インバスケットをご存じでしょうか。企業での昇給や就職活動等で実施され、学生時代のテストとは異なる能力が問われます。インバスケットの問題を解くためのコツは何でしょうか。本記事では、インバスケットについての基本知識、問題に取り組むための対策をお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
インバスケットとは
インバスケットとは、制限時間内に主人公の立場に立って考えるシミュレーションです。「未処理箱」を意味し、まだ決裁されていない書類を処理する能力を判断する意味で使われます。
就職活動では、誰にでも起こり得る出来事を処理する能力を確かめるために用いられます。特徴や試験内容等を以下でご説明いたします。
インバスケットの特徴
インバスケットは、今の仕事とは全く設定が違う主人公になりきる必要があります。環境や状況が全く異なるため、想像力を活用する能力が問われます。
インバスケットの主な特徴を以下で確認し、対応できる力を身に着けたうえで挑むことをおすすめします。
より実践的な教育ツール
学生時代と比べると、より実践的な教育ツールです。教科の勉強では、知識や思考力を問われます。インバスケットでは、想像力と対応力が主に問われることが多いです。
また、具体的なシチュエーションを与えられ、問題解決能力を伸ばすのに良いツールなのです。学生生活では、経験できることが偏る場合があります。
インバスケットでは、あなたが経験していないことも考える能力を伸ばす工夫が施されているのです。試験として実施する場合もあれば、社員教育として使用している会社も多くあります。
正解がない
インバスケットには、数学や英語などのような明確な正解がありません。ストーリー内の主人公になりきり、対応力を問われます。具体的な正解がないのは、全ての状況に答えが有る訳ではないからです。
日常生活も同様ですが、人間関係に答えがあることは少ないです。同じ問題解決方法でも、見方を変えれば間違いになる可能性も存在します。
インバスケットでは、正解を求めるのではなく問題解決するための思考力を問われています。正解がないため、自身の回答に自信が持てないことも多いのが特徴です。
研修や昇格試験など様々な活用方法がある
社員教育で用いられる場合、研修や昇級試験など様々な活用方法があります。インバスケットは、今の会社とは全く環境が違うストーリーを与えられ、考えたことがない状況を考える力を養います。
上記で述べた通り、正解がなくどんな方法で問題を解決すれば良いかを問い続けられるのです。研修や昇級試験では、問題を解いた後にグループディスカッションなどでも用いられます。
単に問題を解くだけでなく、与えられたストーリーを同僚などと話し合う機会を得られる点も、インバスケットが支持される大きな特徴です。
インバスケットで身につく力
インバスケットで身につく力は、数多くあります。主に身に着けられると考えられているのは、以下の4つです。
- 優先順位設定力の向上
- 洞察力の向上
- 問題解決力の向上
- 判断に自信がつく
仕事だけでなく、日常生活にも役立つ能力が向上する可能性が高いものです。
優先順位設定力は、何を先に行えば良いか判断できるようになります。洞察力は問題を発見するために必要です。発見した問題を解決できるようになり、自信がつきます。
他にもヒューマンスキルや当事者意識など、人間生活を営む上でも重要な能力が身に付きます。インバスケットは、教科学習と違い人間力を高めるシミュレーションなのです。
参考:インバスケット研究所 インバスケットとは
運営会社
インバスケットの運営会社はインバスケット研究所です。インバスケット研究所の企業理念は以下のとおりです。
インバスケット思考を多くの方々にお伝えし、よりよい判断をしていただきたい。それが私たちのただ一つの願いです。インバスケットツールを開発・提供し、お客様のステップアップのサポートをする。
従業員の一人ひとりの役割は「インバスケットを深める」「インバスケットを広げる」「それらを支える」
の3点とし、より深めたインバスケットを、より多くの方に提供する事がミッションであり、それ以外の業務には手を出さない。インバスケット専門企業であり続ける事が、インバスケット研究所の進むべき道だと信じています。
