さとり世代とは?特徴や向いている仕事, その他の世代の共通点についても徹底解説!

「さとり世代」という言葉を耳にすることがあります。さとり世代は使えない、諦めぐせがあるなどマイナスなイメージがつきまとう世代ですが、実際にはどうなのでしょうか。今回はさとり世代がどんな世代なのか、その実態について解説します。さとり世代と接する人、自分がさとり世代なのか確かめたい人はぜひ本文を参考にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

さとり世代とは

さとり世代とは「欲がなく、まるで悟ったように振る舞う」とされる特定の世代です。1987年〜2004年生まれがさとり世代にあたり、2020年現在16歳〜33歳の人がさとり世代と呼ばれています。

さとり世代は、ゆとり世代を生んだ「ゆとり教育」が廃止された後に義務教育を受けました。バブル崩壊後の不況や天災などが続く日本で、インターネットとともに育った世代です。

さとり世代の特徴10選

続いてはさとり世代の特徴を紹介します。

仕事における特徴・プライベートにおける特徴の2つにわけて以下で解説します。さとり世代と接する時には、彼らの特徴を把握しておきましょう。

目次

さとり世代の特徴|仕事編

さとり世代の仕事における特徴は下記の5つです。

  • 特徴①|精神論が嫌い
  • 特徴②|IT分野や効率化を好む
  • 特徴③|人付き合いでは適度な距離を保ちたい
  • 特徴④|出世意欲がない
  • 特徴⑤|会社への貢献に興味がない

それぞれの特徴について、以下で解説します。

特徴①|精神論が嫌い

さとり世代は無気力・無関心だと言われることがあります。実際には無気力・無関心というよりも「自分が納得できないことはやりたくない」との気持ちを持っていると言えます。

そのため、納得できない精神論で押さえ込まれることを嫌います。たとえ熱く精神論を説いたとしても、さとり世代は意味のないでたらめな理論だと受け止めるだけで、彼らには響きません。

特徴②|IT分野や効率化を好む

さとり世代はいわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。幼い頃から携帯電話やパソコンを触ってきているのでインターネットの使い慣れており、デジタル分野に強みを持っています。

さとり世代はITに強く、できる限り「無駄な作業をなくして効率化したい」と考えています。上の世代がエクセルに手作業で打ち込んでいるところをマクロを組んで対処するなど、合理化・効率化への強い意欲があります。

特徴③|人付き合いでは適度な距離を保ちたい

さとり世代はドライだと言われがちですが、実際にはそうでもありません。しかし、人付き合いでは適度な距離感を保って、お互いに深く踏み込みすぎないことを好みます。

さとり世代は無用なトラブルを避けたいために空気を読むことが得意で、コミュニケーション能力は高い傾向にあります。だからと言ってウェットな関係は気疲れしてしまうので、人との快適な距離感を測ることに長けています。

特徴④|出世意欲がない

合理性や効率化を求めるさとり世代は、出世意欲が低い傾向にあります。「1つの会社に執着しない」姿勢をとる人がさとり世代には多いからです。

自分がやりたいことができていなかったり、会社に嫌な部分がある場合には自分が出世して改革を進めるよりも、転職によって環境を変える方が早いからです。また、昇給へのこだわりが薄いことも関係しています。

特徴⑤|会社への貢献に興味がない

会社は従業員に忠誠心を求めます。しかし、さとり世代は会社への貢献に興味がありません。そのような態度が上の世代からは鼻につくかもしれません。

さとり世代は「会社のため」に頑張ることができません。会社のために頑張っても、見合った報酬がもらえるわけでもないからです。一方でさとり世代は「自分のため」なら頑張ることができます。

さとり世代の特徴|プライベート編

さとり世代のプライベートにおける特徴は下記の5つです。

  • 特徴⑥|恋愛が苦手
  • 特徴⑦|購買意欲が低い
  • 特徴⑧|出かけるのがあまり好きではない
  • 特徴⑨|インターネットに依存しがち
  • 特徴⑩|共有することを好む

それぞれの特徴について、以下で解説します。

特徴⑥|恋愛が苦手

さとり世代は恋愛が苦手な傾向にあります。恋愛をすると、自分の気持ちのコントロールも効かなくなり、相手も自分の思い通りに動いてはくれません。

そのため、合理性を重んじるさとり世代は恋愛に対して後ろ向きなことが多いようです。トラブルを避けたいと考えてもいるので、トラブルがつきものである恋愛には積極的になれません。

