「オワハラ」という言葉をニュースで耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。中には「これはオワハラなのでは?」という体験をしたことがある人もいるかもしれません。また、気づかない間にあなたもオワハラに遭っているかもしれません。この記事でははオワハラの実態と対処法について紹介しています。
弊社bizualでは、就活で業界選び、面接対策、ES対策などにお悩みの方向けに無料サポートを実施しております。
無料登録後、下記就活サポートが完全無料で受けられるようになっているため、就活生の方はぜひご活用ください。
bizualのサポートに無料登録しておくと・・・
- 就活生専門のコミュニティに無料参加できる!
- 面談後参加できるコミュニティで近年の就活業界の傾向などの情報を受け取れる!
- ES免除・1次面接無しの選考ルートも選べる!
- 選考対策(ES添削・模擬面接)を無料サポート!
- 面接官からの合否フィードバックを共有!
この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
オワハラとは
オワハラは、会社の評判を落としたり、入社した社員からの信頼が薄れてしまいモチベーションに悪影響を及ぼしたりと企業にとってもデメリットの大きい行為です。
オワハラとは、就職活動において起きているハラスメント。就活終われハラスメントとも。これは企業が学生に対して就職活動を終わらせることを強要するということである。企業側が採用したいと思った学生に対して、現時点で就職活動を終わらせるならば内定を出すなどといった形で行われている。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新卒採用において、企業が学生に対して就職活動を終えるよう働きかけたり、内定を出す代わりに長期間学生を拘束したりすることが問題となっています。
企業がオワハラをする理由
なぜオワハラを行う企業が存在するのでしょうか。以下では、企業の採用担当者がオワハラをしてしまう理由について解説しています。
理由①|内定には法的な拘束力がない為
就職活動において内定をもらっても、学生は必ずしもその会社に入社しなければならないという訳ではありません。いくつも内定を取って最後に一つに絞ることもできます。
しかし企業は内定を出せば原則取り消すことはできません。採用担当は採用の目標人数がありそれを達成することがミッションとなっています。
10人の採用目標があるとして10人に内定を出してもそのうち5人が入社に至らないとなると、この採用担当者はミッションをこなせなかったとなる訳です。
その為、内定を出した学生は必ず入社させるため、度が過ぎるとオワハラという形で学生を拘束してしまう事になるのです。
理由②|採用活動の開始時期がバラバラの為
企業によっては採用活動を始める時期が大きく異なります。
早めに採用活動を始めている企業は、その分早く学生にアプローチ出来るため優秀な人材を集めやすいです。しかし、内定を出した後に、学生が採用活動の開始時期の遅い企業の選考を受け、そちらの企業に入社することを選んでしまうリスクもあります。
オワハラを行うことで、せっかく内定を出した優秀な人材を後から採られないようにしようとしているということです。
オワハラは違法の場合もある
オワハラは内容によっては犯罪になることもあります。度が過ぎたオワハラをする企業は平気で犯罪を犯す企業とも言えます。具体例について以下で解説していきます。
- 「脅迫罪」
「内定を辞退したら同業他社に情報を流す」など、学生に対して何かしらの害を加えることを宣言することで、意思決定の自由を奪った場合が該当します。
- 「強要罪」
する必要のないことを無理やりさせた場合などがこれに当たります。例えば、訴えるなどど脅して、学生に土下座をさせたり謝罪文を書かせたりした場合に該当する可能性があります。
- 不法行為による損害賠償責任
学生が企業からのオワハラによって精神的な苦痛を受けた場合は、損害賠償の対象になりえます。怒鳴られたり、個人を否定するような事を言われたり、長時間拘束されたりなど、第三者から見て精神的苦痛があったと認められる場合はこれが認められることもあります。
オワハラの手法別対処法5選
ただ就活を終えるよう言葉で促すだけがオワハラではありません。中には脅迫めいた手段を使ってきたり、学生のためを思っている風なことを言って断りづらい環境を作ったりとその手法は様々です。
手法①|内定の取引
最終選考に来た学生に対して、内定を出す代わりに併願先に選考自体の連絡をすることを強要するケースがあります。その場で電話をかけなかった場合、内定を出さないなどと脅す場合もあるようです。
対策
こういった取引を持ち掛けられた場合は、きっぱり断りましょう。ここで応じてしまい他の選考の進んでいる企業を辞退すれば必ず後悔することになるでしょう。
もし可能であれば、併願先は辞退したと適当な嘘をついて就活を続けてしまいましょう。
ポイント
学生に対してこういった取引を行うような企業を良い企業と言えるでしょうか。それまで志望度が高かったとしても、一度冷静に考えた方が良いかもしれません。ブラック企業の可能性が高い為、基本的にはお断りしましょう。
