日本人の平均残業時間は何時間?未払い残業代の計算方法や請求手順も併せて解説します。

日本人は一般的に残業時間が長く「勤勉」と言われますが、実際の残業状況はどの様になっているのでしょうか。この記事では日本人の残業の傾向の他にも、残業が多い業界や業種・残業代の計算方法などを紹介します。自分の受け取り給与について疑問や不安がある方は、ぜひご一読下さい。

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日本人の平均残業時間

日本は残業時間が世界的に見て長い傾向があると言われていますが、企業情報の口コミサイトのOpenworkが発表している残業時間情報によると、日本の残業時間ごとの構成比は以下のようになっています。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」

1ヶ月20日間勤務とした場合、1日2時程度の残業がある「月間残業時間40時間以上」の方は、全体の57.5%と半数以上となっています。

更に、1日3時間以上残業がある人が33.7%いるため、日本人の約3割強が1日11時間労働になっている可能性があります。

目次

Openworkの調査によると平均残業時間は約47時間

更に、上記のOpenworkの調査結果によると、日本人全体の平均残業時間は47時間とされています。

その他、同サイトのレポートの記載内容を参考に、日本人の残業時間の傾向を見てみます。

平均残業時間が30時間の人が一番割合が多い

まず、日本で残業時間の構成比が最も大きいのは、月間の残業時間が30時間です。先述の表では20時間と30時間で合計した構成比を紹介していましたが、10時間単位の残業時間ではトップ3の構成比は以下の通りです。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」

つまり、1日平均でおよそ1.5時間の残業がある方が最も多く、その前後10時間の「40時間」「20時間」の残業時間が41.2%を締めていることが分かります。

過労死基準「月80時間以上の残業」に該当する人は21.4%

厚生労働省の労働基準監督署が発表した「脳・心臓疾患の労災協定」という資料によれば、月間80時間以上の残業について下記のように記載されています。

発症前1ヶ月間におおむね100時間又は発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症の関連性が強いと評価できる。

参考:厚生労働省労働基準監督署「脳・心臓疾患の労災協定」

この月間80時間の残業時間は「過労死ライン」とも呼ばれ、精神・身体への影響が懸念される残業時間水準です。

この時間に該当する割合が、80〜90時間で8.5%、100時間以上で12.9%となっているため、合計で21.4%の人が働きすぎで過労死になる可能性が高いと考えられます。

100時間以上残業している人が12.9%もいる

上記の通り、月間残業時間が100時間以上の方の構成比は12.9%です。

2019年4月施行の働き方改革関連法によって、月間100時間の残業は違法となりました。大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から適用されるので、残業時間に不安がある方は正確な勤務時間を計算して法的手段に出ることも考えるべきです。

また、下記の記事では残業時間100時間の違法性やそうなってしまう企業の実態、残業代の計算方法や心身への影響について詳述していますので、気になる方はぜひご一読下さい。

記事に飛ぶ

厚生労働省の調査によると平均残業時間は約〇時間

厚生労働省が公表している「我が国の時間外労働の現状」の記載によると、日本人の月間の平均残業時間は42時間18分とされ、Openworkのレポートに対して約5時間ほど短い数値になっています。

Openworkでは実際に勤務している従業員が書き込んだ情報であるのに対して、厚生労働省の調査では監督感が各事業所に訪問して調査を行っており、これが結果の違いに影響している可能性があります。

世界の平均残業時間との比較

世界的な残業時間の傾向について、公的機関などで傾向を発表しているデータはありませんが、OECD(経済協力開発機構)が発表する「世界の労働時間 国別ランキング・推移」では日本の労働時間は全39カ国中22位です。

同データによると日本人の年間労働時間は1680時間です。年間の休日数を120日とすると、「1680時間÷245日=6.85時間と」1日の労働時間が8時間以下になります。

ただしこのデータはパート・アルバイトなどの労働時間も含んでいるため、1日あたりの労働時間が少なく計上されています。

平均残業時間にみられる様々な相関関係

次は、平均残業時間と年代・年収階級に見られる残業時間の相関関係を見てみます。

こちらも、先述のOpenworkの残業時間に関するレポートの記載を参考にしながら各相関関係を紹介します。

年代差との相関関係

Openworkのレポートを参照すると、年代別の平均残業時間の推移はおおよそ以下のようになります。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

