伊藤忠商事は総合商社の中でも特に勢いがあると言われ、毎年就活生が殺到する超人気企業です。伊藤忠商事の採用選考を受けようと考えている人も多いのではないのでしょうか。本記事では伊藤忠商事の採用や選考に関する情報を紹介します。総合商社志望なら、ぜひ参考にしてください。

伊藤忠商事は総合商社

伊藤忠商事は日本の総合商社の中で売上2位を誇る企業です。かつては繊維商社として世界最大規模だったこともあり、現在も繊維をはじめ、非資源分野のトレードに強みを持っています。

繊維部門では「ポールスミス」「コンバース」などのブランドや、食品部門ではバナナの「ドール」「ファミリーマート」、飲料水の「エヴィアン」を取り扱っています。

また、単体従業員数が五大商社（伊藤忠商事・三菱商事・三井物産・住友商事・丸紅）の中でも最小にもかかわらず、利益率が高いことでも有名です。採用スローガンにもある通り、社員1人ひとりが「自分ゴト」の仕事に取り組める環境があります。

東洋経済オンラインでは2019年上半期の決算では伊藤忠商事の利益率が業界1位の三菱商事を上回っていたことが報じられています。

以下は2018年度の有価証券報告書を基に作成した伊藤忠商事の基本情報です。

伊藤忠商事の採用情報

伊藤忠商事の採用情報について以下で紹介します。

• 伊藤忠商事の募集職種
• 伊藤忠商事の採用人数と採用大学
• 伊藤忠商事が求める人物像
• 伊藤忠商事の選考フロー

上記4つの項目について詳しく説明するので、選考を受ける前に各項目を把握しておきましょう。

伊藤忠商事の募集職種

伊藤忠商事の募集職種は以下の2つです。

• 総合職
• 事務職

以前の総合職では配属先を事前に決める採用選考もありましたが、現在は廃止されています。配属は内定後に、本人の希望を考慮しつつ、人事・総務部によって決定されます。

伊藤忠商事の採用人数と採用大学

伊藤忠商事の総合職の採用人数の過去実績は以下の通りです。理系出身学生の採用比率が少しずつ増えてきているのが分かります。

参照：伊藤忠商事新卒採用HP

また、伊藤忠商事の事務職の採用人数の過去実績は以下の通りです。

参照：伊藤忠商事新卒採用HP

また、現役の伊藤忠社員・役員の家族は選考を受けることができない決まりとなっているので注意しましょう。伊藤忠商事の中で、採用の多い大学は以下の通りです。

• 東京大学
• 京都大学
• 一橋大学
• 早稲田大学
• 慶應義塾大学
• 大阪大学
• 神戸大学
• 同志社大学

他にも関関同立やMARCH、地方国立出身の学生も存在しますが、上記大学と比較すると狭き門となります。

商社によっては東大や早慶などの学生が多い、いわゆる学閥が存在していますが、伊藤忠は比較的採用大学に多様性があります。

伊藤忠商事が求める人物像

伊藤忠商事は「非財閥系の雄」「体育会系」と言われており、タフに働くことができる人物が求められています。

また、総合商社のビジネスは多大な人数を巻き込んで行われます。一人一人の社員と協力するチームワークのある人、新たな着眼点で発想・提案ができる人、正解やノウハウがなくても諦めずにビジネスに立ち向かい続けることができる人こそ伊藤忠商事が求める人物像だと言えます。

伊藤忠商事の選考フロー

インターン参加者以外は、基本的には通常選考が6月1日から始まります。伊藤忠商事などの総合商社は人気があり、その分優秀な学生が集まる傾向にあります。そのため、早くから内定を出して囲い込む必要がないからです。

ESを期限内に提出すれば、あとは6月1日を待つのみです。その間にOB訪問をできる限りして伊藤忠商事への理解を深めておきましょう。

伊藤忠商事志望者の併願先企業

伊藤忠志望者の併願先としては、以下の2パターンが目立ちます。

• 商社
• 伊藤忠の関連会社

七大商社

伊藤忠商事を志望する学生は、「七大商社」を併願する傾向にあります。「七大商社」は冒頭で紹介した「五大商社（伊藤忠商事・三菱商事・三井物産・住友商事・丸紅）」に双日と豊田通商を加えた呼称です。

「海外で働く機会が欲しい」「商社のステータスに憧れる」「たくさん働いてたくさん稼ぎたい」という学生が伊藤忠商事を志望する傾向にあるため、同業種である七大商社全てを併願する場合が大多数です。

伊藤忠商事の子会社・関連会社・グループ会社

また、「繊維分野に携わりたい」「エネルギー関連の仕事がしたい」と考えている学生は伊藤忠商事のグループ企業を受けることもあります。グループ企業として以下のような会社が挙げられます。

