社会に出ると、自分のミスの責任の所在を他者になすりつけるタイプの人と出会います。それを「責任転換」という人もいるようです。「責任転嫁」という言葉もあり悩む人もいます。そこで今回は「責任転換」が辞書でどう説明されているのか、責任転嫁との違い、そのタイプと見分け方などを解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
責任転換とは
「責任転換」と「責任転嫁」は1文字しか違わないので、自分でもどちらを使っているのか、わからなくなる人もいそうです。ここでは、責任転換の意味について、文法的に説明します。
責任転換の辞書的意味
Webio辞書では、「責任転換」について以下のように説明しています。
「責任転嫁」の誤り。(後略)
実は「責任転換」という四字熟語は存在しておらず、言い方や書き方を間違っているのが実情です。また誤用している人の多くは、「自分が取るべき責任を、誰か別な方向に向けること」という意味で用いているようです。
責任転換の例文
「責任転換」は正しい日本語ではありません。しかし、誤用している人が多いのも事実です。誤用と気づかずに使われている例を以下にあげてみました。
- 部長は自分のジャッジミスを、課長に責任転換しました
- 自分の失敗を外部スタッフに責任転換するなんて、信じられません
上記の例文にあるように、「自分の責任を誰かになすりつける」というシチュエーションで誤用されることが多いです。
責任転嫁とは
「責任転換」は「責任転嫁」の誤用であると、前述しました。しかし「責任転嫁」の文字をみただけでは、読み方がわからない人もいそうです。ここでは「責任転嫁」の読み方や意味を紹介すると共に、例文を交えた使い方も説明します。
責任転嫁の読み方
「責任転嫁」は「せきにんてんか」と読みます。この四字熟語の語源は、「転嫁」がもともと「女性が再婚する」という意味だったこととされています。かつて結婚する女性は、他家に入るものとされていました。再婚することにより、女性に対する責任は以前の嫁ぎ先から他家に移るため、「責任転嫁」といわれるようになったそうです。
責任転嫁の辞書的意味
小学館のオンライン大辞泉では、「責任転嫁」を以下のように説明しています。
[名](スル)自分が負うべき責めを他の者に負わせること。責任を他になすりつけること。
つまり、「自分の責任を他人のせいにする」「責任を他者に押し付ける」ということです。そしてそこには、「自分の罪は認めない」「自分には落ち度がないと主張する」という意味が含まれています。
責任転嫁の例文
責任転嫁という言葉は、社会に出ると使う機会が多くなりがちです。以下に例文をまとめてみました。
- トラブルになった途端に先輩に責任転嫁されて、人間不信になりそうです
- 起こしたミスについて責任転嫁するつもりはないので、状況を説明させてください
責任転嫁はネガティブなイメージの言葉ですが、自分の責任を認めたうえで釈明したい時などにも使えます。用途が色々あると、覚えておきましょう。
責任転換と責任転嫁の意味の違い
前述したように、「責任転換」は「責任転嫁」の誤用です。しかし、誤用している人は微妙なニュアンスで使い分けをする傾向が高いようです。「責任転換」は原因の矛先を他者に向けるというニュアンスで使いますが、「責任転嫁」は誰かにミスを押し付けるという印象があります。
しかし「責任転換」が間違った表現であることに変わりはありませんので、「責任転嫁」と正しく使うことをおすすめします。
責任転嫁する人の特徴
職場でミスやトラブルが発覚した際に、責任転嫁されることは珍しくありません。そして、責任転嫁する原因として、以下のことが考えられます。
- 周囲に自分は失敗しない人だと思われたい
- ミスやトラブルは誰かが解決してくれると思っている
- 自分さえよければ、他者に迷惑をかけてもかまわない
だからこそ、自分を守る意味でも、責任転嫁する人の特徴を知っておくのは大事なことです。ここでは責任転嫁する人の特徴を、性格編・行動編にわけて紹介します。
責任転換する人の特徴【性格編】
責任転嫁する人を観察すると、共通する特徴が見えてきます。ここでは責任転嫁する人の性格の特徴を、具体的に説明します。
①自分の考えや意見をもたない
1つめは、自分の考えや意見をもたないことです。このタイプは、三通りに分かれます。
- 自分の考えや意見に自信がもてないので、他者の言いなりになる
- 自分で責任をとるのが面倒
- 少しでも楽をしたいと考えている
