理学部の就職先はどんなところが多いのか?|学部別の特徴や院進との比較を徹底解説!

理学部は、工学部や農学部と比べると就職に弱くて将来性が低いと評判です。しかし、東大や京大理学部では化学科、数学科や生命化学科など幅広い学科があり、就職先も様々だと考えられます。本記事では、まず理学部の概要と主な就職先、続いて、就職実績に基づく理想的な卒業後の選択肢を解説致します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

理学部とは

理系学部の1つとして、理学部をご存知かと思いますが、具体的にどのような学部なのか知らない方も多いと考えられます。

そこでこちらの見出しでは、理学部とは何かをご理解頂くために、学部の概略と主な学科をそれぞれ解説致しますのでご覧ください。

目次

理学部は何を学ぶ学部か

まず初めに、理学部は何を学ぶ学部かという点ですが、主なポイントとしては以下が挙げられます。

  • 自然科学の理解を深め自然界を知る
  • 自然現象の仕組みを分析して解き明かす
  • 地球や宇宙の成り立ちを把握する

このように、理学部は「自然」をキーワードとして、自然の成り立ちや自然現象を知るための学問を学んでいる学部と言えます。

多くの理学部では、大学1、2年次でまず基礎となる数学や物理しっかりと学んで、3年次以降に専門的な学習をしています。

主な学科

次に、理学部にある主な学科ですが、例えば東京大学理学部ではこのような学科が設置されています。

この他にも、特定の研究分野に特化した学科が理学部には数多くあるので、興味のある方は大学の公式ホームページをご参照ください。

学科別の主な就職先

前述の見出しにて、理学部の専攻学科をいくつかご説明致しましたが、どのような業界へ就職をしているのか気になるかと思います。

そこでこちらの見出しでは、各学部別の主な就職先企業をご紹介致しますので、就職先を検討されている方はぜひご活用ください。

数学科

本見出しでは、理学部数学科出身の学生が選ぶ、代表的な業界と就職先企業をご紹介致します。

このように、数学科出身であるとアクチュアリーという資格を得て保険業界に就職をしたり、統計分析を駆使してIT業界や製造業界へ行きます。

理学部の中でも、比較的専門領域を活かした資格や、知識を用いた職務に付きやすいことが、数学科の特徴として挙げられます。

化学科

本見出しでは、理学部化学科出身の学生が選ぶ、代表的な業界と就職先企業をご紹介致します。

以上が、理学部化学科出身の就職先となりますが、化学の知識を活かして製造業、化粧品や製薬系の企業で実績があります。

これらの企業では、研究職として化学科という学歴が評価されるため、就職しやすいことが特徴だと考えられます。

物理学科

本見出しでは、理学部物理学科出身の学生が選ぶ、代表的な業界と就職先企業をご紹介致します。

これらが、理学部物理学科出身者の就職先企業となりますが、いずれも高収入で高難度の就活偏差値を誇っていることが特徴となります。

物理学科出身者は、論理性に加えて難解な金融工学も扱えるため、以上のような業界の企業にて就職実績があると想定されます。

生物学科

本見出しでは、理学部生物学科出身の学生が選ぶ、代表的な業界と就職先企業をご紹介致します。

以上が、理学部生物学科出身者の就職先企業となりますが、前述の3学科と比べると就職では圧倒的に不利だと言われています。

生物学科では、バイオ関連の研究を行いますが事業として確立している企業はまだまだ少なく、専攻を活かせない中での就活となります。

地学科

本見出しでは、理学部地学科出身の学生が選ぶ、代表的な業界と就職先企業をご紹介致します。

これらが、理学部地学科出身者の就職先企業となりますが、生物学科と同様に就職活動では専門領域を活かしきれないことが特徴となります。

地学科では、地層や資源に関する研究を行いますが、いずれの業界においても企業数が少なく、関連する業界の企業が就職先になっています。

理学部は就職に弱いのか

上述の見出しにて、理学部の代表的な学科ではどのような就職先があるのか、実情をご理解頂けたと思います。

そこでこちらの見出しでは、理学部は就職に弱いのかという疑問に対して、2つのポイントから解説をして参ります。

自分の専攻を生かした就職は難しい

1つ目のポイントは、理学部では自分の専攻を生かした就職は難しいですが、その主な理由としては以下が考えられます。

  • 学術的な研究である専攻が多くある
  • 研究内容が仕事に結びつきにくい
