やるべきことはたくさんあるのに、思考停止に陥って何も進められないという経験は、誰でもあるはずです。どんな理由やきっかけがあるにせよ、思考停止に陥ったままでは、状況が改善されることはありません。そして、思考停止にハマる行動パターンもあるようです。そこで今回は思考停止を解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
思考停止とは
思考停止とはどんな状態をさすのかについて、正しく説明する自信がない人も多いことでしょう。ここでは思考停止の意味について、様々な観点から説明します。
思考停止の辞書的意味
Weblio辞書では、「思考停止」の意味を以下のように説明しています。
自分自身で物事について考え、判断することをやめてしまうことを意味する語。多くは批判的に用いられる語である。思考停止が起こる理由としては、何らかの要因により、権威や規範などに盲目的に従ってしまうことなどが挙げられる。
つまり脳も含めて身体機能には何の問題もないのに、考えたり判断することをやめるという意味で、用いられます。「パニックに陥って、頭が真っ白になった」という意味でも使われます。
思考停止の類義語
思考停止の類義語として、以下のものがあげられます。
- 頭が真っ白になる:誰に何をいわれても、何も考えられない状態
- フリーズする:頭がまったく働かなくなる状態
- 茫然自失:あっけにとられる、またはあきれ果てて、我を忘れた状態
置かれるシチュエーションによって使われる表現は異なりますが、自分で考えられなくなる状態をさすことに変わりはありません。
思考停止の反対語
思考停止の反対の意味は、「自分自身で物事について考え、判断すること」です。そうした意味を持つ言葉には、以下のものがあります。
- 思索する:物事について筋道立てて考えること
- 思案する:考えをめぐらせること
- 考量する:いろいろなことを考えあわせたうえで判断すること
思考停止の反対語はすべて、「自ら考える」ことを表す言葉です。
思考停止の英語表現
思考停止をさす英語表現を調べると、「unconditional acceptance」「giving up thinking」「brain freeze」「cease of thinking」などがあがります。しかし文章の中で使われる時に、こうした表現を用いることは少ないようです。
There are too much directions from a boss, and he has suspended thought.
(彼は上司からの指示が多すぎて、思考停止してしまいました)
ビジネスシーンで考えられる状況を英訳すると、上記のような表現となります。英語表現としてではなく、状況に合わせて英作文する方がよさそうです。
思考停止している人の特徴
仕事でもプライベートでも、思考停止している人を見かけた経験をもつ人は少なくないはずです。そして思考停止した人を思い浮かべると、共通点があるように思えることでしょう。
ここでは、思考停止している人の特徴について説明します。
思考停止している人の特徴|考え方編
思考停止する人にみられる、考え方の特徴は以下の通りです。
- 物事を決めつける傾向が強い:しっかり物事について考えられないので思い込みが激しく、一方的に決めつける
- 周囲に気を使えない:視野が狭くなっているうえ、周囲に関心ももたないため、空気が読めない傾向が強まる
- 何事にも疑問を持たない:自分で考える習慣がないので、どんな理不尽なことにも疑問を感じなくなる
- 他力本願:自分で考えられないため、何事も他人任せになりがち
- 夢や目標を持たない:自分の成長や将来について考えが及ばないので、夢や目標を見失っている
- 情報を鵜呑みにする:情報の真偽について考えないので、何でも鵜呑みにしてしまう
上記の考え方に多く当てはまる場合は、思考停止に陥っている可能性が高いです。
思考停止している人の特徴|行動編
思考停止する人にみられる、行動の特徴は以下の通りです。
- 準備や計画ができない:行動するにあたり何が必要かを見極められないため、事前の準備や計画を苦手とする
- 指示されないと行動できない:主体的に動くことができないため、誰かに指示されなければ何をしたらよいのかわからない
- 生活全般が同じルーティン:仕事だけでなく生活面でも毎日、同じパターンをくり返す
- 話しかけられても返事をしない:思考停止が最悪な状況まで進んでしまうと意識が飛び、話しかけられていることにすら気づけなくなる
上記の行動が多く当てはまる場合は、思考停止になりかけているかもしれません。周囲からの評価を下げることにもつながるので、対処する必要があります。
思考停止しているかどうか診断しよう
仕事の能率が悪くなっていると感じたら、思考停止に陥るサインかもしれません。それを避けるためには、セルフチェックするのがおすすめです。
ここでは自分が思考停止しているかどうかを判断するポイントを5つ、紹介します。当てはまる数が多ければ多いほど思考停止に陥っている確率が高いので、しっかりチェックしてみてください。
①毎日同じことを繰り返している
朝起きてから、夜眠るまでの1日を思い返してみてください。身だしなみを整える、出勤する、仕事をする、食事をする、入浴するなど、毎日の生活の中で同じことをくり返していたら要注意です。
友人や恋人と出かけるのは億劫でも、1人でテレビや読書、趣味などが楽しめていれば問題ありませんが、生活がワンパターンな場合は、自分で考えられていないせいかもしれません。