残業時間平均は20代をピークにして30代では殆ど変わらず、40代に入ると急速に下落傾向が続きます。また、レポートのグラフを見ると、24〜27歳で残業時間エイキンのピークを迎え、27〜29歳では一旦落ち着きます。

しかし、35歳時に再度24〜27歳代の残業時間水準に上昇しています。20代では、求められる仕事へのキャッチアップ・35歳では管理職者としての業務が発生する時期でもあるため、それらの業務に適応するために残業時間が増えることが考えられます。

年収階級との相関関係

同レポートの年収階級別の月間残業時間は、およそ下記のようになっています。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

300万円以下の階級では40時間を切っていますが、それ以上の階級では全て月間残業時間が45時間を超えています。また、最も残業時間が多いのが1,500〜2,000万円階級の約60時間です。

しかし、この水準を超えて2,000〜3,000万円やそれ以上の年収階級になると残業時間が減り、3,000万円以上については300〜500万円階級よりも残業時間が少ないので、非常に生産性が高いと言えます。

平均残業時間が長い業界・短い業界

ここからは平均残業時間が長い業界・短い業界を紹介します。

就職・転職にあたってワークライフバランスを重視して、プライベートの時間をしっかりと確保したい方は、エントリー先の判断基準としてここで紹介する情報を参考にしてみて下さい。

平均残業時間が長い業界

平均残業時間が長い企業トップ5は以下の通りです。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

一般的にコンサルタントは長時間労働・休日出勤というイメージがありますが、実際に勤務経験があったり、過去に勤務していた方の口コミ情報を元にした、上記の資料からもコンサルタントの長時間労働の傾向が伺えます。

また、コンサルと同様にマーケット調査や行政への政策提案を行うシンクタンクや、広告・建設・マスメディア・不動産なども、一般的なイメージの通り残業時間が長い傾向があると言えます。

平均残業時間が短い業界

反対に、残業時間が短い業界は、下記のように発表されています。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

残業時間が少ない業界には、メーカー・医療関係が目立ちます。ただ、それでも平均残業時間は最低でも45時間を超えており、1日2時間程度の残業が必要になることが伺えます。

平均残業時間が長い職業・短い職業

前の見出しでは業界別に残業時間の傾向を紹介しましたが、こちらでは職業・職種別に平均残業時間の傾向を見てみます。

残業時間が少ない・長い傾向がある業界に勤務しても、実際の労働時間は職種によって異なりますので、こちらの情報もしっかりと押さえた上でエントリーする業種を考えましょう。

平均残業時間が長い職業

平均残業時間が長い傾向がある職業トップ5は以下の通りです。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

残業時間が長い傾向がある職業もコンサルタントが挙がっており、月間86時間以上の残業があります。その他、役員関係の職業やプロデューサーなどの管理職者が挙がっています。

平均残業時間が短い職業

平均残業時間が短い傾向がある職業トップ5は以下の通りです。

参考:Openwork「約6万8000件の社員クチコミから分析した’残業時間’に関するレポート」を元に作成

平均残業時間がもっとも短い職業は「その他クリエイティブ系」となっています。ただ、Openworkのこの職業は広告業界のクリエイティブのアシスタント・アパレルやインテリアのデザイナー候補など、業界が多岐にわたります。

傾向が見やすい業種としては、販促関係や財務に係る会計士や税理士などが、比較的残業が短い傾向があるので、プライベートの充実を目指す方はこれらの職種につくことをおすすめします。

労働基準法における残業時間の考え方

ここまで日本の残業時間の傾向を様々な視点から見てきましたが、労働基準法では残業時間に関する規定が明確に決まっています。

先述した通り、2019年4月から働き方改革関連法の施行により、長時間の残業に対して罰則が規定された法的拘束力のある内容も規定されています。

ここでその内容を詳しく確認しておきましょう。

法定労働時間を守ることが原則

大前提として、使用者(企業)は法定労働時間を守る必要があります。厚生労働省のホームページでも、労働基準法に記載されている法定労働時間について、下記のように案内されています。

使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。

使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。

使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

参考:厚生労働省ホームページ「労働時間・休日」

従業員を雇用する企業は、原則として1日8時間という労働時間・労働時間に応じた休憩・連続勤務日数に対する休日の提供が義務付けられています。

しかし、3つ目の引用文から分かる通り、休日については週1日、もしくは4週間(28日間)に対して4日以上の休日を与えれば良いとされているため、合法的に長期の連勤が認められています。