  • 専門的な能力でオーバースペックである

理学部の各研究科は、いずれも極めて難関な専門領域を扱っていますが、その多くはあくまでも学術的な研究に位置付けられます。

一方で、企業が求めるのは市場のニーズを満たしたり、顧客の課題を解決することであり、これらとはマッチしにくいのが現実なのです。

専攻で就活を分けてうまく進めよう

2つ目のポイントは、専攻で就活先を分けてうまく就職活動を進めることであり、例えば以下のようなアプローチが有効となります。

  • 専攻の知識を活かせる業界の就職活動
  • 専攻内容を補填する資格での職種選び

仮に、理学部の専攻を軸として幅広い業界を志望しても、チャンスがあるのは研究職のあるメーカーが中心となります。

そのため、あらかじめ理学部の就職実績がある企業や、専攻を補填できる資格を売りにして就職活動をすることが推奨されます。

大学院進学と就活、どちらがよいか

ここまで、理学部の概要や学科別の進学先をご紹介し、就職に関する実情もご説明して参りました。

こちらの見出しでは、本記事の締めくくりとして、理学部の学生は大学院進学と就活どちらがよいか、双方のメリットを解説致します。

理学部が就職をせず大学院に進学するメリット

以下では、理学部が就職をせず大学院に進学するメリットを3つご説明致します。

大学院へ進学する場合、大学での専攻に合わせて研究室を選び、さらに発展的な分野を2年から4年かけて学ぶことになります。

メリット①|研究を続けられる

1つ目のメリットは、大学院へ進学をすれば学部で取り組んできた研究を最低でも2年間、最長で4年間続けられることです。

  • 理系学生としての研究願望を満たせる
  • より専門的な学習に繋がる
  • 新たな同期や教授と共に学べる

このように、大学院進学は理学部の学生としては、本分とも言える研究の機会をもたらします。

メリット②|学歴を高められる

2つ目のメリットは、大学院進学により学歴を高められることであり、社会的にも市場価値の向上に繋がると考えられます。

  • アカデミック領域での評価
  • 就職活動における学歴評価

このように、大学院へ進学をすればその後さらにアカデミックの道へ進んでも、就職を目指しても学歴が評価されると期待されます。

メリット③|人生設計を考えられる

3つ目のメリットは、就職までの期間を伸ばせることであり、進学期間中もその先のプランをじっくりと考えることができます。

  • 研究者として1つの事象を解き明かす
  • 指導者として教授になる
  • 就職して専門知識を世の中に役立てる

大学院へ進学すれば、様々な選択が可能となるため、大学院にて研究をしつつどれを選ぶのかじっくりと考えて決めることができます。

理学部が大学院に進学せず就活をするメリット

以下では、理学部が大学院に進学せず就活するメリットを3つが説明致します。

進学せず就活をする場合、文系や他の理系学部と同様に、就職を希望する企業を選んで採用選考を突破する準備をすることとなります。

メリット①|選択肢が広がる

1つ目のメリットは、それまで専門としてきた研究分野とは異なる世界を知り、選択肢が広がることです。

  • 文系の学術分野を新たに学ぶ
  • 研究とは関連性が薄い業務の理解

理学部をはじめとして、理系学部では特定の分野を研究しますが、就活をきっかけにそれまで知らなかった世界を学ぶことにも繋がります。

メリット②|経済的に自立できる

2つ目のメリットは、企業で働いて給料を受け取るため経済的に自立できることです。

大学生や大学院生でも、アルバイトをすることはできますが、社会人として働くほうがより高額であると考えられます。

メリット③|進学先を増やせる

3つ目のメリットは、大学を卒業して一旦就業の経験を積むことで、大学院の進学先候補を増やせることです。

  • 就職先の業務に関連するビジネスの大学院
  • 大学の専攻に基づくアカデミックな大学院

このように、大学を卒業してそのまま大学院へ行かずに就職をすることで、以上のようにその先の進学先が増やせると期待されます。

まとめ

本記事では、まず理学部とその学科をご紹介して、学科別に就職先をお伝え致しました。

また、理学部の就職に関する実態をお伝えした後に、大学院進学と就職ではどちらが良いかを解説致しました。理学部の方は、ご自身の専攻をよく考慮して、進路を決定してみてはいかがでしょうか。

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