「おっしゃる通り」はビジネスメールでも使用可能!使う際の注意点や言い換え表現も紹介します!

「おっしゃる通り」はよく見聞きするものの自分で使うとなると躊躇しやすい言葉です。今回は「おっしゃる通り」の意味や使い方、メールでの使用などについて解説します。ご認識の通り、ご推察の通りなど似た類語も多くご紹介しますのでぜひ参考にしてください。「おっしゃる通り」を使うときの注意点にも注目です。

「おっしゃる通り」の基本情報

「おっしゃる通り」は日常会話やビジネスシーンでも使われています。まずは「おっしゃる通り」の意味など基本的な情報について解説します。

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目次

「おっしゃる」は「言う」の尊敬語

「おっしゃる通り」の「おっしゃる」は「言う」の尊敬語表現です。尊敬語とは、目上の人を敬う言葉で敬語のひとつです。目上の人の言動は尊敬語で表すのがマナーです。

「おっしゃる通り」の意味・ニュアンス

「おっしゃる通り」とは「あなたの言う通り」という意味です。

「おっしゃる(仰る・仰有る)は「仰せある」の変化。「言う」の尊敬語。
三省堂 新明解国語辞典

「おっしゃる通り」は「まさにあなたの言う通り、あなたの言い分は決して間違っていません」と、相手の言うことを全面的に肯定するニュアンスがあります。

「おっしゃる通り」の読み方・表記

「おっしゃる通り」は「おっしゃるとおり」と読みます。「とうり」ではない点に注意しましょう。

表記は「おっしゃる通り」と書くのが一般的です。「仰る(仰有る)通り」と書いても間違いではありませんが、通常は「おっしゃる」をひらがなで書きます。

「おっしゃる通り」は上司・目上の方に使っても問題ない

「おっしゃる通り」は、上司や目上の人に使っても問題がない言葉です。尊敬語の「おっしゃる」が使われているため、「おっしゃる通り」だけでも敬語の分類には含まれます。

しかし、日常のシーンでは「おっしゃる通りです」「おっしゃる通りでございます」など、丁寧語(です)や、謙譲語(ございます)と一緒に使われることがほとんどです。

これは「おっしゃる通り」だけで上司や目上の人へ返事をしてしまうと、ややぶっきらぼう、または形式だけの言葉として受け取られやすく失礼なためです。

【場面別】「おっしゃる通り」の使い方・用例

「おっしゃる通り」は、相手の発言を肯定する場面で使います。しかし「肯定する」と言っても、そのシーンはひとつではありません。

場面①|目上の人の発言に賛成する場面で使う

まず1つ目は「目上の人の発言に賛成する場面」です。この場合の「おっしゃる通り」は、相手の発言や提案に対して「本当にその通りだ」と、自分が納得して使います。

  • 部長のご提案はおっしゃる通りだと思います。なぜなら~
  • 今回の指摘については、先方のおっしゃる通りです。といいますのも~

この場合の「おっしゃる通り」は、自分の発言の冒頭で使います。なぜなら、この「おっしゃる通り」の後には、なぜ自分がそう思っているのかという理由を付け加えなければならないからです。

「おっしゃる通り」の後に自分の見解や意見を述べることで、賛成している理由を明確にします。

場面②|怒っている相手の傾聴に使う

2つ目は「怒っている相手に傾聴する場面」です。傾聴(けいちょう)とは、相手の発言に耳を傾け、気持ちを受け止める行為です。

  • (社員の教育がなってない)おっしゃる通りでございます。社員の教育ができておりませんでした。
  • (おたくのおかげで大迷惑だ)おっしゃる通りです。こちらの不手際でご迷惑をおかけしました。

この場合の「おっしゃる通り」は相手に怒りの気持ちを吐き出してもらうために使うので、①のように「なぜなら~」などの理由付けはしません。

相手の気持ちに同調することで怒りを収めてもらうための「おっしゃる通り」です。

場面③|気心の知れた相手への発言で使う

3つ目は「気心の知れた相手へ使う場面」です。「おっしゃる通り」は敬語ですが、それを敢えて同僚や部下・友人などに使うことでフランクでウィットな会話を楽しめます。

  • (友人や家族・同僚や部下からの指摘に対して)君のおっしゃる通りだよ、今週の僕は確かに飲み過ぎている
  • (デスクが散らかっていると指摘した同僚へ)おっしゃる通り、ちょっとデスクを片付けなきゃね

