非上場とは|優良企業や資金調達手段を解説します

非上場企業は東証1部・東証2部のような株式市場に上場していない企業のことを言います。この記事ではそんな非上場企業の特徴・資金調達手段・メリット・デメリットなどを紹介します。企業で働く上での常識なので、就活生はこの記事を通してその特徴を理解しておきましょう。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

非上場とは

「株式会社」の中には上場している企業と上場していない(=未上場)企業があります。

投資や企業形態に詳しくない方からすると「株式会社=上場企業」と思われる方もいるかも知れませんが、必ずしも上場しているわけではありません。

ここでは未上場の株式会社についてその特徴を概観してみましょう。

目次

非上場とは株式未公開のこと

非上場(=未上場)企業とは、株式を証券取引所に公開していない企業のことを言います。まず、日本では上場企業は下記の証券取引市場のどこかに自社の株式を公開しています。

  • 東証1部
  • 東証2部
  • マザーズ
  • ジャスダック

「上場企業」と言われる企業は、もれなく上記の4つのどれかに自社株を公開しています。その一方で、「非上場(未上場)」企業は上記のどこにも自社株を公開していません。

そのため、非上場企業の株式は外国人投資家や個人投資家などから売買されることはほぼありません。

上場との違い

上場企業と非上場企業の違いには以下の4つのポイントがあります。

  • 証券取引所に上場しているかどうか
  • 株式の所有者
  • 経営の自由度
  • 買収リスクの高低

証券取引市場に上場しているかどうかは、上場・非上場企業の違いの大前提となります。その他の3つの項目は、「会社の経営権・所有権」を示す株式の保有率によって上場・非上場企業に違いが出る項目です。

非上場企業は上場企業のように自社株を一般に公開していないので、株式の所有権は完全に経営者(企業側)にあります。そのため会社の所有者は経営者となり、自社の経営方針は完全に社長が決定でき、株の大量購入による買収リスクもありません。

非上場企業の資金調達手段

次は非上場企業の資金調達手段を紹介します。

前の見出しで株式は「会社の経営権・所有権」を表すものと紹介しましたが、この経営権・所有権は企業から株式を購入すること(出資)で手に入れられます。

しかし、企業の資金調達方法は株式の売却以外にも方法があります。ここでは非上場企業の資金調達方法を大きく2つに分けて見てみましょう。

株式

非上場企業の資金調達方法の1つ目は株式の売却です。非上場企業が株式の売却によって資金調達するためには以下の2つの方法があります。

  • ヘッジファンドなどの機関投資家への株式売却
  • 個人投資家への売却
  • ベンチャーキャピタルへの売却

「株の売買は上場企業のみが出来る」と考えている方もいるかも知れませんが、そうではありません。株の売買は非上場企業でも行うことは出来ます。しかし、上場企業との違いは「株式を売却できる相手」にあります。

非上場企業は市場で株式が公開されていないので、自分で売却先を探したり直接売却に関する話を持ちかけられない限り売買には至りません。ベンチャーキャピタルは将来性のある小規模企業へ積極的に投資しているので、非上場企業も資金調達しやすいです。

借入

非上場企業が資金調達する2つ目の方法は「借入」を行うことです。専門的な言い方では「融資」とも言いますが、非上場企業が借入(融資)を受けるには下記のような機関に融資の相談をしてみましょう。

  • 銀行
  • 日本政策金融公庫(地方自治体)
  • エンジェル投資家

銀行は最も一般的な借入先です。銀行は、個人口座に集めた資金を企業などに貸し付けて、その利子で利益を上げています。また日本政策金融公庫は、銀行に比べて融資の審査が緩く、地方自治体を介して融資を行っている場合もあります。

エンジェル投資家は創業から日が浅く、将来性のある企業に対して比較的寛容な基準で資金を提供してくれます。事業計画やマーケット分析を行った上で成長性の高い事業を行っている場合は、低利子や無利子での資金調達が可能な場合があります。

非上場企業のメリット・デメリット

次は非上場企業であることのメリット・デメリットを見てみましょう。

一般的には「上場企業=優良企業」というイメージがありますが、経営の自由度・企業イメージなど様々な点から考えて、上場が本当に会社にとってメリットなのかデメリットなのかは変わります。

