仕事では、地頭がいい人の方が活躍できますが勉強で鍛えることは可能なのでしょうか。子供の頃に、クイズなどで勉強をしたかで地頭の良し悪しが決まるとも言われています。そこで本記事では、まず初めに地頭とは何かと地頭の良い人の特徴をご紹介します。続いて、地頭の悪い可能性がある人や鍛え方もお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
地頭とは
就活中の学生の皆さんにとって、「地頭」という言葉は聞きなれないかもしれませんが、コンサルティング業界をはじめとして社会人ではよく耳にする言葉です。
以下では、地頭とは何かをご理解頂くために3つのポイントをご紹介致します。
地頭の読み方・意味
1つ目のポイントは、地頭の読み方・意味についてです。国語辞典に掲載されているものでは、以下の2つに分類できますがどちらもビジネス上での意味とは異なります。
- 地頭(じがしら): 能楽で、地謡をする人々の統率者
- 地頭(じとう): 中世の荘園で、租税徴収や軍役に当たった管理者
このように、国語辞典に掲載されている地頭というのは、能楽や地主の管理者という意味で使用されており、仕事に関連する意味を含んでいないことが想定できます。
しかし、最近になって基礎的かつ応用範囲の広い頭の良さを表す言葉として、ビジネスでも注目を集めています。
その場合の「地頭」の意味はgoo辞書では以下のように記述されています。
大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。「地頭がいい」「地頭を鍛える」
また、この意味の地頭は英語で表すと「quick learner」と表すことができます。
今回はこのビジネスでよく使われる「地頭」についてご紹介します。
「地頭が良い」と「勉強ができる」は別観点
2つ目のポイントは、「地頭が良い」と「勉強ができる」は別観点であることです。
- 地頭が良い: 物事を漏れなくダブりなく、論理的に考えることができる
- 勉強ができる: 与えられた情報を効率的に記憶して、アウトプットに繋げられる
以上のように、地頭が良いというのは勉強ができるという意味とは異なっています。地頭の良し悪しを語る際には学校の教育の上での成績の良さや学歴などと関係がないことに注意が必要です。
また、よく聞く「IQ(知能指数)」も勉強の時に必要とされる思考速度や学習速度に影響を及ぼす要因であるため、地頭とは異なる概念です。
ビジネスシーンでは「地頭力」が注目されている
3つ目のポイントは、ビジネスシーンでは「地頭力」が注目されていることです。「地頭力」とは、論理的な思考力に加えて柔軟な発想ができる事であると定義できます。
仕事においては、あらかじめ決められた状況ではなく瞬時の判断に応じて、物事を網羅的に考察し、起こりうる状況に応じて最適な対応ができる「地頭力」が求められています。
地頭が良くなりたいと思う人は多い
前述の見出しでは、「地頭力とは何か」をご紹介しましたが、一般的にはどのように捉えられているのでしょうか。
本見出しでは、地頭に関する2つのツイートをご紹介することで、地頭が良くなりたいと考える人実情をお伝えします。
僕が1年かけて覚えた事を
数ヶ月で同じとこまで辿り着いてるのが凄い💧あっ、僕が遅いだけか。
地頭がいい人は羨ましい。
— 新人君 (@k0mek0komekome) 2020年2月11日
上記は、地頭の良い人が発揮したパフォーマンスと自身のレベル差に驚愕と尊敬を抱くツイートです。通常の人であれば、数カ月から1年もかかるとしても地頭が良い人ははるかに短い期間でこなせます。
地頭いい人と話してると、理解力と頭の中でロジックを組み立てる力が半端なく良いから、付いていけない。置き去りにされる。後天的にそういう力を育てる事も出来そうだけど、天性の人には敵わないとここまで生きてきて分かりました。
— ひーちゃん (@hisashi00) 2018年2月11日
上記は、地頭の良い人が物事を処理するスピードに圧倒される人のツイートです。生まれながらに地頭が良い人は、頭の構造自体が大きく異なっているとすら感じてしまうほど優れた成果が出せるのです。
地頭が良い人の特徴
地頭が良くなりたいと思う人は多いですが、どのような特徴のある人が地頭が良いと言えるのでしょうか。以下では、地頭が良い人の5つの特徴をご紹介しますのでご参照下さい。
特徴①|言葉を定義づけする
1つ目の特徴は、言葉を定義づけすることです。言葉の定義づけとは、曖昧な意味の言葉がどのような意味や目的で使用されるかを明確にすることで、誤解の防止に役立ちます。