②人に言われたことしかやっていない
毎日同じ仕事をしていても、慣れてくると効率をよくするためにやり方に工夫を凝らしたり、周囲が働きやすいように自発的に作業を引き受けるのは珍しいことではありません。
しかし思考停止に陥っていると、自分で何かを考えることができないため、指示がないと動けなくなってしまいます。
人に言われたことしかやっていない人だけでなく、「次は何をしたらいいですか?」と質問することが多い人も注意が必要です。
③同じことを注意されやすい
思考停止になると、目の前の作業に集中することができません。そのため、ミスが多くなる傾向が強いです。しかし諦めも早くなっており、同じミスをくり返さないという気持ちが持てません。
そのため、何度も同じことを注意されやすくなります。考える、あるいは試行錯誤することが、できなくなっているといえます。
④気がついたら1日が終わっている
思考停止に陥ると生活もパターン化し、刺激のない日々を送ることになります。そして、何事にも集中できないまま、気がついたら1日が終わっている人も珍しくありません。
時間を気にするという概念がなくなることが、思考停止につながることもあります。悪化すると、何もしないまま1日が過ぎることもあるので、自分をふり返ってみましょう。
⑤自分が何をしているかよくわかっていない
思考停止したままでも、ルーティンワークをこなせる人もいます。しかし、集中力や思考力が欠けているため、作業は進めていても、自分が何をしているのかよくわかっていないケースも珍しくありません。
指示された作業であれば上司のチェックを仰げますが、自分1人で進める必要がある場合は、ミスが発生して取り返しのつかない事態を招きかねません。何より、うつ病を発症している可能性があります。
思考停止してしまう原因
今は健康な人でも、何かのきっかけで思考停止に陥ることは十分に考えられます。その原因を理解し、早めに対策しておくと、最悪の事態を避けられるかもしれません。
ここでは、思考停止してしまう原因について説明します。
原因①|キャパオーバーしている
健康な人が思考停止に陥る原因として、キャパオーバーしていることがあげられます。やる気があって、何事にも主体的に取り組む人は成長スピードも速いので、若くても仕事を任される機会が多いです。
しかし人間には許容量があり、やることがありすぎるとキャパオーバーしてしまいます。やるべきことができな状況に慣れていないため、精神的に追い詰められるケースも多く、思考停止に陥ってしまいます。
原因②|心身ともに疲弊している
ブラック企業でよくみられる思考停止のパターンとしては、心身ともに疲弊してしまっているケースがあげられます。
長時間労働や過酷なノルマにより肉体的に疲れているだけでなく、職場でのハラスメントや人間関係の悩みにより、心が疲弊する人も少なくありません。
毎日の中で感じるストレスは小さくても、それが積み重なると心身に大きな負担をかけます。思考停止状態が続いた結果、うつ病を発症する可能性も高まります。
思考停止がもたらす悪影響
思考停止が長引くと、それが習慣化してしまいます。そして習慣化した思考停止は仕事だけでなく、日常生活にも及びます。ここでは、思考停止がもたらす悪影響について説明します。
思考停止症候群になる
思考停止状態が長く続くと、「思考停止症候群」を発症するリスクが高まります。思考停止症候群とは、やるべきことがあってもなくても、スマホで動画などを見続けてしまう状態をさします。
目的をもってスマホを見ているわけではないので、脳はなんの刺激も受けていません。そして思考停止症候群になると、
- 頭が常にぼんやりする
- 体のだるさが続き、何もする気になれない
という状態になり、それが1週間・1ヶ月・1年と続くことで引きこもり化するケースもあります。
成長することがなくなる
思考停止状態の人が仕事をする時には、何も考えずにルーティンワークをこなしているだけです。同じ作業をくり返しているだけで、効率や質の向上といった努力は何もありません。
そのため、どれだけ仕事に従事しても成長することがなくなります。それでは思考停止から脱却するきっかけをつかむことができず、さらに周囲からの評価も下げてしまいます。
日本人は思考停止している人が多いと言われている
海外の人からみると、日本人は思考停止していると思われがちのようです。その理由として、以下のことがあげられます。
- 人前で自分の意見をはっきり言おうとしない
- 組織が年功序列である
- 若者の政治に対する関心の薄さ
- 多数派に同調する国民性をもつ
洋服や食べ物も流行に合わせる人が多く、個性が感じられないことも、日本人は思考停止している人が多いと言われている理由の一つでしょう。
思考停止を楽だと思ってはいけない
就活生や社会人の中には、「思考を停止して、上司の指示通りに仕事をして給料をもらえるなら、楽でいいじゃないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、AIの導入によりなくなる職業があるといわれている今、企業は思考停止の人を雇用し続けようとはしないと予想されます。
また、思考停止に陥った本人も、何の刺激も楽しみもなく、日々が無為に過ぎていることに満足しているわけではないのです。絶対に、思考停止を楽だと思ってはいけないと断言できます。
状況別|思考停止の改善方法