2006年に活動を始め、2009年に「株式会社インバスケット研究所」として設立された会社です。新しい会社ですが、多くの企業や人々によりよい判断ができるようサポートをしています。
参考:インバスケット研究所 会社紹介
インバスケットの試験内容
インバスケットの試験内容は、どんなものでしょうか。上記の通り、正解がなく実践的な内容をするため、様々な試験方法があります。
以下では試験形式と内容を詳しく解説します。インバスケットの試験に対応できるよう、確認後に練習されることをおすすめします。
インバスケットの試験形式
インバスケットの試験形式は、以下の3パターンがあります。ほとんどの場合は記述形式が主流です。ただ、マーク形式や変形インバスケットで能力向上を測る場合もあります。
どんな形式で出題されても対応できるよう、それぞれの試験形式を理解しておきましょう。
記述式試験
記述式試験では、文章で答えます。主人公の状況を考え、主人公の立場で問題解決を考えます。記述式試験は上記で述べた能力向上だけでなく、文章力の向上も行えるのが特徴です。
解答には正解がないため、自由記述が可能です。しかし、論理的な思考をしなければいけません。義務的にインバスケットを実施されると、適当な解答をしてしまいがちです。
自由記述であるため、安直な解答でも提出可能です。しかし、文章力を伴う思考問題ですので、筋道を立てた解答が好まれます。ケアレスミスも起こりやすいので注意が必要です。
マークシート式試験
マークシート式試験は、大学入試センター試験のように解答が用意されています。問題番号を選ぶことで、どんな思考能力を持っているかを判断するために用いられます。
解答が用意されていることで、考えなくても解答することは可能です。しかし、正解が用意されている訳ではありません。全ての解答が正解で、全てが間違いと理解しておきましょう。
重要なのは、なぜその解答を選んだかなのです。適当に解答をすると、解答した理由が答えられません。インバスケットは能力向上が目的ですので、マーク式でも真剣に考える必要があるのです。
変形インバスケット
インバスケットに他の適性検査を組み合わせた、変形インバスケットもあります。組み合わせる適性検査により、解答形式が異なります。
変形インバスケットの試験は多く、昇級試験などで業務適正を検査するなどの目的に使用される傾向にあります。心理学や社会学の適性検査と組み合わされ、主人公の立場になりきらなければ解答できません。
正解はありませんが、適切な思考ロジックが存在するのが特徴です。どんな問題解決を図る問題かを理解しなければ本末転倒な解答をしてしまうため注意が必要です。
インバスケットの内容
インバスケットの試験内容は、以下の2点を意識した問題が出題されます。ご自身だけでなく、多くの人が試験を受けるため実務に即した内容であるのは間違いありません。
しかし、全ての人に平等な試験内容にするため、架空の状況が与えられるのです。以下で、詳しくご説明いたします。
架空の状況・役職が与えられる
架空の状況や役職が与えられ、様々なシチュエーションで思考力を問う問題が出題されます。問題はストーリー形式である場合が多く、役職などは表にして出題されます。
問題を解くには全ての情報を読み、状況を把握することが最も重要な能力が必要です。制限時間内に余裕をもって解答できる人は少なく、主人公の状況を捉えるだけでも一苦労です。
架空の状況や役職を理解した上で、ストーリー内の問題解決を行います。問題に対し、どんな思考によりどう解決するかを問われるのです。情報を正確に把握する力が問われます。
溜まった案件の対応をする
溜まった案件の対処をする問題もあります。溜まった案件とは、実務では数日会社を休んだ後に、書類が溜まっているイメージです。1つ1つの書類を処理するには、スピードが必要になります。
インバスケットの試験では、時間が短く設定されています。時間を短く設定することで、案件処理速度を測定する検査も兼ね添えているのです。
溜まった案件の対応では、案件の内容を把握するだけでなく適切な対処をしていく必要があります。スピードを問われる問題ですが、質を落とした解答では意味が無いので、難しいと感じるのです。