ただしこの「おっしゃる通り」も、相手がその場にいない場合は嫌味・皮肉に聞こえることがあります。他意がなく、相手がその場にいない場合は「○○さんの言う通り」など他の表現を使った方が安全です。

「おっしゃる通り」を使う際の注意点

「おっしゃる通り」は、使い方にいくつかのルールがあります。注意点を知って、正しく「おっしゃる通り」を使いましょう。

①語尾を省略して用いてはいけない

目上の人に使う「おっしゃる通り」は、語尾(です・ます・ございます、など)を省略してはいけません。

「おっしゃる通り」は敬語ですが、丁寧語・謙譲語の語尾がないと、目上の人への言葉として未完成です。未完成の言葉を目上の人に向けるのマナー違反です。

「おっしゃる通りです」「おっしゃる通りだと思います」「おっしゃる通りでございます」など、状況に相応しい語尾を付けるようにしましょう。

語尾は付けても「ね」を付けるのはNG

「おっしゃる通りです」に「ね」を付けて「おっしゃる通りですね」とするのもマナー違反です。「~ですね」は同調を表しますが、目上の人に気安く同調の言葉は向けません。

目上の人に同調する気持ちを表す場合は、やはり「おっしゃる通りです」などを使います。

②二重敬語「おっしゃられる」は間違い

「おっしゃる通り」を「おっしゃられる通り」とするのは間違いです。「おっしゃる」という尊敬語に、「~られる」という尊敬語を重ねているので、二重敬語となります。

二重敬語の中には使い続けられたことで市民権を得つつあるものも存在します。「~させていただく」などがその代表例です。しかし「おっしゃられる」は今のところ完全な二重敬語として広く認識されています。

敬語は正しいことも重要ですが、聞いた相手が違和感を持たないことも重要です。相手が明らかに二重敬語と認識するであろう言葉は使わないこともマナーと考えましょう。

③「おっしゃりました」は間違い

「おっしゃった(「言った」の尊敬語)」を「おっしゃりました」とするのも間違いです。「おっしゃりました」という言葉はありません。

当然「おっしゃりました通り」「おっしゃります通り」なども存在しない言葉です。

④単独での使用は避ける

「おっしゃる通り」は単独での使用を避けた方が良い言葉です。

  • 課長のおっしゃる通りです、以後同様のミスをしないよう管理記録を見直します
  • ○○様のおっしゃる通りでございます、大変申し訳ございません

「以後注意します」「申し訳ございません」など、「おっしゃる通りだから今後どうするのか」もしくはお詫びの言葉などと併せて使います。

これは言葉だけでない心からの反省をしている、という気持ちを伝えるためです。相手も反省の言葉やお詫びの言葉が付いていた方が、丁寧な対応として受け入れやすくなります。

⑤何回も繰り返して使わない

「おっしゃる通り」は何回も繰り返して使わない方が良い言葉です。

「おっしゃる通り」は、相手への賛同を表す言葉です。そのため「おっしゃる通り」と言われて嫌な気持ちがするとはあまり考えられないかもしれません。

しかし、会話の中で何度も「おっしゃる通り」が出てくると、次第に「この人は何も考えていないのでは」「自分の機嫌を取ろうとしているのでは」と疑いやすくなります。

「おっしゃる通り」はここぞというポイント(自分が本当に共感した場面)でのみ使うようにしましょう。

「おっしゃる通り」はメールや手紙等の書き言葉で使っても問題ない

「おっしゃる通り」はメールや手紙の書き言葉で使っても問題ありません。

「おっしゃる」の原型が「言う」であるため、手紙やメールで「言う」はおかしいのではないかと考える人もいるかと思います。しかし文法上・慣習上いずれも問題はありません。

  • ○○様、早速のご返信をありがとうございます。○○の件についてのご意見をいただき、まさにおっしゃる通りだと痛感した次第です。
  • 今朝のメールでご指摘をいただいた○○の件ですが、部長のおっしゃる通りだと思います。なぜなら~

