「この度は」という表現を見聞したことがあるかと思います。ビジネスや格式ばった場面で良く用いられる表現方法で、「この度は〜」といった形でメールの書き出しでも頻出する表現です。具体的にどのような意味が込められているのでしょうか。使用方法やその例文、類語と合わせて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
「この度は」とは
会社の案内状などで、「この度は」という表記を見たことがあるかもしれません。漢字で書かれると読み方がわからない、という人もいるでしょう。これは何と読めばよいのでしょう。
日本語の読み方と合わせて、英語表現についても解説します。
「この度は」の読み方
「この度は」は、「このたびは」と読みます。「度」を「たび」と読むことに違和感を感じる人もいるかもしれません。「度」は音読みでは「ど」と読みますが、訓読みでは「たび」と読みます。
ちなみに「度」という意味には時間や回数という意味があります。更に意味の「時間」は未来や過去ではなく、多くの場合は「今」を表します。そのため「この度は」は「今この瞬間」などの意味を表しています。
「この度は」の意味
「この度は」は、今回、今度といった意味を丁寧に言い換えたものになります。
特に、ビジネスの現場では進行中の案件や出来事、直前の予定/直後の予定を指して使うことが多く、ニュアンスが少々異なる部分もあります。詳しくは使い方の見出しで解説します。
「この度は」の英語表現
「この度は」を英語表現で調べると、真っ先に出てくるのは「on this occasion」でしょう。「occasion」は「機会」という意味があります。「on this occasion」を直訳すると、「この機会において」という少し堅苦しい意味になります。
また、「at this time」や「now」という英語表現もあります。こちらは「on this occasion」よりも少し砕けた言い方になります。格式ばった場面でなければ、「at this time」や「now」が用いられます。
ただ、英語ではあまり「この度は」という言い方はしません。特にお礼や感謝の気持ちを表す場合は、ストレートに「Thank you」と前置きをしてから、何に対して感謝しているのかを具体的に伝えます。
「この度」の別の表記方法
「この度」には、別の表記方法がいくつかあります。見たことがある表記方法もあれば、始めてみる表記方法もあるでしょう。どんな時に別の表記方法が使われるのかも合わせて解説します。
「このたび」
「この度」は「このたび」とひらがなで表記されることがあります。実は、すべてひらがなで表記される方が正しい書き方なのです。
「このたび」に込められている意味は、「今」や「時」などを意味しています。確かに「度」にも「今」や「時」という意味はありますが、その意味合いは少し弱くなります。「度」は本来は「度合」を表すもので、「温度」などのように使われるのです。
「このたび」は「度」が表す「度合」という本来の意味からは少しずれています。この観点から「この度」ではなく「このたび」と表記するのが正しいとされています。
「此の度」、「此度」
「此の度」や「此度」などのように、「この」の部分も漢字で表記されることもあります。これは普段の案内状などで使われることはほとんどありません。すべて漢字で表記してしまうと、慇懃無礼だと感じる人もいるからです。
ただ、まったく使われていないわけではありません。文学上ではすべて漢字表記されることが多々あります。昔は「此度」などのようにすべて漢字で表記されていました。その名残が文学上にだけ残っているのです。
「この度」の使用方法と例文
「この度」という表現方法は、具体的にどのような場面で使われるのでしょう。聞いたことや見たことはあるけれど、どんな場面で使われていたのか覚えていないという人もいるかもしれません。
そこで、大きく3つの使い方に分けてそれぞれポイントも含めて解説します。
感謝を伝える
「この度」という表現は、上司など目上の人に感謝の気持ちを伝える場面で多く使われます。どれだけ自分が感謝しているのかを伝える意図を持って使用されます。「この度は」という表現を用いることで、「言葉では表現できないほど感謝しています」という気持ちを込めているのです。
例文