思考停止に陥る人と一口にいっても、生活に刺激がないタイプとキャパオーバーになっている人に大別されます。ここではタイプ別に、思考停止の改善方法を紹介します。
改善方法|代わり映えのない生活を送っている人編
社会人にも、もともと物事について考える習慣がない人もいます。しかし、仕事をするうえでその習慣は、マイナスにしかなりません。
ここでは、代わり映えのない生活を送っている人にピッタリな改善方法を紹介します。
日記をつける
まず、日記をつけることから始めましょう。3年日記や5年日記にすれば、書く文章量が少ないので続けやすいです。そこに、その日の行動やどんな気持ちになったのかを、思うままに綴ります。
日記を書いているうちに、自分の気持ちと向き合えるようになります。自分の気持ちを素直に書くことで、自分が何を考えているのかを明らかにすることが重要なのです。
読書する
読書も、視野を広げる意味でも改善のきっかけになります。思考停止に陥っている人は、古い習慣に縛られていることが多く、噂や情報を鵜呑みにする傾向が強いです。
読書を通して様々な考え方に触れ、物事を多角的にみられるようになれば、自分なりの考えも浮かぶようになります。ビジネス書でなくてかまわないので、まずは本を読む習慣をつけましょう。
多様な人と話す
毎日家族や職場の人としか会わなければ、会話があっても刺激を得るのは難しいものです。だからこそ、友人と会ったり、勉強会に参加するなどして、多用な人と話す機会を設けましょう。
最初は疲れるかもしれませんが、自分とは異なる価値観に触れ、意見を求められることで、否応なしに考える状況に追い込まれれば、改善するチャンスがつかめるかもしれません。
思い切って環境を変えてみる
思考停止から脱却したいなら、思いきって環境を変えるのもおすすめです。引っ越しや転職など、これまでとは違う生活を余儀なくされる状況に、自分を追い込むのです。
苦労やトラブルもあるかもしれませんが、それに対処することで考える力が磨かれていきます。自分を変えることにもつながるので、チャレンジしてみてください。
改善方法|キャパオーバーしている人編
業務量の多さや締切りに追われてキャパオーバーしている人は、自分を働ける状況に戻すことが大事です。ここでは、キャパオーバーにより思考停止している人の対処法を紹介します。
タスクを整理する
まず、自分が抱えているタスクを、すべて書き出してみましょう。次にタスクの横に締め切り日を書き込みます。それができれば、仕事の優先順位をつけやすくなるはずです。
このようにタスクを整理すると、やるべきことが明確になります。自分では処理しきれない業務は、上司にも相談のうえ、周囲に協力を仰ぎましょう。
自分のできる範囲を把握する
キャパオーバーしている人の中には、自分の能力を過信しているケースが珍しくありません。業務にかかる作業時間やスケジュールに対する考え方を読み間違うと、できると思っていた仕事が終わらず、フリーズしてしまうものです。
だからこそ、自分ができる仕事の範囲を把握することから始めましょう。作業時間を理解するためには、業務をするごとにかかった時間を記録するのが一番です。それをくり返すうちに、自分の作業ペースを把握できるようになります。
他人に頼る
能力の高い完璧主義者は、自分が大変でも他者に弱みを見せたくないと思いがちです。その結果、終わらない仕事をいつまでも抱えてしまい、思考停止に陥るのです。
そうならないためには、他人に頼ることが大事です。すべてを丸投げするのではなく、担当業務のどの分を手伝ってほしいのかを明確にすると、周囲に協力者が増えるはずです。
少し休む
大きなプロジェクトを終わらせて燃え尽きたり、業務が膨大で残業や休日出勤が続いたことで思考停止になっているなら、少し休むのもおすすめです。
心身に披露が蓄積したから思考停止になっているのですから、有給をとってでも、1日仕事について考えない日をつくりましょう。
リフレッシュできれば、思考停止から脱却できるきっかけがつかめる可能性があります。
思考停止している人にオススメの本3選
近年は、思考停止をテーマにした書籍も多数販売されています。一読することで、変わるチャンスがつかめるかもしれません。ここでは、思考停止している人におすすめの本を3冊、紹介します。
①思考停止という病-苫米地栄人著
1つめは、苫米地栄人著の「思考停止という病」です。自分で考える人と考えない人を比較しながら、なぜ人間は考えることをやめてしまうのか、そこから脱却するにはどうしたらよいのかが開設されています。思考停止状態から脱却したい人におすすめです。
②〝思考停止人生”から卒業するための個人授業-潮田滋彦著
2つめは、潮田滋彦著の「〝思考停止人生”から卒業するための個人授業」です。29年間、企業内人材開発講師として活動した中でうまれた成功事例に基づき、考える力をつけるためのノウハウを紹介しています。
③脳が冴える15の習慣-築山節著
3つめは、築山節著の「脳が冴える15の習慣」です。生活習慣を変えることで、脳に刺激を与える方法が説明されています。集中力や思考力が低下して、近頃ぼんやりすることが増えた人にピッタリです。
まとめ
今回は、思考停止とは何か、当てはまる人の特徴やそうなる原因、改善方法について解説しました。
思考停止すれば、将来のことを考えて不安になることも、気に病むこともなくなるかもしれません。しかし、それは現実逃避でしかなく、いつかその代償を払うことになります。
そうした事態を避けたいなら、小さなことから始めればよいのです。まずは自分の生活をふり返り、問題点を探してみましょう。