口述試験はただの面接ではない?問題例や評価ポイントを解説

公務員や大学院を目指す方にとって、口述試験は服装や問題が悩みの種ではないでしょうか。また弁護士や弁理士の予備試験では、専門的な英語表現を理解しなければならず難易度はさらに高まります。まず、口述試験とは何かをご説明し、続いて試験別に口述試験の問題例と通過率の高め方をお伝えします。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

口述試験とは

学生の皆さんにとって、口述試験は馴染みが薄くわかりにくいと考えられます。

そこで本見出しでは、「口述試験とは」何かをご理解頂くために2つのポイントをご紹介します。

目次

口述試験は複合試験

1つ目のポイントは、口述試験は複合試験であるということです。

口述試験では、面接官が受験者に対して特定の専門知識に関して、様々な質問をいくつもぶつけてその場での回答が求められます。

  • コミュニケーション力
  • 専門知識をベースにした対応力
  • 困難に直面した際の思考力

口述試験では、このように幅広い能力を受験者が有しているのかがわかるため、より実践的に複合的に試験を行うことができます。

口述試験がある理由

2つ目のポイントは、口述試験がある理由です。受験者側にとって、「なぜ口述試験が課せられているのか」という疑問があると思います。

  • 受験者の対応力を見るため
  • 受験者の人間性を知るため
  • 受験者に考えさせるため

口述試験が通常の試験と違う点として、対人で即座に考えて答えることが求められることが挙げられます。

口述試験では、人件費と時間がかかるデメリットもありますが、以上のような理由により採用されています。

口述試験と面接の違い

前述の見出しでは、口述試験の概略をご説明しましたが、面接と違うのか疑問を抱いた方も多いと考えろます。

そこで以下では、口述試験と面接との違いに関して2つのポイントをご説明致します。

違い①|評価ポイントが異なる

1つ目の違いは、評価ポイントが異なることです。面接での評価ポイントとしては、主に以下が挙げられます。

  • 基本的なマナーや言葉遣い
  • 履歴書に記載した内容の関連事項
  • 志望動機や自己PRなどの定番な質問

これに対して、口述後試験の評価ポイントとしてはこれらが想定されます。

  • 試験の対象範囲に関わる専門知識
  • 実践的なケース課題への対応
  • 課題解決のためのコミュニケーション

このように、口述試験での評価ポイントは面接よりも事前対策がしにくく、その場の対応力に重きを置いていると考えられます。

違い②|質問内容が多種多様

2つ目の違いは、質問内容が多種多様であることです。口述試験での質問としては、以下のような例が想定されます。

  • 特定の単語に関する意味
  • 業務の流れや対処方法について
  • ある過程に基づく課題解決の考え方

質問の中身や流れが想定しにくいため、口述試験では面接官との会話に気をつけつつ、適切に答えていくことが求められます。

試験別|口述試験の問題例

前述の見出しでは、口述試験と面接を比較した説明により試験内容の理解を深めて頂けたかと思います。

本見出しでは、3種類の試験別に口述試験の問題例をご紹介しますので、試験を受験される方はご参照ください。

司法試験予備試験

以下では、司法試験予備試験の口述試験に関して概要と対策方法をご紹介します。

弁護士になるには、2通りの方法がありますが、司法試験予備試験は法科大学院を卒業せずに弁護士を目指す最短ルートとなっています。

  • 法律学位取得→法科大学院卒業→司法試験→弁護士
  • 法律学位取得予定→司法試験予備試験→弁護士

一般的には、法科大学院を卒業してから司法試験を受けるながれですが、時間と学費を節約したい学生は司法試験予備試験を受けるのです。

口述試験の概要

司法試験予備試験の口述試験の概要として、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 短答試験と論文式試験の後に開催される
  • 主査と副査の2名が試験官となる
  • 対面で法律に関する質疑応答をする
  • 合格率は9割ほど
  • 論文式試験の合格発表後2週間以内に実施

司法試験予備試験の口述試験は、最難関である論文式試験を突破した者のみに課せられ、その合格率は高めです。

対策方法

司法試験予備試験の口述試験への対策方法としては、以下が挙げられます。

  • 試験範囲を法務省のホームページで確認する
  • 法的推論力、分析力と構成力を磨く
  • 弁護士の実務をイメージした問題を想定する
  • 予備校や過去問題にて実践演習を積む
  • 対話を通してヒントを得る癖をつける

