「教える」の敬語表現には、どんなものがあるでしょうか。仕事では人に教えてあげる場合や、上司に教えを乞う場合があります。それぞれのシーンに合わせた敬語を使用するべきです。「教える」の言い換え表現や、メールでの言い方などもまとめました。敬語の使い方がわからないとき、本記事をご参考にされてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
「教える」の敬語表現
人に何かを教えることは多いです。目下の人には「教える」で問題ありません。目上の人の場合、表現を気を付けなければいけません。
「教える」の敬語表現は、「お教え致す」です。敬語の度合いを高くしたい場合は「ご教示いたします」を用いると良いでしょう。以下の文章では、謙譲語と尊敬語に分けてご説明致します。
「教える」を謙譲語で表す
謙譲語とは、対等な相手に対してもへりくだって表現する言い方です。相手を立て、自分が下であるように表現する言い方になります。以下では、「教える」の謙譲語表現を2種類ご紹介します。
業務の状況や相手により、謙譲語表現を使用すると円滑に仕事が行えます。ご参考にされてください。
「教える」の謙譲語表現
人に何かを教えるとき、状況から自分が上であるかのように接してしまう場合があります。相手の立場を見極め、嫌な想いをさせないためには謙譲語表現をマスターする必要があります。
「教える」の謙譲語表現は、以下の2種類を覚えておきましょう。同等以下の人に対するものと、目上の人に対する表現です。
表現①|お教えいたします
ビジネス用語で最も使用しやすいのが、こちらの表現です。自分と同等以下の立場の人に対し、あえて下位の立場から話しかける表現方法です。
相手に嫌な思いをさせず、気持ちよく業務が遂行できるでしょう。気心の知れた上司にも使用することが可能です。人に教えることが多い人は、頻繁に使用する表現方法と言えます。
ただし、目下の人に頻繁に使用すると、舐められる原因になりやすいです。威厳を保つためには、謙譲語をしようせず「教える」のままで部下を育成する必要がある場合もあります。
表現②|ご教示いたします
明らかに目上の人に対し、表現を考えるなら「教示(きょうじ)」を使いましょう。教示とは教えることを意味します。例えば、目上の人がゴルフに誘ってくれた場合などに使用できます。
明らかにあなたの方が知識も熟練度も高い場合、目上の相手に教える状況が生まれます。上司も教えてもらおうと考えていることもあるのです。
その場合、「お教えします」を使用すると、あなたの立場が上位になりかねません。あくまで仕事上での付き合いをしている場合、相手の立場は保つ必要があり、「教示致す」を使用するとベストです。
「教える」の尊敬語表現
尊敬語は、相手を敬う言い方です。自らが下がるのではなく、相手を立てるために使用します。「教える」の場合、尊敬語を使用するのは自分の発言にではありません。
目上の人が教えてくれる場合など、相手の行動に敬意を払うために用います。上司が教えてくれる場合に使用できる尊敬語表現を2種類ご紹介いたします。
表現①|お教えいただく(お教えになる)
あなたが教えてもらう場合、「お教えいただけますか」などと表現します。相手の立場が上位である意識が伝わり、教えてもらいやすくなります。
部下全体に教えてくれる場合などは「お教えになられる」などと表現すると良いでしょう。相手を立て、尊敬している表現になります。
業務上では、上司から部下へ教える状況が生まれやすいです。部下が発言する場合には、尊敬語を使用することになります。教えてもらう場合、部下の立場は下であることは忘れずに表現を考えましょう。
表現②|ご教示いただく(ご教示くださる)
謙譲語と同様に、尊敬の度合いを高くするには「教示いただく」を使用すると良いでしょう。「教示」は、もともと名詞表現です。後に続く表現を変えることで尊敬語にもなります。
上司が教えてくれる場合に使用しましょう。尊敬語のほとんどは、相手が行動する場合に使用します。相手が気持ちよく教えられるようにする礼儀とも言えます。
先ほどのゴルフの例では、あなたの能力が低い場合です。さらに丁寧に表現したい場合、言葉の前に「よろしければ」を付けると丁寧さが増します。
「よろしければご教授ください」を使用しましょう。
「教える」を目上の人に使うときに気を付けたいこと
目上の人に教えるには、気を付けなければならないことがあります。主に、自分の立場が相手より上にならないよう気を付けるのです。
以下で述べるニュアンスは、年代によって受け取り方が違います。20代では常識でも、50代には非常識であることは多いのです。注意点を踏まえ、シーン別に言い換え表現をご紹介します。
「教えてあげる」というニュアンスが付きやすい
「教える」という言葉で想像できる人物は、ほとんどが「先生」を挙げるでしょう。現代を生きる人は、学校を卒業しています。「教える」には偉そうなニュアンスが含まれるのです。
目上の人に教える場合、あなたが偉そうにしてはいけません。「教えてあげる」ではなく、「教えさせていただく」ほどの謙虚さを持つ必要があるのです。