手法②|泊まり込みでの研修や面接の延期
入社前の内定者に対して泊まり込みの研修を行う企業もあります。拘束時間を長くして、他企業の選考を受ける時間をなくすことが目的である可能性があります。
面接を延期したり、選考の頻度を上げたりするのもわざと他の企業との面接に行く暇を与えないといった理由で行われている場合があります。
対策
宿泊研修に参加することで学べることも多いでしょう。志望度がある程度高い場合は参加しても問題ありませんが、企業の本当の狙いを冷静に見極めましょう。
面接やイベントの日程について別日を提案してみて相手の出方を伺うという方法もあります。また、一度自分の時間をどう使うのが最善か落ち着いて考えることも大切です。
ポイント
日程の変更など、こちらからの要望にも誠実に対応してくれるかを確認しましょう。あまりに時間を取られるようであれば、その時間を他のことに使える可能性を、今一度冷静に考えてみた方が良いかもしれません。
手法③|教授の推薦状を依頼される
内定をもらうと、企業から教授の推薦状を提出するように指示されることがあります。推薦状を提出した後に辞退したい場合、教授と企業のどちらにも話を通さなければなりません。
教授の信頼にも関わってくるため、推薦を出した学生が内定を辞退することは、教授からしても避けたい事態でもあるのです。
対策
企業には教授と会う機会がない、大学に行く機会がないと伝えましょう。例えば長期間の旅行に行く、遠方の実家に帰るなどの理由でも良いでしょう。そうすることで提出期限を延ばすことが出来ます。
学校から、推薦状の発行が禁止されていると伝えても良いでしょう。発行できないと伝えれば企業も無理にとは言わないでしょう。
ポイント
何かしら理由をつけてお断りするか、提出期限を延ばしてもらいましょう。
手法④|内定辞退を伝えると脅迫される
内定辞退をしようとする学生を脅迫めいた言葉で脅すような企業もなくはありません。中には明らかに違法とされることを行っている企業もあるようです。
「情報を流す」「訴える」などと言われることもあるかもしれません。中にはその場では話が終わっても、後日何度も電話をかけてくるなど精神的に追い詰めてくる場合もあります。
対策
採用担当者が何と言おうと内定は辞退することが出来ます。心無い言葉に対して感情的になって言い返すようなことがないよう、落ち着いて対応しましょう。
あまりにしつこい場合は電話も無視してしまっても大丈夫です。脅迫は犯罪です。堂々としていましょう。
ポイント
挑発に乗らないのが鉄則です。堂々としていましょう。
手法⑤|社員との食事会
先輩社員や役員との食事会が入社前に行われる場合、オワハラを疑った方が良いかもしれません。食事会に参加させることで辞退しにくくなるように、恩を売っている可能性があります。
内定者の懇親会が頻繁に行われるのも要注意です。懇親会や食事会などが頻繁に行われているようでしたら警戒した方が良いかもしれません。
対策
確かに、役員や先輩社員と仲良くなるのは入社後には良い影響を与えるかもしれまん。しかし、仲良くなればなるほどさらに内定辞退がしにくくなります。
何度も参加することになりそうなのであれば、本命企業かどうかしっかり考えててみましょう。欠席したところで大きな問題はありません。まだ就活を続けるのであればそちらに労力を使う方が賢い場合もあります。
ポイント
懇親会や食事会の頻度があまりに高いようなら警戒しましょう。断る勇気も大切です。
オワハラを防ぐ方法
学生が企業に選ばれるといった就活のイメージを持つ人はいまだに多いです。しかし実際は学生が企業を選ぶものであり、評価する必要がある事を今一度しっかり理解しておくことが大切です。
方法①|学生の立場が強いことを理解しておく
内定が欲しいがゆえ、ついつい企業の言いなりになってしまいがちですが、就活において学生の立場は意外と強いことを理解しておきましょう。
日本では、企業は内定取り消しを行うと法的問題になる可能性がありますが、学生は職業選択の自由がある為内定を辞退することが出来ます。内定承諾書にも学生を拘束する力はありません。
また、内定後の企業の対応も入社先を選ぶ上でポイントとなる場合もあります。過度なオワハラをする企業はブラック企業である可能性が非常に高いので、そんな企業の内定は辞退してしまっても後悔はしないでしょう。
方法②|就職支援課に相談する
ほとんどの大学には就職支援課やキャリア支援課などが設置されています。大学は近年オワハラに関する対処や対策に力を入れています。
中には、内定後の企業とのやり取りについてのテクニックまで学生に指南しているところもあります。
大学が頼りにならない様であれば、 特定非営利活動法人であり労働問題の相談に乗ってもらえるPOSSEや、日本労働弁護団などの無料相談窓口に問い合わせるのも良いでしょう。メールや録音など証拠を用意しておくとスムーズです。
まとめ
「オワハラ」という言葉をニュースで耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。今回はオワハラの実態と対処法について紹介しました。
オワハラを行うような企業と上手く付き合っていく事も大切ですが、時には切り捨てる勇気も大切です。オワハラに振り回される前に、まずは落ち着いて自分の中の優先順位を考えることが大切です。