インバスケットを解くコツ
インバスケットを解くにはコツが必要です。準備段階で何を意識して練習すればよいでしょうか。
ポイントは、「速読」「プロセス」「優先順位」の3点です。全てを同時に練習するのではなく、1つ1つ分けて練習しましょう。
最終的に全てを同時進行できるまで努力してみてください。以下でそれぞれご説明いたします。
問題の速読力をつける
時間が短く設定されており、問題の速読力をつける必要があります。ストーリーをゆっくり読んで内容判断していたのでは、問題を解くに至りません。
練習段階で問題を見てみましょう。全体を読み、時間を測ってみてください。ご自身の速読力を測ることから練習が始まります。問題の主人公の現状を把握する前に、ご自身の現状を把握しましょう。
速読力をつけるには、同じ文章を何度も読む方法が最適です。最初は遅くても、何度も読むうちに速くなります。教材の文章全てで速く読めるようになれば、新しい問題も速読できるようになります。
「なぜその判断をしたのか」のプロセスを大切にする
「なぜその判断をしたのか」を突き詰める練習が必要です。インバスケットでは、結論よりもプロセスを大切にしています。最終的な結果でなく、なぜその判断をしたのかなのです。
主人公の状況を瞬時に判断し、結論を考えます。結論に至るまでのプロセスを、試行錯誤してください。練習段階では、時間制限を設けずに思考プロセスを身につけましょう。
問題をいくつか解いてみると、ご自身の思考パターンが現れてきます。記述問題で練習し、ご自身の解答を見返してみてください。瞬時に同様の思考プロセスを辿ることが可能になります。
制限時間から優先順位を決める
インバスケットの問題を解く上で、最も重要なのが制限時間から優先順位を決めることです。誰もが日常生活でも優先順位を考えて生活をしています。
何が最も重要かを判断するには、緊急か重要かと自身に問いかけてみましょう。例えば、火事が起こると逃げるのは緊急です。火事のときに財布を持って逃げるのは、重要かつ緊急です。
緊急か重要かを考えると、優先順位は緊急なものが優先されます。次に重要なことを考えましょう。制限時間の中で、何が緊急で何が重要なのかを把握する練習が必要なのです。
インバスケットには問題集で対策すべき
インバスケットには問題集で対策するべきです。正解がないからと言えど、練習をしていなければ時間制限を乗り越えられません。思考プロセスも、問題集で練習すると深く考えられます。
以下では、 インバスケット・トレーニング情報サイト インバス! に掲載されている過去の受験者のご意見を元に問題集を使用する必要性をまとめました。
反復練習で自分なりの考えを組み立る
反復練習の重要性は、数多くの受験者が述べています。いくつかご意見をご紹介します。
とにかく、解く問題集の数を稼ぐことが遠回りなようで近道だと思う。
同じ問題を最低3回は解くとよいです。
またその中の1回は時間を気にせずに、解いてみると根本的にしなければいけないことが見えてくると思います。
受験者が述べている通り、同じ問題を数多く解きましょう。思考プロセスを学ぶには、自らの思考パターンを理解する必要があります。問題集を使用し、繰り返し学ぶのが近道となります。
様々な状況に慣れる
問題集を使用すると、様々な状況を思考することが可能です。インバスケットでは、ご自身の現状とは全く異なる状況を考えます。そのため、問題集を使用し、様々な状況に慣れる必要があるのです。
問題集で自分のバイアス傾向を把握し、かつその傾向を業務で実践し改善しないと、クセは治りません
自分の先入観を捨てて、書いてあることを忠実にこなしましょう。
問題集での練習は、先入観を捨てる練習でもあります。自分の思考パターンを理解し、先入観があることを理解しましょう。その上で、先入観を捨てる練習を行ってみてください。
まとめ
インバスケットについてまとめてきました。ご自身の会社で使用される場合、昇給などを目的としているでしょう。就職活動では、適性検査の代わりに実施されています。
インバスケットを解くには、必ず練習が必要です。問題集を活用して、最善の準備を行うことをおすすめします。