特徴⑦|購買意欲が低い

さとり世代はお金への興味が薄く、購買意欲が総じて低いと言えます。仕事を選ぶ際には給料も考慮するものの、それ以上にやりがいや自己実現を重視するのがさとり世代です。

ブランドやステータスへの興味がなく、見栄のためにお金を使いたがりません。それよりも貯金をして、堅実に将来に備えることを好みます。

特徴⑧|出かけるのがあまり好きではない

さとり世代はインドア派です。出かけるとお金を浪費してしまいますし、心地よい部屋の中でパソコンやスマートフォンを触って時間を過ごすことを好みます。

外に出て買い物するよりもネット通販で済ます方が楽ですし、価格も安価です。友達と過ごすことも好きなものの、一人で家の中で過ごす時間も大切にします。

特徴⑨|インターネットに依存しがち

さとり世代はインターネットに依存しがちです。幼い頃からインターネットを使って育ってきているため、常にスマートフォンやパソコンを触っていなければ落ち着きません。

インターネットが使えない環境になると、途端にそわそわしてしまいます。逆に、インターネットさえ使えればなんでも解決できるという自信も持っています。

特徴⑩|共有することを好む

さとり世代は無駄にお金を使うことを好みません。それよりも、不特定多数とものを共有する方が有意義に感じています。

自分で本を買うよりも図書館を利用したり、車や自転車などもレンタルできるものはレンタルで済ませます。フリマアプリなども積極的に利用する傾向にあります。

さとり世代に向いている仕事3選

では、さとり世代にはどんな職業が向いているのでしょうか。さとり世代の特徴に適していると考えられる仕事は以下の3つです。

  • IT関連職
  • 外資系企業営業職
  • ベンチャー企業の新規事業立案

なぜこの3つがさとり世代に向いているのか、その理由を以下で説明します。

IT関連職

さとり世代に向いている仕事の1つがIT関連職です。さとり世代はデジタルネイティブ世代なので、IT分野に強みを持っています。

また、さとり世代は不安定な情勢の中育ってきました。変化が早く、気を抜くとすぐに置いていかれるシビアなITの世界でも戦っていけるだけの適応力を彼らは持っています。

外資系企業営業職

外資系企業の営業職もさとり世代におすすめです。外資系企業は日系企業と違って、方法については個人に任されることがほとんどです。

「成果さえあげられればどうやってもよい」その自由さが個人主義を好むさとり世代に合っています。また、外資系企業は転職が一般的なので日系企業のような「会社愛」「会社への忠誠心」を求められることがありません。

個人の目標を達成することが会社への貢献につながる外資系企業の温度感がさとり世代には心地よいものだと考えられます。

ベンチャー企業新規事業立案

ベンチャー企業の新規事業立案なども、意外とさとり世代には向いています。自由度が高いので自分自身で判断しながら仕事を進められ、「自分で選択する」ことに重きを置くさとり世代にとってやりがいがあります。

目の前のやるべきことをやっていると、自分と会社の成長に繋がっていくのがベンチャー企業の新規事業立案です。合理性を重んじるさとり世代の仕事への満足度が高まるでしょう。

さとり世代の扱い方のポイント

あなたの会社のチームメンバーにさとり世代がいる時、もしくはさとり世代が部下としてついた時には以下の3つのポイントを意識して接するようにしてみてください。

  • ポイント①|精神論を避けて合理性を重視する
  • ポイント②|チームの中の役割を意識させる
  • ポイント③|ミスに対して手厚くフォローする

さとり世代の扱い方のポイントについて、1つずつ解説します。

ポイント①|精神論を避けて合理性を重視する

さとり世代は無駄なことや意味をなしていない理論を嫌います。精神論を避けて合理性を重視するようにしてください。

「自分がこうやっていた」「こうやるものだ」「先輩のやり方を尊重しろ」などといった精神論はさとり世代には通用しません。なぜその方法をするのかを論理的に話し、さとり世代を納得させるようにしてください。

ポイント②|チームの中の役割を意識させる

さとり世代は、「自分がいなくてもいい」と感じると途端にやる気を失い、ひどい場合には転職してしまうことさえも考えられます。

そのため、さとり世代の人物がなぜ必要なのか、チームの中でどのような役割を担っているのかを意識的に伝えるようにしてください。

さとり世代は見極めが早いので、自分の役割がないと感じた時にはすぐに行動に移す傾向にあります。普段からいかに細かくコミュニケーションをとるかが大切です。

ポイント③|ミスに対して手厚くフォローする

さとり世代は無気力ではありません。しかし、常に心の平静を保っておきたいためにミスを非常に怖がる性質も持っています。

もしさとり世代がミスをしてしまったら、手厚くフォローをしてあげてください。傷つくのが怖いさとり世代は、ミスを言い出すことにとても勇気を必要とします。

ミスによって自信をなくすと転職に走ることもあるので、「ミスは誰にでもある」と根気強く話すようにしましょう。

さとり世代とその他の世代の共通点・相違点

さとり世代は他の世代とどんな共通点・相違点があるのでしょうか。

以下では「無気力だ」と批判的にまとめられがちなゆとり世代・しらけ世代とさとり世代を比較してみます。特に年代が近く一つにまとめられがちなゆとり世代との違いを把握しておきましょう。