36協定を結べば法定労働時間を超える労働は可能

上記の3つ目の引用について、使用者によって悪用され従業員の心身に影響が出ないように、36協定(サブロク協定:時間外労働の限度に関する基準)というものが制定されています。

従業員として働く上で、知っておくことで違法な就業環境を回避したり、そうした環境にいた場合に使用者に是正を求める上で必要な知識なので、ご存じない方は最低でもここで紹介する内容は押さえておいて下さい。

36協定にも残業時間の限度が設定されている

36協定では、定められた「一定の期間」ごとに、限度時間(法定動労時間を超えて延長できる勤務時間。つまり残業時間の限度)が定められており、これを超えてはならないとしています。その時間は下記の通りです。

参考:厚生労働省「時間外労働の限度に関する基準」

各勤務期間に応じて限度時間が決められていますが、1週間を5営業日とした場合、1日でおよそ2〜3時間の残業を限度としています。

この限度時間の規定に違反すると労働基準法119条に基づき、使用者に「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が課せられます。

36協定の限度を免除される場合もある

しかし上記の36協定は、「特定条項付き協定」を結ぶことで免除されることがあります。この協定には、以下の項目を記載する必要があります。

  • 原則36協定に従うこと。
  • 限度時間を超える必要がある「特別の事情」を具体的に明記。
  • 「特別の事情」は一時的・突発的であること。
  • 「特別の事情」が発生した時の労使間の具体的な手続き。
  • 限度時間を超えることが出来る回数や「一定の期間」
  • 限度時間を超える労働時間を出来る限り短くするよう努力すること。
  • 限度時間を超える労働時間に対する割増賃金率。
  • 割増賃金率は法定割増賃金率を超えるよう勤めること。

上記の8つの項目を明記した「特定条項付き協定」を労使間で締結した場合には、使用者が従業員に対して限度時間を超えた勤務をさせることが認められます。

残業時間を減らす5つの方法

次は、残業時間を減らす方法を5つ紹介します。

今残業時間が多く、上記の「限度時間」に匹敵する時間の勤務を行っているは、ここで紹介する5つの方法で、残業時間の短縮を目指してみて下さい。

方法①|時短勤務制を利用する

1つ目の方法は、時短勤務制を利用することです。

これは残業時間を減らす最も簡単な方法です。時短勤務制を用意している会社のみで使える方法にはなりますが、この制度利用が認められれば、会社としても早い時間に帰宅することに対して文句は言えません。

利用申請をするにあたって、企業側から拒否されたり周囲の目から利用しづらいなどの問題があります。ただ、会社が制度を設けている以上は従業員に使う権利がありますので、遠慮なく使いましょう。

方法②|仕事の効率性を上げる

2つ目の方法は、仕事の効率性をあげることです。

これはあなたの仕事の仕方を変えるということなので、時短勤務性の利用に比べてやや難易度が上がりますが、これに成功すれば社会人としてのスキルアップにもつながるので、検討してみて下さい。

仕事効率化の方法には、電話やメールチェックの時間を区切る・作業に集中する時間を明確化・週単位でスケジュールを設定しておくなどあります。ウェブ上でも様々な方法が紹介されているので、仕事の仕方の見直しも兼ねて実践してみましょう。

方法③|職種を変える

3つ目の方法は、職種を変えることです。

これは、今勤めている会社の中で残業時間が少ない職種や部署へに異動するということです。仕事の効率制向上よりも簡単にできそうですが、職種の変更後にその業務に慣れるための労力がかかります。

また、長時間労働の原因が元の部署の効率性の悪さではなく、企業全体で就業環境が整備されていない場合は、どの部署に移動しても長時間労働を強いられる可能性があります。

方法④|人員増加・業務効率化システム導入を打診する

4つ目の方法は、自分の仕事に関わる人員の増やしてもらったり、業務効率化のためのシステムの導入を管理職者に打診することです。

新しい従業員の雇用は、企業側にとっては支払賃金が増えるのですぐに実行しづらいです。ただし、明らかに仕事量に対して人員が足りていないのであれば、管理職者に状況を説明して、アルバイトなり外注先を見繕ってもらいましょう。

