【企業研究】ニコンの平均年収は800万円以上|初任給やボーナスも解説

映像事業と精機事業で国内外に高いシェアを誇る「ニコン」。「キャノン」や「オリンパス」と並ぶ大手の企業ながら、その年収も気になるところです。ここでは「ニコン」の売上や年収やボーナス、将来性などを他の企業と比較しながら解説していきたいと思います。

監修者

キャリアアドバイザー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

ニコンの平均年収は約800万円

ニコンの年収はいくらか、気になる方は多いでしょう。ここでは、ニコンの初任給や平均年収など、給与事情を紹介していきます。

2015年3月期~2019年3月期までの従業員の平均年収はニコンの有価証券報告書によると、次の通り算出できます。この5年間で平均年収は少しずつ上がっていることが分かります。

目次

年齢別の年収推移

ニコンの年齢別の平均年収の推移は以下のように推定されます。

役職別の年収推移

ニコンの役職別の平均年収は以下のように推定されます。

ニコンでは部長まで昇進するとかなり高い年収を得ることができるとわかります。

ニコンの給料事情

ニコンの年収について解説したところで、以下では給料に関して、初任給やボーナスの額を紹介していきます。

初任給

ニコンの初任給は次の通りです。

ニコンの採用は「事務系」と「技術系」に別れています。「事務系」は 営業、企画、経理、人事、総務、法務など 、「技術系」は 機械系、電気・電子系、情報系、物理系、化学系、バイオ系、数学系、経営工学系、知的財産系などとなっています。

勤務地はどちらも本社、国内各製作所、国内グループ会社、海外グループ会社などとなります。

職種ごとの初任給

「事務系」と「技術系」では以下のように初任給が定められています。

学歴ごとの初任給

学歴ごとには以下のような違いがあります。

ボーナス

ニコンのボーナス額は公表されていませんが、 厚生労働省の賃金統計基本調査の比率からある程度の水準を知ることができます(以下データは一例です)。

ニコンの年収・給与に関する評判

「職責と資格から月給が決定されますが、いずれも年功序列が基本です。高い査定をもらえると昇進は早まりますが、努力を評価してもらえるかどうか、すべてが配属部署と上司に好かれるかどうかでフェアーではありません」

給与体系の基本は年功序列のようです。早く昇進するには、配属部署の上司と上手くコミュニケーションをとる必要があるみたいで、フェアではないとの声も上がっているみたいです。

「年2回賞与あり、各種手当については、家賃補助並びに社宅制度は10年以上前に廃止されており、新卒独身社員が30歳まで入居できる寮があるのみ。一方海外駐在員への海外手当、住宅補助は地域により差はあるものの手厚い」

賞与は年2回と一般的な企業とさほど変わらないみたいです。各種手当は廃止されている制度はあるものの、海外へ転勤すると海外手当や住宅補助の手厚い手当があります。

参考:Openwork

ニコンの年収が良い理由

前述した通り、ニコンが安定した高い年収を維持していることがわかります。特に課長クラスになると年収1,000万円を超えるでしょう。

ニコンでは売上の8割を占める映像事業と精機事業が占めています。主にデジタルカメラやコンパクトデジタルカメラ、交換レンズを手がける映像事業は全体の約50%、フラットパネルディスプレイ露光装置や半導体露光装置を手がける精機事業は全体の約30%もの割合で収益を支えています。

2018年度において、映像事業ではデジタル一眼レフカメラの販売が好調となり増益となりました。また、半導体分野では運用体制への転換、サービス収益や中古機の転売収益などの事業戦略の見直しが行われ、収益を大幅に改善し年収も上がりました。

ニコンの基本情報

ここではニコンの公式ホームページ、有価証券報告書など公式なデータを用いて、文章および表を作成しております。

基本データ

業績推移

ニコンの売上は連結で1兆円に迫る規模となっております。業績推移を見てみると、売上は右肩上がりではなく前期比減収となっておりますが、税後利益は堅調に推移していると言えます。

福利厚生

  • 完全週休二日制
  • 年間休日128日
  • 有給休暇・特別休暇
  • フレックスタイム勤務制度
  • 各種社会保険
  • 各種法人会員加入
  • 持株会
  • 財形貯蓄
  • 独身寮
  • 各種クラブ活動

ニコンでは、社員一人ひとりがより豊かな生活を送れるよう、福利厚生の充実にも力を入れています。また、柔軟な働き方を支援し、ワークライフバランスの推進を目的とし、フレックスタイム制度を採り入れ、始・終業時刻を自分で選択できる制度作りをしています。

その他に、ニコングループの社員やその家族が利用できる直営の保養所、山中ロッジ(山中湖)と望海荘(熱海)を所有しており、多くの社員が利用しています。また、事業所に設置されているテニスコートなどのスポーツ施設などがあり、スポーツを楽しむことが可能です。

社風・経営理念

「信頼と創造」という企業理念は、シンプルな言葉ですが、実現することは決して容易ではありません。私たちは、これまで大切にしてきたこの言葉を、変わることのないテーマとして、これからも掲げていきます。

ニコンでは「信頼と創造」を企業理念とし、可能性に挑み、進化し続けています。「信頼と創造」という言葉はシンプルですが、ニコン社員の中に刻まれ、ニコンが日々進化し続けている証でもあります。

そのようなニコンの信念のおかげで、ここまで大きな企業になったということも過言ではありません。また、将来性といった意味でも期待のできる企業でもあります。

ビジネスモデル

ニコンでは映像事業と精機事業に大きく分かれています。しかし、現在ではそのビジネスモデルの変革時期でもあり、完成品を製造・販売してきたニコン、これから大きく変わっていきます。

AIをはじめとする技術との融合を前提に、 アプリケーションを含むソリューションを開発・提供する事業を手掛ける事業にも力を入れています。

映像・精機業界におけるポジション

ニコンのライバル企業として、「富士フイルム」や「キャノン」、「オリンパス」などがあります。「富士フイルム」は、近年「ヘルスケア」などの事業の多角化を進め、2000年と比較して2倍近い売り上げを誇っています。

「キャノン」では売上の30%に当たる1兆1,000億円をカメラやフォトブック等のサービスによりますが、今後はIoT化やAIの流れに乗り収益の柱へと育て上げることを目指しています。「オリンパス」では、2018年度の売上高のうち約8割の約6163億円が医療事業の売上です 。

その反面、ニコンは カメラ技術を突き詰め、その技術力を生かした製品開発やカメラで培った技術の他分野へ応用しています。映像事業において高付加価値製品の製造・販売。その他の分野では、顕微鏡などのインストルメンツ事業などを展開しています。

将来性

ニコンでは、中期目標として、持続的企業価値の「成長基盤構築」を目標とし、「仕込み」のための積極的投資を行う期間としています。また、 新領域への積極投資を通じた「新たな収益の柱の創出」を戦略の柱とします。

同時に、映像、FPD、半導体の収益力向上も図っており、「デジタルマニュファクチャリング」「ビジョンシステム/ロボット」「ヘルスケア」の3つを長期成長領域に定めています。

以上のようにニコンでは、中・長期目標を定め、計画的に将来に向けて成長していく仕組みづくりをしています。

まとめ

ニコンは、映像事業と精機事業のほかに、長期成長領域を定め、計画的に成長していく理念を持った企業です。その計画性や事業運営からも、安定した企業基盤が見られ、それにより安定した高い収益を誇り、高い年収を維持しています。

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