- 自動車: 石油やエンジンをエネルギーとして、自走する乗員用の機械
- 自転車: 人力によって、歩行よりも早く移動ができる装置
例えば、上記のように誰もが知っている単語であっても、あえてその描写をし直すことでお互いの前提認識が同じ状態から会話ができるため、後続の会話にも役立つのです。
特徴②|互いの前提を確認する
2つ目の特徴は、互いの前提を確認することです。会話において、お互いが有している知識や経験は必ずしも同じでなく、この違いによって会話がかみ合わなくなることもあります。
地頭が良い人は、話をするにあたり相手への理解を深めるため、前提確認を行い必要に応じて追加の説明をしたり話の途中を省略して、効率的に話を組み立てることができるのです。
特徴③|目的を可視化する
3つ目の特徴は、目的を可視化することです。ビジネスにおいて、1つ1つの会話は議論や分析といった次の意思決定に繋げるためであり、行動の目的を可視化することは不可欠です。
- 店舗の過剰在庫を2週間で、40%軽減させる
- 新規顧客の獲得率を20%増加させて、売上を1割高める
例えば、地頭の良い人は上述のように何のための話や行動なのかという、目的を見える化させることができるので、周囲の人を巻き込んでの仕事にも長けているのです。
特徴④|事象を構造化する
4つ目の特徴は、事象を構造化する。事象の構造化とは、ある目標を実現するために必要となる事象をもれなくダブりなく示すことです。以下では、ダイエットをする際の例です。
- 摂取する食事の量や質を管理する
- 有酸素運動を行いカロリーを消費する
- 体内に溜まった脂肪を吸引やエステで除外する
例えば、ダイエットとは体重の減少と定義できますが、ストックとフローという視点から事象を構造化すると、上述のようにもれなくダブりなく提示することができます。
特徴⑤|提案から実行までを手順化する
5つ目の特徴は、提案から実行までを手順化する。手順化とは、過去から現在を含めて未来までの出来事を順位付けすることで、合理的に行動する準備と定義できます。
- 自己分析をする(1番)
- 業界・企業分析をする(2番)
- 就職志望先を決定する
以上は、就活において取りうる行動を手順化した例です。志望先企業を決定する前に、行うべき2つのことを考えて順位付けすることで、ミスマッチのない就活が期待できます。
その他の特徴
こちらの見出しでは、上述の5つ以外で地頭の良い人に当てはまるその他の特徴をご紹介しますので、ご自身が当てはまるかご参照下さい。
- 慣習や前歴にとらわれず自由に発想できる
- ものごとを決定して行動に移すスピードが速い
- 周囲の人を巻き込んで取り組むことが得意
以上のように、地頭の良い人には経営者となる素質が備わっていることがありつつ、さらに何らかの特に秀でた得意分野があることが一般的です。
地頭が悪い可能性がある人の特徴
前述の見出しでは、地頭の良い人の特徴をご紹介しましたが、本見出しでは反対に地頭の悪い可能性がある人の特徴を3つご紹介します。
- 前提条件や背景の説明がない
- 話が末広がりでまとまりがなく、結論が不明確
- 主張に関する根拠が無かったり、不足している
このように、地頭の悪い可能性がある人は聞き手側からして、話を理解することが難しいということが挙げられます。
聞き手が話を理解することが難しくなると、なかなか話が進まなかったり、相手が理解していないままことが進んでしまい、アウトプットが全く異なるものになる恐れがあります。
もし、このような特徴に当てはまる人は次に紹介する地頭を鍛える方法を実践してみましょう。
地頭を鍛えるためにやるべきこと
ここまで、地頭の良い人の特徴と悪い可能性がある人の特徴をご紹介しましたが、地頭の鍛え方を知りたいと感じた人もいらっしゃると思います。
以下では、地頭を鍛えるためにやるべきことを5つご紹介します。訓練によって、地頭力を挙げることは可能ですのでぜひ取り組んでください。
① 言葉の意味に気を付ける
1つ目は、言葉の意味に気を付けることです。言葉とは、コミュニケーションの基礎であるとともに、相手との会話が成立するか否かを左右する重要な要因であると言えます。
話をするにあたっては、あらかじめ使用する言葉の意味を正しく理解し、相手の知らない言葉や自分が誤って使用する言葉などが無いことを徹底しましょう。
② 相手と自分の共通認識を意識する
2つ目は、相手と自分の共通認識を意識することです。共通認識とは、会話の背景や次の行動など意思決定に繋がるポイントであり、コミュニケーションの円滑化に役立ちます。
- 議題となっている業界のトレンドや、対象企業の財務状況
