、他人に興味がない場合が多いです。自分は自分、他人は他人といった考え方で、周りの人にどう思われるかやどう見られるかについてあまり気にしない性格です。
共感能力が低く、人の気持ちが分からない人といった印象を受けがちですが、その分他人に流されないので、芯のある人と思われることも多いでしょう。
長所
他人の目を気にすることなく、情に流されるようなことも少ない為、確実に目的を達成することが出来ます。
他人に興味がない為、めったに悪口を言いませんし、お節介もありません。そういった面は非常に信頼できる人と言えるでしょう。
人の感情に流されない為、論理的思考が得意な人も多いです。その為、ロジカルな話しぶりで人を納得させやすく、問題解決能力も高いです。 また、自分の感情に正直に生きている為ストレスを受けにくいことも長所です。
短所
自己中心的で共感力があまりない為、反感を買いやすいことが短所です。他人の気持ちよりも自分の利益を優先してしまう人が多いです。
場の空気を壊してしまうような発言も行動に対しても特に気を遣わない為、チームで活動する時にはトラブルメーカーとして厄介に思われてしまうかもしれません。
全体的に他人への配慮に欠ける為、複数人で何かを行うことは苦手としています。
向いている仕事
協調性がないと言われる人は、ロジカルな考え方や冷静な判断が必要で、合理的に進められる仕事が向いています。
経営者や政治家など、情に流されずに判断をしなければならず、常に競争を求められる仕事は協調性の高すぎる人にはなかなか務まりません。
また、システム構築などものづくりに関わる仕事を選べば、論理的思考力の高さを発揮できるでしょう。自分のペースでコツコツ進められる仕事が向いています。
「協調性」を短所に感じても大丈夫
上でも説明したように、和を重んじる傾向が強い日本では「協調性がない」と言うことは短所と捉えられがちです。しかし、協調性が高い人にはない長所を持っているのも事実です。
社会人として最低限の協調性を身に着けているのであれば、協調性が低いとこによる長所やメリットをのばしていく努力をしましょう。日本人は協調性の高い人が多い為、協調性のない人は、個性的で変わりのいない人材になりやすいです。
「協調性」を身に付ける方法
協調性が高いから良い、低いから悪いとは一概に言えないということについて説明してきましたが、協調性が全くないことは仕事に大きな悪影響を与えます。企業の中で働く以上、ある程度の協調性を持ち合わせていることは必須と言えるでしょう。
方法①|挨拶を積極的にする
朝一番ので挨拶は周りのテンションを察知することもできる為、リーダーや接客業をしている人は必ず意識したい項目です。挨拶がきちんとできていれば、チームにまとまりが生まれ、プロジェクトがスムーズに進みます。
特に協調性に欠ける人はチームで行動することが苦手な為、こういった些細なところからチームに打ち解けていく事が有効です。
方法②|意識して感謝する
感謝をすることを意識的にしてみることも効果的です。親切された時に意識的に「ありがとう」とお礼を伝えるようにしている人は、そうでない人に比べて1.2倍も親切行動が増えるという研究結果もあります。
他人の行動に対して感謝をすると相手の長所が目に付くようになるため、人の為にになる行動が増えるのです。
親切な行動が増えると人間関係が円滑になります。まずは感謝することを意識してみましょう。
方法③|自分の中で限界を決める
協調性のない人の中には、「1度頼みを聞いてしまったら今後もずっと頼み事をされるのではないか」「1回飲み会に参加したら今後も参加しなくてはならないのではないか」と、それなら初めから協調しない方が良いと考える人も多くいます。
そういう風に考えてしまう人は、 自分が協調できる範囲とできない範囲をしっかり分けることが大切です。
ここまでは出来るけどここから先はできないという線引きをし、決めたらその範囲内では快く周りに合わせる努力をしましょう。
方法④|お互い様と考える
例えば仕事で仲間のミスをフォローする時など、協調性の低い人は少しイラっとしてしまう事があるかもしれません。
