クラッシャー上司は、部下を潰す上司です。ターゲットに選んだ部下を正論で追い込み、退職させてしまいます。本人には自覚がないことが多いですが、周囲はプレッシャーで精神を病んでしまうこともあります。本記事ではクラッシャー上司がどういう心理で行動しているのか、またどう対処するべきかを解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
クラッシャー上司とは
クラッシャー上司とは、部下を精神的に追い詰めて潰してしまう上司です。
筑波大学の松崎一葉が自著「クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち(PHP 新書)」で、部下を潰す上司を「クラッシャー上司」と呼称したことで広まりました。
最近Twitterなどで目にすることが増えた言葉です。
クラッシャー上司の特徴と心理
従来、部下を潰す上司は「パワハラ上司」と呼ばれていました。
「クラッシャー上司」もパワハラをしているのですが、単なるパワハラ上司とは異なる点があります。
ここではクラッシャー上司の特徴と心理を見ながら、クラッシャー上司が単なる「パワハラ上司」と、どのように異なるのかをご説明します。
クラッシャー上司の特徴
まずは、クラッシャー上司の特徴をご紹介します。
特徴①|個人の能力が高い
クラッシャー上司の特徴は、仕事がズバ抜けてできることです。単なるパワハラ上司であれば、仕事ができるかどうかは関係ありませんが、クラッシャー上司はとにかく仕事ができます。
上からは評価されますが、問題は部下の気持ちが理解できないことです。自分ができることは周囲もできると思っており、できないのは努力が足りないからだと思っています。
求めた成果をあげられなかった部下を強く叱責して、部下を潰してしまいます。
特徴②|プライドが高い
クラッシャー上司は、非常にプライドが高いです。自分に非があっても決して認めず、それどころか間違いを指摘した人を徹底的に攻撃して潰そうとします。
また何か問題が起こったときは、自分の評価を下げないために部下に責任を押し付ける傾向があります。責任を取らされた部下は、査定に影響が出て理不尽な評価を受けます。
クラッシャー上司は、自分のプライドのために部下を犠牲にすることをためらいません。
特徴③|部下の話を聞かない
クラッシャー上司は人の話を聞きません。自分の主張は長々と話しますが、部下の主張は一切聞き入れないのです。
部下が仕事で困ったことを相談しても解決策を示さず、自分で何とかするように指示します。
こういった対応をする理由は、クラッシャー上司自身が大抵のことを一人で何とかしてきたからなのですが、だからといって同じ対応を求められても困ります。
部下は困って精神的に追い詰められていきます。
その他の特徴
ご紹介した3つの特徴の他にも、クラッシャー上司には様々な特徴があります。たとえば、以下のような特徴です。
- 相手の気持ちを考えない
- 過去の栄光を自慢する
- 部下の悪口を言う
クラッシャー上司は、自分の能力が高いために周囲の気持ちがわかっていないことが多いです。そのため、無意識に相手を傷つける物言いをしたり、見下して悪口をいったりします。
また自分の能力の高さを周囲に示したい思いがあり、自分の自慢話をしたり、周囲の評価を下げるような言動を取ったりします。
単なるパワハラ上司と違って、能力の高さから発生する問題が多いのが特徴です。
クラッシャー上司の心理
ここまでクラッシャー上司の特徴をご紹介しました。ここからはクラッシャー上司が何を考えて行動しているのかを解説します。クラッシャー上司の心理がわかれば、普段の行動に納得がいくと思います。
心理①|自分だけが正しいと思っている
クラッシャー上司は、自分がいちばん正しいと思っています。そのため、誰の意見も聞きません。否定されても「間違っているかもしれない」と思いません。
むしろ「自分が正しいのに、相手は何もわかっていない」と考えているのです。
もし自分の考えを貫いて問題が発生したときは、自分が間違っていたからではなく、周囲に問題があったと判断するので、他人に責任を押し付けても良心が痛みません。それが当然だと思っています。
心理②|異常な完璧主義である
クラッシャー上司は異常な完璧主義であり、部下に完璧な仕事を求めます。決してミスを許さず、ミスしたときは過剰に叱りつけます。
部下がミスしたことは確かに悪いですが、あまり責めすぎず、次はミスをしないように指導して、フォローするのが上司の役割です。