もしも書き言葉としての「おっしゃる通り」に違和感がある、という方は次の見出しでご紹介する類語・言い換えの言葉を使ってみてください。

「おっしゃる通り」を使用したビジネスメールの例

商品企画部各位

お疲れ様です、○○部の○○です。
先日弊社対応についてご意見をいただいた、○○様の件について共有とお願いがあります。

○○様は今回初めて弊社商品をご利用になりましたが、○○の部分について使いにくさと安全性の欠如を感じられたとのことでした。

早速私自身が自宅で○○を使ってみましたが、○○様のおっしゃる通りでした。
ユーザー目線で商品を使用すると、確かに使いにくさとケガの可能性を感じます。

つきましては、各部署にて企画段階からの見直しをお願いしたく、ご連絡いたしました。
追って、企画会議の日時をご連絡いたしますので、各自改定案をご用意ください。

○○様からのご意見詳細については添付資料にてご確認をお願いいたします。

○○部○○××
内線:1234

この例は相手からの返信ではなく、自分から発信する内容に「おっしゃる通り」を使ったものです。ポイントは「おっしゃる通り」を物事の結論として使っている点です。

どのように「おっしゃる通り」だったのか、ということについては最小限の情報と、詳細を記した添付資料で伝えています。

「おっしゃる通り」の類語・言い換え表現

以下では「おっしゃる通り」の類語・言い換えに使える表現をご紹介します。ただし、どれも「おっしゃる通り」とまったく同じ意味・ニュアンスではありません。その点に注意して読み進めてください。

①仰せの通り

まず「仰せの通り(おおせのとおり)」は、「あなた様の言う通りに」という意味です。相手の言うことに賛同する姿勢を表す点では、「おっしゃる通り」と同じです。

  • 「(国賓から)明日は東京観光をするので手配をしておいて欲しい」→「かしこまりました、仰せの通りにいたします」

しかし「仰せの通り」は「おっしゃる」よりもさらに格式の高い「仰せになる(言うの最上級の尊敬語)」が使われているため、日常ではほぼ使いません。使うとしても、相手がかなり偉い人に限定されます。

また「仰せの通り」には、相手の言うことに同調していても、していなくても言われた通りにする、という意味も含まれています。そのため、日常で「仰せの通り」を使うと皮肉と誤解されやすいので注意しましょう。

②ご推察の通り

「ご推察の通り(ごすいさつのとおり)」は「あなたが見当をつけている通り」という意味です。「推察」は「他人の事情や心中を、たぶんそうであろうと見当付ける」を意味します。

  • 「(上司から)新しいシステムを入れたいが…」→「ご推察の通り、今の自社にはそこまでの資金はございません」

「おっしゃる通り」が「言う通り」と表面に出る発言について使われるのに対して、「ご推察の通り」は相手が「考えている通り」と内面で付けている見当について使われます。

言葉の端々から、相手が「こう見当を付けているのだろう」とわかり、その通りだと思う場合に「ご推察の通り」を使います。

③ご明察の通り

「ご明察の通り(ごめいさつのとおり)」は「あなたが見抜いている通り」という意味です。「明察」は「推察」よりも確かな見当を意味します。

  • 「(上司から)A社はB社に身売りするつもりなのではないか」→「ご明察の通り、そのような噂が実際に流れ始めております」

「おっしゃる通り」と「ご明察の通り」は、どちらも相手の発言や見当が明確であるという点では同じです。

しかし「ご明察の通り」には、事態を見抜いた相手への賞賛のニュアンスも含まれる点が、「おっしゃる通り」との違いです。

④お察しの通り

「お察しの通り(おさっしのとおり)」は「あなたが考えている(気がついている)通り」という意味です。「お察し」は「察する」の丁寧語で「気がつく・感づく」という意味があります。

  • 「(上司から)今日いらした○○さんは顔色が優れなかったが…」→「お察しの通り、○○様は体調を崩しておられるそうです」

「おっしゃる通り」との違いは、相手が明確な言葉にしていない予想や想像について使われる点です。

「ご明察の通り」のような、相手を賞賛するニュアンスまでは含まれませんが、相手が気がついたことを認める場面で使われます。

⑤ご認識の通り

「ご認識の通り」は「あなたが認識している通り」という意味です。「認識」は日常でも良く使われる言葉で、「知っている・そのように理解している」という意味を持っています。