そんな時は「お互い様」という言葉を思い出しましょう。もしかしたら、自分の知らないところで、誰かが自分ののミスをカバーしてくれているかもしれませんし、明日には自分が何かミスを起こしてしまうかもしれません。
いざということに助けてもらえる人間関係を作ることは、仕事においてとても重要です。
方法⑤|他人に興味を持つ
他人に興味を持つことの第一歩は質問をすることです。人と話している時に、どんな質問をするか考えながら相手の話を聞きましょう。それだけで相手の話を聞く態度が大きく変わります。
協調性がない人は、自分の考えが正しいという思い込みが強い傾向が強く、視野が狭い人が多いです。自分の視野を広げるつもりで質問をする癖をつけましょう。
「協調性」をテーマにした自己PR例文
自己PRする際には、協調性が高いことをマイナスイメージに受け取られないように注意する必要があります。指示待ち人間、自分の意見がないなどと判断されてしまう可能性もあります。つまり、自己PRで協調性について話す場合は、主体性と協調性のバランスを意識することが重要です。
例えば以下の様な文章が使えるでしょう。
所属しているサークルでは、準備期間が限られた中でイベントを成功させるため、自ら業務の効率化や分担を提案しました。なかなか会えないメンバーともこまめに連絡を取ることでメンバーと団結して良いイベントを作り上げることが出来ました。
4年間続けたアルバイトでは、店舗での売り上げ目標が掲げられていました。私は他のアルバイトのメンバーの考えを尊重しながらも、思いついたアイデアや気になった点を伝えることを大切にしました。その結果、全員で試行錯誤しながら目標を達成することが出来ました。
場面別|「協調性」をアピールするためのポイント
協調性の高さは、経団連が企業に対して行ったアンケートで、選考に当たって特に重視する点の項目として多くの企業が重要と答えています。協調性がある事を上手くアピールできれば高評価を得られる可能性も大きいということです。
引用元: 2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果
ES・履歴書
エントリーシートや履歴書では、相手にとって読みやすいことを一番に考え、文の初めにアピールポイントを簡潔に記載します。そして、裏付けとなるエピソード、その時の状況や具体的に自分がとった行動を説明する文章を書きます。
特に、協調性をアピールしたい時は、このエピソードの部分をしっかり記載することが重要です。「私は協調性があります」と率直に記載するのは避けましょう。
グループディスカッションなどで協調性が低いと評価されれば、ESと矛盾していることがすぐにバレてしまいます。協調性があることを裏付けるエピソードをしっかり記載し、信憑性を高めることが大切です。
個人面接・集団面接
面接でも、文章で伝えるときと同様に、結論から伝えることや具体的なエピソードを伝えることがポイントです。
3分間で自己PRをしてくださいといった課題に備えて、言いたいことを全て言えるように伝えたいエピソードはしっかり整理しておきましょう。
また、集団面接ではその場の空気を読んで、自分ばかりが長く話さないようにしたり、入退室の際に他の人に気を配ったりといった所作も協調性のアピールになることもあります。
グループディスカッション
グループディスカッションでは各々の協調性の高さがはっきりと表れます。もちろん面接官も、就活生がどれだけ他人の意見を取り入れた上で議論を深めることが出来るかを一つの評価軸として見ています。
周りの意見を聞かない人や 他人の意見の批判ばかりする人は、まず評価されませんが、自分の意見が言えない、話に参加できないというのも論外です。
グループディスカッションでは、積極性と協調性のバランスをとることが大切です。相手の意見をしっかり聞きつつ自分の考えも発信していきましょう。
まとめ
今回は、就職活動で重要視されがちな能力の一つである「協調性」について説明しました。協調性が高いことは時に短所となる場合もあるため、自己PRとして使う際には十分注意が必要です。
しかし、協調性は企業が評価のポイントとして重要視している部分でもある為、上手にアピールできるようにしっかり準備しておくことが大切です。