さとり世代とゆとり世代

まずはさとり世代とゆとり世代を比較し、それぞれの共通点と相違点を説明します。

ゆとり世代とは

ゆとり世代とはゆとり教育を受けた世代を指します。詰め込み教育をやめてゆとりのある教育方針を政府が掲げましたが、結果思考力や学力の低下につながったと言われています。

ゆとり世代は他の世代から批判されることも多く、「無気力・無関心で自分で考えることを苦手とする」点が特徴的です。

ゆとり世代の年代は明確に定義されておらず、さとり世代と混同されることもあります。感覚的に、さとり世代の1つ上の世代だと覚えておきましょう。

さとり世代とゆとり世代の共通点

さとり世代とゆとり世代には以下の共通点があります。

  • 恋愛に対して消極的
  • 購買意欲が低い

さとり世代もゆとり世代も恋愛が苦手です。また、購買意欲が低く、ブランドものにそれほど興味を持たない点も共通しています。

さとり世代とゆとり世代の相違点

さとり世代とゆとり世代の相違点としては以下の2つが挙げられます。

  • ゆとり世代の方がさとり世代より意欲が低い
  • さとり世代の方がよりドライ

ゆとり世代は「指示待ち」の姿勢を批判されることが多いように、さとり世代よりも意欲が低い傾向にあります。そのため「無関心・無気力」と言われることはさとり世代よりもゆとり世代の方が多いと言えます。

また、さとり世代はゆとり世代よりもドライです。ゆとり世代は現状に甘んじることもありますが、さとり世代はシビアな選択基準を持っていることが多く、自分が満足できない場合には次の行動に移ります。

さとり世代としらけ世代

続いては、年代は離れているもののさとり世代と似ていると言われることがある「しらけ世代」との共通点と相違点を比較してみましょう。

しらけ世代とは

しらけ世代とは、高度経済成長期に学生だった人たちで1950年代に生まれた世代を指します。

しらけ世代の上の団塊の世代が学生運動などを激しく行ったために、団塊の世代と比較して「無気力・無関心・無責任」に見られるのがしらけ世代です。

熱くなることがあまりなく、政治的な関心も持っていません。一方、テレビやアニメといった新しい文化に熱心にのめり込んでいった世代でもあります。その点から「新人類」との名称もついています。

さとり世代としらけ世代の共通点

さとり世代としらけ世代には以下の共通点があります。

  • 個人主義
  • 無気力に見える
  • 人との争いを好まない
  • インドア文化を好む
  • 価値観の変化の中で育った

若者であるさとり世代と中高年であるしらけ世代は、価値観や環境が大きく変わっていく中で育ったのでいくつもの共通点があります。

さとり世代はインターネットを、しらけ世代はテレビやアニメを好みます。どちらの世代もインドア派で、個人で過ごすことを好む傾向にあります。「一人旅」が好きなのもこの2つの世代だと言われます。

さとり世代としらけ世代の相違点

さとり世代としらけ世代の相違点としては以下の2つが挙げられます。

  • さとり世代は無気力・無関心なわけではない
  • しらけ世代の方がブランドやステータスへの意欲が強い

本文中で繰り返していますが、さとり世代は無気力・無関心なわけではありません。自分の関心を向ける範囲を絞っているだけなので、三無主義(無気力・無関心・無責任)と言われるしらけ世代とは異なります。

また、しらけ世代はバブルの経験があるため、さとり世代よりはお金やブランド、ステータスへの執着が見られます。

まとめ

今回はさとり世代の特徴について解説しました。

さとり世代は合理性を求め、納得できないことには意欲を見せない傾向があります。そのため、仕事をする上では丁寧かつ論理的な説明とともに、細かなコミュニケーションや役割意識の創出を行う必要があります。

さとり世代は自分が納得すると、底力を発揮します。さとり世代の特徴を押さえて、社会の中でもうまく接することができるようコミュニケーションの方法を工夫してみてください。

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