  • 「皆様ご認識の通り、次回の新作には自社の社運がかかっております」

「おっしゃる通り」と「ご認識の通り」の違いは相手が言葉にしているかどうかです。

相手が知っていることを言葉にすれば「おっしゃる通り」、言葉にしなくても知っているだろうと確信が持てることは「ご認識の通り」を使います。

⑥ご意見通り

「ご意見通り」は「あなたの(他者の)意見通り」という意味です。意見をくれたのが目の前にいる相手でも、他の誰かでも使えます。

  • 「お客様からのご意見通り、当店では最近品揃えのレベルが落ちています」

「おっしゃる通り」と「ご意見通り」は非常に似ています。どちらも「(誰かが)言った通り」という意味です。

上記の例文は「お客様のおっしゃる通り」と言い換えることもできます。

⑦ご指摘の通り

「ご指摘の通り」は「あなたの(他者)の指摘通り」という意味です。「指摘」とは、意見よりも鋭く、主に聞き手にとっては耳の痛いことを指します。

  • 「○○様ご指摘の通り、弊社の対応は雑だったようです」

「おっしゃる通り」には、良いことも悪いことも含まれますが、「ご指摘の通り」には良いことはほぼ含まれません。

上記の例文を「おっしゃる通り」で言い換えることもできますが、全体的なニュアンスは変わります。

⑧左様でございます

「左様(さよう)でございます」は「そうです・その通り」という意味です。主なビジネスシーンでは、上司や顧客に対して「そうです」の意味で「左様でございます」を使っています。

  • 「これは子供用ですか?」→「左様でございます、お子様用の商品です」

「その通り」という意味を持つ点では「おっしゃる通り」と同じですが、「左様でございます」は日常的な「そうです」という肯定を表すため、非常に頻繁に使われています。

⑨その通りでございます

「その通りでございます」は「まさにそうです・その通り」という意味です。「左様でございます」よりも、もっと強く肯定したいときに使えます。

  • 「ここは一般の方へも公開しているスペースなんですね」→「はい、その通りでございます、多くの市民の皆様へご利用いただいております」

「その通りでございます」を使うのは、自分が強くそのことをアピールしたい場面であることが多いでしょう。「その通り」という直接的な肯定をすることで、対象についての解説を加えやすくなります。

⑩ごもっともです

「ごもっともです」は「当然・当たり前」という意味です。相手が言ったことに対して「あなたがそういうのは当然でしょう」という意味で使います。

  • 「こんな杜撰な管理では困ります」→「ごもっともです、現在早急に体制を整えております」

「ごもっともです」も「おっしゃる通り」と同じで、相手の言葉を全面的に肯定します。

しいて言えば、「ごもっともです」の方が「おっしゃる通り」よりもさらに姿勢を低くして恐縮うするニュアンスが強くなります。

「おっしゃる通り」と意味は同じでも敬語ではない表現

日本語には多くの表現があり、中には「おっしゃる通り」と同じ意味を持つ言葉も複数あります。しかし、敬語ではない表現も含まれているので、誤って目上の人に使わないようにしましょう。

  • そうです
  • その通りです
  • 言う通りです
  • そう思います
  • 同じ考えです

これらはどれも敬語ではありません。「です・ます」を含んだ丁寧語です。そのため、上司や取引先の方、目上の人、ビジネスメールなどに使うのはタブーであることを押さえておいてください。

これらの意思を伝えたい場合は「おっしゃる通り」「左様でございます」などを使いましょう。

「おっしゃる通り」の英語表現

「おっしゃる通り」を英語で表現する場合は「It’s exactly as you said」を使ってみてください。

  • It's exactly as you said she is so smart.(おっしゃる通り彼女は聡明です)
  • It's exactly as you said the project was failure.(おっしゃる通りあのプロジェクトは失敗でした)

「おっしゃる通り」を表せる英語は、他にも「Just as you said」「You’re completely right」「Exactly」などもあります。

まとめ

今回は「おっしゃる通り」の意味や使い方について解説しました。「おっしゃる通り」は相手の言葉を肯定する言葉なので、目上の人と話すときなどにはつい使いすぎてしまうかもしれません。そんなときは類語を使えば問題はないでしょう。

「おっしゃる通り」の類語や言い換えの言葉を語彙としてストックしておけば、ニュアンスに応じて使い分けられ、相手にも「しっかりと賛同してくれている」と思ってもらえそうです。

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