司法試験予備試験では、教科書通りのケース問題が出ることはなく、試験官がその時の会話に応じて質問を変えることとなります。

そのため、このような口述試験対策を日頃から身につけておくことで、合格に近づくことができると考えられます。

司法書士

以下では、司法書士の口述試験に関して概要と対策方法をご紹介します。

司法書士とは、専門的な法律知識を持つ国家資格であり、裁判所や法務局への書類作成・提出を担う仕事です。

また、法務大臣から認定を受けた認定司法書士は、簡易裁判所において当事者の代理人を務めることができます。

口述試験の概要

司法書士の口述試験の概要としては、以下が挙げられます。

  • 筆記試験の合格者にのみ実施
  • 毎年10月15日に、1人15分以内で実施
  • 面接官は主査と副査の2名となる
  • 不動産登記法、商業登記法、司法書士法から出題されることが多い
  • 筆記試験と同レベルの問題である

司法書士の口述試験は、司法書士試験の出題範囲の中から上述の範囲に焦点を当てて実施されていると考えられます。

対策方法

司法書士の口述試験への対策方法としては、以下が挙げられます。

  • 筆記試験の内容を口頭で答える練習をする
  • 筆記試験と合わせて勉強予定を立てる
  • 出題がされる3つの範囲を中心に勉強する
  • 司法書士が実務で何をするのかを理解する
  • 曖昧な質問は聞き直す癖をつける

司法書士の口述試験は、毎年の試験日が確定しており、筆記試験をベースに演習を重ねておくことが効率的だと考えられます。

また、司法書士の口述試験では、面接官が合格のためにヒントを散りばめて会話してくれるので、会話を組み立てることが合格のカギとなります。

公務員

以下では、公務員の口述試験に関して概要と対策方法をご紹介します。

  • 国家公務員
  • 地方公務員

公務員は、試験難易度と就職先に応じて上述の2種類に分かれており、筆記試験は一般教養、専門試験と論文試験の3つで構成されています。

口述試験の概要

公務員試験の口述試験の概要としては、以下が挙げられます。

  • 筆記試験の後に人物試験として課される
  • 個別、集団やプレゼンテーションなどがある
  • 口述試験の回数は2回から4回程度
  • 就職先により試験内容は異なっている

公務員試験の口述試験は、筆記試験の合格者にのみ課されますが、実施回数はバラバラなので数回程度受けると想定しましょう。

対策方法

公務員試験の口述試験への対策方法は、以下が挙げられます。

  • 大学のキャリアセンターで傾向を聞く
  • OBOGや先輩から過去問題を聞いておく
  • 筆記試験の内容を口頭で答える練習をする
  • 面接官を変えて模擬練習を繰り返す

公務員の口述試験は、試験内容を絞りにくいという課題がある一方、司法系の試験のように専門的な知識が問われることは少ないと考えられます。

通常の面接のように、基本的なマナーや言葉遣いに気を配りながら、質問に対して的確に答える練習を積むことが推奨されます。

口述試験の通過率をあげるコツ

ここまで、口述試験に関して解説をしてきましたが、受かるか否かで不安や悩みを感じている方は大勢いらっしゃると思います。

そこで本見出しでは、口述試験の通過率をあげる2つのコツをお伝え致しますので、ぜひ本番にて実践ください。

清潔感のある服装でのぞむ

1つめのコツは、清潔感のある服装で口述試験にのぞむことです。

面接に関わらず、人が初対面の人に抱く印象は出会ってから数秒以内だと言われており、服装は特に大きな役割を果たすと考えられます。

  • 体型に合ったスーツを着る
  • 新品かよく磨かれた革靴を履く
  • 服装に合った鞄や小物を用いる

清潔な印象を与えるために、以上の内容を網羅して口述試験にのぞむことが推奨されます。

模擬練習を数多くこなす

2つめのコツは、模擬練習を数多くこなすことです。模擬練習とは、実践レベルの試験を本番と同様の条件下で受けることといえます。

  • 本番と同じ問題形式になれる
  • 苦手な口述試験内容をできる限り無くす
  • 実践経験を通して自信をつける

口述試験も試験である以上、絶対に受かることは保証できませんが模擬練習はこのように通過率を確実に高めると考えられます。

まとめ

口述試験とは、面接とは異なりますが司法試験や公務員の試験にて課せられており、事前の準備をできる限りして臨むことが良いとわかりました。

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