社会人になれば、学生が子供に見えるでしょう。社会人30年目50代の上司は、新卒の人を見ても子供に見えます。ニュアンスだけでも、あなたが上位になる可能性は無くす気配りができなければなりません。
シーン別に言い換え表現がある
多くの人が直面する、ビジネスシーンがあります。目上の人に教える状況や、使い方を教えるときなど言葉遣いに気を付ける場面をご紹介します。
以下では、解説だけでなく例文をご紹介します。例文を参考にされ、毎日の生活の中で、少しずつ敬語表現を意識してみてください。自然と綺麗な言葉が使用できるようになります。
目上の人に日程・都合を教えるとき
目上の人に、自分の日程や都合を教えるときには「伝える」を使用しましょう。敬語表現にすると「お伝えいたします」になります。
例文
先日、取引先会社より連絡がありまして、日程の調整をお願いしたいとのことでございました。先方が指定してきた日程をお伝えさせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。
解説
日程や都合を教えるのは、伝える意味で使用します。上記では自分の日程ではなく他社の日程で述べましたが、自分の日程を教える場合でも「伝える」を使用すると良いです。
相手に物の使い方を教えるとき
上司でなくても、明らかに目上の人に物の使い方を教える場合があります。立場上は同僚でも、年齢が上の人に対しても気を配ります。例文は以下の通りです。
例文(同僚の場合)
〇〇さん、コピー機の使い方がわからないと伺って来たのですが、大丈夫でしょうか。よろしければ、使用方法をお教えいたします。
例文(上司の場合)
部長、新型のコピー機の使用方法は大丈夫でしょうか。よろしければご教示致します。
解説
同僚の場合と、上司の場合では立場が異なります。敬語の使用は、相手の立場により変化させましょう。どちらの場合も「伝えさせていただく」を使用しても良いです。
目上の人に場所を教えるとき
目上の人に、あなたの現在地を教える場合があります。また、業務上で上司に指定場所へ行ってもらわなければならないとき、以下の例文のように言葉を選びましょう。
例文
先日の会議で決定したプロジェクトですが、最終打ち合わせの場所が決まりました。お伝えしてもよろしいでしょうか。
解説
基本的に、場所を教える場合には「伝える」を使用できます。もし「教示」や「教える」を使用すると、上司より自分の立場が上だと主張しているようなものです。ご注意ください。
「教える」を使ったビジネスメール例文
ビジネスメールでは、読み手の感覚によりニュアンスが異なって伝わる場合があります。会話のときよりも、細心の注意を払って言葉を選びましょう。
「教える」の言い換えで「伝える」を使用すれば、柔らかい表現になりやすいです。以下では、どうしても「教える」を使用する場合の例文をご紹介いたします。
例文①
件名 業績向上を目的とした営業方法のご教示について
〇〇様
拝啓、日々暑さが増してくる近日でございますが、いかがお過ごしでしょうか。この度、弊社業績向上を目的とした新人育成プロジェクトが始動いたします。
新人育成プロジェクトでは、営業成績向上を目的としております。つきまして、以前よりご教示いただいている〇〇様の営業方法を、新卒社員にご指導いただきたくご連絡差し上げました。
後程、お電話をさせていただきます。どうぞご検討よろしくお願い申し上げます。敬具
株式会社〇〇 営業部長 〇〇 ℡〇〇‐〇〇〇ー〇〇
解説
例文①は、社外の人物に対するメール例です。社外の人は、例え目下と思われる相手でも、謙った表現をします。最上位の敬語表現を心がけ、お願いをする程度の腰の低さを表すと良いでしょう。
例文②
件名 社内報発行日程をお教えください
〇〇様
企画部の〇〇でございます。突然のメールで失礼いたします。毎月発行されている社内報ですが、ぜひ載せていただきたい記事がございます。
来月の発行日が決定しておりましたら、お教えいただけないでしょうか。お忙しいとは存じますが、ご返答のほどよろしくお願い申し上げます。
企画部 〇〇
解説
社内の社員同士でのメールは、例文①と比べると砕けた表現が使用できます。ですが、メールでの表現は相手の受け取り方がわかりづらく、可能な限り謙譲語を使用しましょう。
「教える」の英語表現
会話英語での「教える」は、「teach」を使用します。しかし、ビジネスシーンでの「teach」は、自らを上位に見せる可能性が高まるため使用しません。
一般的には「inform 人 of 案件」を使用します。具体的な使用方法は、以下のサイトに詳しく記載されています。ご参考ください。
参考:【ビジネス英語】 仕事で使える”教えてください”の英語フレーズ集
まとめ
ビジネスシーンでの「教える」の敬語表現をみてきました。様々なシーンや相手の立場により、表現方法は異なります。同じ謙譲語でも、会話かメールかによっても気配りが大切です。
言葉を正確に使用し、ビジネスが円滑に進めてみてください。本記事を参考にされ、益々のご活躍をお祈りしております。