ここでは企業側の視点・労働者側の目線から、非上場企業であることのメリット・デメリットを見てみましょう。

企業の視点

まず企業側の視点から、非上場企業であることのメリット・デメリットを2つずつ確認します。

メリットは経営の自由度と財務の安定性、デメリットは資金調達の自由度と経営体制から考えられます。

メリット①|経営戦略・方針決定の自由度が高い

非上場企業であることの1つ目のメリットは、経営者が経営戦略や企業としての方針を自由に決められることです。

上場企業になると毎年株主総会が実施され、定期的に自社の経営方針・戦略などを株主に対して発表し、その戦略の是非を問う必要があります。株主総会で経営陣の考えが否定されれば戦略を変えざるを得なくなります。

一方で、非上場企業の場合は企業側が株式を保有しており、経営方針について株主から意見を言われることはありません。多数の意見を聞き入れる機会が無いというデメリットはありますが、自分が信じた方針を断行できるという自由度はあります。

メリット②|財務が安定しやすい

非上場企業の2つ目のメリットは財務が安定しやすいという点です。

株式を上場すれば自社の株式が一般に公開されているので、株式市場が開場している間いつでも自由に資金調達することが可能です。ただし、株式は将来の経済の先行きや投資家の噂でも売買されてしまうので、自社にとって悪い情報が流れると株は売られます。

一方で、非上場企業の場合は「思惑」で動く投資家に自社株を保有されておらず、株の売却先も自社の事業を信じて株を購入してくれます。そのためちょっとした事業環境の変化では株を手放すことも少ないので、財務が安定しやすくなります。

デメリット①|資金調達の自由度が低い

非上場企業であることの1つ目のデメリットは資金調達の自由度が限られることです。

上場企業は不特定多数の投資家に自社の株式が公開されているので、上場している株式市場が開場している間はいつでも資金調達することが可能です。

その一方で非上場企業の場合は株の売却によって資金調達する場合は自ら売却先を探さなければなりません。株の売却以外でも、銀行やファンドなどにプレゼンをして融資基準をクリアするなど、資金調達にかかる時間が長くなります。

デメリット②|ワンマン経営から抜け出しづらい

非上場企業であることの2つ目のデメリットはワンマン経営から抜け出しづらいことです。

非上場企業は経営の自由度があるというメリットがある反面、企業の「公共性」が上場企業に比べて低いため、意思決定が一人の経営者に集中しやすくなります。

健全な経営をする社長であれば非上場企業であることはメリットになります。しかし、経営者としての能力や資質に問題がある場合は職場環境・成長性にも響くため、非上場企業であることがデメリットになってしまいます。

働く人の視点

次は働く人の目線から非上場企業であることのメリット・デメリットを見てみましょう。

こちらもメリット・デメリットそれぞれを2つの特徴から見てみます。

メリット①|組織体制・経営戦略が変わる可能性が低い

非上場企業で働く1つ目のメリットは経営体制・経営戦略が変わる可能性が低いことです。

上場企業の場合には株主の意見に応じて戦略の変更を求められることもあり、それに応じて組織体制が変わることもあります。

一方で非上場企業の経営の決定権は完全に会社の社長にあります。社長が経営戦略を変更しない限り、現状の戦略やその戦略に合わせた組織体制が変わることは少ないので、社員が振り回されることも少なくなります。

メリット②|キャリアアップできる可能性が高い

2つ目のメリットはキャリアアップできる可能性が高いことです。

これは特に、これから上場を目指すような企業である場合のメリットです。まだ社内の体制が未熟であったり、管理職候補者の積極的な育成の機会などが与えられることもあります。

上場する場合は各株式市場の審査基準をクリアする必要があり、上場後の企業の成長性を維持して投資家から継続的に資金調達出来るために社内体制の強化が行われます。なので、積極的に人材育成が行われ、管理職に登用される可能性もあります。