• 伊藤忠エネクス株式会社（エネルギー）
• 伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社（化学品・医療品）
• 伊藤忠建材株式会社（建材）
• 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社（鉄鋼）

以下の記事では伊藤忠商事の子会社の年収や社風について解説しているので、参考にしてみてください。

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伊藤忠商事の特徴

伊藤忠商事にはどのような特徴があるのでしょうか。伊藤忠商事の特徴的な強み・弱みを以下で紹介します。

強み｜非資源分野が主な収益源

伊藤忠商事は繊維や食品カンパニーに強みがあり、国内事業が太い点に特徴があります。そのため気候や世界景気変動、各国の事情などに事業を左右されにくく、安定した収益を出することができています。

2019年上半期は伊藤忠商事の純利益が業界1位の三菱商事を上回ったと前述しましたが、これは伊藤忠商事の事業が伸びたと言うよりも三菱商事が大幅減益になった影響の方が強いと言えます。

三菱商事はエネルギーや自動車分野の収益が大きく、原料炭の価格高騰や世界的な自動車市場の不振が大打撃となりました。一方で伊藤忠商事は手堅く着実に、日本国内で安定した事業を積み上げていると言えます。

弱み｜巨大な投資へのリスク

伊藤忠商事は非財閥系の総合商社であり、「確固たる資産がない」と言われています。そのため、財務基盤は他の財閥系の総合商社と比べると比較的弱いことがうかがえます。

伊藤忠商事は近年事業投資の割合を増やしており、巨額の資金を投資に回しています。しかし、投資がうまくいかずに大幅な減損となると、現在の社員数や年収水準を維持できなくなるとの懸念があります。

また、現在はエネルギー部門の割合が少ないことが功を奏しているものの、資源価格が上がればエネルギー部門に注力している財閥系の総合商社から大きく引き離される可能性も十分に考えられます。

伊藤忠商事のさらに詳しい情報

伊藤忠商事の選考を受けるにあたって、仕事内容やキャリア、年収や将来性について詳しく知りたいと思うかもしれません。

下記でキャリアに関する記事、年収について解説した記事を紹介するのでこちらも併せて伊藤忠商事の企業研究に役立ててください。

伊藤忠商事の仕事・キャリアを知りたい方

伊藤忠商事の仕事は総合商社のイメージ通りハードです。若いうちから仕事をどんどん任され、海外駐在の機会も与えられるでしょう。

一方で、伊藤忠商事は総合商社の中でも朝方勤務を推奨したりと働き方改革も進んでいます。以下の記事では伊藤忠商事の仕事内容やキャリア形成について詳しく解説しているので、参考にしてください。

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伊藤忠商事の年収・将来性を知りたい方

伊藤忠商事は年収が高いことで知られています。東洋経済オンラインの平均年収「全国トップ500社」ランキングでは11位にランクインし、一般職を含んだ数字にもかかわらず、平均年収が1,460万円となっています。

伊藤忠商事はIT関連や事業投資なども積極的に進めており、今後はより事業が多角的になっていくでしょう。将来性も明るいと言えます。年収・将来性に関しては以下の記事でより詳しく説明しています。

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伊藤忠商事の社長を知りたい方

伊藤忠商事の歴代社長は、世間的にも有名な方が数多くいます。元中国大使を務め、自身の仕事の流儀や社長観を記した著書も多数ある丹羽宇一郎氏や、伊藤忠商事をナンバー2の商社に押し上げた岡藤氏など、曲者ぞろいです。

そんな中、2019年に新たに鈴木社長が就任し、話題を呼びました。新社長の経歴や考え方、そして歴代社長についても知識を深めたい方は、ぜひ以下の記事を一読してみてください。

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伊藤忠商事の志望動機のポイント

伊藤忠商事を受ける学生は、前述の通り七大商社全てを受ける傾向にあります。

• 「伊藤忠商事と他の総合商社との違いを理解できているのか」
• 「伊藤忠商事でないとできないことがあるのか」

上記の2点が重要な差別化のポイントとなるでしょう。

しかしながら伊藤忠商事のエントリーシートには、30文字程度で回答できる設問が多い代わりに、数百文字の志望動機を書く項目がありません。

そこで伊藤忠商事では、「OB訪問」を志望度の高さとみなす傾向にあります。OB訪問を受けた社員が学生の評価を人事部に送っているという噂もあります。本気で伊藤忠商事に受かりたいなら、OB訪問に注力し、行動で志望度をアピールしましょう。

まとめ

伊藤忠商事は業界2位の総合商社であり、今最も勢いがあると言っても過言はありません。その分就活生からの人気も高く、有名大学から多くの学生が毎年選考を受けています。

伊藤忠商事の選考を左右するのは企業研究の深さです。そのために最も有効な手段がOB訪問だと言えます。6月1日の選考開始まで、OB訪問をなるべくたくさんしておくことをおすすめします。