もしくは、今の業務で定型業務が多いのであればRPAやAIを搭載したシステムを導入すれば、人手を割かずにこなすことができます。企業にとっても人件費よりも安いコストで業務効率化が実現する可能性があるので、打診してみましょう。

方法⑤|転職する

5つ目の方法は、転職です。

転職は、今の仕事をしながら時間・労力・お金をかけて行う必要があるので、どうしても今の職場を離れたいというのでなければ、慎重に選択する必要があります。

ただ、先述の通り、会社の職場環境があまりにも整っておらず、改善の見通しもない場合は、今の会社にいても心身ともに疲弊し続ける可能性が高いので、転職先を探しましょう。

平均残業時間が長いのに残業代が少ない人は意外と多い

このツイートのように、毎日残業しているのに残業代が出ない企業もあります。こうした企業に努めている場合は、自分が行った残業を記録して正しい手続きを行えば未払い残業代の支払い請求もできます。

下記の記事では、上記のようないわゆる「ブラック企業」の特徴や、ブラック企業から抜け出す方法について紹介していますので、今の職場環境に疑問を感じている方は、ぜひご一読下さい。

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残業代未払いが生じているかもしれない4つの事例

そして、残業代の未払いが発生している場合、支払いの請求をしなければその分の労働時間は「タダ働き」になってしまいます。

そうならないために、残業代の未払いが発生しやすい4つの事例を紹介します。ここで紹介するような働き方をしている場合は要注意なので、自分の実労働時間と支払われた給与を見直して下さい。

事例①|管理者の勤怠管理が杜撰

1つ目の事例は、管理者の勤怠管理が杜撰なことです。

これは「名ばかり管理職」であったり無能な管理職がいる場合に起こりがちです。こうした管理者は従業員の管理方法について知識がなく、残業代の計算が曖昧であったり、そもそも従業員の残業の状況を把握していない可能性もあります。

明らかに管理者として問題を抱えている人が上司にいる場合は、自分のためにも勤務状況と待遇を見直しましょう。

事例②|みなし残業(固定残業)制度が採用されている

2つ目の事例は、みなし残業(固定残業)制が採用されている企業に努めている場合です。

みなし残業(固定残業)制とは、法定労働時間以上の勤務が想定される場合に、基本給と一緒に残業代を支払う制度です。この制度を採用している企業では、企業で設定している分の残業については、プラスの給与は支払われません。

このパターンの場合は、みなし残業として設定されている時間を確認し、あなたの勤務時間がそれを超えていないかを確認することと、所定の残業時間を超えた分の給与が支払われているかを確認する必要があります。

事例③|フレックスタイム制を導入している

3つ目の事例は、フレックスタイム制を導入する企業の場合に、所定の「総労働時間」を超えて勤務している場合です。

フレックスタイム制とは、企業が許容する範囲で、従業員が勤務時間を自由に決められる制度です。この制度では勤務時間を、「総労働時間」として予め規定しておく必要がありますが、生産期間を1ヶ月とした場合の「総労働時間」は以下の通りです。

参考:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」

上記の「法定労働時間(総労働時間)」を超えて業務を行った時間は、時間外労働になるので、その時間を計算して使用者に相応の給与の支払いを請求しましょう。

事例④|業務委託契約だが実際は正社員のような働き方

4つ目の事例は、業務委託契約であるものの、正社員と同様の働き方をしている場合です。

業務委託契約で業務委託者(発注者)と契約を交わしている場合は、あなたは従業員ではないため、労働基準法は適用されません。

しかし、業務委託契約をしているものの、発注者から出勤時間や就業規則について厳しく規定されている場合は、雇用契約と同等の働き方をしているとして、これまでの業務に対して相応の対価を請求できることがあります。

残業代の計算方法

残業代を計算する時には「法定時間外労働」と「法定時間内残業」の違いを理解しておく必要があります。

前者は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働で、これに対しては1時間あたりの賃金に最低25%の割増賃金が発生します。後者は、所定労働時間を法定労働時間より少なく設定している場合に、法定労働時間まで勤務する時間です。