デメリット①|上場企業と比べて社会的ステータスが低い

非上場企業で働く1つ目のデメリットは上場企業と比べて社会的ステータスが劣ることです。

上場企業は社会の公器性やブランドとしてのイメージが定着していることが多く、そこで働けることは、他の非上場企業の社会人から羨ましがられます。特に東証1部・東証2部は審査基準が厳しいので、その企業で働けることは高いステータスとなります。

一方で、非上場企業にも優良企業・有名企業は沢山あるものの、一般的に知られていない企業が大多数なので、社会的ステータスを感じられる可能性は低くなります。

デメリット②|上場企業と比べて福利厚生が劣る可能性が高い

非上場企業の2つ目のデメリットは、上場企業と比べて福利厚生が劣ることがあることです。

上場の審査基準は厳しく、株式が公開されることで社会の公器性が高まります。上場の際はその基準をクリアするために社内体制の整理が求められるので、社員に対しての福利厚生が充実します。

一方で非上場企業は企業として従業員に提供すべき福利厚生は用意されているものの、上場企業のように審査を受ける必要がありません。そのため、同業の上場企業と比較して福利厚生はやや劣ることもあります。

非上場の優良企業

非上場企業でも有名企業・優良企業とされる企業は沢山あり、具体的には以下のような有名企業があります。

  • サントリー
  • 竹中工務店
  • JTB
  • ロッテ
  • 小学館
  • エースコック
  • アサヒ飲料
  • 日本IBM

この他にも沢山の有名非上場企業がありますが、ここでは会社四季報を出版する東洋経済新報社のオンライン記事で紹介されている、未上場でも初任給が高い企業の情報を元に3つの優良企業を紹介します。

①アビームコンサルティング

1つ目はアビームコンサルティングです。アビームコンサルティングは日本発の戦略コンサルティングファームで、同社HPによると以下の事業を行っています。

  • マネジメント・コンサルティング:戦略立案・M&Aなど
  • ビジネスプロセス・コンサルティング:業務・組織改革など
  • ITコンサルティング:IT戦略立案・システム開発など
  • アウトソーシング

東洋経済新報社の非上場企業の初任給ランキングでは、340,300円で1位となっています。4大卒の新卒社員の平均的な初任給は20万円前後なので、アビームコンサルティングでは非常に高額な初任給を手にすることが出来ます。

同社は総合コンサルティングということもあり、サービスを提供している業界や分野も幅広く、新社会人の頃から本質的なビジネススキルを身につけたいと考えている方にとっては働く価値のある企業と言えます。

②シンプレクス

2つ目はシンプレクスという会社です。同社では金融機関の収益業務に関わるシステムのコンサルティングやシステムの開発・保守・運用を行っています。同社の事業内容は以下の6つに分かれています。

  • 銀行ソリューション
  • 証券(ホールセール)ソリューション
  • 証券(リテール)ソリューション
  • FXソリューション
  • 仮想通貨ソリューション
  • 保険ソリューション

上記のようにシンプレクスでは金融業界に関わる幅広い分野で、取引に必要なシステムの開発や取引を行う上で必要な環境構築などを行っています。

ITに関する知識を持っており、更に金融関係の業務にも興味がある学生にとっては高給を得ながら経験を積める企業です。 

③八王子薬剤センター

3つ目の会社は八王子薬剤センターという会社です。同社は保険薬局として事業を行う企業で、以下の6つの事業を行っています。

  • 調剤業務
  • 一般用医薬品販売業務
  • 在宅業務
  • 医薬品情報提供業務
  • 薬学生教育研修業務
  • 試験研究業務

初任給は301,440円と非常に高給を得られる企業です。こちらの企業では主に薬学部出身の学生に対してのみ新卒採用を行っているので、選考を受けられる学生は限られます。

選考では面接の他に小論文の提出もあるので、しっかりと就活の対策をする必要があります。入社後は学会への参加や研修制度も充実しているので、医薬品関係の仕事に就きたい学生には良い企業と考えられます。 

まとめ

この記事では非上場企業の特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。

この記事で紹介したとおり上場・非上場によって、その企業で働くメリット・デメリットもありますが、この特徴は一般的な特徴でもあります。

上場・非上場企業の特徴も理解した上で、就活の時には実際にそれぞれの企業の経営体制や福利厚生がどうなっているのかもしっかりと分析するようにしましょう。

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