- この度はご尽力いただき、誠にありがとうございます
- この度はお忙しい中、お時間を頂戴できましたこと、感謝しております
- この度は弊社の求人にお申込みいただき、ありがとうございます
ポイント
ポイントは、感謝の気持ちを伝える文章の先頭に「この度」という言葉を書き出しとして持ってくることです。先頭に持ってくることで、感謝の気持ちを伝えようとする意図が強くなります。
謝罪を伝える
「この度」という言葉は、上司など目上の人に謝罪の気持ちを伝える場合にも良く使われます。「申し訳ない」という気持ちを強めたいという意図があります。「本当に申し訳ないと思っています」などのような気持ちを込めているのです。
例文
- この度は多大なご迷惑をお掛けしましたこと、深くお詫び申し上げます
- この度の失態は弊社の不徳と致すところです。誠に申し訳ございません
- この度は私の不手際でご迷惑をお掛け致しました。申し訳ございません。
ポイント
ポイントは、「この度」の後にどのようなことをしてしまったのかを明確に記し、その上で謝罪の言葉を持ってくることです。何に対して謝罪しているのかを「この度」の後に必ず持ってきましょう。
挨拶をする
挨拶をする時にも、「この度」という表現を用いることがあります。多くの場合は、相手を持ち上げて自分をへりくだらせる意図を持って使います。
例文
- この度、一身上の都合で退職することとなりました
- この度、こちらに配属になりました、〇〇と申します
- この度はご昇進、誠におめでとうございます
- この度はお世話になりました、この度はお世話になります
- この度はご愁傷様です
ポイント
ポイントは、相手を自分よりも上に持ち上げる場面で使うことです。退職の挨拶の場合も、入社時の挨拶の場合も、どちらも自分よりも周囲の人たちを上に見ていることを示しています。言葉で使う場合は、必ず最後にお辞儀をすることも忘れないでください。
「この度」を使うシーン
例文や使い方を見てきた通り、「この度」という表現は使い勝手が良く様々な場面で頻出の表現です。
- メール
- 手紙
- 会話
- スピーチ
ビジネスの現場で相手に敬意を表する形で書き出しで用いることが多いのが「この度」です。使い方を習得しておくべき、と断言できるでしょう。
「この度」の類語とその違い
「この度」は他の言い方に変えることが可能です。場面や状況によっては、「この度」と言い方が失礼に当たることもあります。その場合は、他の言い方に変えて自分の思いを乗せましょう。
今回
「今回」は、今現在行われていることを指すための言葉です。「この度」には近い未来や現在を示す意味が込められているので、そのような意味合いで使う場合には「今回」と言い換えることができます。
例えば、「この度開催致しております~」は「今回開催致しております~」と言い換えることが可能です。「この度」は少し堅苦しく、わかりにくいという点があるため、明確に「今」を示す場合は「今回」に言い換えた方がいいでしょう。
今度
「今度」は、比較的近い未来を表します。今現在ではないけれど、そんなに遠い未来でもない場合には「今度」という言葉を使って言い換えることができます。
例えば、「この度、次の月曜日が~」と表現する場合は、「今度の月曜日は~」と言い換えることができます。この方がシンプルで相手にも伝わりやすくなるでしょう。
今般
「今般」は、今から見て比較的近い過去を表します。ビジネスの場面で使われることがよくあり、特に目上の人や上司が多く集まっている会議やプレゼンテーションの場で用いられます。大変堅苦しい言い方なので、使用される場面はそう多くありません。
例えば、「今般の会議で決定したことを、ご報告させて頂きます」などのように言い換えます。あまりメジャーな言い方ではありません。そのため、「今般」と言い換えても意味が分からないという人もいますから注意しましょう。
まとめ
「この度」という言葉について解説してきました。最大のポイントは、文字として表記する場合、正しくは「このたび」とひらがなにすることです。改まった雰囲気を出すために感じにするのは間違いなのです。
また、「この度」という言い方は他の言葉に言い換えることで、時間軸を明確にすることが可能です。ふんわりした時間ではなく、明確な時間軸を示したい場合は、ご紹介した言葉に言い換えてみてください。