所定労働時間を超えて法定労働時間までの時間働いた分は、法的には時間あたりの基本給が支払われれば問題無いため、残業代の計算方法がやや異なります。

未払いの残業代を取り戻す手順・方法

最後に、未払いの残業代が発生している場合に、その代金を取り戻す方法と手順を紹介します。

未払い残業代は請求しなければ、その労働時間が「タダ働き」になってしまうので、自分でも残業時間と相応の残業代を計算して、もれなく残業代を受け取れるようにしましょう。

前提|未払いの残業代は2年間で時効になる

まず、未払い残業代は2年を超えると事項で受け取れなくなります。その根拠は労働基準法第115条にあります。

第百十五条 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

参考:労働基準法

上記の通り、賃金も含めて労働基準法に記載される請求内容は2年を超えると請求権を失い、残業代は支払われなくなります。

未払いの残業代を請求する手順

次は、具体的な未払い残業代の請求手順です。

この手順を踏まなければ、どんなに未払い残業代があっても認められない可能性もあるので、「知らなかった」で後々損をしないように、しっかりと手順を押さえておきましょう。

手順①|残業時間の証拠を集める

1つ目の手順は、残業時間の証拠を押さえておくことです。

未払い残業代を請求するためには、説得力のある方法で実際の労働時間を管理しておく必要があり、手書きのメモなどでは請求時に認められない可能性があります。

下記の記事では賃金の計算方法や労働時間の管理法などについて紹介しています。会社側の勤怠管理に疑問を感じる方は、下記の記事もご覧頂き、正しい方法で残業時間を管理して下さい。

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手順②|未払い金を算出する

2つ目の手順は未払金を算出することです。

ここでは、先述した給与の計算方法に従って本来あなたが受け取るべき金額を計算します。計算にあたって確認すべき内容は以下の通りです。

  • 勤務する会社の所定労働時間。(法定時間内残業の有無の確認)
  • 勤務する会社で設定されている、残業時間に対する割増賃金率。
  • 法定時間内残業に対する割増賃金の有無。
  • 該当する月の所定勤務時間。
  • 該当する月の基本給。

これらの情報が集まれば、時間あたり基本給・法定時間内残業の賃金・法定時間外労働の賃金などが算出でき、本来受け取るべき給与のおおよその金額を算出できます。

手順③|会社と交渉する

最後の手順は会社との交渉です。

実際に勤務した時間の記録と、正しい計算で導き出した受け取り給与額と未払い残業代が判明したら、会社に未払い分の給与の支払い請求をします。

請求後も会社に残る場合は、会社側と直接交渉をすれば良いですが、退職後に請求する場合は「催告書・請求書・通知書」などを作成して、後々送り先・日次・書面の内容を証明できる「内容証明郵便」で企業に送付しましょう。

会社と交渉しても残業代を回収できない場合

もし、先述した方法で会社側に未払い残業代を請求しても、代金を回収できなかった場合は、ここで紹介する方法を実践しましょう。

労働基準監督署に申告する

まず1つ目の方法は、労働基準監督署に行って、未払い残業代が回収できないことを申告することです。

労働基準監督署とは厚生労働省の管轄機関で、労働基準法などの労働者保護を目的にした法律の規定に則って、企業の監督や保険の給付を行う機関です。

労働基準監督署に申告する場合も、残業時間の証明・具体的な未払い残業代の金額・請求書などがなければ、動いてくれない可能性があります。なので、請求の手段に関係なく、必要な情報や書面は揃えておきましょう。

労働問題に詳しい弁護士に相談する

ただし、労働基準監督署を通しても、個人で未払い残業代を請求することは難しかったり、自分で会社と交渉するように言われて、突き返されることもあります。その場合は労働問題に詳しい弁護士に相談しましょう。

先程残業代の計算方法を紹介しましたが、実際に正確な金額を個人が計算するのは難しいので、その計算も含めて専門の弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

この記事では、日本人の残業時間の傾向・業界や業種別の残業の傾向・残業と労働基準法の関係・未払い残業代の請求方法などについて紹介しました。

企業に就職しているとお金の管理を会社側に任せてしまいがちですが、労働の対価を受け取るのはあなたです。タダ働きにならないためにも、自分で勤務状況と本来受け取るべき金額は把握しておきましょう。

またその管理過程は、あなたの働き方や時間あたりの給与を見直すきっかけにもなるので、あなたの生産性を向上させるためにも、ぜひ自分で管理する習慣をつけてみて下さい。

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