しかしクラッシャー上司は、部下のミスをフォローしたがりません。自分の完璧な評価に傷をつけた存在として、部下を憎み、怒りの感情をぶつけます。
心理③|部下を自分の所有物だと思っている
クラッシャー上司は、部下を自分の所有物だと思っています。一緒に働く仲間ではなく、自分が自由に使ってよい「物」と思っているのです。
そのため指示はぶっきらぼうになりますし、部下の気持ちを考えません。部下のやりたいことやキャリアなど、考えてくれるはずがありません。自分にとって都合が良ければ壊れるまで使って、使えなければ捨てます。
悪気があってキツイ態度をとっているのではなく、そもそも相手も人間だという意識が欠けているのです。
クラッシャー上司への対処法
さて、もし自分の上司がクラッシャー上司ならどうすれば良いのでしょうか。クラッシャー上司は、部下をまともに人間扱いしていません。ただ耐えるだけでは、辛いと思います。
ここではクラッシャー上司への対処法をご紹介します。限界が来る前に、何らかの対処を取りましょう。
対処法①|かわいそうな人だと思う
クラッシャー上司は、自分がいちばん正しいと思っているので、他人に対する配慮を忘れがちです。必要であれば社交性を発揮しますが、基本的な考え方は変わりません。
こういった考え方をしていると、周囲から好かれることはありません。孤独で、仲間と喜びを共有することを知らないのです。
もし上司から嫌な扱いを受けたら、「だから嫌われるんだ」「かわいそうな人だな」と上から目線で見下せば溜飲が下がるかもしれません。
対処法②|同僚と結束感を強める
クラッシャー上司の元で働く同僚と、結束感を強めるのも良いです。
クラッシャー上司から理不尽な扱いを受けたときに、同僚と愚痴を言い合えば、少しは気持ちが楽になります。
また上司から無理な仕事を任されたときも、同僚と協力すれば乗り越えられるかもしれません。
もしクラッシャー上司と上手く付き合っている同僚がいれば、付き合い方のコツを教えてもらいましょう。
対処法③|異動を希望する
クラッシャー上司と上手くやっていく自信がなければ、人事に異動を願い出ましょう。
もし異動させてくれないことや、上司に連絡が行ってさらに立場が悪くなることがあれば、退職した方が良いです。
無理して働き続けて精神病を患うと、仕事に復帰するまで数年かかる恐れがあります。人生全体で見れば、退職することより病気になることの方がマイナスなので、限界が訪れる前に異動か退職を選びましょう。
クラッシャー上司がターゲットにしやすい部下の特徴
クラッシャー上司は誰にでもパワハラをするのではなく、ターゲットにしやすい人がいます。ここでは、クラッシャー上司がターゲットにしやすい部下の特徴をご紹介します。
特徴①|仕事ができない人
仕事が人よりできないと、ターゲットにされやすいです。
クラッシャー上司は仕事ができない人を執拗に叱りつけたり、異常な仕事量を命じたりします。その他、つきっきりで指導をするなどプレッシャーを与える行為を繰り返します。
言っていることは正論が多いので、周囲も口出しがしづらく、本人も助けを求めづらい雰囲気があります。
クラッシャー上司としては「部下の指導」をしているつもりですが、ターゲットにされた人は精神的に追い込まれていきます。
特徴②|仕事ができる人
クラッシャー上司の中には、自分の立場を揺るがす存在を嫌う人がいます。そのため、仕事ができる人を脅威に感じて潰そうとすることがあります。
クラッシャー上司の行動は、基本的には善意も悪意もありません。自分の正義に基づいて行動しているだけです。場合によっては、「部下を成長させたい」という善意の可能性すらあります。
しかし仕事ができる人を攻撃するときは、明確に「相手を潰してやる」という悪意があります。ターゲットにされたら潰れるまで追い込まれるでしょう。
特徴③|自分に反発する人
クラッシャー上司は、自分に反発する人間を嫌います。周囲から見たら当然の反発でも、クラッシャー上司にとっては自分に従わない理解不能な人間です。
そもそも自分に意見する人が嫌いなのに、それが部下であれば最悪です。
部下は自分の所有物であり、思い通りになるのが当然だと思っているので、部下が自分に反発するなど信じられないのです。
もし反発する部下がいれば、思い通りにコントロールするためにあらゆる手段を尽くすはずです。
まとめ
この記事ではクラッシャー上司について解説しました。
クラッシャー上司は能力の高さ故に、自分を絶対視しています。指導の内容は正論であることが多いですが、他人の気持ちを考えず、意見を聞き入れないのが困ったところです。
クラッシャー上司の言動によって潰される人は多いので、限界がくる前に異動か退職をしましょう。