- 志望する企業の採用選考フローに応じたやる事リスト
例えば、就活相談を受けたと仮定して、上述の2つを共通認識として意識することで、就活の経験値に関わらず、より効率的な話し合いができると期待できます。
③ 端的に結論から話す
3つ目は、端的に結論から話すことです。会話の手順として、結論から話すタイプと背景・理由から話すタイプに分かれますが、前者の方が圧倒的にわかりやすいと言えます。
聞き手側は、話の内容を要約して「要するに何を言いたいのか」を理解する必要性があるので、話し手としてこの点を自発的に述べることが推奨されます。
④ 結論の理由をMECEで述べる
4つ目は、結論の理由をMECEで述べることです。MECEとは、「 Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive 」という単語の頭文字をとったもので、何かを考える際に「もれなくダブりなく」を意識することを表します。理由を網羅的に述べることで結論の説得力が高まります。
仮に、「なぜ世間的に正社員という立場が重要なのか」という問いがあった場合、その結論をもれなくダブりなく述べると以下の通りになります。「重要」という言葉を「賃金・信頼性・成長性」の3つの面から解釈しています。
- 正社員の方が、フリーターよりも毎月の収入が多い(賃金面)
- 正社員として、社会的な地位が確保されている方が信頼される(信頼性)
- 正社員としてメリハリをつけて働く方が能力向上に繋がる(成長性)
⑤ 5W1Hに注意して受け答えする
5つ目は、5W1Hに注意して受け答えをすることです。5W1Hとは、英語で使用する以下6の疑問詞であり、会話においてはこれらを的確に聞き取り、答えることが必要とされます。
- What: 何を
- Why: なぜ
- When: いつ
- Where: どこで
- Who: 誰と
- How: どのように
上記の6つの観点を頭に入れておくことで、物事を確実に理解することができます。
地頭の良い人は、聞かれた質問に対して答えるという基礎ができています。さらに、何か説明する際にこの6つの観点がしっかりととらえられているので、聞き手も物事を理解しやすくなります。
地頭を鍛える際には、まずこれらの5W1Hを間違えることなく聞き答える訓練を積むことが推奨されます。
地頭を鍛えたい人にオススメの本
前述の見出しでは、地頭の鍛え方を5つご紹介しましたが、お勧めの本を知りたいと感じた方もいらっしゃると思います。
以下では、地頭を鍛えたい人にオススメの本を3つご紹介しますので、書店やネット通販等を利用して購入されてみてはいかがでしょうか。
①『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているか』
1つ目の本は、『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』という本です。この本は、世界最高の戦略コンサルティングファーム出身者が執筆した基本指導書です。
- Where、Why、Howの思考プロセスを身に付ける
- ノートにメモする事柄をもれなくダブりなく考える
この本では、上述の2点のみを習得するためのアドバイスが書かれており、文書量は単行本程度と極めて少ないですが地頭を鍛える際に最も重要で基礎力が身につくと言えます。
②『問題解決 あらゆる課題を突破する』
2つ目の本は、『問題解決 あらゆる課題を突破する』という本です。この本では、より実践的な日常業務でも使用可能な、論理的問題解決思考を紹介しています。
対象は、社会人として働いた経験が一定年数以上ある人と言えますが、1冊目の本をベースとして悩みを解決したり目標を達成する際には、とても役立つと考えられます。
③『ロジカル・シンキング』
3つ目の本は、『ロジカル・シンキング』という本です。こちらも、マッキンゼーの出身者が執筆した本ですが、より高度で発展的な内容だと分類できます。
- So what: 結論は何か?
- Why so: なぜそう言えるのか?
本を通してのメインコンテンツは上述の2つですが、解説の途中では演習問題が多数用意されています。地頭を鍛える方は、最終的な完成度確認に活用すると良いと考えられます。
まとめ
地頭とは、勉強での賢さとは異なり論理的な思考力を意味しますが、地頭の良い人はごくわずかであるため訓練によって身に付けていくことが必要だとわかりました。
また、地頭の良い人と悪い可能性のある人もお伝えしましたので、周囲の人を観察して参考になる人の考え方や話の流れを参考に、地頭を鍛えてみてはいかがでしょうか。