このタイプは指示されるまで仕事に取り組もうとせず、何かミスやトラブルを起こしても、指示した人のせいにして自分に責任がないと主張します。仕事を通して自分を成長させようという気持ちとは、無縁の人によく見られます。
②叱られるのが極度に苦手
2つめは、上司や先輩などに叱られることが極度に苦手なことです。性格的に打たれ弱く、注意される、叱られる、責任を追及されることを、徹底して避ける傾向が強いです。このタイプの女性の中には、強い口調で叱責されることへの恐怖心が強い人もいて、そこから逃れるために他者に責任転嫁するケースが珍しくありません。
③誰かに頼る習慣がついている
3つめは、誰かに頼る習慣がついていることです。一人っ子や末っ子など、親や兄弟姉妹に甘えて育ってきた人に、多く見られるタイプです。自分がミスをしても、誰かがサポートやフォローをしてくれるのが当たり前だと考えています。ある意味、自覚なく責任転嫁しているといえるかもしれません。
責任転嫁する人の特徴【行動編】
責任転嫁する人を、言動や行動を観察しているだけで見分けられるようになれば、対処しやすくなりそうです。ここでは責任転嫁する人の行動の特徴を、具体的に説明します。
①自分の非を認めようとしない
1つめは、自分の非を認めようとしないことです。自分の非を認めようとしない人はプライドが高く、ミスした事実を受け入れることで、周囲から劣っていると思われたくないという気持ちが強すぎます。中には自分が悪いと認めているにも関わらず、他者のせいにしている人もいるようです。
このタイプは上司や同僚ともめることが多いので、見分けやすいといえるでしょう。
②相手によって態度を変える
2つめは、相手によって態度を変えることです。上司やクライアントに気に入られるためなら、同僚や後輩を平気で裏切るタイプです。そのため、職場で良好な人間関係が築けない人が少なくありません。
また、気が弱い人や優しい人を見つけると、自分の仕事を肩代わりさせようするのも、このタイプです。自分がターゲットにならないように、気をつける必要があります。
③言い訳が先に立ち、嘘を平気でつく
3つめは、言い訳が先に立ち、嘘を平気でつくことです。その行動には、責任を他者に押し付けようとする気持ちが表れています。このタイプは、自分の失敗を認めたくない、それによって評価が下がるのを恐れる傾向が強いです。
自分を守るためなら、嘘をつくことも平気なので、最初にこのタイプに遭遇した時には驚くかもしれません。しかしやがては、周囲の人たちもそれを真に受けなくなることが多いです。
責任転嫁する人への対処法
上司や先輩が責任転嫁する人だった場合、我慢を強いられるケースも珍しくありません。しかし、いつまでも振り回されていると、自分にかかるストレスが大きくなる一方です。ここでは責任転嫁する人への対処法を3つ、紹介します。
①経緯が説明できるように証拠を残す
1つめは、経緯が説明できるように証拠を残しておくことです。責任転嫁する人は自分を正当化するために平気で嘘をつくので、それが事実ではないことを証明する必要があります。メールを保存するだけでなく、いつ何をいわれたのかを、詳細にメモに残すことをおすすめします。
また証拠を残しておくことは、責任の所在を明確にしなければならない事態に陥った時に役立ちます。良心がとがめるかもしれませんが、自分を守るために続けてください。
②責任転嫁する人とは距離を保つ
2つめは、責任転嫁する人とは距離を保つことです。特に気が弱い人や優しくて他者が気になってしまうタイプの人は、責任転嫁する人に付け込まれやすいので注意が必要です。仕事の依頼は第三者がいるところで受ける、2人きりにならないようにするなど、方法は様々です。
自分から意識して相手との距離をおける、環境づくりを行っていきましょう。
③責任転嫁されたら即座に否定する
3つめは、責任転嫁されたら即座に否定することです。責任転嫁する人があなたのせいにしようとした時に、すぐに「違います」と明確に反論するのです。この反論の場面で、前述した証拠を残しておくことが役立ちます。
日ごとから責任転嫁している人の場合は、周囲も味方になってくれることが多いので、協力をお願いするのもよいでしょう。
まとめ
今回は「責任転換」が辞書でどう説明されているのか、責任転嫁との違い、そのタイプと見分け方などを解説しました。
「責任転換」は正しい日本語ではないので、ビジネスシーンで使うのは不適切です。しかし職場では、責任転嫁する人が珍しくありません。性格や行動の特徴と対処法を知っておくことで、責任転嫁する人に振り回されずに済むよう、上手に対応してください。